Day: March 26, 2026
2025年末のデータセンター建設、電力制約で減速
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は3月25日、データセンター建設が2025年末に減速したと報じた。送電線増強や新設、電気設備の追加などが必要な案件が工期に大きな影響を与え、6年ぶりの減速となった。不動産サービス大手のCBREグループ社(CBRE Group)によると、ハイパースケーラーのインフラ投資拡大にもかかわらず、建設中容量は前年同期比で約6%減少し、主に送電線増強や電気設備の追加が工期を圧迫した。ウッド・マッケンジー社(Wood Mackenzie)の調査でも、2025年10~12月期の建設追加容量は前期比で50%減の25ギガワット(GW)となった。ただし、多くのデータセンターが建設中にあることや、年間の開発計画容量は高水準を維持していることから、市場全体の投資意欲はなお根強いという。デルオロ・グループ(Dell’Oro Group)は2025年の設備投資が前年比57%増の7,000億ドル超に拡大し、今年は1兆ドルを超えると見込む一方、巨額投資が将来的なAIインフラの過剰供給リスクを高める可能性があるとも分析している。 Utility Dive “Data center buildouts slowed late last year” (03/25/26) https://www.utilitydive.com/news/data-center-building-boom-slows-despite-massive-spend/815694/
LBNL、マイクログリッド導入に関する地域指針を公開
ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory: LBNL)は3月25日、地域社会がマイクログリッドを導入する際に直面する法規制の影響を評価し、解決策を提示する報告書シリーズを発表した。異常気象を背景に、地域エネルギーの安全保障に対する需要が高まる一方、中央集権的な枠組みに基づく既存の法制が普及の足かせとなっていることから、実践的な枠組みと事例を提示することで、地域のリーダーが法的リスクを管理し、関係機関との協議を円滑に進めるよう支援していくものである。技術的知識を持たない意思決定者に向けた全3部構成で、相互接続や許認可などの基礎的な政策課題や、単一施設における公益事業分類の回避策の分析に加え、様々な事例を紹介した上で、公道横断を伴う複数施設間の権利課題を比較検討している。 Barkeley Lab “New Berkeley Lab report series guides communities through microgrid regulatory barriers” (03/25/26) https://emp.lbl.gov/news/new-berkeley-lab-report-series-guides-communities-through-microgrid-regulatory
連邦航空局、空港へのドローン導入に向け意見を募集
FEDSCOOPは3月23日、無人航空機システムの急増に伴い、連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)が空港へのドローン導入に向けた基準策定のため意見を募集していると報じた。FAAは、専用施設であるドローンポート(離着陸場所)の整備や空港設計の最適化に向け、製造業者や軍などの関係者から情報収集し、寄せられた意見を基に今後の運用評価や標準化の形成に役立てる。先月発生した2件の事案が背景にあり、省庁間の連携不足による混乱で空域が一時的に制限されたことを受け、上院商務・科学・運輸委員会(Senate Commerce, Science and Transportation Committee)が調整体制の不備を厳しく批判していた。国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)や連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency: FEMA)は防御能力構築を急務とし、国防総省(Department of Defense)や司法省(Department of Justice)も違法運用に対して厳しい罰則を設け、政府全体で安全確保に努めるという。 FEDSCOOP “FAA seeks input on drone integration at airports” (03/23/26) FAA seeks input on drone integration at airports
FCC、外国製ルーター輸入を禁止
アーステクニカ(Ars Technica)は3月25日、連邦通信委員会(Federal Communications Commission: FCC)が外国製ルーターの輸入及び販売を禁止すると発表したと伝えた。トランプ大統領の国家安全保障指示に基づく措置で、国防総省(Department of Defense)や国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)から承認を得たもの以外は市場参入が認められなくなる。対象となるのは、製造、組立、設計、開発のいずれかの段階で外国に依存するすべての消費者向けルーターで、既存商品は販売が継続される。政府は、悪意のある国家・非国家主体によるサイバー攻撃に外国製ルーターの脆弱性が悪用されていると指摘しており、同規制が国民の生活空間と重要インフラ保護に必要であると強調している。なお、条件付き承認を求める企業には、米国製造施設の設立・拡大計画の提出が求められ、既認可品については2027年3月1日までにセキュリティパッチやソフトウェア、ファームウェア更新を許可する特例措置を認め、更なる期間延長も検討しているという。 Ars Technica “FCC imposes sweeping ban on foreign-made routers, affecting all new models ” (03/25/26) https://arstechnica.com/tech-policy/2026/03/trump-fcc-prohibits-import-and-sale-of-new-wi-fi-routers-made-outside-us/
NASA、原子力宇宙船で火星探査へ
サイエンス誌は3月24日、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)が2028年12月に原子力宇宙船「宇宙原子炉1号フリーダム(Space Reactor-1: SR-1 Freedom)」を火星に向けて打ち上げ、3機のヘリコプターを火星表面探査に利用すると報じた。NASAは、同ミッションを「月を超えた火星及び太陽系外縁部への持続的探査に必要な開発」と位置付け、1960年代以来となる宇宙旅行を原子力で実証する予定である。SR-1フリーダムは低濃縮ウランを燃料とする20キロワット(KW)級の小型核分裂炉から熱を電気に変換し、推進力を生み出す仕組みで、その多くはすでに月周回有人拠点(Gateway)向けに製造されたものを利用する。一方、3台のヘリコプターはエアロバイロンメント社(AeroVironment)が火星探査機「パーサビアランス(Perseverance)」に搭載した小型ヘリコプター「インジェニュイティ(Ingenuity)」の後継機で、カメラと地中レーダーを使って、水氷の探索と将来の人類着陸地点の候補地を偵察するという。 Science “NASA plans to send a nuclear-powered spacecraft to Mars in 2028” (03/24/26) https://www.science.org/content/article/nasa-plans-send-nuclear-powered-spacecraft-mars-2028
合同省庁タスクフォース401、対無人機システムを追加購入
国防総省は3月24日、合同省庁タスクフォース401(Joint Interagency Task Force 401: JIATF 401)が、北方軍(U.S. Northern Command)と戦略軍(U.S. Strategic Command)を支援する対無人機システムの追加契約を締結したと発表した。国内防衛構想「ドメスティック・シールド(Domestic Shield)」の一環で610万ドルを投じ、スマートシューター社(SmartShooter)の「スマッシュ2000LE(Smash 2000LE)」210基とエアロバイロンメント社(AeroVironment)の「タイタン・ケルベロスXL(Titan Cerberus XL)」1基を調達する。契約は戦時対応として異例の速さで実施された。ドローン脅威が拡大する中、基地や重要防衛インフラを守る多層防衛の強化が目的で、軍は探知、リアルタイム追尾、非運動・運動の両対処手段を備えた層状防御の必要性を説明した。また、国土安全保障省(Department of Homeland Security)と連携し首都圏向けにレーダー2基を配備して地域の探知・対処能力を強化し、指揮統制用インターフェース「ラティス(Lattice)」の統合も進める。 Department of Defense “Joint Interagency Task Force Awards Critical Counter-UAS Contract” (03/24/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4441635/department-of-war-and-honeywell-aerospace-forge-agreement-to-surge-production-o/
EPA、夏季のE15販売を承認 燃料供給ひっ迫を回避
環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は3月25日、E15の販売を認める緊急燃料免除措置の発動に加え、E10向けの州別特殊燃料市場に関する連邦規制の一時免除を発表した。5月1日に発効し、同月20日まで適用する。大気浄化法(Clean Air Act)に基づく最長20日間の運用で、揮発性規制により夏季販売を制限していたE15を解放することで、ガソリン供給のひっ迫と価格是正に対応する。また、州ごとに異なる独自仕様燃料「ブティック燃料(Boutique fuel)」規制についても連邦レベルの執行を一時的に免除することとした。リー・ゼルディンEPA長官(Lee Zeldin)は、家計負担の軽減と安定供給に資する措置であると強調したほか、ブルック・ロリンズ農務長官(Brooke L. Rollins)は、バイオ燃料需要の押し上げと農家支援につながると歓迎しつつも、通年販売には議会による恒久対応が必要と指摘した。E15は既に全米3,000超の給油所で扱われており、EPAは今後も業界や関係省庁と供給動向を監視し、必要に応じて免除措置の延長も検討する。 EPA “EPA Fortifies Domestic Fuel Supply, Provides Americans with Relief at the Pump by Approving Nationwide E15 and Removing Boutique Fuel Markets for E10” (03/25/26) https://www.epa.gov/newsreleases/epa-fortifies-domestic-fuel-supply-provides-americans-relief-pump-approving-nationwide
THAAD迎撃ミサイル シーカー生産を4倍化 防衛産業基盤の強化へ
国防総省は3月25日、BAEシステムズ社(BAE Systems)とロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)との協定により、終末段階高高度地域防衛システム(Terminal High Altitude Area Defense: THAAD)迎撃ミサイルのシーカー(追尾装置)生産を4倍に引き上げることを発表した。ロッキード社とのTHAAD迎撃ミサイル生産拡大計画に続くもので、防衛産業基盤全体の供給網確保を通じて、米国と同盟国の防衛能力を大幅に強化する。同省は、長期的な需要見通しの提示により、産業界からの投資拡大と人員採用を促す方針を示しており、防衛産業基盤を戦時体制へ移行させるための包括的な取り組みの一部と位置付けている。軍需品配備加速評議会(Munitions Acceleration Council)の主導下で推進される「自由の武器庫(Arsenal of Freedom)」構想に基づき、供給障壁の解除と産業界との連携強化を通じて、有事対応能力の大幅な向上を目指す。 Department of Defense “Department of War Secures Agreement on THAAD Seeker Production, Quadrupling Output to Bolster America’s Missile Defense” (03/25/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4441614/department-of-war-secures-agreement-on-thaad-seeker-production-quadrupling-outp/
ハネウェル社と国防総省、弾薬部品増産で枠組み合意
国防総省は3月25日、ハネウェル・エアロスペース社(Honeywell Aerospace)と弾薬備蓄に不可欠な主要部品の生産を大幅に増強するための枠組み合意を締結したと発表した。主に航法システム、ハネウェル・アシュア(Honeywell Assure)アクチュエーター、電子戦ソリューションを対象とし、これに伴い、同社は5億ドルを投じる。元請けだけでなく供給網全体の増産を促し、防衛産業基盤の即応性と耐久性を高めていくとし、同省は、長期かつ安定した需要見通しを示すことで民間投資を呼び込むことを狙いとしている。取り組みは軍需品配備加速評議会(Munitions Acceleration Council)を通じた省内連携下で進めるとし、具体的には兵器生産のボトルネック解消を進め、抑止力と継戦能力を支える供給体制を強化する。国防関連組織全体が連携し、供給網末端まで需要を認識させることで重要部品供給力を持続的に引き上げていく試みで、これまでにロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)やRTX社(RTX)などの元請け企業も協働している。 Department of Defense “Department of War and Honeywell Aerospace Forge Agreement to Surge Production of Critical Munitions Technology” (03/25/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4441635/department-of-war-and-honeywell-aerospace-forge-agreement-to-surge-production-o/
NSF、全米のAI対応化に向け総合支援策を発表
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は3月25日、全米のあらゆる労働者、企業、地域コミュニティの人工知能(AI)利用推進を目的とした包括的な支援プログラム「技術アクセス:AIレディ・アメリカ(TechAccess: AI-Ready America)イニシアティブ」を発表した。農務省食品農業総合研究所(United States Department of Agriculture National Institute of Food and Agriculture: USDA NIFA)、労働省(Department of Labor)、中小企業庁(Small Business Administration: SBA)と連携し、全米を網羅する最大56カ所のハブを選定し、国民へのAI知識、ツール、訓練、能力構築へのアクセスを拡大する。AIリテラシーの向上、中小企業や地方政府へのAI導入支援、実践的な学習経路の構築が目的で、革新的なアプローチを試験的に導入し、成功したモデルを全米規模に展開する仕組みとした。これに伴いNSFは各ハブに年100万ドルを3年間に亘り投資し、4年目の継続も検討している。詳細は4月14日のウェビナーで、申込期限は6月23日(東部夏時間午後5時)とした。 NSF “NSF initiative aims to make every American worker, business and community AI-ready” (03/25/26) https://www.nsf.gov/funding/initiatives/ai-ready/updates/nsf-initiative-aims-make-every-american-worker-business