ボーイング社、飛行タクシー開発業者のウィスク社に4億5,000万ドルを投資

ボーイング社(Boeing)は1月24日、ウィスク・エアロ社(Wisk Aero)に4,500万ドルの追加投資を行い、同社が進めている「操縦士のいない未来の飛行タクシー」の開発を加速することを発表した。カリフォルニア州を拠点とするウィスク社は、ボーイング社と、キティ・ホーク社(Kitty Hawk)(グーグル社(Google)の共同創立者であるラリー・ページ氏(Larry Page)が立ち上げた飛行車両会社)が所有者となっており、十社以上ある「電気式垂直離着陸機(electric vertical takeoff and landing: eVTOL)」メーカーの一つであるが、自動運転飛行に焦点を当てている点が他社と異なる。業界関係者によれば、ウィスク社の旅客機は2028年頃に許認可を取得する見込みで、ボーイング社は、「自動運転旅客機として米国内で初めて許認可を取得するだろう」と発表している。 CNBC “Boeing invests $450 million in flying taxi developer Wisk” (1/24/22)

MITエネルギー・イニシアチブ、新たに未来エネルギー・システム・センターを始動

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)のエネルギー・イニシアチブ(MIT Energy Initiative: MITEI)は、新たな研究コンソーシアム、「未来エネルギー・システム・センター(Future Energy Systems Center)」を立ち上げた。気候危機と、その問題の解決においてエネルギー・システムが果たすことができる役割に対処する。MITの様々な分野の研究者が参加し、世界のコミュニティが正味ゼロ炭素の目標に到達できるよう支援する。センターは、エネルギー移行を加速させる方法について検討し、業界のリーダーと協力して世界のエネルギー・システムの改革に取り組む。未来エネルギー・システム・センターは、MITが気候危機への対処として昨年発表したMITの複合型取り組み「前進:MITの十年間気候行動計画(Fast Forward: MIT’s Climate Action Plan for the Decade)」の一部である。 Massachusetts Institute of Technology “MIT Energy Initiative launches the Future Energy Systems Center” (1/24/22)

メタ社、新たなAIスパコンを発表

メタ・プラットフォームズ社(Meta Platforms Inc.)は1月24日、同社の研究チームが新たな人工知能(AI)スパコンを構築したと発表した。「AI研究スーパークラスター(AI Research SuperCluster)」と称するこのスパコンは、パンデミックの中、しばしば遠隔で実施された約2年間の取り組みの成果である。フェイスブック社(Facebook)を運営するメタ社のAI及びインフラストラクチャ・チームが主導し、Nvidia社やペンギン・コンピューティング社(Penguin Computing Inc.)などのパートナー企業の研究者を含め、数百名が開発に関与した。AI研究スーパークラスターは夏半ばまでに完成し、約1万6,000個のGPUが搭載され、世界最速のAIスパコンになるという。スパコンの設置場所や費用については明らかにされていない。 Wall Street Journal “Meta Unveils New AI Supercomputer” (1/24/22)

NIHの研究プロジェクトのグラント資金配分における不平等

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の外部研究局(Office of Extramural Research)のマイケル・ラウアー局長(Michael S Lauer)らは昨年9月、eライフ(eLife)誌に「国立衛生研究所の研究プロジェクトのグラント資金配分における不平等性(Inequalities in the distribution of National Institutes of Health research project grant funding)」と題する論文を発表した。1998年から2020年にNIHの研究プロジェクト・グラント(Research Project Grant: RPG)アワードによる支援を受けた主任研究者(Principal Investigator: PI)及び組織における不平等性(資金受益者が比較的少数の研究者に集中している)に関して調査したものである。それによれば、①1998年以来、PIにおける不平等性は高まっており、それは特に上級レベルとNIHの予算が増大した時に顕著である、②近年は、RPGのIPにおける不平等性は緩やかに緩和されているかもしれない、③RPGのPIにおける不平等性の大半は、グループ(例として、キャリア段階や性差、人種、学位によるグループ分け)間よりも、グループ内で見られる、といった結論が提示されている。 extramural NEXUS “Inequalities in the Distribution of National Institutes of Health Research Project Grant Funding” (1/18/22)

半導体市場、2022年は6,000億ドルに達する見通し

デロイト社(Deloitte)が発表した報告書によれば、半導体不足やサプライチェーン問題があるにもかかわらず、半導体企業の売上は今年、過去最高となる見込みで、世界的な売上は初めて6,000億ドルを超える見通しである。ただし、昨年に25%を記録した成長率は、今年は10%に鈍化することが予測されている。今年の業界トレンドとして、①半導体の重要性は更に増加、②品不足とサプライチェーン問題は今年前半も続き、後半に緩和する見込み、③人材不足問題の早急な解決は不可能、④半導体業界内のデジタル変革は継続かつ加速、の4点が指摘されている。 Venture Beat “Report: Semiconductor industry expected to reach $600B in 2022” (1/21/22)

米国の大学修士・博士課程、米国市民及び永住権保有者の入学増加と一時ビザ保有者の入学減少

新型コロナ(COVID)のパンデミックが大学院レベルの科学・工学・医療教育にもたらした影響を理解するため、2020年の「科学・工学における大学院生及びポスドク調査(Survey of Graduate Students and Postdoctorates in Science and Engineering)」には、COVID影響モジュール(COVID Impact Module)(質問)が含まれた。大学からの回答によれば、2020年秋の入学状況は、①博士課程の入学者は修士課程の入学者より安定、②米国市民及び永住権保有者の入学は、一時ビザを保有する学生の入学より安定、していたことが判明した。記事ではこの他、入学に関する大学の方針の変更、ポスドク任命と博士課程を保有する非教員研究者に関する方針の変更に関するモジュールの結果について記述している。 National Center for Science and Engineering Statistics “Universities Report Growth in U.S. Citizen and Permanent Resident Enrollment along with Declines in Enrollment of Temporary Visa Holders at Master’s and Doctoral Levels Due to the COVID-19 Pandemic” (1/21/22)

DARPA、GPSを使用せずにGPS同等の正確な時間を提供する方法を模索

現代の戦闘においては、数十億分の1秒まで正確に時間を同期化させることがミッションを成功させる上で極めて重要であり、ハイテクのミサイルやセンサーなどは、ナノセカンドの正確な時間をGPS衛星の原子時計に依存している。このため、もしGPSが敵対者によって妨害された場合、正確な時間の同期化は即時に乱れ、軍事活動に影響をもたらす。こうした筋書きに対処するため、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「頑強な光学時計ネットワーク(Robust Optical Clock Network: ROCkN)」プログラムを発表した。本プログラムは、正確な時間を示し、GPSの原子時計よりも長時間継続し、研究室外部で使用できる、低SWaP(サイズ、重量、電力)の工学原子時計を創出することを狙いとしている。 Defense Advanced Research Project Agency “Providing GPS-quality timing accuracy without GPS” (1/20/22)

MIT報告、世界的な医療エコシステムを再考するためのソリューション案を提示

新型コロナのパンデミックは生命科学のエコシステムに衝撃をもたらし、科学コミュニティは共通の目的を持ち、世界的な公衆衛生問題に対処する経路を考え直すことで団結した。そのイノベーションの加速を支援するため、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)の集合的知性センター(MIT Center for Collective Intelligence)、MITメディア・ラボ(MIT Media Lab)のコミュニティ・バイオテクノロジー・イニシアチブ(Community Biotechnology Initiative)、ミリポアシグマ(MilliporeSigma)(独メルク社(Merck KGaA)の米国とカナダにおける生命科学事業活動)は、世界中から200名以上の思考リーダーを集め、パンデミックが引き起こした混乱を捉え、生命科学を将来へと導く助けとなるソリューションを特定することに取り組んだ。この専門家グループによるデータ主導型の洞察が盛り込まれた包括的報告書「生命科学スーパーマインド(Life Science Supermind)」が今般公開された。世界の医療エコシステムを再考し、現在と未来の医療の対応力を強化するために、最も実行可能で影響力のあるソリューションの特定を試みたこの報告書は、集合的知性が持つパワーを実証するものである。 Massachusetts Institute of Technology “Life Sciences Supermind Report outlines proposed solutions to re-imagine the global health ecosystem” (1/24/22)

OSTP、新たな上級スタッフの就任を発表

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は1月20日、上級リーダーシップ・チームに以下の通り新たに3名が加わることを発表した。①2021年秋以来、上級顧問(Senior Advisor)及びOSTP首席補佐官代理(OSTP Acting Chief of Staff)を務めていたマーク・エイディノフ氏(Marc Aidinoff)が首席補佐官(Chief of Staff)に就任。②2021年夏以来、OSTP長官特別顧問(Special Advisor to the Director at OSTP)を務めていたケビン・ロー氏(Kevin Lo)が副首席補佐官(Deputy Chief of Staff)に就任。③2021年1月以来、大統領府スタッフ秘書局(White House Office of the Staff Secretary)の首席補佐官(Chief of Staff)を務めていたジェニー・ガオ氏(Jenny Gao)がOSTP長官上級顧問(Senior Advisor to the OSTP Director)に就任。 White House “White House Office of Science and Technology Policy Announces Senior Staff Additions” (1/20/22)

米政権ナンバー2の気候外交官が退任へ

昨年、バイデン政権のナンバー2の気候大使として、21カ国へ渡航し、国際気候協定の交渉に取り組んだジョナサン・パーシング氏(Jonathan Pershing)が来月、退任することが明らかになった。昨年英国グラスゴーで行われた国連会議で、約200か国が地球温暖化による気温上昇を摂氏1.5度以内に抑えるという誓約を再確認したが、実質的に、米国を含むほぼ全ての国がその目標を達成するための政策を有していない。その代わり、諸国は11月にエジプトで改めて会議を行うことに合意した。中国は、グラスゴーで米国との合同声明に署名し、協力することを約束した。パーシング氏は、4人の大統領の下で務め、2015年のパリ気候協定交渉に関わり、オバマ政権の終了時に退任する前は米国気候大使を務めていた。退任後は、ヒューレット財団(Hewlett Foundation)の気候プログラム管理を担当した。今回の退任後は同職に戻る計画である。同氏は、ニューヨークタイムズ紙(New York Times)とのインタビューで、1年の任期のつもりで就任したことや、これまでの4年間は大きな後退であり、グラスゴーでの成果は前進であると考えられること、中国に大きな変化があったことは大幅な進展であると考えていることなどを話している。 New York Times “No. 2 Climate Diplomat to Leave Post” (1/21/22)