ロスアラモス国立研究所、エヌビディア社との協力によるスパコンの詳細を発表

5月23日に行われた2022年国際スパコン会議(International Supercomputing Conference 2022)で、ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory: LANL)は、研究所の多様なミッションのニーズに対応するべく、エヌビディア社(Nvidia Corp.)との共同作業で行っている高性能コンピューティング・システム開発の新たな詳細を発表した。LANLは、エヌビディア社のグレース(Grace)CPUを導入する米国初の顧客となり、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ社(Hewlett Packard Enterprise: HPE)がシステム・プロバイダとなる。システムはまた、エヌビディア社のグレースCPU及びグレース・ホッパー・スーパーチップ(Grace Hopper Superchips)を米国で初めて搭載する。新たなシステムは、ニューメキシコ州タオス近郊の山、ベナード・ピーク(Venado Peak)にちなんで「ベナード(Venado)」と呼称される。ベナードにより、マテリアル科学、エネルギー関連、モデリング及びシミュレーションなど、研究所のポートフォリオ全般で様々な研究が可能になる。ベナードは2023年に導入される予定である。 Los Alamos National Laboratory “Los Alamos National Laboratory announces details of supercomputer collaboration with Nvidia” (5/30/22)

エネルギー省、クリーン・エネルギー・サイバーセキュリティ・アクセラレータ(CECA)への参加を募集

エネルギー省(Department of Energy)のクリーン・エネルギー・サイバーセキュリティ・アクセラレータ(Clean Energy Cybersecurity Accelerator: CECA)は、現代の電力グリッドを保護し、試験済みのソリューションを迅速に市場化するため、分散型エネルギー資源について優れた認証を提供できるサイバーセキュリティ・ソリューション・プロバイダの参加を募集している。CECAは、革新的なサイバーセキュリティ技術を強化することを目的とし、最も急務なセキュリティの溝を特定し、初期段階にソリューションを開発できる革新的なソリューション・プロバイダを支援する。CECAの主要な特徴は、ユーティリティ機関とのパートナーシップである。これによって、試験される革新的技術や、新技術が即座に恩恵をもたらす経路について、方向性を提示することができる。CECAは最初のコホートとして、最大5件の参加者を選出する。 Department of Energy “U.S. Department of Energy’s Clean Energy Cybersecurity Accelerator Opens Call for Participants, Announces New Partners” (6/6/22)

OSTPと米国地球変動研究プログラム(USGCRP)、2022-2031年十カ年戦略草案へのパブコメを募集

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は、米国地球変動研究プログラム(U.S. Global Change Research Program: USGCRP)を代表して、「2022-2031年USGCRP十カ年戦略的計画(USGCRP Decadal Strategic Plan, 2022-2031)」草案へのパブコメ募集を、連邦広報(Federal Register)で公示した。戦略的計画は、一般市民との積極的な関与を通じて得た情報を基に、連邦政府内の地球変動研究に関するUSGCRPのビジョンを詳述し、こうした研究の目標と優先事項を確立するものである。OSTPは、戦略的計画を支える4本柱へのフィードバックの他、①地球気候変動及び(または)その対応に関する新興で大規模な科学的問題に関するアイデア(特に省庁間の共同作業が重要な点)、②気候変動への社会的対応へ情報提供として、科学がなぜ、どのように利用されているか(または利用されていないか)に関する具体的な情報、などについて意見を募集している。 White House “White House Office of Science & Technology Policy and U.S. Global Change Research Program Request Comment on Draft Decadal Strategic Plan, 2022–2031” (6/6/22)

大統領府、東南アジアからのソーラー電池及びモジュールの輸入に関する期限と非課税措置を暫定的に延長

米国内に設置されるソーラー・モジュールの大半は輸入されており、東南アジア諸国は全輸入の約4分の3を占める(2020年)。しかし、米国は最近、十分な量のソーラー・モジュールを輸入できず、ソーラー・モジュールやモジュール部品の急激な不足は、突如、ソーラー発電能力の追加に短期的なリスクをもたらしている。こうした中、バイデン大統領は、予想される顧客需要に対応する十分な発電が脅威にさらされているとして緊急事態宣言を行い、商務長官(Secretary of Commerce)に対し、この緊急事態への救済措置を提供するために適切な措置を講じることを検討し、宣言から24カ月間(もしくは緊急事態宣言が取り消されるまで)、カンボジアやマレーシア、タイ、ベトナムなど東南アジア諸国から輸入される特定のソーラー電池及びモジュールについて関税の対象外とすることなどを指示した。 White House “Declaration of Emergency and Authorization for Temporary Extensions of Time and Duty-Free Importation of Solar Cells and Modules from Southeast Asia” (6/6/22)

USPTO、気候変動軽減パイロット・プログラムの始動を発表

米特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)は、気候変動軽減パイロット・プログラム(Climate Change Mitigation Pilot Program)を発表した。本パイロット・プログラムの下、適格の非暫定的な(nonprovisional)特許出願で、温室効果ガス排出を削減して気候変動を軽減するものについては、ファースト・アクション・オン・メリット(first action on the merits: FAOM)(大半の場合は、最初の出願に関する最初の拒絶通知)が行われるまで、順番を越えて先へ進むことができる。出願者は、審査プログラムの迅速化や優先付けのために必要とされる現行要件を満たす必要はない。「これは、気候変動などの主要な技術分野を含め、イノベーションを奨励するためにUSPTOが行っている継続的な取り組みの一環である」とキャシー・ヴィダルUSPTO長官(Kathi Vidal)は述べる。このパイロット・プログラムは、環境品質やエネルギー保全、再生エネルギー開発、その他の気候関連のトピックに関係する特許出願の加速的審査を模索するUSPTOのコミットメントの一部である。 U.S. Patent & Trademark Office “USPTO announces launch of Climate Change Mitigation Pilot Program” (6/3/22)

バイデン大統領、クリーンエネルギーの国内製造を促進するための大胆な行政措置

バイデン大統領は、議会にクリーンエネルギーの投資及び減税を可決するよう推進し続ける一方、政権発足以来のクリーン・エネルギー分野の進展を早急に強化し、米国製クリーンエネルギーの未来へと橋渡しをするための大胆な行動を講じている。具体的には、大統領は6月6日、①国防生産法(Defense Production Act: DPA)を使用して、ソーラー・パネル部品を含むクリーンエネルギー技術の国内生産を加速させることを承認、②マスター・サプライ合意(Master Supply Agreement)(国内生産されたソーラー・システムの速度と効率性を高め、国内クリーン電力提供事業者が自社製品を米政府へ販売できる)などの革新的ツールの開発を指示し、連邦の調達権限を最大限に生かす形で国内ソーラー製造能力の強化を促す、③国内の製造事業者が急速に拡大する中、米国のソーラー発電導入事業者が必要とする部品の供給を確実にできるよう、24カ月間のつなぎ措置を実施する、といった措置を発表した。 White House “FACT SHEET: President Biden Takes Bold Executive Action to Spur Domestic Clean Energy Manufacturing” (6/6/22)

DARPA、信頼できるAIの向上を目的としたANSRプログラム立ち上げ

最近の機械学習(ML)アルゴリズムや確証技術の向上にもかかわらず、高度な自律性は依然として難しい。その理由は二つあり、一つは、データ主導型のMLには透明性、相互解釈性、頑強性が欠けており、持続不可能な計算及びデータのニーズがあること、もう一つは、知的アプリケーション及び自律システムを構築する従来型の手法は知識表現と記号推論に依存しており、確実ではあるが、実世界で直面する不確実性に頑強ではないことである。このようななか、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)による新たな人工知能(AI)プログラム「確実なニューロ・シンボリック学習と推論(Assured Neuro Symbolic Learning and Reasoning: ANSR)」は、こうした課題に対し、シンボリック推論(記号推論)とデータ主導型学習を統合して、頑強で確実で信頼できるシステムを創出するというハイブリッド型AIアルゴリズムで対処することを模索する。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA’s ANSR to Improving Trustworthy AI” (6/3/22)

DARPA、脳損傷を予防する安全かつ効果的な総合対策措置を開発へ

兵士は、外傷性脳損傷(traumatic brain injury: TBI)の高いリスクに直面しており、それは結果として、兵士だけでなく、その家族や友人、医療インフラを消耗させる長期的な負担につながる可能性がある。現行の対策措置は物理的な保護手段(車両やヘルメットなど)への依存であり、治療は限定的である。こうした中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「コーナーストーン(Cornerstone)」プログラムは、脳損傷を予防する安全かつ効果的な総合対策措置の開発を狙いとしている。人が脳損傷を受けると、複雑な事象がドミノ現象のように矢継ぎ早に連続して起こる。それは、損傷した瞬間の細胞または分子レベルでの初期反応に始まり、その後、それぞれ別々に異なる一連の分子事象が平行的かつ急激に拡大し、それは数週間から数か月続く可能性があり、それぞれ異なる治療を必要とする。コーナーストーン・プログラムは、損傷直後の初期反応をターゲットとし、それによって複数のターゲットを同時に治療する必要性を軽減することを狙いとしている。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Developing Safe and Effective Integrated Countermeasures to Prevent Brain Injury” (6/2/22)

CSET、クワッド(日米豪印)間のAIについて報告書を発表

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「クワッドAI:米豪印日間のAI関連の協力に関する評価(Quad AI: Assessing AI-related Collaboration between the United States, Australia, India and Japan)」と題する報告書を発表した。四か国安全保障対話(Quadrilateral Security Dialogue)(通称「クワッド」)は、半公式ながら戦略的意味合いの大きい4か国(日米豪印)のグループで、重要かつ新興技術に関する協力は、クワッドの議題の主要な要素となっている。クワッドは特に、人工知能(AI)の責任ある開発における協力強化に関心を持っている。報告書は、AI研究及びAI投資の双方についてファインディングを示しているが、大きな特徴として、オーストラリア、日本、インドは、米国及び中国の双方との関係において、AI関連の緊密な研究・投資関係を有しているが、3カ国間の互いの協力ははるかに小規模である点が指摘されている。 Center for Security and Emerging Technology “Quad AI: Assessing AI-related Collaboration between the United States, Australia, India, and Japan” (5/22/22)

CNAS、新たな米国産業政策枠組みを提言

米中間の戦略的競争により、米国の政策策定者と企業のリーダーによる関与の在り方はリセットが求められており、経済的競争力と安全保障の問題は、双方の区別がつきにくくなっている。こうした中、新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は、「再起動:米国の新たな産業政策のための枠組み(Reboot: Framework for a New American Industrial Policy)」と題する報告書を発表した。報告書は、米経済の急進的な改革やその管理方法を勧告するものではなく、米国の競争力を推進する実用的な概念と一連の行動を提案するもので、自由市場原則の下、政府が業界と効果的に関与するための行動が盛り込まれている。報告書は、米国の新たな産業政策のための初期の枠組みを示しており、その枠組みは、将来のための土台を形成する6つの行動で構成されている。それらは、①明確な呼びかけ(スローガンやビジョン)、②成功の分析、③政府と業界の整合、④必要に応じて政策を調整する権限の創出、⑤リスクの受容と軽減、⑥同盟国の活用、である。 Center for a New American Security “Reboot: Framework for a New American Industrial Policy” (5/24/22)