米国の気象・気候予報向けスパコン、大きく前進

国立海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)は6月28日、最新の気象・気候用スパコンを始動した。この新たなスパコンは2020年2月に初めて発表され、ゼネラル・ダイナミクス・インフォメーション・テクノロジー社(General Dynamics Information Technology: GDIT)が受注したもので、米国の気象及び気候運用スーパーコンピューティング・システム(Weather and Climate Operational Suepercomputing System)のコンピューティング能力や貯蔵スペース、相互接続速度が大幅に改良された。この新しいスパコンによって、今秋に米国地球予測システム(U.S. Global Forecast Syste: GFS)が改良され、「ハリケーン分析及び予報システム(Hurricane Analysis and Forecast System: HAFS)」と呼ばれるハリケーン予測モデルが新たに始動する。コンピューティング及び貯蔵能力の強化により、NOAAは、高解像度モデルを導入して小規模な動き(激しい雷雨など)をより良くとらえたり、より現実的なモデル物理学によって雲や降水の形成をより良くとらえることなどが可能になる。 National Oceanic and Atmospheric Administration “ U.S. supercomputers for weather and climate forecasts get major bump” (6/28/22)

CSET、中国軍によるAI半導体へのアクセスについて報告

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「シリコン・ツイスト:中国軍によるAI半導体へのアクセスの管理(Silicon Twist: Managing the Chinese Military’s Access to AI Chips)」と題する報告書を発表した。中国軍による人工知能(AI)の進展は、ハイエンド半導体への継続的なアクセスによるところが大きい。CSETは、中国軍による数千件の購入記録を分析し、中国軍がどのようにしてこれらの機器へのアクセスを得ているのか詳述している。報告書によれば、中国軍が発注したコンピュータ・チップの大半は米国企業が設計したものであるという。報告書はまた、中国軍によるこうしたアクセスを削減するために米政府が講じることができるステップについて概説している。 Center for Security and Emerging Technology “Silicon Twist: Managing the Chinese Military’s Access to AI Chips” (June 2022)

2021年におけるエネルギー雇用の増加、米国全体の雇用増を上回る

エネルギー省(Department of Energy)は6月28日、「2022年米エネルギー及び雇用報告(2022 U.S. Energy and Employment Report: USEER)」を発表した。エネルギー部門及び主要エネルギー技術分野内での雇用傾向を追跡及び理解することを意図した包括的な調査報告で、今回の調査は、新型コロナが米国世帯と企業に前代未聞かつ予測不能な一年をもたらした2021年を対象としている。しかし、経済的な不透明さにもかかわらず、USEERの分析は、エネルギー部門の雇用は2020-2021年に4%増加し、米国全体の雇用増(2.8%)を上回ったことを示している。全体では、エネルギー雇用人数は、2020年に急減した後、同年の750万人から、2021年は780万人以上に増加した。そのうち300万人以上(エネルギー雇用全体の40%)が、複数の部門で米国の排出をゼロにすることを支援する職に従事している。記事には、特筆すべき雇用増が見られた職種や州についても記述している。 Department of Energy “DOE Report Finds Energy Jobs Grew Faster Than Overall U.S. Employment in 2021” (6/28/22)

CIBCイノベーション・バンキング、新たに15億ドルのベンチャー資金を準備

米国のベンチャー資金が減速する中、CIBCイノベーション・バンク(CIBC Innovation Banking)は、新たに15億ドルの成長資本へのコミットメントを発表した。同社はこれを、ソフトウェアや生命科学、医療ケア、クリーン技術の産業における後期段階の企業に焦点を当てた「ユニコーン・フューエル(Unicorn Fuel)」と位置付けている。CIBCの社長兼経営管理部長(president and executive managing director)であるマーク・マックイーン氏(Mark McQueen)は、過去2年間に調達されたベンチャー資本は「前代未聞のスピード」であったが、それが減速し始める中、「CIBCは、非希釈的(nondilutive)資本でその溝を埋める位置付けにある」と、述べる。新たなファンドによってCIBCは5,000万~1億ドルの資本案件が可能になる。 Tech Crunch “CIBC Innovation Banking comes in with new $1.5B venture financing to fill VC gap” (6/28/22)

シェル社、ルイジアナ州立大学に2,750万ドルを投資

ルイジアナ州立大学(Louisiana State University: LSU)は、米国シェル社(Shell USA Inc.)から2,750万ドルの寄付を得て、大学構内にエネルギー・イノベーション研究所(Institute for Energy Innovation)を設立すると共に、アワ・レディ・オブ・ザ・レイク学際的科学ビル(Our Lady of the Lake Interdisciplinary Science Building)を建設する。エネルギー・イノベーション研究所は、シェル社を創立パートナーとし、公正と公平に基づく経路を通じて、あらゆる人にとって、信頼性が高く、手頃な費用で、環境的に責任のあるエネルギーを進展させることに取り組む。シェル社は、LSUの長期的なパートナーであり、今回の投資は、営利目的の企業による寄付金としては最大で、エネルギー関連イニシアチブへの支援としても最大規模である。 Louisiana State University “SHELL INVESTS $27.5 MILLION IN LSU TO ESTABLISH INSTITUTE FOR ENERGY INNOVATION AND CATALYZE NEW CAMPUS DISTRICT FOCUSED ON SCIENTIFIC DISCOVERY” (6/23/22)

アルバニーAI立ち上げ

ニューヨーク州立大学アルバニー校(State University of New York at Albany)は6月下旬、「アルバニー人工知能スーパーコンピューティング・イニシアチブ(Albany Artificial Intelligence Supercomputing Initiative: アルバニーAI(Albany AI))」を開始し、社会にAIが偏在する世界で学生がキャリアを見つけるための準備を加速させる。アルバニーAIは、2億ドルの官民イニシアチブで、アルバニー工学・応用科学部(UAlbany’s College of Engineering and Applied Sciences: CEAS)のビルを拠点とする。ニューヨーク州は、アルバニーAIのため、CEASビルの改築と次世代AI研究を促進するための大規模データセットを育成する新たなスパコン能力の建設に7,500万ドルの予算(2022-23年度)を投じた。ニューヨーク州立大学アルバニー校は、アルバニーAIを通じて、サイバーセキュリティや気象予測、医療データ分析、医薬品開発といった幅広い分野での研究を進展させる。また、人文科学や社会科学、公共政策、STEM分野などの教員との重要な学習指導及び研究共同作業にも関与する。 State University of New York at Albany “Albany AI: Transforming the Academic Landscape” (6/23/22)

国防総省、責任あるAI計画

国防総省(Department of Defense)は、責任ある人工知能(AI)原則の実践戦略を開始する。DODのキャサリン・ヒックス副長官(Kathleen Hicks)(Deputy Secretary)は、「責任ある人工知能戦略と実践経路(Responsible Artificial Intelligence Strategy and Implementation Pathway)」に署名した。これは、47ページに及ぶ文書で、国防総省の倫理的なAI原則(2年前に採択された)をシステムの設計、開発、利用に取り入れる計画を概説したもの。ガバナンス、戦闘兵士の信頼、製品と調達、要件の検証、責任あるAIエコシステム、労働力の6つのテネット(「教義」の意。Tenet)について、取り組み、目標、予定スケジュールが盛り込まれている。また、責任あるAIを先導する担当官は、AIの使用事例やベスト・プラクティス、失敗例、リスク軽減戦略に関する報告を1年以内に最高デジタル及び人工知能責任官(chief digital and artificial intelligence officer: CDAO)へ提出する計画である。 Nextgov “The Pentagon’s Plan for ‘Responsible AI’” (6/27/22)

CSET、半導体に関する米国の優位性の維持と育成について報告

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「半導体に関する米国の優位性の維持と育成:その手引き(Sustaining and Growing the U.S. semiconductor Advantage: A Primer)」と題する分析報告書を発表した。先端半導体サプライ・チェーンの重要なプレイヤーである米国は、人工知能(AI)やその他の先端コンピューティング技術のチップの生産及びそのアクセスにおいて、中国を上回る優位性を享受している。しかし、国内生産能力が欠落している点は、米国の半導体アクセスにとって脅威となっている。CSETは、米国は、①同盟国やパートナーと協力して中国が先端チップを生産することを防止することに取り組む、②チップ生産能力を国内に回帰させる、ことで自国の優位性を強化できると分析している。 Center for Security and Emerging Technology “Sustaining and Growing the U.S. Semiconductor Advantage: A Primer” (June 2022)

IARPAの研究者、訓練とシミュレーションを目的とした没入型の3D画像を模索

諜報コミュニティの研究者は、オペレーターや法規取締担当官、救助隊員が、ミッション設定前に困難な状況について精査する作業を容易にしたいと考えている。情報高等研究開発活動(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)が内務省(Department of Interior)と共同で発表した広範な官庁公示(BAA)は、地上や交通カメラ、無人航空機、衛星で撮影された極めて限定的な画像資料を使い、写真のようにリアルでナビゲーションが可能なサイト・モデルを構築できるソフトウェア・システムの開発を要請している。本件は、「多様な高さからの画像の解釈の検証(Walkthrough Renderings for Images of Varying Altitudes: WRIVA)」プロジェクトと呼称され、諜報コミュニティによる画像偵察をより現実的なものに強化することを狙いとしている。 FCW “IARPA researchers want immersive, 3D imagery for training and simulation” (6/22/22)

大統領府、重要鉱物マッピングのための連邦・州パートナーシップに7,400万ドル以上を投資

内務省(Department of the Interior)は6月21日、バイデン大統領の超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)により、7,460万ドル以上が、米国地質調査所(U.S. Geological Survey: USGS)の「地球マッピング資源イニシアチブ(Earth Mapping Resources Initiative: Earth MRI)」の下、重要鉱物に可能性のある分野で、地球科学データの収集、マッピング、データ保全、科学的解釈に取り組む30州へ分配、投資されると発表した。これらの投資は、国内の重要鉱物資源に関する理解を深める一助となり、信頼性が高く持続可能な重要鉱物の供給を確保する重要な一歩となると期待されている。超党派インフラ法による資金は6,400万ドルで、これは、科学イノベーションを支援する同法からUSGSへの広範な投資(5億1,070万ドル)の一部である。 Department of Interior ” Biden-Harris Administration Invests Over $74 Million in Federal-State Partnership for Critical Minerals Mapping” (6/21/22)