米国の電気自動車製造への投資は1,200億ドルに達し、14万3千人の新規雇用を創出

環境防衛基金(Environmental Defense Fund: EDF)とWSP USAは今般、「米国の電気自動車製造投資と雇用:インフレ低減法後の6カ月間の影響を特徴づける(U.S. Electric Vehicle Manufacturing Investments and Jobs: Characterizing the Impacts of the Inflation Reduction Act after 6 Months)」と題する報告書を発表した。それによれば、インフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)及びその他の国家政策により、米国内の電気自動車製造への活発な投資が促進されている。過去8年間で、1,200億ドルの投資と14万3,000人の新規雇用が発表されており、その40%以上が、IRA可決後の過去6カ月間に行われている。これまでに計画が発表された米国施設だけで、2026年までに年間約430万台の新たな電気自動車(乗用車)を生産することが可能となる。発表済みの投資計画の86%は、10州に集中しており、その半分(ミシガン、テネシー、ジョージア、ネバダ、ケンタッキーの5州)では、それぞれ100億ドル以上の投資が発表された。 Environmental Defense Fund “Report Finds Investments in U.S. Electric Vehicle Manufacturing Reach $120 Billion, Create 143,000 New Jobs” (3/14/23)

エネルギー省、クリーン水素技術の進展に7億5,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は3月15日、クリーン水素の費用を劇的に削減するための研究開発実証努力に7億5,000万ドルが有用であると発表した。エネルギー省のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)が、水素・燃料電池技術局(Hydrogen and Fuel Cell Technologies Office: HFTO)に代わって、資金提供公募(FOA)を発表した。これは、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出される15億ドルの最初のフェーズとなるもので、電解技術の進展に10億ドル、製造及びリサイクル能力の向上に5億ドルが拠出される。これらの資金提供は、クリーン水素の広範な利用を加速させることを目的とした政権の包括的手法の重要な一部であり、この十年以内に商業規模の水素導入を達成する上で重要な役割を担うと期待されている。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $750 Million to Advance Clean Hydrogen Technologies” (3/15/23)

国防総省、政府と業界の往来を容易にすることを狙いとする新たなサイバー労働力戦略を発表

国防総省(Department of Defense)は、将来的に、より多くのサイバー人材を引き付け、維持することを目的として、政府の仕事を去って業界へ行き、その後、政府へ再参入する際の障害を生み出している人事制度の見直しを望んでいる。最近発表された「国防総省サイバー労働力戦略(DOD Cyber Workforce Strategy)」は、サイバー分野がますます競争的になり、かつ世界的にサイバー人材が不足する中で、国防総省がどのようにしてサイバー労働力を成長、維持させるかという点について、ロードマップを提示することを狙いとしている。政府高官は、変わりつつある環境の中で、人々が、政府に参入し、その後業界へ去って新たな経験や見方を身に付け、可能であれば再度政府へ戻ってくることを容易にする人事制度を導入したいと考えている。本戦略は、国防総省の労働力を向上させる4つの支柱として、①労働力のニーズと要件を特定する、②必要とされる人材をリクルートする、③個人及びチームのパフォーマンス要件を策定及び理解する、④インセンティブ・プログラムを創出して維持する、を挙げている。 FEDSCOOP “New DOD cyber workforce strategy aims to ease revolving door between government and industry” (3/10/23)

ARPA-H、複数の新規イニシアチブの発表と共に活動開始

バイデン大統領は先週発表した予算案で、医療高等研究計画局(Advanced Research Project Agency for Health: ARPA-H)への追加予算を要求し、ARPA-Hへのコミットメントを改めて表明した。これをマイルストーンとするべく、ARPA-Hは3月15日、一連の新たな公募を3件発表した。一つ目は、オープンな広範官庁公示(Open Broad Agency Announcement(Open BAA)で、様々な患者層、コミュニティ、疾病、健康状態を対象に、健康のアウトカムを向上させることを狙いとした、革新的で高インパクトなバイオメディカル及び医療研究のプロポーザルを募集する。二つ目は、ハブ・アンド・スポーク戦略を追求する一環として、米国内に3つの拠点を設置する戦略を発表した。ハブ1は、首都圏(National Capital Region)でステークホルダーとの関与に焦点を当てる。ハブ2は顧客経験に焦点を当てたハブ、ハブ3は投資家促進に焦点を当てたハブを計画している。三つ目の公募は、「ARPA-H健康アウトカム加速のためのダッシュ(ARPA-H Dash to Accelerate Health Outcomes: ARPA-H Dash)」と題するコンペで、健康を変革する証拠ベースの革命的なアイデアを特定することを目的とする。医療及び科学コミュニティで大胆な思考を持つ者を対象としたオンラインの協調的なオープン・コンペで、米国内でARPA-Hのミッションを強化する最良のアイデアを募集するシンプルで魅力的かつ影響力のある手法で実施される。 Advanced Research Project Agency for Health “ARPA-H signals it’s open for business with range of new initiatives” (3/15/23)

国務省、CHIPS法の国際技術安全保障・イノベーション基金の実践計画を発表

米国の長期的な経済安全保障及び安定性の確保と強化は、世界的な半導体製造を安定化及び拡大させ、半導体のサプライチェーンを確保し、セキュアで信頼性の高い情報通信技術ネットワーク及びサービスを開発・導入する能力にかかっている。2022年CHIPS法(CHIPS Act of 2022)の下、国際技術安全保障・イノベーション基金(International Technology Security and Innovation Fund: ITSI基金)は、国務省(Department of State)に5億ドルを提供する(2023年度から年間1億ドルを5年間)。国務省は、同盟者及びパートナーと共に新たなプログラム及びイニシアチブを実施することでこれらの目的に取り組む。今般、「半導体」及び「セキュアで信頼性の高い通信ネットワーク」という2つの分野の下で実施されるプログラムにITSI基金の資金を拠出する。一例として、「デジタル・コネクティビティ及びサイバーセキュリティ・パートナーシップ(Digital Connectivity and Cybersecurity Partnership: DCCP)」の下、米政府は世界中のパートナー及び同盟者と協力し、活力のあるデジタル経済の恩恵を諸国が教授できるよう取り組んでおり、これらの努力を進展させるため、ITSI基金の資金が充当される。 Department of State ” Department of State Announces Plans to Implement the CHIPS Act International Technology Security and Innovation Fund” (3/14/23)

エネルギー省、バイオエネルギー研究強化を目的として5億9,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は3月17日、現行の4つのバイオエネルギー研究センター(Bioenergy Research Center: BRC)を更新するため、5億9,000万ドルを充当すると発表した。国内のバイオマス資源から持続可能でコスト効果の高い次世代バイオ製品及びバイオエネルギーを生産することを目指すエネルギー省の研究を支援する一助となる。4つのBRCは、国立研究所もしくは大学が主導しており、バイオベース経済の背後にある科学を支え、強力な国内バイオエネルギー産業を構築する上での障害を打破することを狙いとしている。4つのBRCは、グレート・レイクス・バイオエネルギー研究センター(Great Lakes BRC)、バイオエネルギー・イノベーション・センター(Center for Bioenergy Innovation)、合同バイオエネルギー研究所(Joint BioEnergy Institute)、先端バイオエネルギー・バイオ製品イノベーション・センター(Center for Advanced Bioenergy and Bioproducts Innovation)。 Department of Energy “DOE Announces $590 Million To Increase Bioenergy Research” (3/17/23)

DARPAの「オーバーサイト」、宇宙領域を軍事計画立案者や兵士にとって戦術的により関連性のあるものに

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、軍の計画立案者が、宇宙領域で利用可能な資源の管理を通じて、最大で1,000件の関心のあるターゲットを追跡することを助けることに取り組んでいる。DARPAの「オーバーサイト(Oversight)」プログラムは、戦術的なミッションのために、関心のあるターゲットの追跡を維持する継続的な監督・管理を実現することを目指すものである。DARPAは今般、衛星を通じて最大1,000件の関心のあるターゲットを継続的に監視するためのソフトウェア・ソリューションの開発に取り組むチームとして、アポジー・リサーチ社(Apogee Research LLC)、BAEシステムズ情報・エレクトロニクス・システム・インテグレーション社(BAE Systems Information and Electronics Systems Integration Inc.)、システムズ&テクノロジー・リサーチ社(Systems & Technology Research LLC)を選出した。プログラムは、2段階で行われ、2026年度までにオーバーサイトの能力を軌道上の宇宙船に統合させることを目標とする。 Defense Advanced Research Project Agency “Oversight Program Aims to Make Space Domain More Tactically Relevant for Military Planners, Warfighters” (3/16/23)

ブルッキングス研究所論文:「民主主義はAI研究で中国と協力できるか」

ブルッキングス研究所(Brookings Institution)は2023年1月、「民主主義はAI研究で中国と協力できるか:AI研究ネットワークのリバランス(Can Democracies Cooperate With China On AI Research? Rebalancing AI Research Networks)」と題する報告書を発表した。過去20年以上を通じて、中国は、海外の同僚と共同で論文を執筆したり、米国企業のAIラボを受け入れたり、世界のAI研究の前進を支援するなどして、人工知能(AI)の国際的な研究開発ネットワークに深く組み込んできた。しかしここ5年間における中国と世界の研究開発(R&D)ネットワークの間の関係は、政府や大学、企業、市民団体によって精査の対象となりつつある。AI自体の能力が増大していること、それが経済的競争力や国家安全保障に及ぼす影響などへの懸念から、新たな疑問が浮上しつつある。こうした中、本論文は、「AIを巡る中国との国際的協力は今後も持ち堪えることができるのか? できるとしたらどの程度か?」という点について考察している。ブルッキングス研究所は過去2年間にわたり、「AIに関する協力フォーラム(Forum for Cooperation on AI: FCAI)」(同研究所と欧州政策研究センター(Centre for European Policy Studies)の共同作業で、豪・加・EU・日本・シンガポール・英・米)の政府高官の間の定期的なAI対話を主催)を実施しており、今回の論文はこれを拡大及び精製する形で、中国の国際的なAIのR&Dネットワークへの関与の規模や恩恵、将来的な限界に焦点を当てている。そして、リスクベースの手法を通じて中国の研究者及び機関との間でAIのR&Dについてリバランスを図ることを提案している。 Brookings Institution “Can democracies cooperate with China on AI research?” (1/9/23)

ジーナ・レモンド商務長官、半導体サプライチェーン及びイノベーション・パートナーシップに関する米印覚書について声明

商務省(Department of Commerce)のジーナ・レモンド長官(Gina Raimondo)と、インドのピュシュ・ゴヤル商務産業大臣(Piyush Goyal)(Minister of Commerce and Industry)は3月10日、米印商業対話(U.S.-India Commercial Dialogue)において、「半導体サプライチェーン及びイノベーション・パートナーシップに関する覚書(Memorandum of Understanding on Semiconductor Supply Chain and Innovation Partnership)」に署名した。これに際し、レモンド長官は、「商務省がCHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act)の実践に着手する中、ゴヤル商務産業大臣との間で本覚書を発表できることを誇りに思う。優れた両国が、半導体分野を中心に、より強力でセキュアなサプライチェーンを構築しようと模索する中、この覚書は半導体サプライチェーンの対応力と多様化に関する両国間の協調的メカニズムを確立し、米国とインドの経済機会を創出することを狙いとする。これは、両国間の半導体インセンティブ・プログラムを調整する上で重要なステップであり、相互の優先事項(商業機会の推進や研究開発、人材とスキルの開発を含む)を強化するだろう」と述べた。 Department of Commerce “Statement from U.S. Secretary of Commerce Gina Raimondo on the U.S.-India Memorandum of Understanding on Semiconductor Supply Chain and Innovation Partnership” (3/10/23)

原子力規制委員会、NISTの研究原子炉の再稼働を承認

商務省(Department of Commerce: DOC)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)から、研究原子炉の再稼働について承認を得た。NISTニュートロン研究センター(Center for Neutron Research)の原子炉は、一つの燃料要素が過熱、損傷した2021年2月3日以来、閉鎖していた。NISTの原子炉は、広範な研究に使用され、電力を生産するユーティリティ原子炉に比べて、パワー、温度、圧力が低い状況で運用されている。NRCは、本事故について包括的な点検を行い、この事故の間、一般市民は常に安全であったことが示された。 National Institutes of Standards and Technology “NRC Authorizes Restart of NIST Research Reactor” (3/10/23)