米国土安全保障省と韓国、相互のデジタル化目標進展を目的とした合同声明に署名

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)科学技術総局(Science and Technology Directorate: S&T)は韓国のソウルで3月21日、同国の科学情報通信技術省(Ministry of Science and Information Communication Technology: MSIT)と共に、協調的な研究開発及び海外技術交流を目的とした合同意向声明文(Joint Statement of Intent: JSoI)に署名した。JSoIの詳細は、2019年の米韓間の覚書で最初に概説され、相互が署名した「安全及び安全保障の研究開発協力のためのプロジェクト調整(Project Arrangement for Safety and Security Research and Development Collaboration)」で実証された、科学技術分野における両国のコミットメントを改めて確認するものである。DHSとMSITは、重要インフラ、無人航空システム、サイバーセキュリティ、化学的及び生物学的抑止の4つの分野で、相互の研究・開発・イノベーションを促進するデジタル変革のための協力的資金提供イニシアチブを確立する準備に取り組んできた。 Department of Homeland Security “News Release: DHS And Republic of Korea Sign Joint Statement to Advance Mutual Digitalization Goals” (3/21/23)

エネルギー省、クリーンエネルギー技術の加速を目的とした「商業化発進への経路」報告を発表

エネルギー省(Department of Energy)は3月21日、官民間の関与を強化し、主要なクリーン・エネルギー技術の商業化と導入を加速させることを目的として省全体で行う新たなイニシアチブを示す一連の報告書、「商業化発進への経路(Pathways to Commercial Liftoff)」の始動を発表した。報告書は、民間部門及びその他の業界パートナーへ、クリーン水素や先端原子力などの具体的な技術がいつどのようにして全面的な規模の導入に到達できるかについて、関与主導型の貴重な資源を提示するものである。「商業化発進への経路」の報告書は、「長期的な脱炭素化目標を実現するための軌道を維持するには、2050年までに、水素、原子力、長期エネルギー貯蔵部門全体への累積投資額を約3,000億ドルに増加させることと、継続的な加速が必要である」と結んでいる。今般、最初の報告書として、「クリーン水素」「長期エネルギー貯蔵(Long Duration Energy Storage: LDES)」「先端原子炉」が発表された。 Department of Energy “DOE Releases New Reports on Pathways to Commercial Liftoff to Accelerate Clean Energy Technologies” (3/21/23)

米国とアイルランド、2,100万ドルの画期的な投資で17年の協力関係を祝う

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、米国とアイルランド共和国及び北アイルランドの間の三者間の研究開発パートナーシップを通じて約2,100万ドルの合同投資を行うと発表した。これは、米国=アイルランド研究開発パートナーシップ(U.S.-Ireland Research and Development Partnership)を通じて行われる年間のアワードとしては最大の件数となる。これらの投資を通じて、12件のアワードが合計27の研究機関(米国18機関、アイルランド共和国7件、北アイルランド2件)によるプロジェクト提供される。このプロジェクトには、ウェアラブルの医療診断、ロボティクス、5G通信、量子ネットワークなどが含まれる。 National Science Foundation “US-Ireland research program celebrates 17 years with landmark $21 million investment” (3/17/23)

CSET、優れたAIプログラムを創出する米国大学を調査

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「変化を先導する:優れたAIプログラムを創出している米国大学に関するスナップショット(Leading the Charge: A Look at the Top-Producing AI Programs in U.S. Colleges and Universities)」と題する報告書を発表した。教育省(Department of Education)及びその他のデータソースを基に、CSETが発表するAI労働力に関する報告(全5回シリーズ)の第一弾。今回は、大学の卒業者総数を調査し、どの大学が多くのAI関連分野の卒業生を輩出しているか評価するもの。結論として、「AI関連の学士号取得者数は、新型コロナのパンデミックによる混乱があったにもかかわらず、過去10年間で増加している」「修士号の取得者数は、2010年代の前半に急増し、2016年以降は横ばいとなっている」「AI関連の博士号取得者数は、過去10年間の様々な時において、微増、横ばい、または減少となっている」といった点が挙げられている。報告書は、「複雑な労働経済の中で雇用主は学位の要件を排除しつつあるが、AI及び技術関連の業界において特殊労働の需要は急上昇しており、将来のAI関連の大学教育におけるトレンドを予測することは困難である」としている。 Center for Security and Emerging Technology “Leading the Charge: A Look at the Top-Producing AI Programs in U.S. Colleges and Universities” (3/15/23)

NASA、3D印刷及び気候研究のための量子技術の進展に助成

米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)は3月16日、工学及び気候研究における重要な分野での技術開発を目的として、新たに「宇宙技術研究所(Space Technology Research Institute: STRI)」を2件創設すると発表した。米国の大学が主導し、NASAの未来にとって重要な学際的研究技術開発プログラムを作る。STRIには、大学や業界、非営利組織が結集し、初期ステージの技術への投資を通じて未来の航空宇宙能力に影響を及ぼすことを目指す。設立されるSTRIの一つは、①量子パスウェイ研究所(Quantum Pathways Institute)でテキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)が主導し、次世代の地球科学応用のための量子検知技術の進展に焦点を当てる。もう一つのSTRIは、「付加製造のモデル・ベースの要件及び認定(Institute for Model-Based Qualification & Certification of Additive Manufacturing: IMQCAM)」で、カーネギー・メロン大学(Carnegie Mellon University)が主導し、3D印刷(付加製造)による金属部品のコンピュータモデルの強化と、それらの宇宙飛行応用における活用性の拡大を狙いとする。各STRIは、5年間で最高1,500万ドルを受益する。 National Aeronautics and Space Administration “NASA Awards Advance 3D Printing, Quantum Tech for Climate Research” (3/16/23)

サムスン社がテキサス州に建設する半導体工場の費用、250億ドルを超える見通し

3名の情報筋によれば、サムスン電子(Samsung Electronics Co Ltd)がテキサス州テイラーに建設中の半導体工場の費用は、250億ドルを超える見通しで、初期予測を80億ドル以上上回るという。費用上昇の主な原因はインフレで、情報筋の一人は、「建設費用の上昇が、費用上昇の約80%を占める」という。もう一人の情報筋によれば、建設が遅れれば、費用は更に上昇する可能性がある。サムスン社はCHIPS法(CHIPS Act)に基づき、数十億ドルのグラント受益を米政府へ申請しているが、費用の上昇により、その金額はどこまで膨らむのかという新たな疑問が浮上している。商務省(Department of Commerce)の高官は今月初め、政府によるグラントの多くは、新規工場の費用の最大15%をカバーするのみであると述べている。ここ3年間で、労働費や建設資材の費用は急増しており、もともと大規模な支出が予想されていた計画の費用が更に上昇する可能性がある。 Reuters “Exclusive: Samsung’s new Texas chip plant cost rises above $25 billion” (3/15/23)

OSTP、航空分野における米国の継続的なグローバル・リーダーシップのためのビジョンを発表

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は3月17日、航空分野における米国の継続的なグローバル・リーダーシップのためのビジョンを進展させるため、バイデン=ハリス政権による優先事項を発表した。学術機関や非営利組織、商業部門のリーダーからの意見を受けながら、連邦の航空専門家が策定した「国家航空科学技術優先事項(National Aeronautics Science and Technology Priorities)」は、世界的な航空宇宙産業及び国家安全保障の応用の双方において、米国の最先端を維持するための活動を概説している。優先事項文書は、米国のリーダーシップにとって重要となる主要な優先分野として、①持続可能な航空の達成、②国の航空システムの変革、③コネクティビティとスピードの推進、の3つを挙げている。また、政権が米国の航空コミュニティと協力しながらこれらの優先事項を進めていく上で、ガイドとなる原則として、①安全性の推進、②環境の保護、③経済競争力の進展、④イノベーションの加速、などが示されている。 White House “A Vision for America’s Continued Global Leadership in Aeronautics” (3/17/23)

企業は自社のR&D活動を支援するため、325億ドルを資産に投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)と国勢調査局(Census Bureau)による「企業のエンタープライズ研究開発調査(Business Enterprise Research and Development Survey: BERD)」によれば、企業は2020年に、自社の米国における研究開発(R&D)活動を支えるため、ビル、設備、ソフトウェアなどの資産に325億ドルを投資した。製造業企業がその61%(197億ドル)を占め、非製造業企業が39%(128億ドル)を占めた。BERDは、R&D向け資本支出を5つの種類に分けて試算しており、それによれば、325億ドルのR&D向け資本支出のうち、「設備」がほぼ半分(157億ドル)を占め、次いで、「資産計上したソフトウェア」(84億ドル)となっている。それ以外(「ビル」、「土地改良」、「その他」)は、それぞれ約41億ドルとなっている。また、R&Dを実施またはR&Dに資金提供をした企業による資本支出全体(6,864億ドル)のうち、R&D向け資本支出が占める割合は5%となっている。 National Center for Science and Engineering Statistics “Businesses Invested $32.5 Billion in Assets to Support Their R&D Activities in the United States in 2020” (3/17/23)

PCAST、サイバーフィジカル対応力作業部会を始動

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology: PCAST)は、米国のデジタル・ネットワーク上にサイバー対応力のあるインフラを導入することに焦点を当てた新たな作業部会の創出を発表した。サイバー攻撃に対応力があり、同攻撃から回復するためのデジタル・システムを認識、再構築することが、新たな作業部会の根本的なミッションとなる。これに関してPCASTは、重要インフラのデジタル・ネットワークを強化する最善の方法について、一般からの意見を要請している。PCASTは特に、システムが共に作動したり、別個に作動する方法の評価、対応力を維持するために必要な投資は何か、対応する標準設計へのアプローチ方法に関する意見に関心を持っている。作業部会の高官は、これらの提案をその他の標準機関(米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)など)との共同作業に用いる計画である。官民の指導者達は、よりセキュアで対応力のあるデジタル・インフラ・ネットワークの必要性を主張している。 Nextgov “White House Tech Council Launches Cyber-Physical Resilience Working Group” (3/16/23)

エネルギー省、産業の脱炭素化を促進する応用研究開発プロジェクトに1億5,600万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)は3月15日、米国の産業部門全般で温室効果ガスの排出を削減する高インパクトの応用研究開発実証プロジェクトに1億5,600万ドルを提供する資金提供公募(FOA)を発表した。EEREの産業効率・脱炭素化局(Industrial Efficiency and Decarbonization Office: IEDO)が主導するFOAで、産業の脱炭素化に必要な次世代技術の開発、米国製造業の活性化、良好賃金の雇用創出、コミュニティの健康増進につながるイノベーションを促進する。今回のFOAには、①産業熱の脱炭素化、②低炭素燃料の活用に関する研究開発実証、③予備的な分野横断型研究開発、④化学の脱炭素化、⑤鉄鋼の脱炭素化、⑥食品・飲料製品の脱炭素化、⑦セメント・コンクリートの脱炭素化、⑧森林製品の脱炭素化、のトピックが含まれている。 Department of Energy “Department of Energy Announces $156 Million for Applied Research and Development Projects to Drive Industrial Decarbonization” (3/15/23)