NCSES、研究集約型機関における博士号取得者の研究資金に関する調査

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は、米国内の研究集約型学術機関における博士号取得者の研究資金に関する報告を行った。それによれば、2014~2017学術年度の間に米国の研究集約型学術機関を卒業し、科学・工学(S&E)分野の博士号を取得した者のうち、51%が大学院での研究活動中に研究資金を受け取っていたと考えられる。こうしたS&E博士号取得者のうち、42%は、連邦の資金提供機関が唯一の研究資金提供源となっている。資金提供を受けた博士号取得者グループについて、観測可能な60カ月間のグラント・データを基にすると、平均して3.7件の研究グラントを受け取り、その受益期間は36カ月間となっている。こうしたグループの研究チームの中央値は6人である。これらのデータは、「イノベーション科学研究所(Institute for Research on Innovation and Science: IRIS)」がまとめた管理データを、「博士号取得者調査(Survey of Earned Doctorates: SED)」のサブセットと関連付けて作成したものであり、管理データ内にある21機関の1つに在籍した博士号取得者のみを対象としている。このため、その結果は全ての博士号取得者には当てはまらない可能性がある。 National Center for Science and Engineering Statistics “Research Funding for U.S. Doctorate Recipients at Research-Intensive Institutions” (12/4/23)

COP28で2050年までに原子力エネルギー能力を3倍にするとの宣言発表

12月1日に行われた国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)の世界気候行動サミット(World Climate Action Summit)で、4大陸から20か国以上が、「原子力エネルギー3倍増宣言(Declaration to Triple Nuclear Energy)」を開始した。宣言は、2050年までに温室効果ガスの正味ゼロ排出を世界的に達成し、摂氏1.5度目標を実現可能範囲内に維持する上で、原子力エネルギーが果たす主要な役割を認識したものである。宣言の中核となる要素は、2050年までに世界の原子力エネルギー能力を3倍にするという目標の進展へ向けて協力すること、国際金融機関の株主に、エネルギー融資政策に原子力エネルギーを含めるよう奨励することを呼びかけることである。米国、ブルガリア、カナダ、日本など合計22カ国が宣言を支持し、他国の参加を呼び掛けている。 Department of Energy “At COP28, Countries Launch Declaration to Triple Nuclear Energy Capacity by 2050, Recognizing the Key Role of Nuclear Energy in Reaching Net Zero” (12/1/23)

エネルギー省、クリーン水素の地球ショットへ向けた経路を示す報告書シリーズの第一弾を発表

エネルギー省(Department of Energy)は12月5日、「水素を、手頃な費用で豊富なクリーン・エネルギーの源とする」というエネルギー省の目標を達成するための経路として、熱転換を通じてそれを達成する経路の分析を行った報告書「水素ショット技術評価:熱転換手法(Hydrogen Shot Technology Assessment: Thermal Conversion Approaches)」を発表した。エネルギー省は2021年6月に、「エネルギー地球ショット・イニシアチブ(Energy Earthshots Initiative)」の最初のゴールとして「水素ショット(Hydrogen Shot)」を発表しており、今回の報告書はそのクリーン水素の生産経路に関する評価の第一弾である(全部で3つ)。水素ショットは、クリーン水素の生産費用を2031年までに80%削減し、1キログラムあたり1ドルとすることを目指す。今回発表された報告書は、クリーン水素生産のための様々な熱転換方法の概略を示しており、それには水素ショットの目標を達成するための技術の現状と想定される手法も含まれる。報告書によれば、スクリーニング・レベルの分析で、今後の技術進展により、水素生産の費用は、その経路に応じて、1.30~1.40ドルまで下げられる可能性がある。 Department of Energy “DOE Releases First in Series of Reports Highlighting Pathways Toward Clean Hydrogen EarthShot” (12/5/23)

OSTP、連邦資金を受けた研究のオープン・アクセス出版に関する費用メカニズムについて報告

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は11月22日、「議会への報告:連邦資金を受けた研究のオープン・アクセス出版に関する資金メカニズムについて(Report to the U.S. Congress on Financing Mechanisms for Open Access Publishing of Federally Funded Research)」と題する報告書を発表した。連邦資金を受けた研究をオープン出版(無償で読める)する際の費用の負担方法について、異なるメカニズムの影響を調査したものである。報告書は、連邦受益者と連邦政府内の研究者が負担する「論文掲載料(article processing fee: APCs)」を計算する際の課題について概説しつつ、2021年における費用は約3億7,800万ドルであったと試算している。報告書の作成を義務付けた議会は、OSTPに、連邦受益者が負担するAPCsと転換契約(transformative agreements)の双方の費用を試算するよう要請したが、OSTPは、「転換契約の資金方法は複雑であり、その費用を正確に試算することはできない」と述べている。報告書は、OSTPが2022年8月に発表した経済分析と、2026年から連邦資金を受けた研究の論文は出版と同時に無料で読めるように義務付けた指令に基づいて作成された。 White House “Report to Congress on Financing Mechanisms For Open Access Publishing of Federally Funded Research” (11/22/23)

エネルギー省、重要クリーンエネルギー技術の資金として最高4,400万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は、2024年度の「市場準備のためのコア研究所インフラ(Core Laboratory Infrastructure for Market Readiness: CLIMR)」ラボコールへのプロジェクト提案を募集する。選出されたプロジェクトへの資金として3,770~4,470万ドル(試算)が予定されている(2024年度の予算及びプログラムの方向性による)。2024年度のCLIMRラボコールは、バイオエネルギー技術局(Bioenergy Technologies Office: BETO)や技術移転局(Office of Technology Transitions: OTT)など、エネルギー省の14の異なるプログラム局の取り組みを合わせたもので、CLIMRラボコールに参加する局の数としては過去最大である。このラボコールによる資金に応募できるのは、エネルギー省傘下の国立研究所及び、エネルギー省のプラントとサイトのみである。市場ニーズの評価、知的財産のキュレーションなどの具体的な6つのトピック分野の下、非連邦機関との共同作業に基づくプロジェクトを提案するよう奨励されている。 Department of Energy “DOE Announces up to $44M in Funding for Critical Clean Energy Technologies” (11/14/23)

エネルギー省の分析、カリフォルニア州のソルトン湖地域が豊かなリチウム資源場所であることを確認

エネルギー省(Department of Energy)は11月28日、カリフォルニア州のソルトン湖地域における国内リチウム資源を定量化したこれまでで最も包括的な分析結果を発表した。エネルギー省傘下のローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)が実施した分析結果は、予想される今後の技術進展により、ソルトン湖地域の総合的な資源は3,400キロトン以上のリチウムを生産できる可能性があるとしている。これは、3億7,500万個以上の電気自動車(EV)向け電池を支えるのに十分な量である。分析結果は、同地域には、定置型貯留とEVの電池に使用されるこの重要鉱物の国内資源地として大幅な可能性があることを示している。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Analysis Confirms California’s Salton Sea Region to Be a Rich Domestic Lithium Resource” (11/28/23)

エネルギー省、重要マテリアルのサプライチェーン・ソリューション進展を目的とした公募を発表

エネルギー省(Department of Energy)のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)は11月27日、「重要マテリアル・アクセラレータ(Critical Materials Accelerator)」と題する資金提供公募(FOA)(1,000万ドル)を発表した。選出されたプロジェクトは、代替物の開発や供給の多様化及び拡大、製造とマテリアルの効率性の拡大、循環経済の確立を通じて、重要マテリアルの問題に対処する技術とプロセスの検証及びプロトタイプ作成に取り組む。このFOAは、国内の重要マテリアル・サプライチェーンの開発を加速させることを目的として最近発足した「重要マテリアル・コラボレーティブ(Critical Materials Collaborative: CVC)」を支援するもので、CMCによって特定された優先技術やサプライチェーンの溝に対処するトピックがFOAの中で提示されている。 Department of Energy ” DOE Announces Funding Opportunity for Critical Materials Accelerator Projects to Advance Critical Materials Supply Chains Solutions” (11/27/23)

エバーグリーン・アクション、気候に関する「やることリスト」を政権に提示

気候行動を推進する団体、エバーグリーン・アクション(Evergreen Action)は、「バイデン政権は、任期最終年へと向かう中、現在の要望に対応し、米国民へ行ったコミットメントを果たす必要がある」と指摘する。バイデン大統領による大胆な気候議題に関する重要な取り組みの一つは、インフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)の成立で、気候とクリーンエネルギーに関する過去最大の投資を先導した。大統領はまた、「正義40イニシアチブ(Justice40 Initiative)」を通じて歴史的に負担を強いられているコミュニティへのコミットメントも示した。しかし刻々と時は過ぎており、大統領が為すべきことはまだあるとエバーグリーン・アクションは指摘する。特に、エバーグリーン・アクションは、①主要な気候規制を仕上げる、②気候投資を公平かつ効果的に整合させる、③行政権限を戦略的に行使する、の3点に取り組む必要があると提言している。 Evergreen Action “Finishing the First Term Strong: Biden’s Climate To Do List’” (12/1/23)

カリフォルニア州の屋根上ソーラー政策、屋根上ソーラー業界に打撃をもたらす

カリフォルニア州の規制当局が住宅の屋根上ソーラー・システムの価値を低減する政策を実施してから6カ月が経過した今、州内のソーラー業界が警告した「市場崩壊」が進行している。カリフォルニア・ソーラー及び貯留協会(California Solar and Storage Association: CALSSA)の11月27日の発表によれば、カリフォルニア州公共ユーティリティ委員会(California Public Utilities Commission)が、論争的な「ネット・メーター3.0(net metering 3.0)」の決定をした4月以来、屋根上ソーラー・プロジェクトは77~85%減少した。ネット・メーター3.0は、住宅に新たに設置されたソーラー・システムから余剰電力をグリッドへ送電する際に支払われる対価を、従来その住宅が得ていた対価(小売電力と同額)の約3分の1から2分の1削減するものである。プロジェクトの減少は雇用喪失にもつながっており、CALSSAによれば、2023年末までに1万7,000件の雇用が消失すると予測されている。これは、州内のソーラー労働力の約22%に相当し、その多くは設置業務である。カリフォルニア州は長年にわたり、米国の屋根上ソーラーのリーダーであり、同州の屋根上ソーラーの状況は全国の屋根上ソーラー業界に影響する。 Canary Media “California’s rooftop solar policy is killing its rooftop solar industry” (12/1/23)

エネルギー省、米国の持続可能な物品経済のためのサプライチェーン強化を目的として循環経済プライズを開始

エネルギー省(Department of Energy)は11月27日、新たなクリーン・エネルギー・プライズとして、「リサイクル前のRe-X(Re-X Before Recycling)」プライズを開始すると発表した。3つのフェーズで構成され、リサイクル前の再使用/修理/修復/再製造/別の目的での使用(re-using, repairing, refurbishing, remanufacturing, or repurposing: Re-X)を通じて製品もしくは部品の寿命を延長させる革新的な手法の開発に取り組むチームに、賞金(合計450万ドル)と国立研究所の分析相談及び技術援助(110万ドル)が提供される。このプライズを通じて開発されたイノベーションは、ライフサイクルのエネルギー及び排出の削減や、新興のクリーン・エネルギー技術の循環サプライチェーンの強化、原材料の需要の低減につながる。「リサイクル前のRe-X」プライズは、①特定!(Identify!)、②準備!(Prepare!)、③開発!(Develop!)の3つのフェーズで行われる。フェーズ1の応募受付は2024年3月12日まで。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Launches a Circular Economy Prize to Fortify Supply Chains for the American Sustainable Goods Economy” (11/27/23)