CSET、連邦政府のサイバー人材育成プログラムについて報告

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「連邦サイバー人材の中核:サイバー部隊によるサービスのためのスカラーシップ・プログラム参加機関の傾向(The Core of Federal Cyber Talent: Trends of Participating Institutions in the CyberCorps Scholarship-for-Service Program)」と題する報告書を発表した。米国科学財団(National Science Foundation: NSF)による「サービスのためのサイバー部隊スカラーシップ(CyberCorps Scholarship for Service: サイバー部隊SFS)」は、サイバー分野の人材を育成し、連邦労働力へと結びつける直接的なパイプラインである。サイバー及びサイバー関連分野の学位取得を目指す学生に潤沢な奨学金を提供する機関にグラントを授与し、それと引き換えに学生は受益期間と同じ期間、連邦政府に勤務することに同意する。今般、このサイバー部隊SFSの拡大の必要性が指摘されていることから、CSETは本プログラムの評価を行った。報告書は、改善点及び勧告として、①博士課程にいる学生がより多くプログラムに参加できるような構造を検討すること、②コミュニティ・カレッジや技術専門カレッジの学生の参加を高めること、③連邦政府への就職率を100%達成するという点以外のプログラム評価指標を検討すること、などを挙げている。 Center for Security and Emerging Technology “The Core of Federal Cyber Talent: Trends of Participating Institutions in the CyberCorps Scholarship-for-Service Program” (January 2024)

米日韓が最先端の量子共同作業を開始

米国のジェイク・サリバン大統領補佐官(安全保障担当)(Jake Sullivan)(National Security Advisor)、日本の秋葉剛男国家安全保障局長、韓国の張虎鎮(チャン・ホジン)国家安保室長は、東京大学、ソウル国立大学(Seoul National University)、シカゴ大学(University of Chicago)が新たな三者間量子パートナーシップ立ち上げの署名を行ったことを祝福した。パートナーシップを通じて、量子の労働力を訓練し、新たな世界経済における集合的な競争力を強化する。3か国のリーダーは、キャンプ・デービッドにおいて、この三者間協力の恩恵を目に見える形でそれぞれの国民に示すことにコミットを表明した。三者は昨年12月に、国立研究所間の科学的協力を奨励する三者間枠組み(Trilateral Framework)に署名しており、今回はそれに続くもの。 White House “U.S., Japan, and Republic of Korea Launch Cutting-edge Quantum Collaboration” (1/18/24)

米国科学審議会(NSB)、NSFのメリット審査プロセスを再考

米国科学審議会(National Science Board: NSB)及び米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は最近、合同で「メリット審査に関するNSB-NSF委員会(NSB-NSF Commission on Merit Review)」を発足した。同委員会は、会合や傾聴セッションを実施し、科学工学コミュニティからフィードバックを集める。委員会は、現行のメリット審査(Merit Review)政策及び関連基準の効果の見直しに取り組み、①知的メリット(Intellectual Merit)と②より広範な影響(Broader Impacts)というメリット審査プロセスにおける2つの根幹的基準に関して、現行政策はどのようにバランスを図っているかについて調査している。委員会は、2024年5月に一連の予備的勧告を発表してパブコメを求め、メリット審査政策を強化するための勧告を盛り込んだ最終報告は2024年12月に発表する計画である。 National Science Foundation “Reexamining NSF’s Merit Review Process” (1/17/24)

顔認識技術が進展する中、連邦政府はプライバシー、公平性、市民的自由の懸念に対応する必要があるとの報告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)が今般発表した報告書「顔認識技術(Facial Recognition Technology)」によれば、顔認識技術の一部の使用は重大な懸念を引き起こしており、政府の早急な対応が必要とされる。報告書は、連邦法律や大統領令の実施を検討すること、裁判所や民間部門、市民社会団体、その他の顔認識技術と関与する組織へ注意を促すこと、こうした技術の責任ある開発と導入のためのガイダンスを提供することを勧告している。報告書は、新たな連邦法律によって、公平性やプライバシー、市民的自由に関する懸念に対処し、官民組織が個人の権利を侵害する可能性を制限し、顔認識技術の誤用に対する防御を講じるべきであると述べている。 National Academies “Advances in Facial Recognition Technology Have Outpaced Laws, Regulations; New Report Recommends Federal Government Take Action on Privacy, Equity, and Civil Liberties Concerns” (1/17/24)

エネルギー省、米国の電力グリッドの信頼性/対応力/安全保障向上に3,400万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は1月16日、コスト効果が高く高速で安全な埋設技術の開発を通じて、老朽化した電力グリッドの強化及び現代化に取り組む12件のプロジェクト(11州)に3,400万ドルを提供すると発表した。これは、「信頼性と対応力とセキュリティのための積極的で高速な埋設によるグリッドの抜本的改革(Grid Overhaul with Proactive, High-speed Undergrounding for Reliability, Resilience, and Security: GOPHURRS)」プログラムを通じて選出されたプロジェクトで、費用の低減や非効率の削減、異常気象による影響の軽減、強力でセキュアなエネルギー・インフラを通じて、米国のグリッドインフラの改良と拡大を支援する。選出されたプロジェクトの管理は、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)が行う。 Advanced Research Projects Agency-Energy “U.S. Department of Energy Announces $34 Million to Improve the Reliability, Resiliency, and Security of America’s Power Grid” (1/16/24)

GAO、グラント管理について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は1月25日、「グラント管理:新たなデータ標準の一貫性と利便性を確実にするための措置が必要(Grants Management: Action Needed to Ensure Consistency and Usefulness of New Data Standards)」と題する報告書を発表した。連邦政府はグラントに約1兆2,000億ドルを支出した(2022年)が、その支出を追跡及び管理することは難しい。その理由は、連邦機関によってデータの収集方法が異なるからである。「グラント報告の効率性と合意の透明性に関する法律(Grant Reporting Efficiency and Agreements Transparency (GREAT) Act)」は、連邦政府機関によるデータ収集の標準を確立することから、こうした問題への対処の助けとなる可能性がある。行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)と厚生省(Department of Health and Human Services)は、資金額やプロジェクトデータなど、540件のデータ・エレメントをグラント管理のエレメントとして特定した。しかし、それらを標準化するための作業や、そうしたデータが関係機関や議会にとって有益であることを確実にするために為すべきことはまだあると、GAOは結論付けている。 Government Accountability Office “Grants Management: Action Needed to Ensure Consistency and Usefulness of New Data Standards” (1/25/24)

エネルギー省、循環型風力エネルギー経済のためのリサイクル強化プライズでフェーズ1の勝者を発表

エネルギー省(Department of Energy)は1月18日、「風力タービン・マテリアル・リサイクリング・プライズ(Wind Turbine Materials Recycling Prize)」のフェーズ1の勝者として20チームを発表した。このプライズは、2つのフェーズで行われる賞金510万ドルのコンペで、資金は超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出される。現在は商業的にリサイクルされていない風力タービンの主要マテリアルを対象として、コスト効果が高く持続可能性あるリサイクル業界を育成する一助となるコンペである。繊維が強化された複合材料及びレアアース元素の頑強な国内リサイクルという選択肢は、原材料を抽出及び加工する必要性を低減し、環境保護につながる。今回のフェーズ1「開始!(Initiate!)」では、風力マテリアルのリサイクル技術を強化する革新的なアイデアを持つ20チーム(15州)に、賞金各7万5,000ドルと最後のフェーズである「加速!(Accelerate!)」へ進む招待が贈られる。 Department of Energy “DOE Announces Phase One Prize Winners to Boost Recycling for a Circular Wind Energy Economy” (1/18/24)

大統領府、EV費用削減と、米国製EV充電ネットワークの構築継続を発表

バイデン大統領が就任して以来、電気自動車(EV)の販売は4倍以上となり、450万台以上のEVが走行している。こうした中、財務省(Department of Treasury)とエネルギー省(Department of Energy)は1月19日、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)による30C EV充電税クレジットが適用される適格の国勢統計区の定義を発表した(これによって米国民の約3分の2が利用できるようになることを確認するもの)。この税クレジットは、低所得コミュニティや非都市部における個人や企業を対象に充電器費用の最大30%を削減するもので、EV充電インフラの導入がより手頃なものとなる。加えて、運輸省(Department of Transportation)とエネルギー省は今週、充電器への公共アクセスの信頼性と柔軟性を高め、EV技術を進展させ、EV充電器の導入と維持管理のための労働力開発を支援する3つのプログラムに3億2,500万ドルの新たな投資を発表した。政権によるEV技術への歴史的な投資はまた、民間企業による投資も促進している。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces New Actions to Cut Electric Vehicle Costs for Americans and Continue Building Out a Convenient, Reliable, Made-in-America EV Charging Network” (1/19/24)

ITIF、「クリーン水素」への過剰な期待に警告

情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は1月16日、「水素への現実的なアプローチ(A Realist Approach to Hydrogen)」と題する報告書を発表した。世界中の政府が、気候変動対策を目的とした環境的移行の一環として、「クリーン水素(clean hydrogen)」の有望性に期待しているが、ITIFは、クリーン水素は、生産に高額な費用がかかること、輸送が困難であることを警告し、「クリーン水素が提案されているほぼ全ての市場に置いて、選択肢としては2番目または3番目の解決策である」とする。ITIFは、水素電力市場について、生産プロセス、輸送のロジスティック、エンドユーザーも含めた分析を行い、その結果、「クリーン水素にまつわる話題の多くは過剰である」と結論している。そうした上で、①政府が研究開発実証プロジェクトに投資するための詳細な議題、②潜在的な落とし穴を回避し実行可能な経路を活用するための現実的な政策議題などを提案している。その一例として、水素政策は、「価格と性能の同等性(price/performance parity: P3)」を通じて検討することを提案している。 Information Technology & Innovation Foundation “New Report Warns Against “Clean Hydrogen” Hype, Detailing a “Realist” Policy Approach” (1/16/24)

特別競争研究プロジェクト(SCSP)等、人間と機械のチームの活用について報告

「米英軍による将来の軍事努力において、抑止が機能しなかった場合、相互依存性のある人間と機械のチームが鍵となる必要がある」-これは、英国王立防衛安全保障研究所(Royal United Services Institute: RUSI)が特別競争研究プロジェクト(Special Competitive Studies Project: SCSP)と協力して実施した分析の主要な結論の一つである。報告書の執筆者らは、より広範なオフセット戦略の一部として、米英軍は「人間と機械の共同作業(human-machine collaboration: HMC)」及び「人間と機械のチーム(human-machine teaming: HMT)」を使用し、米軍による戦争の軍事的・経済的・政治的費用を低減できる可能性や、優位な意思決定を行って敵対者を窮地に陥らせることができる可能性などを示すことを提案している。また、敵対者に対して大幅な優位を達成する上で米英が追求すべき能力分野として、①検知、分析、計画、意思決定の向上、②低費用でより消耗可能な軍事力(attritable forces)の開発など、5点を挙げている。 Special Competitive Studies Project “Report on Leveraging Human-Machine Teaming by the Special Competitive Studies Project and the Royal United Services Institute” (1/18/24)