大統領府、先端製造における公平な労働力開発へ向けた新たなコミットメントを強調

大統領府は1月23日、「先端製造労働力スプリント(Advanced Manufacturing Workforce Sprint)」の取り組みによる労働力開発への新たなコミットメントを発表した。このスプリントはジル・バイデン大統領夫人が5月に発表し、政権が10月に開始したもので、良好な先端製造雇用のための多様な有技能労働者のパイプラインを構築する集中的な取り組みである。今回、大統領府国内政策評議会(White House Domestic Policy Council)のニーラ・タンデン局長(Neera Tanden)(Director)が、国家経済会議(National Economic Council: NEC)と協力し、ルイジアナ州で850のコミュニティ・カレッジやその他の労働、労働力のリーダーを前に行った講演の中で、コミットメントの一部を紹介した。それによれば、政権が先端製造労働力スプリントを開始してから3カ月間で、160以上の組織が先端製造の労働力開発及び質の高い雇用への新たなコミットメントを行った他、150件以上の先端製造関連の新たな登録見習い制度(Registered Apprenticeship)プログラムや職業が創出される(または開発途中)などしている。また、タンデン局長の発表に加え、スプリントの参加機関や当局が、良好な先端製造雇用及びキャリアへつながる質の高い経路を拡大することを目的として実施している数十件の具体的な行動が発表された。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Highlights New Commitments Toward Equitable Workforce Development in Advanced Manufacturing” (1/23/24)

ベテラン補佐官、米国の気候外交官トップの職を引き継ぐ

バイデン大統領は、今春に退任するジョン・ケリー米気候変動担当特使(John F. Kerry)の後任として、上級顧問のジョン・ポデスタ氏(John D. Podesta)を起用する。同氏は長年の民主党ストラテジストで、現在はクリーンエネルギー担当の上級顧問を務めている。新たな役割に就任するにあたり、国務省(Department of State)に移動せずに、大統領府に留まる。新しい役職名は、「国際気候政策担当大統領上級顧問(senior adviser to the president for international climate policy)」。ポデスタ氏は現在、バイデン大統領の代表的な気候法であるインフレ低減法(Inflation Reduction Act)の実践を監督しており、過去には2015年のパリ気候協定の仲介でオバマ大統領の側近として重要な役割を果たすなどしている。今回の動きは、バイデン大統領による気候議題と、地球温暖化を鈍化させようとする世界的な取り組みにとって重要な時に発生している。大統領は、任期中に強力な環境規制を取りまとめようとしており、トランプ前大統領は、大統領選挙運動でこうした措置の多くを撤回すると誓約している。選挙結果は、米国の信用に影響をもたらす可能性がある。 Washington Post “https://www.washingtonpost.com/climate-environment/2024/01/31/podesta-john-kerry-climate-envoy/” (1/31/24)

内務省の土地管理局、西部州の2,200万エーカーをソーラー開発に開放することを提案

内務省(Department of the Interior)の土地管理局(Bureau of Land Management: BLM)は1月17日、ソーラー・ロードマップの更新版を発表した。更新版は、西部11州における2,200万エーカーの公有地をユーティリティ規模のソーラー開発に開放することを提案している。提案は、BLMの既存のソーラー開発に開放する用地マップ(アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、ネバダ、ニューメキシコ、ユタの各州)を改良し、アイダホ、モンタナ、オレゴン、ワシントン、ワイオミングにおける潜在的な開発用地マップを新たに追加している。BLMは、重要な動植物生息地や文化的資源の保護の度合いに応じて6つの代替ロードマップを提案しているが、ある自然保護団体の幹部によれば、BLMが好む選択肢は、従来はソーラー開発には不適切とされた用地が含まれているようである。BLMは、「開発は、慎重を要する資源から離れた用地で行われる」としているが、一部の環境保護派はこの見解に同意していない。 Utility Dive “BLM proposes to open 22 million acres in Western states to solar development” (1/18/24)

バイデン大統領、全国の主要輸送プロジェクトに約50億ドルを発表

バイデン大統領は1月25日、ウィスコンシン州スペリオを訪問した。ここは、同州とミネソタ州を結ぶブラトニク橋(Blatnik Bridge)があるところで、大統領はこの地で、「米国への投資(Investing in America)」議題の一部として全国の主要輸送プロジェクトに約50億ドルの資金を提供すると発表した。ここは2年前、「超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)」に署名したバイデン大統領が訪問し、「(ブランティク橋は)重要ながらも老朽化が進んでおり、全国で再建していくインフラの種類の一つである」と強調した場所である。今回発表された50億ドルの資金は全国で37件のプロジェクトを支援する。その主な内容は次の通り。①ブラトニク橋の置換に10億6,000万ドル、②I-5橋(I-5 Bridge)(オレゴン州とワシントン州を結ぶ、建設から100年経過した橋)の置換に6億ドル、③カリフォルニア州のハンボルト・オフショア風力プロジェクト(Humboldt Offshore Wind project)に4億2,700万ドル。 White House “FACT SHEET: President Biden Announces Nearly $5 Billion for Major Transportation Projects Nationwide” (1/25/24)

空軍研究所とブルックヘイブン国立研究所が量子通信、ネットワーキング協力強化で覚書

空軍研究所(Air Force Research Laboratory: AFRL)とエネルギー省(Department of Energy)傘下のブルックヘイブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)は2023年12月14日、量子通信及びネットワーキングの共同作業の強化を目的として、覚書(memorandum of understanding: MOU)に署名した。今回の合意により、ニューヨーク州ローマにあるAFRBの分散型量子ネットワーキング・テストベッド・ローカル・エリア・ネットワーク(Distributed Quantum Networking Testbed Local Area Network)による研究努力と、ニューヨークシティ地域にあるブルックヘイブン研究所のワイドエリア量子ネットワーク(Wide Area Quantum Network)」の研究努力とをリンクさせる。この共同作業により、エンパイア・ステート量子ネットワーク(Empire State Quantum Network)と称する量子ハブが確立される。ハブの目的は、量子ネットワーキングにおける短期的及び長期的機会について研究することである。AFRL情報総局(Information Directorate)の幹部によれば、MOUは、合同研究の取り組みを強化し、国家安全保障を維持する上で必要な主要インフラと支援を提供し、米国の量子技術産業を成長させるもので、これは、国家量子イニシアチブ法(National Quantum Initiative (NQI) Act)がガイドとなっている。 Brookhaven National Laboratory “AFRL, Brookhaven National Laboratory Sign MOU to Strengthen Quantum Communication, Networking Collaboration” (1/26/24)

エネルギー省、国内重要鉱物及びマテリアル・プロジェクトを拡大する計画

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon management: FECM)は1月25日、民間企業や大学、連邦、州政府、地方自治体、部族の人員で構成され、米国の具体的な地域を対象に、重要鉱物及びマテリアルと、高価値で非燃料の炭素ベースの製品を生産する経済的な可能性を全面的に実現できるよう、戦略を開発・実践する同盟チームを支援する資金提供公募(FOA)を発表する意向を明らかにした。このFOAが発表されれば、「炭素鉱石、レアアース、重要鉱物(Carbon Ore, Rare Earth and Critical Minerals: CORE-CM)」イニシアチブの一部として2020年に始まった取り組みが継続されることになる。同イニシアチブでは当初、非伝統的で二次的な原料を基にした重要鉱物サプライチェーンを評価及び実施することを目的に資金が提供された。今回の新たなFOAでは、その焦点先が、従来の流域(basin)からより大きな地域規模へと拡大され、関心のある地理的エリアとして、①東海岸(プエルトリコを含む)、②アパラチアン山脈、③中西部上部及びイリノイ州、④グレート・プレーンズ及び内陸部など、8エリアが挙げられている。 National Energy Technology Laboratory “DOE Plans To Expand Domestic Critical Minerals and Materials Projects” (1/25/24)

国土安全保障省科学技術総局、「遠隔アイデンティティ検証技術実証チャレンジ」のトラック3を発表

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)科学技術総局(Science and Technology Directorate: S&T)は、「遠隔アイデンティティ検証技術実証(Remote Identity Validation Technology Demonstration: RIVTD)」のトラック3(Track 3)の開始を発表した。RIVTDは、アイデンティティ文書を認証し、自撮り写真が本物であるかどうかを判断し、スマートフォンなどの機器で撮影された画像によるアイデンティティ検証の評価を行うシステムについて、その能力を評価する一連の技術チャレンジである。トラック1は、アイデンティティ文書の認証に焦点を当て、トラック2は不正の検知に焦点を当ててID文書の顔写真と自撮りの顔写真を比較するソフトウェアの能力評価を行った。トラック3では、本物の利用者と、他者のフリをする攻撃者を区別化する遠隔アイデンティティ検証システムの能力を実証する。 Department of Homeland Security “News Release: DHS S&T Announces Track 3 of the Remote Identity Validation Tech Demo Challenge” (1/23/24)

大統領府、アリゾナ州で労働力ハブ会合を開催、半導体製造人材開発支援にコミット

大統領府は1月25日、アリゾナ州フェニックスで労働力ハブ(Workforce Hub)会合を招集し、同ハブの協力組織による公平な労働力開発へのコミットメントを発表した。ジル・バイデン大統領夫人は2023年に「米国への投資(Investing in America)」議題を通じて、官民の歴史的な投資を促進し、良好職への経路を創出する5つの「労働力ハブ」の一つとして、フェニックスを発表していた。フェニックスの労働力ハブにおける進展として、①TSMCアリゾナ(TSMC Arizona)が、500万ドルを投じて半導体技術者登録見習い制度(semiconductor technician Registered Apprenticeship program)を確立する、②アリゾナ・コミュニティ財団(Arizona Community Foundation)がその他のコミュニティ・ベースの組織と協力し、公平な労働力開発イニシアチブを目的とした500万ドルの慈善的基金の創設を働きかける、などが発表された。これらの投資はバイデノミクスがミドルアウト及びボトムアップを通じて経済を成長させていることを実証する。 White House ” FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Holds Workforce Hub Convening in Phoenix, Announces Commitments to Support Talent Pipelines into Good Jobs in Semiconductor Manufacturing” (1/25/24)

SOLVE ITプライズを通じて地域のクリーンエネルギー・プロジェクトが強化

国内の一部の地域においては、エネルギーの費用が他に比べて割高であり、社会的少数派の地域の住民は、産業汚染やスモッグなど多くの課題に直面している。これらはより新しいクリーンエネルギー技術や脱炭素化技術を取り入れることで軽減の一助とすることができるが、多くの地域社会は、実行可能な行動計画を策定する資源と能力を持ち合わせていない。こうした中、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)が運営管理する新たな「持続的で実行可能なエネルギー・インフラ技術のソリューション(Solutions for Lasting, Viable Energy Infrastructure Technologies: SOLVE IT)」プライズは、地域社会ベースのクリーンエネルギー・プロジェクトを、地域社会自身の大幅な関与を得ながら実践できる事業体に500万ドルを授与するものである。プライズは、着手(Embark)、関与(Engage)、確立(Establish)の3つのフェーズで行われ、チームは最大73万ドルを受益することができる。 National Renewable Energy Laboratory “Local Clean Energy Projects Get a Boost Through New SOLVE IT Prize” (1/22/24)

国立エネルギー技術研究所、長期エネルギー貯蔵の選択肢について調査報告

国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)の研究者は、複数日及び季節的な期間における変動型再生可能エネルギー(variable renewable energy: VRE)資源の欠点に対してより良い対応が可能な長期エネルギー貯蔵の選択肢に関する研究を行い、報告書を発表した。その報告書「長期エネルギー貯蔵用途のためのエネルギー貯蔵媒体に関する技術・経済的調査(A techno-economic survey of energy storage media for long-duration energy storage applications)」は、オープン・アクセス・ジャーナルの「セル・レポート・サステナビリティ(Cell Reports Sustainability)」創刊号に発表された。研究者は、費用を低減し、VRE量を増加した電力グリッドの改良を実現するには、更なる長期的な研究開発投資が必要であると要請している。報告書を執筆したリゲル・ウッドサイド氏(Rigel Woodside)とリー・アスピタルテ氏(Lee Aspitarte)は、「再生可能エネルギー資源の断続性は、持続可能なエネルギー・システムを達成する上で大きな課題の一つである。グリッドが主としてVRE資源に依存するように移行する中、現在の化石燃料によって可能となっている信頼性と同等の信頼性を達成するには、劇的な変化が必要となる」と述べる。 National Energy Technology Laboratory “NETL Study Investigates Long Duration Energy Storage Options” (1/26/24)