連邦による実験的開発資金は工学及び生命科学に集中(2021年度)

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)の発表によれば、2021年度における連邦政府の実験的開発(experimental development)への交付決定予算(obligation)は合計1,039億ドルであった。連邦機関から実験的開発について研究開発(R&D)分野別に収集した新たなデータは、その42%(432億ドル)が工学分野へ、38%(394億ドル)が生命科学分野へ充当されたことを示している。2021年度より前は、こうしたR&Dの分野別データは、基礎研究と応用研究のみが対象であった。実験的開発は、「創造的かつ系統的な活動で、研究と実践的な経験から得た知識を活用し、追加の知識を生成するもので、それらは新製品もしくはプロセスの創出か、既存の製品もしくはプロセスの向上に向けられるもの」と定義される。 National Center for Science and Engineering Statistics “Federal Funding for Experimental Development in FY 2021 Was Concentrated in Engineering and Life Sciences” (1/16/24)

連邦R&Dプラント予算全体の60%以上はエネルギー省拠出分(2021年度)

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の国立科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)の発表によれば、連邦政府による2021年度の研究開発(R&D)プラントへの交付決定予算(obligations)と支出(outlays)は、前者が合計43億ドル、後者が同38億ドルであった。このうち最大の割合を占めるのはエネルギー省(Department of Energy)で、交付決定予算が27億ドル(62%)、支出が23億ドル(61%)となっている。R&Dプラントは、「R&D施設及び主要設備(用地や構造物、設備を含む)、知的資産(ソフトウェアまたはアプリケーション)で有益な使用期間が2年以上と推定されるものへの支出」と定義されている。これには、物理的資産の購入、建設、製造、修復、大型改良が含まれる。 National Center for Science and Engineering Statistics “The Department of Energy Accounted for over 60% of All Federal Funding for R&D Plant in FY 2021” (1/16/24)

エネルギー省、米国の電力グリッドの信頼性、対応力、安全保障の強化に3,400万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は1月16日、コスト効果が高く、高速かつ安全に地下に埋設する技術の開発を通じて、国内の老朽化したグリッドを強化及び現代化する12件のプロジェクト(11州)に3,400万ドルを提供すると発表した。「信頼性と対応力と安全保障のための積極的で高速な地下埋設によるグリッドの抜本的改良(Grid Overhaul with Proactive, High-speed Undergrounding for Reliability, Resilience, and Security: GOPHURRS)」プログラムを通じて選出されたプロジェクトは、グリッド・インフラの改良と拡大の一助となる革新的ソリューションの進展に取り組む。エネルギー省のエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)が受益チームを管理する。        Department of Energy “DOE Announces $34 Million to Improve the Reliability, Resiliency, and Security of America’s Power Grid” (1/16/24)

国防総省、基地のエネルギー効率プロジェクトに5,500万ドル以上を提供

米政権高官は、世界中の基地におけるエネルギー効率と対応力の向上を狙いとした国防総省(Department of Defense)のプロジェクトに5,500万ドル以上の新たな連邦資金を発表した。資金は、米国内の陸軍(Army)、海軍(Navy)、空軍(Air Force)、海兵隊(Marine Corps)、ワシントンDC本部のサービス基地と、ドイツの米陸軍駐屯地における8件のプロジェクトを支援する。国防総省の本イニシアチブは、エネルギー省(Department of Energy)が連邦施設における省エネ技術の導入を援助するために行うプログラムの第1フェーズの下で、合計1億400万ドル以上を受益する31件のプロジェクト(11連邦機関)の一部。バイデン大統領が2021年に署名して法制化した「超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)」の下、3回にわたって合計2億5,000万ドルの資金が提供されることが承認されており、今回はその1回目となる。 Department of Defense “DOD Awarded More Than $55 Million for Base Energy Efficiency Projects” (1/22/24)

EPBとオーク・リッジ国立研究所、エネルギー対応力と量子技術の研究協力計画を発表

テネシー州にあるEPB社(送配電及び通信企業)とオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)は1月26日、これまでの10年間に及ぶ協力関係を記念し、新たに「エネルギー対応力及び量子科学協力(Collaborative for Energy Resilience and Quantum Science: CERQS)」を発表した。両者の間ではこれまでに1億8,000万ドルが合同エネルギー関連研究に投じられてきた。CERQSは、EPBの高度で先端的かつ統合的なエネルギー及び通信インフラを活用して、電力グリッドの対応力と安全保障の強化及び量子技術の商業化加速を目的とした技術とベスト・プラクティスの開発に焦点を当てる。CERQSは、①量子科学技術における全国的なリーダーシップ、②エネルギー安全保障イノベーション、③労働力開発、④経済開発という4つの戦略的目標に焦点を当てるために創設された。EPBとORNLはこれまでに約30件の資金受益プロジェクトで協力している。 EurekaAlert! “EPB, ORNL announce plans for research collaborative focused on energy resilience, quantum technology” (1/26/24)

エネルギー省、国内製造業界の教育及び労働力開発の強化に360万ドルを提供

エネルギー省(Department of Energy)は1月24日、国内の製造業を支援する教育及び労働力開発プログラムを加速させるため、5件のクリーンエネルギー製造イノベーション研究所(Clean Energy Manufacturing Innovation Institutes)への資金提供を発表した。資金は、教育・労働力開発サービスを米国内のより広範なコミュニティへと拡大し、将来の労働ニーズに対応することに使用される。米国がクリーンエネルギー経済への移行を継続する中、こうした業界の労働力ニーズは近い将来に急速に拡大すると予測されている。受益するクリーンエネルギー・イノベーション研究所は、①クリーンエネルギー・スマート製造イノベーション研究所(Clean Energy Smart Manufacturing Innovation Institute)、②サイバーセキュリティ製造イノベーション研究所(Cybersecurity Manufacturing Innovation Institute)、③先端コンポ―サイト製造イノベーション研究所(Institute for Advanced Composites Manufacturing Innovation)、④パワーアメリカ研究所(PowerAmerica Institute)、⑤REMADE研究所(REMADE Institute)。 Department of Energy “DOE Awards $3.6 Million to Strengthen Education and Workforce Development in the Domestic Manufacturing Industry” (1/24/24)

NSF、ノースカロライナ州で2件のイノベーション・エンジンを開始、同地域に3,000万ドルの投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は1月26日、バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、NSF地域イノベーション・エンジン(NSF Regional Innovation Engines: NSF Engines)の最初の2件を発表した。ピエドモント・トリアド再生医薬エンジン(Piedmont Triad Regenerative Medicine Engine)と、ノースカロライナ持続可能テキスタイル・イノベーション・エンジン(North Carolina Sustainable Textiles Innovation Engine)で、いずれもノースカロライナ州にあり、それぞれ2年間で最高1,500万ドルを受益する(その後、10年間で最高1億6,000万ドルまで受益が可能)。NSFは今後、その他のNSFエンジンを発表していく。NSFエンジンは、米国史上、一つの場所を拠点とする研究開発への単一での最大規模の投資の一つ。2022年CHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act of 2022)で概説された超党派の優先事項を実践するもので、同法はNSFエンジン・プログラムの実践を指示している。 National Science Foundation “NSF names two new Innovation Engines in North Carolina, announces $30 Million in new investments to region” (1/26/24)

エネルギー省、拠点ベースのエネルギー需要対応に2,000万ドル以上を発表

エネルギー省(Department of Energy)は1月18日、「エネルギー効率及び節約ブロック・グラント(Energy Efficiency and Conservation Block Grant: EECBG)プログラム」を通じて、32の州、準州、地方自治体、部族に2,050万ドルの資金提供を発表した。エネルギー省のジェニファー・グランホルム長官(Jennifer M. Granholm)長官が、ワシントンDCで行われた第92回年次米国市長会議冬季会合(U.S. Conference of Mayors Winter Meeting)で全国の市長を前に発表した。15市、9郡、5州、1部族、1準州、ワシントンDCが受益し、電気自転車インセンティブ・プログラムや低所得世帯を対象とした無料の住宅ソーラー発電活用、地方自治体の車両の電化、脱炭素化廃棄管理戦略、地方自治体ビルのエネルギー監査といった活動に取り組む。 Department of Energy “DOE Announces Over $20 Million to 32 States and Local Communities Addressing Place-Based Energy Needs” (1/18/24)

国立再生可能エネルギー研究所、新研究所設計事業者を選出

エネルギー省(Department of Energy)傘下の国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は、コロラド州ゴールデンのサウス・テーブル・マウンテン・キャンパス(South Table Mountain Campus)の東側に建設される新たな研究施設の設計及び建設契約企業として、JEダン・コンストラクション社(JE Dunn Construction)とその設計パートナーであるスミスグループ社(SmithGroup)を選出した。新たに建設されるのは、12万7,000平方フィートの「大型エネルギー・マテリアル&プロセス研究所(Energy Materials and Processing at Scale (EMAPS) laboratory)」で、業界パートナーや大学、その他のエネルギー省研究所との共同作業を通じて、エネルギー・マテリアルにおけるラボ規模のイノベーションを市場化へ向けた製品とプロセスに加速的に移行させる施設となる。JEダン社とスミスグループ社は10年前にもNRELと提携し、エネルギー・システム統合施設(Energy Systems Integration Facility: ESIF)を完成させた。 National Renewable Energy Laboratory “News Release: NREL Selects JE Dunn Construction and SmithGroup as Design-Build Contractor for Newest Laboratory” (1/16/24)

DARPA、成人の学習に関するAIツール・コンペを再度実施

技術的進展及び経済状況の変化により、適応型で優れた労働力を構築するために必要なスキルが変化している。「2023年国防科学技術戦略(2023 National Defense Science & Technology Strategy)」が強調しているように、米国は、20世紀の教育慣行で21世紀型の能力を創出することはできない。世界経済フォーラム(World Economic Forum: WEF)は、2025年までに世界の全労働者の50%が市場で競争するためのリスキルが必要になると予測している。職業における技術への依存が増大している点は、低所得者及び歴史的に少数派の層を中心とした労働力に追加の課題をもたらしている。しかし、人工知能(AI)における最近の進展により、学習者の反応に基づいてリアルタイムで学習指導内容を構成できるコンピュータ・ベースのシステムは、これらの問題に対処する一助となり得る。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は今般、成人学習者が現代経済で成功できるよう力添えする革新的で自主的なツールのアイデアを模索するツールコンペ(Tools Competition)に取り組む。こうしたツールコンペはDARPAにとって2度目となる。今般、「適応型で競争的な労働力の構築(Building an Adaptive & Competitive Workforce)」トラックを通じて、技術者やデジタル学習プラットフォームの専門家、研究者、学生、教育者を対象に、データ科学やSTEMなどの複雑な教科で成人のアップスキル及びリスキルを支援するAIツールの提案を模索する。新たなトラックは3つのフェーズで構成され、勝者となったツールには75万ドルが贈られる。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Reboots AI Tools for Adult Learning Competition” (1/22/24)