ドミニオン・エネルギー社、ノース・アンナ原子力拠点に小型モジュール炉を建設することの実現可能性について見解を要請

ドミニオン・エネルギー社(Dominion Energy)の7月10日の発表によれば、バージニア州ルイサ郡にある同社のノース・アンナ原子力発電所(North Anna nuclear power station)に小型モジュール炉(small modular reactor: SMR)を建設することの実現可能性を評価するため、SMR業界を対象にプロポーザルの要請(closed request for proposals)を行った。同日に行われた記者会見で、バージニア州のグレン・ヤングキン知事(Glenn Youngkin)(共和党)は、SMR関連の開発費用について、ドミニオン社が州の規制当局から料金調整の承認を模索することを認める法案に署名して法制化した。「将来の電力需要に対応するため、バージニア州民に信頼性が高く、手頃な費用でクリーンなエネルギーへのアクセスを提供する新興技術を模索し続けることは我々にとって重要である」と知事は声明した。バージニア州ではデータ・センター業界のブームにより、電力需要の増加が見込まれている。 Utility Dive “Dominion Energy requests input on feasibility of building SMR at North Anna nuclear site” (7/12/24)

電力不足が米国の主要データセンター市場における賃貸価格の上昇に

CBREが6月24日に発表した「2024年グローバル・データ・センター・トレンド(2024 Global Data Center Trends)」報告によれば、世界的に発生している継続的な電力不足が、世界のデータセンター市場の成長を大幅に阻害している一方で、豊富な電力を持つ二次市場は更なる投資を引き付ける見込みである。主要な市場で空室率が過去最低水準となり、北米やその他の地域において、電力の調達は優先事項の一つとなっている。企業はデータセンターの能力確保が次第に厳しくなっているにもかかわらず、北米におけるインベントリは2024年第1四半期に前年比で24.4%増加し、バージニア州北部、ダラス、シカゴ、シリコン・バレーにおける807.5メガワットの増加がそれを先導した。需要の増加に対処するため、地方自治体は、許認可を簡素化し、再生可能エネルギーをグリッドに統合するなどして、電力の制約を緩和しようとしているとCBREは報告している。 Utility Dive “Lack of power pushes rental price increases in major U.S. data center markets: report” (7/11/24)

バイデン政権、登録見習い制度への過去最大投資を発表

バイデン政権は7月11日、「米国への投資(Investing in America)」によって創出された良好賃金と米国民とを結びつけるための新たな措置を発表した。具体的に、大統領府国内政策補佐官(White House Domestic Policy Advisor)のニーラ・タンデン氏(Neera Tanden)と、労働省(Department of Labor)のジュリー・スー長官代理(Julie Su)がペンシルバニア州ウィリアムスポートで開催された会合で、成長中の米国産業における登録見習い制度(Registered Apprenticeship system)の現代化や多様化、拡大を目的として2億4,400万ドル以上を投資すると発表した。これは、登録見習い制度への連邦投資としては、米国史上最大規模になる。その後、両高官は、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)及び運輸省(Department of Transportation)の高官と共に、同州フィラデルフィアで、同市の「米国への投資労働力ハブ(Investing in America Workforce Hub)の初回会合を招集し、全ての労働者が良好賃金の雇用へ平等なアクセスを得られることを確実にするための新たな政策及びパートナーシップを発表した。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces Record Federal Investments in Registered Apprenticeships, Holds Workforce Hub Convening in Philadelphia with New Commitments to Train and Hire Residents to Work on Major Infrastructure Projects” …
Read more

カリフォルニア州を筆頭に半導体企業R&Dの約90%が6州に集中

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)の発表によれば、米国内の半導体及びエレクトロニクス部品製造業界(NAICS3344)が実施した研究開発(R&D)は、2021年に474億ドルに達した。これは前年比9.8%増となる(現行ドル)。そのうち、455億ドルのR&Dは、企業が支出及び実施した。州別に見ると、企業が拠出した米半導体企業R&Dの中で圧倒的に多いのはカリフォルニア州で、230億ドル(全体の51%)となっている。次の5州(オレゴン、アリゾナ、テキサスを含む)が合計で38%のシェアを有する。 National Center for Science and Engineering Statistics “Six States Perform Around 90% of Semiconductor Business R&D, Led by California” (7/9/24)

DARPAのGRYPHONプログラムによる光通信の発見

無線周波(Radio frequency: RF)やマイクロ波の信号は、我々の日常生活を豊かにする技術情報を運ぶ重要な手段であり、各システムの中心にある単一周波数のRFまたはマイクロ波の源の安定性とスペクトル純度は重要である。これらの源は、正確な周波数で信号を生成するよう設計されているものの、実際にはコンポーネントの不完全性や環境的要素から生じる位相雑音によって曖昧になり、最終的にシステム・レベルのパフォーマンスが損なわれる可能性がある。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「低ノイズのためのフォトニック発振器を用いた無線周波の生成(Generating Radio Frequency with Photonic Oscillators for Low Noise: GRYPHON)」プログラムは、こうした状況を変える可能性がある。同プログラムの第1フェーズで、研究者は、異なる光源手法を用いて、形状や仕様が著しく縮小された形態での高純度マイクロ波生成へ向けて重要な進展を示した。そのファインディングは最近、専門誌などで発表され、プログラムは現在、第2フェーズへ進んでいる。 Defense Advanced Research Project Agency “Everyday Life, Improved by Light: GRYPHON’s Photonic Discoveries” (7/10/24)

ARPA-E、合成窒素肥料の利用減に向けた技術開発に3,600万ドル

エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)は7月11日、米国のエタノール生産に使用されるソルガムとトウモロコシの栽培から発生する亜酸化窒素(N2O)を50%低減する技術の開発に、最高3,600万ドルを提供すると発表した。この新たな「合成窒素の排出を修正及び抑制する技術(The Technologies to Emend and Obviate Synthetic Nitrogen’s Toll on Emissions: TEOSYNTE)」プログラムは、トウモロコシ及びソルガムの畑における合成窒素肥料の使用を低減する戦略に重点を置く。合成窒素肥料の使用を低減することで、温室効果ガス排出が削減され、農家は、収穫を維持しつつ、運用費用を大幅に低減することができる。TEOSYNTEプログラムで選出されたプロジェクトは、①米国農業における合成窒素肥料の使用を減らすことで、海外の合成窒素肥料の輸入を低減する、②米国農家の運用費用を数十億ドル節約して効率性を高め、エタノール及びエタノール由来の持続可能な航空燃料の炭素排出強度を低減する、③合成窒素肥料の生産で発生する二酸化炭素排出と、合成窒素肥料使用後の亜酸化窒素の排出を低減する、ことに取り組む。 Advanced Research Projects Agency-Energy “ARPA-E Announces $36 Million to Develop Technologies to Lower Greenhouse Gas Emissions from Ethanol Production, Reduce Operating Costs for American Farmers” (7/11/24)

オープンAI、ロス・アラモス国立研究所と提携

オープンAI(OpenAI)社とロス・アラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)が提携し、研究所内での生成AIの使用に伴う恩恵とリスクに関する研究することが明らかになった。オオープンAI社とロス・アラモス国立研究所による最初の試みは、分子生物学のスキルがない人物が基礎的なバイオ医療タスクを実施することをAIを使って支援するというもの。オープンAI社は、「この種としては初の取り組みであり、生成AIシステムが最も助けとなる研究分野は何かという点を明らかにする助けとなり得る」とする。ロス・アラモス国立研究所の幹部は、「研究所内にAIを取り入れることは、技術が、ツール及び脅威の双方において果たし得る役割を理解する上で鍵となる」と語っている。 Axios “Exclusive: OpenAI partners with Los Alamos to study AI in the lab” (7/10/24)

専用のクリーン水素生産が電力部門の脱炭素化で果たす役割は限定的に

クリーン・エア・タスク・フォース(Clean Air Task Force: CATF)は7月4日、「電力部門における水素:電力グリッドの脱炭素化における限定的な見通し(Hydrogen in the Power Sector: Limited Prospects in a Decarbonized Electric Grid)」と題する報告書を発表した。電力部門でクリーン水素を使用することの可能性について分析したもので、それによれば、専用のクリーン水素生産及び使用は、多くの場合、費用高で脱炭素化戦略としては非効率的であるという。一方、電解水素を貯蔵燃料として使用し、余剰のクリーン電力のバランスを図ることには一定の可能性がある。ただし、地熱や原子力エネルギーなどのクリーンで確実な電力生産を導入することで、長期貯蔵のニーズを最小限化する代替戦略の方がコスト効果が高いとしている。報告書は、その他のキーファンディングとして、①電力部門における水素の役割を将来的に実現するには、貯蔵及び移送に関する大幅なインフラ投資が求められるだろう、②専用の再生可能資源から生産される電解水素にはトレードオフがある(再生可能資源はグリッドを脱炭素化できるが、電解水素を生産することでグリッドの脱炭素化は遅れる)、などが挙げられている。報告書はまた、電力部門の脱炭素化について、複数の勧告も行っている。 Clean Air Task Force “Dedicated clean hydrogen production likely has a limited role in power sector decarbonization, finds CATF report” (7/4/24)

世界的なソーラーと風力発電の能力は2033年までに3倍以上の8TWに

ウッド・マッキンゼー社(Wood Mackenzie)の最新報告「2024年第2四半期:世界のエネルギー貯蔵市場概況の更新(Global energy storage market outlook update: Q2  2024)」によれば、今後10年間で世界のエネルギー貯蔵は636%成長して926ギガワット(GW)/2789ギガワット時(GWh)が追加され、合計で1,085GW/3,147Gwhに到達し、風力とソーラーは少なくとも5.4テラワット(TW)追加されて合計8TWに達するとの見込みである。ソーラーと風力発電の新規設置能力は、2023年の500GWから、向こう10年間は年平均560GWに増加すると、ウッド・マッキンゼー社は予測している。同社はまた、新規のソーラー、風力、エネルギー貯蔵の設置は中国が支配的となり、現在から2033年の間に、3.5TWのこれらの資源がグリッドと接続されるとしている。中国の中央政府による政策支援が世界最大の風力市場を促進しており、北米、アジア、欧州の国々も成長は予測されるものの、許認可やグリッド・アクセス、資金調達、サプライチェーンの有用性に関する課題が、2026年までを通じてオフショア風力市場に影響を及ぼすとの見解を示した。 Utility Dive “Global solar and wind capacity will more than triple to 8 TW by 2033: Wood Mackenzie” (7/9/24)

エネルギー省のラボ組み込み型アントレプレナーシップ・プログラムに33名を選出

エネルギー省(Department of Energy)は7月10日、「ラボ組み込み型アントレプレナーシップ・プログラム(Lab-Embedded Entrepreneurship Program: LEEP)」の最新ラウンドのコホートとして33名のフェローを発表した。選出された33名は、4つの国立研究所に配属され、メンター及び専門家による広範なネットワークと共に、次世代技術の開発に取り組む。LEEPが2015年に開始して以来、153のスタートアップが27億3,000万ドルの後続資金を引き付け、2,343名の雇用を創出した。これまでのLEEPのイノベーターは、米国の産業全般でブレイクスルーとなる技術を開発し、米国製造企業の立ち上げに成功している。今回、ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)に14名のフェローが、オーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)に8名のフェローが、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)に5名のフェローが、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory)に6名のフェローが参加する。 Department of Energy “33 Innovators Selected for the U.S. Department of Energy’s Lab-Embedded Entrepreneurship Program” (7/10/24)