国防総省、不正技術移転に関与する海外機関のリストを更新

国防総省(Department of Defense)は7月19日、問題行動に関与している海外機関のリストの2023年度更新版を発表すると共に、国家安全保障に脅威を呈している海外の人材プログラムに関する2022年度のリストの再確認を行った。これは、2019年度国防承認法(FY19 National Defense Authorization Act)の第1286条の下で定められているもの。この更新は、海外懸念国への未承認の技術移転を浮き彫りにし、これに対抗するための国防総省による継続的取り組みとして重要である。DODは、リストに掲載されている機関と関与している研究者や学術機関、業界パートナーに注意を喚起している。国防総省は、少なくとも年に一度、または必要に応じてリストの更新を継続している。 Department of Defense “DOD Releases Updated List of Foreign Institutions Engaging in Problematic Activities to Counter Unauthorized Technology Transfer” (7/19/24)

米国の鉱山開発に要する期間は世界で2番目に長い29年

S&Pグローバル社(S&P Global)が作成した報告書によれば、米国で新たな鉱山を建設するには平均して約29年を要している。これは、ザンビアについて世界で2番目に長い期間であり、エネルギー移行のためにリチウムやニッケル、その他の鉱物の生産を強化するという米国の取り組みに支障となる。鉱業企業や一部の政策策定者は、鉱業の許認可取得のプロセスは複雑で時間がかかりすぎると考えており、それらの合理化を図るよう米高官への圧力が高まる中、今回の報告書が発表された。こうした問題点は、重要鉱物部門でほぼ完全支配を得ている中国に対抗する努力を損なう。S&Pは、世界中の268件の鉱山プロジェクトを対象に、金属堆積が最初に発見されてから生産が開始されるまでの時間を調査した。それによれば、銅とコバルトが豊富なザンビアでの開発期間は約34年間と世界最長で、米国より5年長い。次いで、カナダ、アルゼンチン、モンゴリアとなっている。一方、世界で鉱山開発期間が最も短いのは、ガーナ、今後民主共和国、ラオスで、それぞれ約10~15年となっており、米国と最も類似した国々の中で最短の国はオーストラリアの20年である。 Reuters “US mine development timeline second-longest in world, S&P Global says” (7/19/24)

大統領府、2026年度のサイバー予算増額を希望

行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)のシャランダ・ヤング長官(Shalanda Young)と国家サイバー局長(National Cyber Director)のハリー・コーカー氏(Harry Coker Jr.)は7月10日、連邦省庁機関のトップ宛てに、「2026年度予算の政権サイバーセキュリティ優先事項(Administration Cybersecurity Priorities for the FY 2026 Budget)」と題するメモを通達した。それによれば、大統領府は、国内のサイバー防衛を向上させるための資金を連邦機関がより多く要請することを期待している。メモは、連邦省庁に対して、次の予算要請を見直し、バイデン政権の国家サイバー戦略及び実践計画と整合させるよう指示した。メモは、通達日から120日以内に、ゼロトラストの実践計画をOMBと国家サイバー局長室(Office of the National Cyber Director: ONCD)に提出及び更新すること、2026年度末をターゲットとすることを求めている。加えて、連邦省庁機関に、予算を更新し、バイデン大統領が今年発表した重要インフラの国家安全保障に関するメモを反映するよう指示している。更に、重要インフラ部門を監督する連邦当局には資源と責務を優先付けるよう求めている。 Cyber Scoop “White House wants to boost cyber funds for fiscal 2026″ (7/11/24)

エネルギー省、スマート製造技術の進展に3,300万ドル提供公募

エネルギー省(Department of Energy)の先端マテリアル及び製造技術局(Advanced Materials and Manufacturing Technologies Office: AMMTO)は、米国のクリーン・エネルギー移行に必要な革新的技術とマテリアルの開発及び導入のためのスマート製造技術及びプロセスの進展を加速させることを目的として、3,300万ドルの資金提供公募(FOA)を発表した。製造部門の技術的パフォーマンスや生産性、品質保証、安全保障を改善するためのデジタル化や人工知能(AI)もスマート製造の対象となる。FOAは、対象となるトピックとして、①循環経済のためのスマート製造、②持続可能な輸送のためのツール及び設備のスマート製造、③高性能マテリアルのスマート製造、④持続可能で競争力のある米国鉱業のためのスマート技術、が提示されている。 Department of Energy “$33 Million in Funding Available To Advance Smart Manufacturing Technologies To Help Accelerate a Clean Energy Economy” (7/18/24)

バイデン政権、公益技術の進展に向けた関係機関のコミットメントを発表

バイデン政権は、米国の安全、セキュリティ、民主的価値、人権を保護するための技術の進展にコミットしている。大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は7月16日、技術エコシステム全般のリーダーを招集し、政府技術が担う重要な役割を祝い、頑強で包含的な技術環境を構築するための取り組みを強調した。政権はまた、政府、学術機関、市民社会による、公益技術のエコシステムを成長、実現するための行動も発表した。具体的な事例は次の通り。①米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、研究、実践、学習機会の進展に少なくとも4,800万ドルを提供する、②国防総省(Department of Defense)は、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)とOSTPの支援を得て、「信頼できるアドバイザー・パイロット(Trusted Advisors Pilot)」プログラムを年内に実施する、③フォード財団は、公益技術分野の強化に2,000万ドル以上を費やす、④シーゲル・ファミリー基金(Siegel Family Endowment)は、今後3年間に、公益技術に2,000万ドルを投資する。 White House “Fact Sheet: Biden-⁠Harris Administration Announces Commitments from Across Technology Ecosystem including Nearly $100 Million to Advance Public Interest Technology” (7/16/24)

連邦資金を受けたR&DセンターのR&D支出は2023年度に13%増加

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)の発表によれば、全国で42件ある「連邦資金を受けた研究開発センター(federally funded research and development centers: FFRDCs)」の2023年度のR&D支出は293億ドルで、現在ドル(current dollars)で前年度比12.7%増となった。連邦政府が拠出したR&D資金は289億ドルで、同資金は前年度より12.8%増加した。2023年度は、2011-2013年度にR&D支出が減少して以来、10年連続の増加(名目)となる。実質ドル(constant dollars)(2017年を基準)で見ると、最近では、2021-2022年度に減少している。また、実質ドルで見ると、FFRDCによるR&D支出の合計は、2013-2023年度に年平均2.6%増加した。現在ドルでは同期間に年平均5.2%増加している。FFRDCによるR&D支出の98.5%は連邦資金で、非連邦による資金の内訳は、企業、非営利組織、州及び地方自治体、その他、となっている。連邦機関の中では、エネルギー省(Department of Energy: DOE)が56.7%、国防総省(Department of Defense)が20.7%を占めた。記事ではこの他に、具体的なFFRDCにおける支出のトレンド、R&Dの種別の支出について記述している。 National Center for Science and Engineering Statistics “Federally Funded R&D Centers Report 13% Increase in R&D Spending in FY 2023” (7/15/24)

米中間の科学的交流が激減

全米経済研究所(National Bureau of Economic Research: NBER)が発表した新たな報告書「科学の周囲に壁を作る:米中間の緊張が国際科学研究に及ぼす影響(Building a Wall Around Science: The effect of US-China tensions on international scientific research)」によれば、2016年にトランプ大統領が選出されて以来、米中間の科学協力は著しく減少している。報告書は、①STEM研修生のモビリティ(米国で博士課程を履修する中国人学生が、取得後も留まる可能性など)、②中国にいる中国人研究者が米国の科学研究を使用する(そしてその逆)可能性、③ピアレビュー論文の作成数に基づく科学的生産性、の3つの分野で量的データを調査した。調査結果は、ほぼ全てにおいて、「学術機関からの正式な追放や暴力的な戦争よりも遥かに低いレベルでの地政学的緊張が、科学者のモビリティに大きな変化をもたらす可能性がある」ことを示している。記事は、「反中感情」、「トランプ前大統領の『中国イニシアチブ』に関する議論」、「米国論文の引用」、「生産性への影響」、「今後の人材への影響」について論じている。 University World News “Study shows drastic decline in US-China scientific exchange” (7/11/24)

GAO、「優先事項公開勧告:エネルギー省」を発表

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は今般、「優先事項公開勧告:エネルギー省(Priority Open Recommendations: Department of Energy)」を発表した。GAOは2023年5月に、エネルギー省向けに30件の優先事項勧告を提示した。エネルギー省はそのうち7件を実施し、エネルギー部門のサイバーセキュリティ枠組みにおける利点と弱点を特定したり、詐欺リスクを管理するなどの措置を講じた。GAOは2024年6月に、エネルギー省向けの追加の勧告を4点特定し、エネルギー省向けの勧告は合計27件となった。これらの勧告には、①プロジェクト/プログラム/ポートフォリオ管理の改善、②契約管理の改善、③内部の脅威とサイバーセキュリティへの対策、④エネルギーの信頼性/セキュリティ/対応力の強化、⑤原子力の現代化における課題への対処、などが含まれる。 Government Accountability Office “Priority Open Recommendations: Department of Energy” (7/8/24)

フロリダ州、州内の新規先端原子力に関する調査

フロリダ州議会で可決され、ロン・デサンティス知事(Ron DeSantis)が署名した包括的エネルギー法の下、フロリダ公共サービス委員会(Florida Public Service Commission)は、先端原子力技術を追加することの経済的及び技術的実行可能性について、2025年4月1日までに知事及び議会へ報告書を提出する。報告書には、軍事基地を中心に、州内における新たな原子力発電を支援するためのファインディングと勧告も含まれる。バイデン政権は6月に、2030年までに軍事基地向けの先端原子力エネルギー・プロジェクトを委託することを目的として、募集を開始した。一方、フロリダ州の公益委員会は、新規の原子力発電の導入へ向けた調査を開始するため、9月5日にワークショップを実施する予定で、州の緊急管理部(Division of Emergency Management)と環境保護省(Department of Environmental Protection)が洞察を提供する。州議会下院の分析によれば、フロリダ州の電力の約13%を原子力発電が占めるが、州では1980年代以降、新たな原子力発電所は設置されていない。また、デューク・エネルギー・フロリダ社(Duke Energy Florida)は2013年に、構造物の汚染被害が継続しているクリスタル・リバー原発(Crystal River nuclear plant)の恒久的閉鎖を決定している。 Nuclear Newswire Wire “Florida studying new, advanced nuclear power” (7/10/24)

GAO、繊維のリサイクル技術について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は7月9日、「科学技術スポットライト:繊維のリサイクル技術(Science & Tech Spotlight: Textile Recycling Technologies)」と題する報告書を発表した。米国は、世界最大の繊維消費国の一つであり、衣服ブランドは現在、20年前に比べて約2倍量の衣服を生産している。消費者が衣服を処分するまでに着る回数は以前より減少しており、これらは、環境への大きな影響を示す。リサイクルは、繊維ゴミが埋立地へ行く前に有益な用途へ転換することができる。報告書は、キーファインディングとして、①機械的及び化学的な繊維のリサイクル技術は、それを支えるインフラがないことから、限定的である、②繊維の品質を維持し、混合マテリアルを分離するためのリサイクル技術は、依然として開発段階である、③繊維リサイクルを広範に実施する上での障害には、マテリアルの持続可能性、高費用、環境面の配慮が含まれる、を挙げている。報告書は、繊維のリサイクルに関する技術、機会、課題、政策的意味合いと質問についても記述している。 Government Accountability Office “Science & Tech Spotlight: Textile Recycling Technologies” (7/9/24)