インドの新法律、原子力分野における米国企業の進出にまったをかける

米国とインドは2005年に民生用原子力協定で合意したが、これによって期待されていた米国企業のインド進出を阻むような法案がインドの国会で可決された。一般的に、原子力発電所を有するほぼ全ての国では、原子力発電所で事故が起こった場合、供給会社は訴訟を免れ、原子力発電所の運営事業者に賠償責任が課せられているが、このインドの新法では、装置供給会社に賠償責任を問うことが可能となっている。この法律により、米国装置供給会社のインド進出が難しくなることが予想されているが、対策として、米国とインドの政府間で、外国供給会社が訴訟された場合、インド政府が補償することを約束する政府間協定の実施など、いくつかの選択肢が考えられている。しかし、米国企業は法律が改正されて供給会社が負う賠償責任をなくすことを望んでいるのが現状である。 The Wall Street Journal “India Law Threatens U.S. Energy Deals” (09/09/10)

GAO、「大学研究支援において間接費償還方法を改善する必要あり」と報告

政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は、国防総省の助成金を受けて基礎研究を行う大学への間接的費用の償還方法について、①国防総省が大学へ償還する間接費の割合に関して、提案比率と交渉後の比率の変動幅およびその要因、②間接費償還の上限を定めた運営費上限(administrative cap)と国防総省基礎研究上限(DOD basic research cap)がどのように、またどの程度影響を及ぼしているか、③間接費の償還の適合性を監督するために国防総省が利用している手法、について調査した。GAOは、報告書の中で、間接費の償還比率に大きな幅があること、運営費上限は一部の大学の償還に制限を及ぼしていたこと、国防総省による間接費償還の適合性監督方法には問題があることなどを報告した上で、償還比率の設定に一貫性をもたせ、償還の監督を向上させる手法について勧告を行っている。 GAO “University Research: Policies for Reimbursement of Indirect Costs Need to Be Updated” (07/31/10)

チュウ・エネルギー長官、炭素捕捉・隔離シミュレーション・イニシアチブを発表

エネルギー省のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は9月8日、「炭素捕捉・隔離(CCS)シミュレーション・イニシアチブ(Carbon Capture and Storage Simulation Initiative)」を発表し、同イニシアチブに米国復興・再投資法(American Recovery and Reinvestment Act)から最高4,000万ドルの助成を行うと述べた。同イニシアチブは、国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory:NETL)およびNETLの地域大学同盟(カーネギー・メロン大学、ペンシルバニア州立大学、ピッツバーグ大学など5大学)がローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)やロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)など4つの国立研究所と提携し、工業規模のCCS技術の開発および導入を加速させる有効かつ予測的なシミュレーションツールを開発するというもの。このイニシアチブで得られた情報は、より低価格で効率的な工業規模のCSSプロセスを開発するというエネルギー省の努力を強化すると期待されている。 U.S. Department of Energy “Secretary Chu Announces Carbon Capture and Storage Simulation Initiative” (09/08/10)

米国労組、中国政府によるクリーンエネルギー支援に苦情申し立てを行う

ユナイテッド・スチールワーカース労働組合(United Steelworkers Union)は米通商代表部(U.S. Trade Representative:USTR)に対して、中国からの再生可能エネルギー製品に対する苦情申し立てを行い、中国政府による不当な助成や優先措置について調査するよう求めた。中国政府による違法な輸出クレジット、入札における優先措置、製品に使用される鉱物輸出規制、外国企業に対する差別措置により、中国企業は不当に有利になっていると労働組合側は主張している。労働組合側は、301条に基づいた苦情申し立てを行っており、オバマ政権は45日以内に調査を行うか否かを決定する。 Bloomberg Businessweek “China Clean-Energy Aid Triggers Trade Case in U.S.” (09/09/10)

米国、世界経済フォーラムの「世界競争力報告」で順位を下げる

世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が9月9日に発表した「2010/2011年版世界競争力報告」によれば、スイスが昨年に続き世界で最も競争力のある国として昨年に続き1位を維持したが、昨年2位だった米国は4位に下がった。2位はスウェーデン(昨年4位)、3位はシンガポール(同3位)となっている。米国が順位を下げた理由について、WEFは「米国のマクロ経済の不均衡の拡大、公的および民間部門の弱体化、金融市場の不安定さ」を挙げている。また、米国の経営者らは、政治家および政府による民間企業との関係にあまり信頼を示していないという。WEFによるランキングは、公的部門・民間部門、インフラ、医療および教育、市場規模、マクロ経済環境などの競争力指標に基づいて行われ、経営者へのアンケート調査なども考慮されている。 Reuters “U.S. slips in WEF’s competitiveness rankings” (09/09/10)

連邦政府、新ウェブサイトChallenge.Gov立ち上げ

9月7日、官民連携によって課題の解決を目指す新しいウェブサイト「Challenge.gov」の立ち上げが発表された。連邦調達庁(General Services Administration:GSA)が運用するChallenge.govは、連邦機関が投稿した課題に対して、国民が解決に向けたアイデアを提案する場として機能する。また、採用された提案には賞金が贈られることになる。現在既に15の省庁から35件の課題が発表されており、その中には、1ガロン当たり100マイル以上の走行が可能な低燃費自動車の開発(エネルギー省とプログレッシブ社、Xプライズ財団による共同課題で賞金最高500万ドル)や、健康的な学校給食レシピ(オバマ大統領夫人による児童健康促進「Let’s Move」運動の一環で、賞金1万2,000ドル)などがある。 Tech Daily Dose “New Gov Website: Challenge.gov” (09/07/10)

エネルギー省、炭素捕捉技術の研究開発事業に5億7,500万ドル交付

エネルギー省は9月7日、炭素捕捉技術に関する研究開発プロジェクトに合計5億7,500万ドルの助成金を交付すると発表した。対象となるのは、15の州で行われる22件のプロジェクトで、その内容は炭素捕捉用地の地質学分析や、炭素捕捉・隔離(CSS)の向上につながるターボ機械やエンジンの開発など。CSS技術についてはその実現可能性に疑問の声も上がっているが、オバマ大統領は10年以内にコスト効果の高いCSS技術を商業化することを目標としており、実用化に向けた障害を克服する計画を策定する作業部会も今年設置されている。 The Wall Street Journal “Rising Wages Rattle China’s Small Manufacturers” (08/01/10)

オバマ大統領、設備投資減税を提案へ

オバマ大統領は9月8日、2011年まで企業による新規の工場・機器への投資を税控除とする計画を提案した。これは雇用創出の推進を目的としたもので、2,000億ドル相当の税が軽減される見込みである。しかし実施に当たっては議会の承認が必要であり、中間選挙が2ヶ月後に迫る中、今後の展開は不明となっている。一方でオバマ政権は、本減税案を9月8日に遡って効力のあるものにするとしており、議会の承認を待たずに企業が投資活動を活発化することを期待している。 The New York Times “Obama to Propose Plant and Equipment Tax Write-Off” (09/06/10)

医薬品業界の競争力とイノベーションの推進を目的とした団体設立へ

米国医薬品開発業界の国際的競争力の強化を目的とする団体、「医療イノベーション・競争力同盟(Medical Innovation and Competitiveness:MedIC)」が、ベンチャーキャピタルおよびそれらが投資するベンチャー企業各社の賛同の元で設立された。MedICの会長で大手ベンチャーキャピタル企業のパートナーであるベス・シーデンバーグ氏(Beth Seidenberg)は、「米国の世界的リーダーシップを脅かすような事態が続いている」としており、その一つとして、医療保険改革法により保険会社が高額な新医薬品や医療機器の支払いに消極的になる可能性を指摘している。こうした中、「イノベーションに関する議論が全くない」として、MedICはイノベーターやアントレプレナーの意見により耳が傾けられるような場を提供していく他、食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)に対しては、新医薬品の承認プロセスを改善するよう求めていく予定である。 The New York Times “Group to Promote Competition and Innovation” (09/08/10)

オバマ大統領、研究開発税措置の恒久化を提案

11月の中間選挙を控え、低迷する景気と民主党を鼓舞することを目的として、オバマ大統領は9月8日、企業の研究開発費を対象とした税控除措置を拡大および恒久化するよう議会に求める予定である。同税控除措置は民主・共和党の両方から、また、企業からも広く強い支持を得ているが、コストが高いため、1981年以来、常に暫定的な更新が行われるのみとなっており、現在その更新は議会において保留となっている。研究開発税控除を負担するため、政権はその他の法人税優遇措置の廃止を提案すると見られている。しかし、夏休み明けから中間選挙までの期間が短いことや、共和党は法案の成立を民主党が誇示することを嫌うため、本提案の内容が法律として成立する見通しは不明である。 The New York Times “Obama to Pitch Permanent Research Tax Credit” (09/04/10)