オバマ大統領、500億ドル規模の新インフラ計画を発表

ウィスコンシン州ミルウォーキーにおける演説の中でオバマ大統領は、国内の道路や鉄道、滑走路の拡張および改修を目的とした新インフラ計画を議会に提案すると発表した。この新インフラ計画「米国の道路・鉄道・滑走路の改修と拡張(Renewing and Expanding America’s Roads, Railways and Runways)」は、15万マイルの道路、東西両海岸を結ぶ4,000マイルの鉄道の建設および管理、そして150マイルの滑走路の修復と新世代航空管理システムの導入を目標としたものである。政権の提案は、50億ドルの初期投資と、昨年末に失効となった陸上輸送インフラ法の再承認(現在は暫定的措置により継続されている)という二部構成になっている。しかし、増大し続ける連邦赤字に有権者が懸念を示す中、更なる連邦支出には民主党議員も躊躇しており、議会が新インフラ計画に早急の対応を行う見通しは低いと見られている。 POLITICO “Obama unveils $50B road, rail plan” (09/06/10)

米国技術系企業、税逃れ方策として海外における企業買収を利用

多額の収益を海外で上げる米国技術系企業は、収益の本国送金分に関してタックスホリデー(免税期間)を設けるようロビー活動を行っているが、短期的にそれが実現する可能性は低いと見られる。このため、このような企業の多くは、潤沢な現金を海外企業の買収に充てるようになっている。ブルームバーグ社のデータによれば、米国が買い手となった海外技術系企業の買収件数は今年これまでに76億ドルに達しており、これは昨年同期比で168%増となっている。また、6月に行われた会議でシスコ・システムズ社(Cisco Systems Inc.)の最高経営責任者(CEO)は、「米国の税制が来年あたりに改正されなければ、国外でのM&A活動を積極的に行うつもりである」と発言している。 SFGate.com “U.S. tech firms shop abroad to avoid taxes” (09/06/10)

農務省とエネルギー省、バイオエネルギー用植物開発研究に共同で助成金交付

エネルギー省と農務省は9月2日、両省の共同プログラム「バイオエネルギー用植物原料ゲノミクス研究プログラム(Plant Feedstocks Genomics for Bioenergy research program)」の下、9機関に合計890万ドルの助成金を交付することを発表した。この共同プログラムは、バイオエネルギー生成により適した植物を開発するための遺伝的品種改良研究の強化・加速を狙いとしたもので、エネルギーの多様化を図り、輸入石油への依存度を低下させるため新エネルギー技術の開発を促進させるというオバマ政権の取り組みの一環である。エネルギー省が7機関に690万ドルを、農務省が2機関に200万ドルを交付する。 U.S. Department of Energy “USDA and DOE Partnership Seeks to Develop Better Plants for Bioenergy” (09/02/10)

エネルギー省、米中クリーンエネルギー研究センターへの助成金を発表

エネルギー省のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は9月2日、米中クリーン・エネルギー研究センター(U.S.-China Clean Energy Research Center:CERC)の枠組みの下、二つのコンソーシアムによる研究活動に助成金を給付すると発表した。一つは、ウェストバージニア大学(West Virginia University)を中心とするコンソーシアムで次世代クリーンコール技術の開発研究を行う。もう一つはミシガン大学(University of Michigan)を中心とするコンソーシアムで、自動車の充電技術開発を手がける予定である。助成金額は合計2,500万ドル(5年間)で、受益機関のマッチングによって米国側の資金額は少なくとも5,000万ドルになり、中国側がさらに5,000万ドルを提供する(中国側の参加機関は今後発表される)。CEROは、オバマ大統領が昨年11月に訪中した際、胡錦濤主席と共に設置が発表されたものである。 U.S. Department of Energy EERE News “Secretary Chu Announces U.S. Centers for U.S.-China Clean Energy Research” (09/02/10)

カリフォルニア州、建造物のゼロ・ネット・エネルギー活動計画を発表

カリフォルニア州公共事業委員会(California Public Utilities Commission:CPUC)は、州内の企業などと共に、「建造物のゼロ・ネット・エネルギー活動計画(Zero Net Energy (ZNE) Action Plan for Buildings)」を発表した。この計画書は、州内の商業建造物を省エネ化やオンサイト・クリーン発電などを通じて2030年までにゼロ・ネット・エネルギー・ユーザー(正味エネルギー消費がゼロ)に変換することを目指したロードマップとなっている。活動計画は、①2020年までに州内の全ての新築住宅建築をゼロ・ネット・エネルギーにする、②2030年までに州内の全ての新築商業建設をゼロ・ネット・エネルギーにする、③冷暖房空調設備を改良して、カリフォルニア州の気候に最適な状態とする、④2020年までに適格の低所得者消費者が同消費者向けのエネルギー効率プログラムに参加できる機会を得るようにする、という4つの段階的目標が盛り込まれた「抜本的エネルギー効率戦略(Big Bold Energy Efficiency Strategies:BBEES)」に沿ったものとなっている。 environmental LEADER “California Rolls Out Zero Net Energy Plan for Buildings” (09/02/10)

大統領科学技術諮問委員会(PCAST)、STEM教育のさらなる強化を要請

9月2日に行われた大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)の会議で、連邦政府が米国内の学校における科学・技術・工学・数学(STEM)教育の改善にさらに力を入れて取り組むよう要請する報告書(9月末に公開予定)が採択された。報告書は、小・中学生の成績を上げることを目的としたオバマ政権の現戦略を基本的に支持しているが、共同議長であるエリック・ランダー氏(Eric Lander、マサチューセッツ工科大学ブロード研究所所長およびハーバード大学教授)は、「連邦政府のK-12のSTEM教育には、一貫性のある戦略もリーダーシップもない状況である。優れたSTEMプログラムが複数実施されているものの、それぞれが独立しているのが現状であるため、それらを繋げて一貫性のある戦略にすることが重要である」と述べている。 ScienceInsider “Obama Advisers Call for Greater Emphasis on STEM Education” (09/02/10)

ES細胞研究助成が中間選挙の議題の焦点に?

連邦地方裁判所のロイス・ランバース判事(Royce C. Lamberth)が8月23日に、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)によるヒト胚性幹細胞(ES細胞)研究への助成は違法であるとして仮差し止め命令を発令したことを受けて、司法省(Department of Justice)は翌24日に控訴に踏み切ったが、ES細胞研究助成が11月に迫った中間選挙で議論の一つとなる可能性があるという。今年3月に、廃棄されたヒト胚から抽出されたES細胞を使う研究に連邦助成を認める法案を提出したダイアナ・デゲット下院議員(Diana DegGette、コロラド州選出民主党)は、「ランバース判事の裁定を覆すためにも、議会はES細胞研究への連邦支援を認める法案を可決・成立させなければならない」との声明を発表する一方、「今回の裁定が、中間選挙における保守基盤の強化につながる可能性がある」と、ES細胞研究を巡る議論について研究を行うアメリカン大学(American University)のマシュー・ニスベット教授(Matthew Nisbet)は述べている。 US News and World Report “Justice Department Appeals Stem Cell Research Ruling” (09/01/10)

商務省、輸出規制対象製品リストの一元化を開始

商務省(Department of Commerce)は今週、政府による輸出規制の対象となる二種類の輸出製品リストを一元化する作業を開始した。リストの一元化により、輸出業者のライセンス手続きが簡素化されるとともに、複雑な規制による混乱が解消されると期待されている。一元化作業は、①単一リスト、②それを運営管理する単一担当機関、③単一の取り締まり機関、④規制対象製品を管理する単一のコンピュータ・システム、というオバマ大統領が発表した「4つの単一化」の一環として位置づけられている。リストの一元化は議会の承認を必要としておらず、商務省のケビン・ウルフ輸出管理担当次官補(Kevin Wolf)は、「商務省、国務省、国防総省は来年末までに輸出製品リストの一元化作業を終える予定である」としている。 The Journal of Commerce “Commerce Department Begins Merging Export Lists” (08/31/10)

競争力評議会、中小製造業活性化の手段として高性能コンピューティング(HPC)を推進

競争力評議会(Council on Competitiveness)は8月31日、「SME/OEM向けモデリングおよびシミュレーションの中西部パイロットプログラムに関するサミット&ワークショップ(SME/OEM Midwest Pilot for Modeling and Simulation Summit & Workshop)」と題する会議を開催し、米国製造業のイノベーションと生産性の強化を目的として、中小企業に高性能コンピューティング(high performance computing:HPC)を活用してもらえるようなパイロット・プロジェクトの実施について協議を行った。この会議に参加した官民の代表者らは、中小企業がグローバル市場でより競争力をつけるための手段としてHPCを活用する手法や、中小企業によるHPC利用の障害、中西部パイロット・プログラム立ち上げに向けたステップなどについて意見を交わした。 HPCwire “Council on Competitiveness Promotes HPC to Energize manufacturing” (08/31/10)

NIHがPay.govと提携し、技術移転費用のオンライン支払いを可能に

従来、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)と食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)が所有する特許のライセンス供与を受ける場合、企業や大学などの被許諾者は銀行小切手を使って政府にライセンス料支払いを行っていたが、8月31日よりPay.govを通じたオンライン支払いが可能になった。これにより手続きに要する時間が大幅に短縮されると同時に運営コストの削減が期待されている。NIHの技術移転局(Office of Technology Transfer:OTT)の担当官は、「Pay.govにより、民間セクターへの技術移転が加速し、NIHやFDAの研究所における発見の商業化が可能になる。被許諾者は長年このようなサービスを求めていた」と述べている。Pay.govは政府機関へのオンライン支払いを行うウェブベースのアプリケーションで、財務省(Department of Treasury)が運営管理している。 NIH News “NIH teams with Pay.gov to speed tech-transfer payments” (08/31/10)