下院予算法案、NIHの2012年度予算を3.3%増加

下院歳出委員会(Committee on Appropriations)が9月29日に公表した2012年度歳出法案草案によれば、国立衛生研究所(National Institute of Health: NIH)の予算が2011年度水準と比べて3.3%増の317億ドルとなっており、NIHにとっては驚きの朗報となった。ただし同法案は、NIHが提案している国立トランスレーショナル科学進展センター(National Center for Advancing Translational Sciences: NCATS)の新設および国立資源研究所(National Center for Research Resources: NCRR)の廃止について言及していない他、新プログラム「治療促進ネットワーク(Cure Acceleration Network: CAN)」への資金充当も行われていない(上院案ではこれらが実施されている)。さらに一部の専門家からは、「下院歳出委員会の歳出法案草案は、NIH内の管理問題に対して微細に指示しすぎている」との声も挙がっている。 ScienceInsider “NIH’s 2012 Budget Would Get 3.3% Boost in House Bill” (9/29/11)

IBM社やインテル社など5社がニューヨーク州で44億ドルのチップ・ベンチャーを立ち上げ

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事(Andrew Cuomo)は、「IBM社やインテル社(Intel Corp.)などがニューヨーク州内に次世代コンピューター・チップ技術のハブを構築するため、今後5年間で44億ドルを投資する」と発表した。IBM社が33億ドルを投じて22ナノメートルと14ナノメートルの製造技術を用いたコンピューターチップの開発に取り組む他、同社、インテル社、グローバルファウンドリーズ社(Gobalfoundries Inc.)、台湾半導体製造社(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.)、サムスン電子社(Samsung Electronics Co.)の5社が共同で、300ミリメートルのウェハー技術を450ミリメートルに移行することに取り組むという。また、これら企業を支援するため、ニューヨーク州はニューヨーク州立大学(State University of New York)ナノスケール理工学部(College of Nanoscale Science and Engineering)に4億ドルの投資を行う。 Bloomberg Businessweek “IBM, Intel Start $4.4 Billion in Chip Venture in New York” (9/27/11)

NIH、K-12向け神経科学教育プログラムの開発にグラントを給付へ

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、幼稚園から高校まで(K-12)の生徒および教師を対象とした革新的な神経科学教育プログラムの開発を行う8人の研究者に、今後5年間グラントを給付すると発表した。これらのグラントは、NIH神経科学研究計画科学教育賞(NIH Blueprint for Neuroscience Research Science Education Award)および科学教育パートナーシップ賞プログラム(Science Education Partnership Award Program)を通じて提供される。神経科学教育プログラムは、K-12の生徒および教師の科学知識の拡大と、科学への興味を深めることを目的としたもので、受益者のプログラムには、タッチ式タブレット技術を用いた神経科学の授業や、インタラクティブ学習センターの設立などが含まれている。 NIH News “NIH to fund development of K-12 neuroscience education programs” (9/27/11)

エネルギー省、エンジンとパワートレインの効率性向上を目指すプロジェクトに840万ドルを給付

エネルギー省のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は9月27日、自動車のエンジンおよびパワートレイン・システムの効率性を向上させる技術の開発と実証に取り組むサプライヤーおよび自動車メーカーに対して、今後3~4年間で840万ドルを給付すると発表した。受益機関は4機関(3州)で、エンジンやパワートレイン・システムのコスト削減を可能にする新技術の開発および試験、先端エンジン技術の幅広い利用の妨げとなっている技術的問題への対応、開発技術が広範な商業利用に応用できるかどうかについて技術の有効性の確認などを行う。 ENERGY.GOV “Energy Department Awards $8.4 Million for Projects to Improve Engine and Powertrain Efficiency” (9/27/11)

大統領が米国のトップ科学者およびイノベーターを表彰

オバマ大統領は9月27日、科学栄誉賞(National Medal of Science)の受賞者として7人の研究者を、また技術革新栄誉賞(National Medal of Technology and Innovation)の受賞者として5人の発明家を発表した。これらの賞は、科学者、工学者、発明家に対して米国政府から贈られる最高の栄誉である。科学栄誉賞は1959年に創設され、大統領府のために国立科学財団(National Science Foundation: NSF)が運営しており、技術革新栄誉賞は1980年に創設され、大統領府のために米国特許商標局(U.S. Patent and Trademark Office:USPTO)が運営している。受賞式は今年後半にホワイトハウスで行われる。 White House “President Obama Honors Nation’s Top Scientists and Innovators” (9/27/11)

エネルギー省、初の「4年ごとのエネルギー技術見直し」を発表

エネルギー省(DOE)は9月27日、初めての「4年ごとの技術見直し(Quadrennial Technology Review: DOE-QTR)」報告書を公表した。DOE-QTRは、同省によるエネルギー技術活動の枠組みを確立するもので、国防総省(Department of Defense)による4年ごとの国防政策見直し(Quadrennial Defense Review)を参考にしている。DOE-QTRは、米国の課題やエネルギー安全保障、国家競争力問題に対する主要戦略として、①自動車の燃費向上、②小型自動車(light duty fleet)の電化、③代替燃料の導入、④建造物および産業効率の強化、⑤電力グリッドの高度化、⑥クリーン電力の導入、の6つを特定している。 ENERGY.GOV “Department of Energy Releases Inaugural Quadrennial Technology Review Report” (9/27/11)

エネルギー省、大学クリーンエネルギービジネスコンペに200万ドルを給付へ

エネルギー省(Department of Energy)は9月26日、若手アントレプレナーによる革新的なクリーン・エネルギー企業の立ち上げを奨励すべく、学生を中心とした事業創出コンペを行う6地域機関に、今後3年間で200万ドルを給付すると発表した。各コンペを通じて、学生チームが、大学および国立研究所で開発されたクリーンエネルギー技術の商業化を促進する機会や、若手アントレプレナー育成の機会に触れることを狙いとしている。地域コンペは2012年5月1日までに実施され、その勝者は2012年初夏に同省で行われる全国コンペ(National Grand Prize)に出場する。この全国的イニシアチブは、オバマ政権による「スタートアップ・アメリカ」イニシアチブの一環である。 ENERGY.GOV “Department of Energy Awards $2 Million for National University Clean Energy Business Challenge to Jump Start Young Entrepreneurship” (9/27/11)

オバマ政権、雇用訓練や労働者育成を行うコミュニティカレッジに約5億ドルの交付

労働省(Department of Labor)と教育省(Department of Education)は、経済的苦難に陥っている労働者の職種変更を支援するために雇用訓練や労働者育成を行うコミュニティカレッジに対し約5億ドルのグラントを給付する用意があることを発表した。このグラントは、コミュニティカレッジと雇用主が連携した形での就職支援プログラムの開発を支援するために利用される。具体的には、業界のニーズに対応する教育プログラムの開発や技術を利用した学習の強化、無料オンライン学習教材へのアクセス提供などが行われる。 ED.Gov “Obama Administration Awards Nearly $500 Million in First Round of Grants to Community Colleges for Job Training and Workforce Development” (9/26/11)

テキサス先端コンピューティング・センター(TACC)がスパコン「スタンピード」を開発へ

テキサス大学オースチン校(University of Texas at Austin)のテキサス先端コンピューティング・センター(Texas Advanced Computing Center: TACC)は9月22日、国立科学財団(National Science Foundation: NSF)から2,700万ドルのグラントを受けて、包括的なコンピューティングと視覚化能力を有するスパコン「スタンピード(Stampede)」を開発・運用すると発表した。スタンピードはTACCとデル社(Dell)およびインテル社(Intel)のパートナーシップにより開発され、2013年1月に完成予定となっている。 National Science Foundation “Stampede Charges Computational Science Forward in Tackling Complex Societal Challenges” (9/22/11)

大統領府とNSF、米国研究者のライフ・ワークバランスを支援

大統領府女性評議会(White House Council on Women and Girls)のティナ・チェン局長(Tina Tchen)、大統領府科学技術政策局(White House Office of Science and Technology Policy: OSTP)のジョン・ホルドレン長官(John P. Holdren)、国立科学財団(National Science Foundation: NSF)のスブラ・スレシュNSF長官(Subra Suresh)は9月26日、研究活動に従事する研究者に対し、より柔軟な労働環境を提供するための10ヵ年計画として、「NSFキャリア-ライフ・バランス・イニシアチブ(NSF Career-Life Balance Initiative)」を発表した。同イニシアチブの一環として、NSFは、新生児や養子の世話、あるいは家族としての義務を果たすために、グラントの受益を最高1年まで先延ばし・停止することを認める他、受益の先延ばし・停止する間に研究所運営や研究者雇用を維持するための補助費用を申請することなどが可能になる。 White House “The White House and National Science Foundation Announce New Workplace Flexibility Policies to Support America’s Scientists and Their Families” (9/26/11)