オバマ大統領、卓越した若手科学者を表彰

オバマ大統領は9月26日、大統領若手科学者・工学者賞(Presidential Early Career Awards for Scientists and Engineers)の受賞者として94名の科学者・工学者を発表した。同賞は1996年にクリントン大統領によって設立され、研究キャリアの早期段階にある科学者・工学者に対して米国政府から与えられる最高の名誉である。科学・工学分野における米国の優位性を維持する上で最も有望な研究成果を示した若手研究者や、所属省庁の任務に貢献した若手研究者の中から、16の連邦省庁が毎年受賞者を推薦する。 White House “President Obama Honors Outstanding Early-Career Scientists” (9/26/11)

上院歳出委員会、NIHの国立トランスレーショナル科学進展センター(NCATS)に関し予算削減

上院歳出委員会(Senate Appropriations Committee)は9月21日に可決した2012年度予算法案の中で、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)内に国立トランスレーショナル科学進展センター(National Center for Advancing Translational Sciences: NCATS)を新設することを賞賛した一方、「オバマ政権の2012年度予算教書の中におけるNCATS新設要請の内容は曖昧で、予算の詳細も盛り込まれておらず、不必要な不透明性をもたらしている」と批判した。NIHのNCATS向け予算要請(7億2,200万ドル)に対して、委員会は5億8,200万ドルを充当した。法案報告書はさらに、「緊縮予算は継続する見込みで、NIHは予算の創造的な配分方法を模索する必要がある」と警告している。 ScienceInsider “NIH Chided on Translational Center, Warned of More Budget Cuts” (9/23/11)

米中クリーン・エネルギー研究センター(CERC)の知的財産保護に関して米中両国が合意

米エネルギー省(Department of Energy)と中国科学技術省(Ministry of Science and Technology)の高官は9月23日、米中クリーン・エネルギー研究センター(U.S.-China Clean Energy Research Center: CERC)を構成する3つのコンソーシアムが合意した、知的財産に関するガイドラインを支持する書簡に署名した。この合意により、米中両国の研究者・科学者・工学者は自分達が作り出した技術の知的財産権が確実に保護されることになる。また、知的財産を互いに共有あるいはライセンシングする方法についても定義された。 ENERGY.GOV “U.S., China Reach Agreement on Intellectual Property Protections for U.S.-China Clean Energy Research Center” (9/23/11)

エネルギー省、グラニット・リライアブル・パートナー社に対する融資一部保証を決定

エネルギー省(DOE)のスティーブン・チュウ長官は9月23日、グラニット・リライアブル・パートナー社(Granite Reliable Power, LLC)に対する1億6,890万ドルの融資に一部保証を決定したと発表した。ニューハンプシャー州に99メガワットの風力発電基地を建設する計画で、同州最大の風力発電基地となる。プロジェクトのスポンサーであるBAIFグラニット・ホールディングス社(BAIF Granite Holdings, LLC)とフレシト・ウィンド・エネルギー社(Freshet Wind Energy, LLC)では、本プロジェクトにより200人の建設雇用が実施されると予測している。風力発電基地には、べスタス製(Vestas)のV90 3.0メガワット風力タービンが33基設置される。 ENERGY.GOV “Department of Energy Finalizes Loan Guarantee of Nearly $170 Million to Granite Reliable Power” (9/23/11)

エネルギー省、オルマト地熱プロジェクトに対する融資の一部保証を決定

エネルギー省(DOE)のスティーブン・チュウ長官は9月23日、オルマト・ネバダ社(Ormat Nevada, Inc.)による地熱発電プロジェクトを支援するため、最高3億5,000万ドルの融資に部分的保証を決定したと発表した。オルマト社は、ネバダ州内3ヶ所に地熱発電施設を建設する計画で、これにより最高113メガワットのクリーンなベースロード発電が見込まれている。地熱発電施設では、地熱を電力に転換するため、オルマト・エネルギー・コンバーター(Ormat Energy Converter: OEC)モジュールがユーティリティ規模で導入される。本プロジェクトにより、332人の建設雇用と64人の操業雇用が試算されている。 ENERGY.GOV “Energy Department Finalizes Loan Guarantee for Ormat Geothermal Project in Nevada” (9/23/11)

エネルギー省、世界有数のセルロース系バイオ精製所に対する1億500万ドル融資保証を決定

エネルギー省(Department of Energy: DOE)のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は9月23日、世界有数の商業規模のセルロース系エタノール生産工場建設プロジェクトを支援するため、1億500万ドルの融資保証を決定したと発表した。これは、ポエト社(POET)による「プロジェクト・リバティ(Project LIBERTY)」で、アイオワ州エメツバーグに年間2,500万ガロン(試算)のエタノール生産工場を建設する計画である。本プロジェクトにより、約200人の建設雇用と40人の定期雇用が見込まれている。プロジェクト・リバティでは、酵素を使った画期的プロセスを用いて、とうもろこしの穂軸や葉から得られるセルロースをエタノールに転換する。 ENERGY.GOV “Energy Department Finalizes $105 Million Loan Guarantee for First-of-its-Kind Cellulosic Bio-Refinery in Iowa” (9/23/11)

民間リーダーら、エネルギー技術イノベーションにおける政府の役割について報告書とりまとめ

米国大手企業の幹部・元幹部で構成される米国エネルギー・イノベーション評議会(American Energy Innovation Council: AEIC)は9月13日、「米国創造力の触発 ~エネルギー・イノベーションにおける政府の役割~(Catalyzing American Ingenuity: The Role of Government in Energy Innovation)」を発表した。報告書は、米国が世界をけん引する産業の創出に寄与した政府研究の歴史を概説し、エネルギー技術の急進展をもたらすためには政府が役割を果たすことが必要と主張した。報告書は、「民間には長期的エネルギー研究に投資するインセンティブがほとんどなく、また政府や民間による現在のエネルギー技術への投資は不十分であることから、政府によるイノベーションへの投資が急務となっている」としている。そうした上で、政府によるイノベーション投資を増加させるための改革や選択肢を提示している。 Bipartisan Policy Center “Top Business Leaders Issue New Report on Critical Role of Government Investment in Energy Tech Innovation” (9/13/11)

地域の雇用創出と経済成長加速を狙いとしたオバマ政権の新イニシアチブ

オバマ政権は9月22日、高成長・地域産業クラスターの進展支援を目的として実施する「雇用・イノベーション加速チャレンジ(Jobs and Innovation Accelerator Challenge)」コンペの勝者として20地域を採択し、合計3,700万ドルを給付すると発表した。労働省(Department of Labor、1,950万ドル)、商務省(Department of Commerce、1,450万ドル)、中小企業庁(Small Business Administration、300万ドル)からの交付の他、13の連邦機関が技術支援を提供し、先端製造や情報技術、航空、クリーンエネルギーといった分野で支援を行う。各地域コミュニティにおける官民パートナーシップの取り組みにより、4,800人以上の雇用創出、300件以上の新企業の誕生、2,400人の雇用維持、高成長産業における約4,000人のキャリア研修が実施される見込みである。 Department of Commerce, “New Obama Administration Initiative to Spur Job Creation and Accelerate Economic Growth in 20 Regions across the Country” (9/22/11)

労働者支援制度の改正案、上院で可決

上院は、外国企業との競争により失業した労働者を支援するプログラム、貿易調整支援制度(Trade Adjustment Assistance:TAA)の改正案が盛り込まれた法案を可決した。オバマ大統領はこの法案を、韓国やコロンビア、パナマとの自由貿易協定(FTA)を議会へ送る条件としており、同協定が前進する道が開けたことになる。失業者への再研修や収入補助が盛り込まれた貿易調整支援制度は2009年に拡大されたが、その拡大条項は今年初めに失効し、共和党はその更新に抵抗していた。今回可決された拡大版は2013年まで継続されるが、支援内容は2009年時のものより縮小されている。 New York Times “Worker Aid Agreement Passes Senate” (9/22/11)

下院科学委員会が、NOAAの気候局調査へ

下院科学・宇宙・技術委員会(House Committee on Science, Space, and Technology)のラルフ・ホール委員長(Ralph Hall、テキサス州選出共和党)は9月21日、同委員会はオバマ政権が議会の意向を無視し、国立海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration: NOAA)内に気候局(Climate Service)を新設する方向で動いているのかどうかを調査すると発表した。ジェーン・ルブチェンコNOAA長官(Jane Lubchenco)は昨年、気候局を新設する意図を発表したが、共和党議員はこれに反対し、2011年度歳出予算法の中にNOAAが気候局を新設することを禁止する条項を盛り込んだ。しかし、NOAAの気候学者が2010年12月にNOAAが気候局設置に向けて取り組んでいると示唆するような発言を行ったことから、下院同委員会の一部議員が憤慨した。同委員会とNOAAの間で本件に関するやりとりが行われたが、委員会の広報担当者は、「それだけでは不十分」としてさらなる調査の必要性を指摘した。 ScienceInsider “House Science Panel to Investigate NOAA Climate Service” (9/22/11)