エネルギー省、大学主導型の原子力研究開発の促進に向け1,700万ドルを給付

エネルギー省(DOE)は9月21日、次世代原子力技術開発や研究用原子炉の改良に取り組む23件の米国大学を中心とした研究チームを対象に、その研究開発能力の強化を目的として1,700万ドルのグラントを給付すると発表した。給付はエネルギー省の原子力エネルギー大学プログラム(Nuclear Energy University Programs: NEUP)を通じて行われる。今回受益機関となったチームの研究分野は、効率性の高い次世代原子炉および使用済み燃料の新貯蔵方法の開発などを目的とした「総合的研究プロジェクト(Integrated Research Projects: IRP。1,200万ドル)」と、大学における設備・インフラの改良を目的とした「大学研究インフラ改良(University Research Infrastructure Improvements。570万ドル)」の2件となっている。 ENERGY.GOV “Department of Energy Announces $17 Million to Bolster University-Led Nuclear Energy Research and Development” (9/25/11)

OECD報告書「特許の質低下がイノベーションに打撃」

経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development: OECD)が発表した「2011年科学技術産業スコアボード(Science, Technology and Industry Scoreboard 2011)」によれば、過去20年間で特許の質が約20%低下しており、これは調査の対象となったほぼ全ての国で見られる現象であるという。製品やサービスのささいな改良でも保護しようという性急な動きが特許担当局に過度な負担を強いているという。このことは、真のイノベーションの市場化を遅らせ、画期的発明の可能性を削減すると、報告書は指摘している。 OECD “Science and technology: falling patent quality hits innovation, says OECD” (9/20/11)

エネルギー省の助成科学研究データの検索がより容易に

エネルギー省(Department of Energy)の科学技術情報局(Office of Scientific and Technical Information: OSTI)は、英国の非営利組織データサイト社(DataCite)の協力を得て、エネルギー省の助成金を受けた研究者による公開科学研究データセットの登録を行い始めた。OSTIは、2011年1月にデータサイト社のサービスを利用し、個々のデータセットに「デジタル・オブジェクト識別子(Digital Object Identifiers: DOI)」と呼ばれる固定の識別子を割り当てる作業を行っている。これにより、データの引用、検索、再利用が容易になるという。 OSTI.GOV “DOE Scientific Research Data Now Easier to Find” (9/20/11)

OECD、「2011年科学・技術・産業スコアボード」を発表

経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development: OECD)は9月20日、「2011年科学・技術・産業スコアボード(2011 scoreboard for science, technology and industry)」を発表した。それによれば、アジアの大学が世界クラスの研究機関として台頭しはじめ、鍵となる科学分野で欧米と張り合いつつあるという。報告書によれば、被引用件数に基づく世界で有力な50大学のうち、40大学を米国が占め、残りは欧州の大学となっているが、薬理学、毒物学、薬剤学の分野においては、50の有力大学のうち6大学は中国の大学となっている。「全世界的には、最も影響力のある大学は一部の国に集中しているが、分野別に見た場合、より多様性のある構図が浮かび上がってくる」と報告書は分析している。一方で、特許の質は過去20年間で急激に低下している。米国、ドイツ、日本における発明特許は引用件数が最も多く、このことは「さらに多くの発明をもたらす真の発明」であることを示すと、報告書は指摘している。 nature.com “OECD publishes latest research statistics” (9/20/11)

NIH、創造的アイデアを奨励するため、79人にグラント付与

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、米国民の健康増進を目的に、革新的なアイデアで現行問題に取り組む個人に贈られる3件の賞金プログラムの受賞者(79人に合計1億4,380万ドル)を発表した。これらのプログラムは、NIH所長による①パイオニア賞(Pioneer Award、13人)、②新イノベーター賞(New Innovator Award、49人)、③トランスフォーマティブ研究プロジェクト賞(Transformative Research Projects Award、17人)で、その資金はNIHの共有資金(Common Fund)から拠出される。共有資金は、2006年NIH改革法(NIH Reform Act)によって認められたもので、イノベーションとリスクへの挑戦に重点を置いたNIH全体でのプログラムに利用される。 NIH “NIH announces 79 awards to encourage creative ideas in science” (9/20/11)

「研究開発費(R&D)税控除は雇用をもたらしGDPを押し上げる」との報告

R&D税控除同盟(R&D Credit Coalition)の委託を受けてアーンスト&ヤング社(Ernst &Young)が作成した報告書によれば、研究開発費(R&D)に対する税控除は、R&Dの研究支出や雇用、賃金の向上をもたらしているという。報告書の鍵となるファインディングの一例として、①現行の税控除により、年間の民間研究支出は、短期的に100億ドル、長期的には220億ドルの増加をもたらす、②簡易式税控除の割合を現行の14%から20%に引き上げることで年間の民間研究支出はさらに、短期的に50億ドル、長期的に110億ドル増加する、などが挙げられる。「議会がR&D税控除を強化して恒久化すれば、さらに大きな効果が得られる」とR&D税控除同盟は主張している。 Industry Week “Study: R&D Tax Credit Creates Jobs, Boosts GDP” (9/20/11)

中国の需要増に牽引され、エネルギー消費量は2035年までに53%増加

エネルギー省(Department of Energy: DOE)のエネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)が9月19日に発表した「国際エネルギー概要(International Energy Outlook)」によれば、世界のエネルギー需要は2008年から2035年の間に53%増加し、その半分を中国とインドが占めると予測されている。両国が世界のエネルギー消費に占める割合は、2008年の21%から2035年は31%に上昇し、さらに中国のエネルギー需要は米国のそれを68%上回るという。また、再生可能エネルギー源の需要は年間2.8%の割合で増加し、2035年には全体の15%を占めると予想されている。原油価格は、2035年に1バレル当たり125ドル(2009年ドル価)に上昇し、石油およびその他の液状燃料の需要は1日あたり2,690万バレル増加するともしている。さらに、天然ガスの世界消費は2008年から2035年の間に52%増加して1,690兆立方フィートとなる一方、天然ガス需要の増加はその他の化石燃料の需要増をしのぐと予想されている。 New York Times “Led by Demand in China, Energy Use Is Projected to Rise 53% by 2035” (9/19/11)

大統領府と大学が研究商業化に向けた様々なプログラムを宣伝

オバマ大統領が新特許法に署名した9月16日、大統領府と大学関係者が、大学研究活動の商業化を促進することを意図した様々なプログラムを宣伝した。新しいプログラムとして、国立衛生研究所(NIH)内にバイオアントレプレナーの新製品開発を支援するセンターが新設され、国立トランスレーショナル科学進展センター(National Center for Advancing Translational Sciences: NCATS)が科学的リソースを提供することが発表された他、大統領府が2012年1月までに「米国バイオ医療計画(National Biomedical Blueprint)」を発表する計画も明らかになった。40以上の大学が大学研究の商業化活動拡大に正式に取り組むことも発表されたが、その詳細は不明である。大統領府はまた、研究活動の商業化プログラムで知られるウォレス・コールター財団(Wallace H. Coulter Foundation)が財団のトランスレーショナル研究パートナーシップ(Translational Research Partnership)プログラムの参加機関として、ジョンズホプキンズ大学(Johns Hopkins University)やルイビル大学(University of Louisville)など4大学を選出したことを発表した。 The Chronicle “White House and Universities Tout Programs to Turn Research Into Products” (9/16/11)

オバマ政権による「開かれた政府」へのコミットメントの現状報告

「開かれた政府」を優先案件としているオバマ政権は、政府内の参加や協力を推進し、政府の透明性を高めるために様々な取り組みを行っている。大統領府は9月16日、「オバマ政権の開かれた政府へのコミットメント:現状報告(The Obama Administration’s Commitment to Open Government: A Status Report)」を公開した。同報告では、政権によるコミットメントの内容、政権によるイニシアチブの成果、今後予想される成果などがまとめられている。 White House “Making a Digital Promise to our Students” (9/16/11)

NIH、ベンチャー企業向けに医薬品・ワクチン・治療法のライセンス合意を加速するプログラムを開始

オバマ大統領は9月16日、「スタートアップ・アメリカ・イニシアチブ(Startup America Initiative)の一環として、スタートアップ企業が国立衛生研究所(NIH)内で開発された発明のライセンス合意を取得できる能力を強化するイニシアチブを発表した。国立衛生研究所(NIH)の技術移転局(Office of Technology Transfer: OTT)が策定したベンチャー企業向けの新たなライセンス合意によれば、設立から5年以内で従業員が50名未満、受益投資額が500万ドル未満の企業は、10月1日から「スタートアップ評価ライセンス合意(Start-Up Evaluation License Agreement)」および「スタートアップ商業ライセンス合意(Start-Up Commercial License Agreement)」を申請することができる。バイオ医療系アントレプレナーは、NIHおよび食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)のポートフォリオ内にある医薬品やワクチン、治療法に関する有用な特許および特許申請案件に対して、事業計画書の提出とともに利用申請を行う。スタートアップ評価ライセンス合意を取得した場合、1年以内に排他的なスタートアップ商業ライセンス合意へと転換させることが可能になる。同合意の下ではロイヤルティ支払いなどが先送りされる。 NIH “NIH launches program to facilitate drug, vaccine and therapeutic license agreements for start-up companies” (9/16/11)