オバマ政権、地方経済の活性化と雇用創出の推進を目的とした取り組みを発表

オバマ政権は2月21日、経済活性化や雇用創出、ビジネス成長支援を目的として行っている取り組み「もう待てない(We Can’t Wait)」の一環として、3つの重要な行動を発表した。一つ目は、「バイオ経済の推進(Promoting A Bioeconomy)」で、オバマ大統領は、連邦政府が今後2年間でバイオベース製品の調達を劇的に増加させるため断固たる行動を取るよう指示する通達を行った。これにより、バイオベース製品が生育、生産されている地域で雇用創出やイノベーションの活性化が期待されている。二つ目は「地方雇用活性策(Rural Jobs Accelerator)」で、イノベーション主導の地域雇用創出を推進するプロジェクトに約1,500万ドルを提供する全国コンペを実施する。三つ目は「地方医療IT労働力(Rural Health IT Workforce)」で、厚生省(Department of Health and Human Services)と労働省(Department of Labor)は、地方コミュニティを支援するコミュニティカレッジや専門学校に、今後需要増が期待されている医療情報技術の専門家の育成支援に向けて必要な教材やリソースを提供することを記した覚書に署名している。 White House “We Can’t Wait: Obama Administration Announces Steps to Boost the Rural Economy, Promote Job Creation” (2/21/12)

NIST、米国サイバーセキュリティCOEを設立

商務省の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は2月21日、総合的なサイバーセキュリティ・ツール及び技術の広範な導入を加速させることを目的として、官民の協力による「米国サイバーセキュリティ・センター・オブ・エクセレンス(National Cybersecurity Center of Excellence) 」を設立すると発表した。メリーランド州と同州モンゴメリー郡がNISTとパートナーシップを組み、同センターの共同スポンサーとなる。NISTの2012年度予算でセンター運営のための官民パートナーシップに1,000万ドルの予算が充当されている。このCOE建設計画では、ゲイサスバーグ市にあるNIST本部の近くに最新型のコンピューティング施設が作られ、NISTの研究者がサイバーセキュリティの製品やサービスの利用者及びベンダーと共同作業を行うことになる。また、センターでは入念に開発された使用事例(サイバーセキュリティ上の具体的な問題に対処する包括的な要件及びテスト計画が盛り込まれたもの)への取り組みが行われ、これによって複雑なITシステムの真のニーズに対応する実務的かつ相互運用可能なサイバーセキュリティ手法が開発されることが期待されている。使用事例の一例として、医療ITやクラウド及びモバイル・コンピューティングなどにおける問題に対処する相互運用可能なサイバーセキュリティ・テンプレートが挙げられる。 NIST “NIST Establishes National Cybersecurity Center of Excellence” (2/21/12)

USPTO、各種手数料の大幅引き上げを提案

米特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)は、各種手数料の大幅な引き上げを提案しており、その中には、特許出願料のほぼ50%引き上げも含まれる。議会が昨年可決した特許改革法案(H.R. 1249)により、USPTOは初めて特許・商標の手数料を独自に設定し、その収入を維持する権限が認められた。デビッド・カッポスUSPTO長官(David Kappos)は、「提案は最終決定にはほど遠いものであり、今後、知的財産権の関係者とこれらの手数料について協議していく」としている。提案によれば、基本的な特許出願料は47%増となり、例えば大型事業体による出願の合計手数料(出願、検索、審査)は1,250ドルから1,840ドルへと引き上げられることになる。 Chemical & Engineering News “Intellectual Property: U.S. Patent & Trademark Office Proposes Huge Increase In Fees” (2/20/12)

低炭素世界に向けた計画発表

カナダ・バンクーバーで行われたAAAS年次会議の中で、2月19日に行われたセッションにおいて、クリーンエネルギーが豊富な世界に向けた設計図として「分点設計図(Equinox ‘blueprint’)」報告書が発表された。これは昨年6月にカナダのオンタリオ州で行われたサミット会議「ウォータールー・グローバル科学イニシアチブ(Waterloo Global Science Initiative)」で得られたファインディングをまとめたものである。サミット参加者ら(科学者、政策専門家、若手環境指導者など)は、4日間に亘り、未来の低炭素世界のための方向性について議論し、状況を抜本的に変える電力技術の可能性について検討した上で、行動進路として、①再生可能エネルギーの大規模貯蔵(バナジウム系レドックスフロー電池を支持)、②地熱発電の強化(ベースロード発電として)、③先端原子力発電(ベースロード発電として)、④オフグリッドの電力アクセス(有機太陽電池を支持)、⑤輸送解決策を含めたスマートな都市化、の5つを選択している。 Nature.com “Energy summit unveils blueprint for change” (2/20/12)

中国の大手企業と米国スタートアップ企業が石炭の転化事業で提携

中国の大手複合企業、中国Wanxiangホールディングス(China Wanxiang Holdings)とマサチューセッツ州の技術系スタートアップ企業、グレートポイント・エネルギー社(GreatPoint Energy)は、石炭を天然ガスに転化する技術に関し、12億5,000万ドルのパートナーシップを組むことで合意した。これには、4億2,000万ドルのエクイティ投資も含まれ、米国ベンチャー企業に対する中国企業の投資としては過去最大であるという。グレートポイント社はWanxiang社の資金を受け、ハイドロメタン生成(hydromethanation)と呼ばれるプロセスを使い、石炭を天然ガスに転化する初の大型工場を中国に建設する。両社によれば、プロジェクトの第一段階が2015年に完了すると、工場で300億立方フィートの天然ガスが生産される計画であるという。両社は最初の工場を建設及び運行するためにジョイントベンチャーを設立し、その後はアジアやその他の地域で同様の工場を建設する計画である。 Wall Street Journal “China, U.S. Start-Up Team in Coal-Conversion Deal ” (2/17/12)

EPAがダイオキシンに関する報告書を発表

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は、ダイオキシンが癌以外の健康問題(免疫システムや生殖器系への悪影響など)の原因となる可能性について評価した報告書をようやく公表した。報告書は、「ダイオキシンの摂取量は、1日当たり体重1キログラムにつき0.7ピコグラム未満とすべきである」と勧告している。また、報告書に付随されているファクトシートでは、「現行のダイオキシンへの暴露は、甚大な健康リスクを呈していない」と記述している。環境団体はEPAの報告書を歓迎・評価している一方、業界団体の米国化学工業協会(American Chemistry Council)は、報告書が公表される以前から、「EPAによる評価は、食品の安全性に関して消費者を誤解、脅えさせる可能性がある」と批判していた。ダイオキシンと癌に関する再評価は後日発表される予定である。 Nature.com “US environment agency releases dioxin report” (2/18/12)

オバマ大統領、議会に政府改革で協力を要請

オバマ大統領は2月16日、数十年間に亘って大統領に認められていた連邦政府を再編・統合する権限を復権させるよう規定した「2012年政府統合・改革法案(Consolidating and Reforming Government Act of 2012)」を議会に送付した。政府再編が常により効率的な政府へとつながることを確実にするため、オバマ大統領の提案には、いかなる再編計画もコスト削減や政府の規模縮小につながるよう義務付けることが加えられている。大統領は1月に、議会が大統領の政府再編権限を復権させた場合の最初の行動として、「米国の雇用創出者が成長及び輸出するために必要なサービスへのアクセスを容易にすることに取り組む」と述べ、事業や貿易に関する業務を行う6機関や関連プログラムを統合して一つの省庁とする計画を概説している。 White House “President Obama Calls on Congress to Partner on Government Reform” (2/16/12)

商務省のジョン・フェルナンデス次官補が退任、民間セクターへ

2月16日、商務省(Department of Commerce)のジョン・フェルナンデス経済開発担当次官補(John R. Fernandez, Assistant Secretary for Economic Development)が3月2日付けで辞任することが明らかになった。退任後は民間セクターへ戻るという。実務的な管理経験と公共政策の知識を持つフェルナンデス担当次官補は、2年半にわたって経済開発局(Economic Development Administration: EDA)の指揮を行い、イノベーションと地域協力という2つの主要柱を基に21世紀型EDAのビジョンの実現に取り組んできた。 Commerce.Gov “U.S. Assistant Secretary John Fernandez to Return to Private Sector” (2/16/12)

米国で科学分野における労働者の割合が減少

非営利団体の人口参照事務局(Population Reference Bureau: PRB)が2月17日に発表した国勢調査(Census)データ分析によると、米国の技術分野(建築からソフトウェア設計に至るまでの幅広い分野)における米国人労働者の割合は、2010年は4.9%で、2000年の5.3%から減少した。こうした知識労働者の割合は1950年以来、10年ごとの国勢調査で毎回増加していたが、今回初めての減少となった。技術分野における労働者数そのものは増加しているが、全体的な人口増加に伴い、その全体に占める割合が減少したのが原因である。減少の要因の一つとして、過去10年間における製造業の低下が挙げられている。また、データ分析では、技術系労働者の高齢化や、外国生まれの技術系労働者の増加が指摘された。 Wall Street Journal “Share of Workers in Scientific Fields Shrinks” (2/17/12)

2012年大統領経済報告書のプレビュー発表

大統領府は、経済諮問委員会(Council of Economic Advisers: CEA)が毎年作成する「大統領経済報告書(Economic Report of the President)」のプレビューを発表した。今年の報告書のテーマは、「回復、再均衡、そして再建(Recover, Rebalance, and Rebuild)」である。米国は2011年も大不況(Great Recession)からの回復を続け、将来においてより均衡が取れた持続可能な経済成長のためのより強い基盤を構築するため、進展を続けたと報告書では分析している。また、オバマ政権は発足直後から、急落する経済を好転させるべく大胆な策を講じており、2009年の米国景気対策法(American Recovery and Reinvestment Act:ARRA)を通じて経済や金融の破綻を食い止め、人々に職を戻すべく努力し、様々な措置を通じて銀行制度を補強し、金融部門を安定化させたと結論づけている。 White House “A Preview of the 2012 Economic Report of the President” (2/17/12)