新自動車燃費基準案が導入されれば、自動車利用者は2030年までに680億ドルを節約可能

自然資源防衛評議会(Natural Resources Defense Council)が発表した報告書「ガスステーションでの痛みの緩和(Relieving Pain at the Pump)」によれば、2025年までに1ガロン当たり54.5マイルという自動車燃費基準が実施されると(今夏に最終的に取りまとめられる予定)、それが全面的に導入される2030年までに、自動車利用者らは燃料費を680億ドルを節約できるという。報告書は、燃費節約額の州別順位を作成しており、1位はテキサス(77億5,000万ドル)、2位カリフォルニア(72億7,000万ドル)、3位フロリダ(66億8,300万ドル)などとなっている。また、自動車メーカーは、2009年に発表された燃費基準引き上げ(2016年までに1ガロン当たり35.5マイル)への対応を始めていることから、2012年型の新車には低燃費車の選択肢が大幅に増えているという。 Clean Technica “Drivers To Save $68 Billion by 2030 Under Obama’s 54.5 MPG Standard, NRDC Report Finds” (4/20/12)

ブルッキングス研究所、クリーンテック業界の自立繁栄への道を提示

ブルッキングス研究所(Brookings Institute)は、報告書「ブームと破綻を超えて:クリーンテック業界を助成から自立した業界へと成長させる道(Beyond Boom and Bust: Putting Clean Tech On a Path To Subsidy Independence)」を発表した。報告書は、①連邦政府によるクリーンテック助成やプログラムにおける今後の変化の予測、②それらが鍵となるクリーンテック技術市場部門に及ぼす可能性、③米国クリーンテック業界を現在のブームと破綻のサイクルを超えて成長させる政策改革、の3部構成となっている。クリーンテック業界は近年、費用や性能の面で進展を続けてきたが、成長の多くを連邦支援(税クレジットやグラント、債務保証プログラムなど)に依存しており、これらの支援の終了期限が近づく中、その影響は甚大と考えられている。その上で報告書は、「ただしこのことを破滅的にとらえる必要はなく、実際には必要な改革や業界の更なる成長のための機会を呈している」とし、クリーンテック業界を連邦助成から自立した業界へと成長させるための改革案を提示している。 Brookings Institute “Beyond Boom and Bust: Putting Clean Tech On a Path To Subsidy Independence” (4/18/12)

カリフォルニア州のクリーンテック業界は好調

カリフォルニア州におけるイノベーションや経済、環境問題などを調査する団体、ネクスト10(Next 10)は4月17日、「2012年カリフォルニア州グリーン・イノベーション指数(2012 California Green Innovation Index)」を発表した。それによれば、同州内に拠点を置くソリンドラ社(Solyndra)の破綻にもかかわらず、2011年もカリフォルニア州のクリーンテック業界は繁栄を続け、過去最高額となるベンチャーキャピタルを調達したという。同報告によれば、同州のクリーンテック企業は2011年に35億ドルのベンチャーキャピタルを調達しており、これは過去最高であった2008年の31億ドルを僅かに上回る。またこれは、米国内でクリーンテック企業が調達したベンチャーキャピタル合計の57%、世界合計の40%に相当する。さらにカリフォルニア州では、2011年に住宅や企業に設置されたソーラーパネルの発電能力が、節目となる1ギガワット以上に達した。そのほか、2008~2010年の間にカリフォルニア州で登録されたクリーンテック関連の特許件数は910件(全国1位)で、2位のニューヨーク州の475件を大きく上回ったと報告されている。 SFGate “California clean-tech industry a VC darling” (4/19/12)

ファースト・ソーラー社、従業員数を2,000人削減

かつてはソーラー機器メーカーとして中心的存在であったアリゾナ州のファースト・ソーラー社(First Solar Inc.)は世界の従業員の約30%に相当する2,000人を削減すると共に、ドイツにあるソーラーパネル工場を閉鎖すると発表した。更に、マレーシアでの製造業務を休止し、2億4,000万ドル~3億7,000万ドルの再編費用を計上するという。同社は最近、アリゾナ州の製造施設の開業を延期し、ベトナムにおける工場建設も中止すると発表している。ファースト・ソーラー社のソーラーパネル事業は電力会社向けの大規模設備が中心で、これらは政府の助成に依存するところが大きいが、ドイツやイタリアでは、ユーティリティ規模のソーラー設備導入に対する助成が削減されており、これがドイツ工場閉鎖の主要因となった。ソーラーパネル業界では、屋上取付型のソーラーパネルシステムがトレンドとなっており、ファースト・ソーラー社が得意とする大型電力設備事業を疑問視する声もある。 Wall Street Journal “First Solar Cuts 2,000 Jobs” (4/17/12)

エネルギー省、クリーンな水力発電成長の可能性を指摘

エネルギー省(Department of Energy)が4月17日に発表した報告書「米国内の非発電ダムにおける発電の可能性の評価(An Assessment of Energy Potential at Non-Powered Dams in the United States)」によれば、これらの既存の水力資源が全面的に開発されれば12ギガワット以上の発電を実現できる可能性があるという。これは、現在の米国の水力発電能力の約15%に相当し、2035年までに米国の電力の80%をクリーンな資源から調達するというオバマ政権の目標を達成すると同時に、エネルギー・ポートフォリオの多様化を実現する一つの策となることを実証するものである。5万4,000カ所以上の非発電型ダムについて分析を行ったこの報告書によれば、オハイオ川、ミシシッピー川、アラバマ川、アーカンソー川にある水門及びダム施設が、水力資源の可能性が最も高いという。 Department of Energy “Energy Department Report Finds Major Potential to Increase Clean Hydroelectric Power” (4/17/12)

2012年における研究費のイヤマーク合計は4,400万ドル

政府支出の無駄排除を目指して活動する超党派団体、「政府の無駄に対抗する市民(Citizens Against Government Waste)」が4月17日に発表した「2012年議会ピッグ・ブック(2012 Congressional Pig Book)」によれば、2012年度に、大学研究を含む研究事業に関する特定用途向け予算(earmarks:イヤマーク)の合計は、4,400万ドルに上ったという。同団体は1991年から本報告書を発表しており、1994年から2010年の間に大学研究が受け取ったイヤマークは6,690万ドルになるという。また、イヤマークの総計は、2010年の165億ドルから2012年の33億ドルへと過去2年間で80%減少しているが、これは、同慣行に対する国民の批判を受けて、議会が昨年法制化したイヤマークに関するモラトリアムの結果であると報告されている。 The Chronicle “Earmarks for Research, Including University Projects, Total $44-Million in 2012, Group Says” (4/17/12)

NIST関連の新規先端研究所が2ヵ所開設

高精度科学・測定のための先端研究所2ヵ所がコロラド州ボールダーで開設された。一つは、同地にある米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)ボールダーキャンパスに開設した精密測定研究所(Precision Measurement Laboratory: PML)で、もう一つはNISTとコロラド大学ボールダー校(University of Colorado, Boulder)による合弁事業、JILA(同校の構内にある)に開設したXウィング(X-Wing)である。両研究所とも、レーザーや原子時計、ナノテクノロジーなど、NISTやJILAの先端研究で求められる環境条件(振動や温度など)を厳密に制御できる他、特殊な研究機器の微細加工・ナノ加工を行う能力を有する。 Department of Commerce “Two New Advanced Laboratories Open at NIST Boulder and JILA” (4/18/12)

EPA、燃料用掘削の排出ガス規制を発表

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は4月18日、天然ガスの掘削(水圧破砕)に伴う深刻な大気汚染に対する連邦初の措置として、新たな大気質基準を発表した。昨夏に基準案が発表されたが、業界団体が「提案された基準を遵守するには膨大な費用がかかり、国内天然ガス生産のブームが減速する」として反対していた。今回発表された基準は当初案が大幅に改訂され、業界には遵守までに2年半の経過期間が認められた(2015年1月に発効する)他、費用も低減された。EPAでは、「業界は既存の技術を導入することで基準に合致することができ、水圧破砕による掘削を行っている掘削井戸のほぼ半分は既に『グリーンコンプリーション(green completions)』と呼ばれる、ガスを捕獲する特殊な装置を導入している」と述べている。当初案に反対しロビー活動を展開していた米国石油協会(American Petroleum Institute)は改定基準に一定の評価を示したが、独立系の石油・ガス企業で構成される西部エネルギー同盟(Western Energy Alliance)は否定的な見解を示している。 New York Times “U.S. Caps Emissions in Drilling for Fuel” (4/18/12)

「大学院はキャリア・カウンセリングを強化する必要あり」との勧告

大学院評議会(Council of Graduate Schools)と教育試験サービス(Educational Testing Service)が4月19日に発表した報告書、「大学院からキャリアへの道(Pathways Through Graduate Schools and Into Careers)」によれば、高度な学位を必要とする雇用が今後増加していくことが予想される中、大学院は学生が様々なキャリアの選択肢を模索できるようにするほか、卒業生のキャリアを追跡するなどのより良い対応が必要であるという。大学院生がキャリアを模索する時の障害の一つは、学位を取得した際に可能な様々なキャリア(学術機関以外の)の選択肢について情報が不足していることであるという。また、報告書作成委員会のメンバーの一人は、「学生がどのようなキャリアを選び、どのような進展をしているかについてより良い理解を得るため、体系的に卒業生のキャリアを追跡する必要がある」と述べている。報告書は、①大学は卒業生のキャリアの追跡を行うこと、②キャリアに関するカウンセリングサービスを強化すること、③大学院学生と卒業生の接触を増やすこと、などを勧告している。一方、雇用主側に対しても、①高等教育との協力的関係を強化・拡大すること、②大学院過程への戦略的投資を行うこと、などを勧告している。 The Chronicle “Graduate Schools Need to Improve Career Counseling, Report Says” (4/19/12)

一部の衛星輸出規制解除を求める報告書発表される

国防総省(Department of Defense)と国務省(Department of State)の高官は4月18日、議会に対して通信及び一部の遠隔探査衛星を厳格管理が求められる米国軍需リスト(U.S. Munitions List)から外し、輸出規制リスト(Commerce Control List: CCL)へ移行するよう要請する報告書を発表した。報告書は、諜報コミュニティや航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)の支援を受けながら国防総省と国務省の技術・宇宙政策専門家によって作成された。報告書は、米国宇宙輸出管理政策のリスク評価を行った上で、「多くの商業通信及び遠隔探査衛星、ならびに関連部品は、米国の国家安全保障を損なうことなく、USMLからCCLに移行することができる」と結論づけている。衛星及び関連システム、サブシステム、部品、コンポーネントなど数十万件のアイテムは既に世界中の企業によって商業販売されているという。報告書はまた、議会に対して、衛星及び関連アイテムの輸出管理規制情勢に関する決定権限を大統領に返還すること、国防総省が個々のケースに応じて適切な監視制度やその他の輸出管理措置を適用する権限を認めるよう勧告している。 Department of Defense “Report Urges Lifting Some Satellite Export Controls” (4/18/12)