ハーバード大学の年間学術専門誌購読料は約375万ドル

ハーバード大学(Harvard University)の教員委員会の発表によれば、学術専門誌の年間購読料は約375万ドルで、委員会はこれを「財政的に維持不可能であり、学術的に制限的である」としている。学術出版社業界は、圧倒的な市場力を行使し、購読料を引き上げ、研究論文を購読者のみが閲覧できるようにしているが、こうした研究論文は、根本的には、大学から給与を受けた教員が公的資金を受けた研究を行った成果である。教員委員会は高騰する学術専門誌購読料への対策として、研究者に対し、研究成果をエルセビア社(Elsevier)などの商業出版社ではなく、オープン・アクセスの出版物に掲載するよう提案している。 Atlantic “Harvard Now Spending Nearly $3.75 Million on Academic Journal Bundles” (4/23/12)

世界90カ国以上の政府が政府間生物多様性委員会を発足

世界90カ国以上の政府は、地球の脆弱な生態系に関する最新の研究を評価することを目的に、独立科学者委員会を設立することで合意した。「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change: IPCC)」に似た機関で、新たな政府間委員会の名称は、「生物多様性と生態系サービスに関する政府間プラットフォーム(Intergovernmental Platform on Biodiversity and Ecosystem Services: IPBES)」である。IPBESは、海洋の酸性化や受粉などの問題について国際的な科学評価を行い、生物多様性の損失や生態系の悪化に対応する政策決定者の一助となることを目指す。IPBESの年間予算はまだ確定されていないが、500万~1,300万ドルが提案されている。また、事務局はドイツが務めることが選挙で決定している。 Scientific American “World Governments Establish Biodiversity Panel” (4/23/12)

米国電気自動車開発に向けた標準化ロードマップ1.0版発表

米国規格協会(American National Standards Institute: ANSI)の電気自動車標準委員会(Electric Vehicles Standards Panel: EVSP)は4月23日、「電気自動車のための標準化ロードマップ1.0版(Standardization Roadmap for Electric Vehicles – Version 1.0)」を発表した。本ロードマップは、電気自動車及び充電インフラの安全かつ大規模な普及を促進するために必要とされる標準や規約、規制、適合性、研修プログラムなどを評価するものであり、包括的で合理化された標準や適合性の開発促進と、国内外のパートナーとによる標準や適合性の調整・調和を意図している。EVSPは今後も標準や適合性プログラムの進展や、更なる議論が必要とされる格差問題などに関する評価を続け、標準化ロードマップは今後も定期的に更新されていく計画である。 American National Standards Institute “Standardization Roadmap for U.S. Electric Vehicle Deployment Released” (4/23/12)

コミュニティーカレッジは21世紀のミッションに対応していないとの報告

米国コミュニティーカレッジ協会(American Association of Community College)は4月21日、「アメリカン・ドリームを取り戻せ:コミュニティーカレッジ及び米国の未来(Reclaiming the American Dream: Community Colleges and the Nation’s Future)」を発表し、コミュニティーカレッジのトップに対して、それぞれのカレッジを21世紀型のニーズに対応するべく改革するよう要請した。報告書は、「コミュニティーカレッジは、変化し続ける社会のニーズに確実に対応するため、制度やミッション、学生への教育を再設計しなくてはならない」としている。そして、コミュニティーカレッジ改革を支援するため、①厳しい教育水準に対応できない学生の数を2020年までに半減する、②厳格かつ、透明性や説明責任のある成果につながる政策や慣行の確立、など7点を勧告している他、それらを実行するための戦略も提案している。 The Chronicle “Community Colleges Not Up to 21st-Century Mission, Their Own Report Says” (4/21/12)

大手製造企業の3分の1が製造拠点を中国から米国に戻すことを検討

ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group: BCG)が2月後半に、160社の米国製造企業(売上が10億ドル以上)を対象に行った調査結果によれば、3分の1以上の企業(回答者の37%)が、製造拠点を中国から米国に戻すことを「計画」あるいは「積極的に検討」しているという。製造拠点に関する今後の決定要因として、労働コスト(57%)、製品品質(41%)、事業運営の容易さ(29%)、顧客との近接性(28%)が挙げられている他、回答者の92%が「中国の労働コストは上昇し続ける」と考えている。BCGは3月に、「転換点に近づく米国製造業:どの業界か?その理由と費用は?(U.S. Manufacturing Nears the Tipping Point: Which Industries, Why, and How Much?)」を発表し、米国競争力の向上と中国における費用の上昇を受け、米国は10年後末までに様々な業界分野で200~300万人の雇用と、年間生産高が1,000億ドル増加する好位置に付くであろうと分析しており、今回の調査結果はこうしたファインディングと一致する。 Boston Consulting Group “More Than a Third of Large Manufacturers Are Considering Reshoring from China to the U.S” (4/20/12)

FDA、輸入製品の品質や安全性の確保に向け、国際協力を強化

食品医薬品局(FDA)のマーガレット・ハンバーグ長官(Margaret A. Hamburg)は4月23日、FDAを国際的な公衆衛生局へと変革させるために行っている活動や戦略について詳述した報告書、「世界関与報告(Global Engagement Report)」を発表した。報告書は、輸入食品や医薬品、医療機器、その他の規制対象製品が、国内製品と同等の厳しい安全・品質基準に確実に合致していることの確認を目的としてFDAが取るステップについて記述している。報告書によれば、FDAは、世界的な規制能力強化の取り組み、科学に基づく規制基準の開発及び調整、規制制度の重要性に関する認識の拡大などを目的とし、世界各国の政府や組織とパートナーシップを組んでおり、また、アフリカやアジア、欧州、中南米、中東における国際事務局を通じて、地域の規制制度などに関するFDAの知識基盤の強化にも取り組んでいるという。 Food and Drug Administration “FDA strengthens international collaboration to ensure quality, safety of imported products” (4/23/12)

FDA、ナノテクノロジーに関する業界向けガイダンス草案を発表

食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)は4月20日、食品業界と化粧品業界向けにナノテクノロジー利用に関するガイダンスの草案を発表した。草案の表題は、「業界向けガイダンス:新興技術を含む製造加工の大幅な変化が、食品成分や食品接触物質(色素添加物となる食品成分を含む)の安全性及び規制状況に及ぼす影響の評価(Guidance for Industry: Assessing the Effects of Significant Manufacturing Process Changes, including Emerging Technologies, on the Safety and Regulatory Status of Food Ingredients and Food Contact Substances, Including Food Ingredients that are Color Additives)」と、「業界向けガイダンス:化粧品におけるナノマテリアルの安全性(Guidance for Industry: Safety of Nanomaterials in Cosmetic Products)」である。食品に関するガイダンス草案では、ナノテクノロジーを含む製造加工の変化が、食品の特性や、食品利用の安全性、食品利用の規制状況、FDAへの書類提出の必要性において大幅な変化をもたらす可能性があるかどうかについて、製造業者が考慮すべき要素を概説している。一方、化粧品に関するガイダンス草案は、化粧品に利用されるナノマテリアルの安全性評価に対するFDAの見解が示されている。そして両ガイダンスとも、製造業者に対して、製品を市場化する前にFDAに相談するよう奨励している。FDAでは、ガイダンスへのパブコメを90日間受け付けている。 Food and Drug Administration “FDA issues draft guidance on nanotechnology” …
Read more

4つの環境保護団体がオバマ大統領への支持を表明

シエラ・クラブ(Sierra Club)、環境アメリカ(Environment America)、保全有権者同盟(League of Conservation Voters)、クリーン・ウォーター・アクション(Clean Water Action)の4つの環境保護団体は4月19日、今年の大統領選挙におけるオバマ大統領への支持を表明した。オバマ大統領と共和党の指名候補とみられるミット・ロムニー氏(Mitt Romney)による選挙選では、この支持表明は特に驚くものではないとみられている。オバマ大統領の環境政策は完璧ではないものの、キーストーンXLパイプライン(Keystone XL pipeline)建設計画を一時的に停止させたほか、ディープウォーター・ホライゾン(Deepwater Horizon)事故後にオフショア深海での石油掘削にモラトリアムを発するなど、一定の成果をあげている。一方、ロムニー氏については、同氏が地球温暖化でどのような見解を持っているのか不明で、その他の環境分野については米国の天然資源は開拓すべきとの見解を示している。 U.S.News “Environmental Groups Endorse Obama” (4/19/12)

IBM社のリチウム空気電池プロジェクトに日本企業2社が参加

IBM社は2009年から、1回の充電で500マイルの走行が可能な電気自動車用リチウム空気電池の開発を目的とした「電池500プロジェクト(Battery 500 Project)」を実施しているが、今回同プロジェクトに、日本の旭化成とセントラル硝子の2社が参加することが発表された。両社は電池500プロジェクトでは、リチウム空気電池の重要構成部品の開発に取り組むことになる。旭化成は、膜技術に関するノウハウを生かしてリチウム空気電池の重要な構成部品開発に、またセントラル硝子は化学分野での経験を生かして新種の電解液やリチウム空気電池の性能を強化する添加物の開発に取り組む予定である。 Daily Tech “IBM Welcomes Two New Companies to Its 500-mile Range Lithium-Air Battery Project” (4/20/12)

米政府、バイオセキュリティ国家科学諮問委員会(NSABB)の勧告を受け入れ、H5N1型鳥インフルエンザの論文発表を承認へ

米政府は4月20日、H5N1型鳥インフルエンザに関する論文(改訂版)の公開を奨励したバイオセキュリティ国家科学諮問委員会(National Science Advisory Board for Biosecurity: NSABB)の3月30日勧告を正式に受け入れることを発表した。国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)ウェブサイト上で、フランシス・コリンズNIH所長(Francis S. Collins)と厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)のキャサリーン・セベリウス長官(Kathleen Sebelius)が「両論文は全面的に発表されるべきである」というNSABBの見解に同意し、その旨を論文の掲載を検討する専門誌発行各社に伝えたことが記載されている。ただし実際の発表までには様々な問題が浮上すると考えられている。 Science Insider “U.S. Accepts NSABB Recommendation to Publish H5N1 Flu Papers” (4/20/12)