IPはイノベーションを加速するとの報告

マサチューセッツ州ボストンで行われたバイオ国際会議(BIO International Convention)で6月19日、バイオテクノロジーにおける知的財産権の役割について分析した報告書「世界的にバイオテクノロジーは知的財産権からどのような恩恵を受けるか(Taking Stock: How Global Biotechnology Benefits from Intellectual Property Rights)」が発表された。「強力な知的財産権は業界の発展の支援となるか障害となるか」に関する議論がしばしば起きるが、本報告書によれば、知的財産権は研究開発の発展に貢献するという。世界各国を対象として調査が行われた本報告書によれば、インド、ブラジル、シンガポールなどの国では、過去10年間にわたり、特許件数の増加がバイオテクノロジーや製薬部門の成長と一致しているという。この他にも、技術移転と特許件数の増加や知的財産権の強化と経済発展にも相関性が見られるという。 Nature News Blog “Biotech report says IP spurs innovation” (6/20/12)

エネルギー省と商務省、建造物事業のための新センター・オブ・エクセレンスを発表

エネルギー省(Department of Energy)と商務省(Department of Commerce)は6月19日、「建造物事業のためのセンター・オブ・エクセレンス(Center for Building Operations Excellence)」の新設を発表した。新たなセンター・オブ・エクセレンスは3件(カリフォルニア州、ペンシルバニア州、ニューヨーク州)で合計130万ドルをエネルギー省と米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)の製造拡大パートナーシップ(Manufacturing Extension Partnership: MEP)から受益する。これらのセンターでは、大学や地元コミュニティ、技術学校、業界団体、エネルギー省の国立研究所などと協力し、商業建造物専門家を対象に、建造物のエネルギーの無駄を軽減し、費用を節約し、エネルギー効率を最大限にするために必要とされるスキルが身に付く研修プログラムの確立に取り組む。建造物事業のためのセンター・オブ・エクセレンスは、オバマ政権による「より良い建造物イニシアチブ(Better Building Initiative)」の一環である。 Department of Energy “Energy and Commerce Departments Announce New Centers for Building Operations Excellence” (6/19/12)

大学と非営利組織の経済効果が明らかに

バイオ産業機構(Biotechnology Industry Organization: BIO)は6月20日、報告書「1996年から2010年に大学・非営利組織の発明が米国にもたらした経済効果(The Economic Contributions of University/Nonprofit Inventions in the United States: 1996-2010)」を発表した。同報告書は、大学技術管理者協会(Association of University Technology Managers: AUTM)の15年にわたるデータを基に作成されたもので、大学・非営利組織が米国経済にもたらす多大な影響が明らかにされている。その一例として、①大学・非営利組織によるライセンシングで、年間最大300人の雇用を支えた、②米国の純産業生産高への効果は最大8,360億ドル、GDPへの効果は最大3,880億ドル(2005年ドル)である、などが挙げられている。 Association of University Technology Managers “AUTM Data Reveal Profound Economic Contribution of U.S. Universities and Nonprofits” (6/20/12)

EPA、2012年大統領グリーン化学チャレンジ賞の勝者を表彰

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は、2012年の「大統領グリーン化学チャレンジ賞(Presidential Green Chemistry Challenge Awards)」の勝者を発表した。同賞は、産業生産において、既存技術に比べて有害廃棄物を中心とした廃棄物を軽減或いは排除する代替技術の研究開発を推進するもので、その設計、開発、実践で優れたソリューションを示した者を表彰する。賞は、①大学、②中小企業、③よりグリーンな合成的経路(Greener Synthetic Pathways)、④よりグリーンな反応条件(Greener Reaction Conditions)、⑤よりグリーンな化学設計(Designing Greener Chemicals)の5分野に分かれており、今回は合計6機関が勝者として選出された。 Environmental Protection Agency “EPA Honors 2012 Presidential Green Chemistry Challenge Award Winners” (6/18/12)

オバマ経済刺激策の優先事項は雇用創出ではないとする批判報告書発表

下院エネルギー・商務委員会(Committee on Energy and Commerce)の監督調査小委員会(Subcommittee on Oversight and Investigations)は6月19日、「雇用はどこに? 再生可能エネルギーのための1603条グラント・プログラムにおける雇用創出の曖昧さ(Where are the Jobs? – The Elusiveness of Job Creation under the Section 1603 Grant Program for Renewable Energy)」と題する報告書を発表した。報告書は、「1603条プログラムによる雇用創出は後知恵であり、同プログラムによってもたらされた雇用の算出方法は概ね信頼できない」と批判している。具体的に報告書は、「同プログラムを通じて創出されたとされる雇用件数は、モデルに基づくものであり、実際の数値ではない」と指摘している。小委員会のクリフ・スターンズ委員長(Cliff Stearns、フロリダ州選出共和党)は、「オバマ政権は、1603条プログラムを雇用創出プログラムとして謳っているが、グラント採択プロセスにおいて雇用創出は判断要素となっていない。更に悪いことに、オバマ大統領は同プログラムに数十億ドルを追加することを求めている」と述べている。 Republicans House Energy & Commerce Committee “Committee Report Reveals Jobs Not a Priority for Obama Administration When Handing Out Billions in Stimulus Cash for Green Grants” (6/19/12)

バイオ業界の労働力開発促進を目的とした同盟立ち上げ

約40のバイオ関係組織により、米国バイオ産業における労働力開発や教育、アントレプレナーシップの促進を目的として活動する「州バイオ科学研究所同盟(Coalition of State Bioscience Institutes: CSBI)」が発足した。これは、技術関連の教育や新規事業を推進するiBIO研究所(iBIO Institute)が6月20日、ボストンで行われた2012年BIO国際会議(2012 BIO International Convention)で発表したものである。CSBIは、生命科学教育や労働力開発、アントレプレナーシップなどに関するベストプラクティスの共有や共同での資金調達、全国イニシアチブなどの総括拠点として機能するという。 Mass High Tech “Bio coalition formed to spur workforce development” (6/20/12)

バイオ企業のR&D支出、2011年に9%増

アーンスト&ヤング社(Ernst & Young)が6月19日に発表した年間バイオ産業報告書によれば、アムジェン社(Amgen Inc.)やセルジーン社(Celgene Corp.)などを中心に、バイオ企業の2011年の研究開発(R&D)支出が前年比9%増となり、2年連続の増加となったことが分かった。バイオ企業によるR&D支出は2009年に金融危機を受けて21%減となった後、2010年に2%増加した。報告書の執筆者は、「2009年には大幅な経費削減ムードだった企業は2010年に慎重ながらも楽観的となり、2011年には支出により意欲を示すようになった」との見方を示した。ただし中小企業においては、資本へのアクセスが引き続き厳しいことが指摘されている。 Bloomberg “Biotechs Increased R&D Spending 9% in 2011, Report Finds” (6/19/12)

厚生省が緊急時の医学的対策措置の開発及び製造を目的とした新センターを創設

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)は6月8日、緊急時の衛生保護を目的としたワクチンや医薬品などの医学的対策措置の開発及び製造に向け、3つの新センターを設立した。これらのセンターは、「先端開発・製造におけるイノベーション・センター(Center for Innovation in Advanced Development and Manufacturing)」と呼ばれ、バイオテロや汎発性インフルエンザなどから米国民を保護する医学的対策措置の生産能力を備えた米国内初の主要インフラとなる。また、新たな医学的対策措置を市場により早く導入する一助、そして生物薬剤学の労働力育成の一助となることが期待されている。各センターは、医学的対策措置の開発或いは製造で経験を持つ企業・大学を中心としたコンソーシアムによって運営される。HHSはセンターの初期段階に約4億ドルを投資する予定である。 Department of Health and Human Services “HHS creates new centers to develop, manufacture medical countermeasures” (6/8/12)

農務省、ルイジアナ州におけるバイオベースの化学生産施設への支援を発表

農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)のトム・ビルサック長官(Tom Vilsack)は6月18日、ルイジアナ州にバイオベースの生産施設を建設するミリアント社(Myriant Corporation)への支援として、2,500万ドルの債務保証を承認したと発表した。同施設では、従来ブタンを使い石油化学ベースで作られるコハク酸を、穀実用モロコシを使って生産する(穀実用モロコシをコハク酸と硫酸アンモニウムに転換する)。ミリアント社は、農務省の地方開発(Rural Development)イニシアティブの事業・産業保証プログラム(Business and Industry Guarantee program)を通じて資金を受益する初のバイオベース化学会社となる。 U.S. Department of Agriculture “Agriculture Secretary Vilsack Announces Support for a New Bio-Based Chemical Production Facility in Louisiana” (6/18/12)

ソーラーエネルギーに関する国際消費者調査結果が発表される

ソーラーパネル関連事業も手掛けるアプライド・マテリアルズ社(Applied Materials)は6月18日、今年で4回目となる年間ソーラーエネルギー調査結果を発表した。調査結果によれば、米国、中国、インド、日本の消費者はソーラーエネルギーの未来に楽観的見解を持っている一方、一部には誤解も見られ、「消費者の認識不足」が大きな課題であることが浮き彫りになった。全回答者の55%が「ソーラーエネルギーは石炭などの従来型エネルギー源より安価である」との見方を示し、その回答者の割合が最も高かったのはインドであった一方、最も懐疑的であったのは日本の回答者であった。「ソーラー市場の成長は雇用創出につながる」と考える者の割合も、高い順に米国、中国、インドとなっているが、日本は回答者の40%が「成長は労働市場には影響をもたらさない」と考えていることが判明している。 Applied Materials “International Solar Energy Survey Reveals Consumer Optimism and Misperceptions” (6/18/12)