原子力規制委員会のヤツコ委員長に関する監察長官報告書

辞任を表明した原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)のグレゴリー・ヤツコ委員長(Gregory Jaczko)について、NRCの監察長官がまとめた報告書が6月26日発表された。それによれば、昨年の福島県原発事故以降のヤツコ委員長の行動はNRC委員長としての権限を逸脱するものではなかったが、その後、同委員長が行った議会証言は、NRCの高官が監察長官に述べた内容とは矛盾するものであったという。同報告書は、ヤツコ委員長に対する6件の申し立てについて作成されたもので、一部の高官が、ヤツコ委員長による威嚇的また弱い者いじめ的な戦略を嫌い、同委員長との接触を避けていることも明らかになった。この監察長官報告発表を受け、ヤツコ委員長及びその支持者は、「委員長の正当性が支持された」との見解を示した一方、反対派は「委員長としての能力の問題を示すものである」としている。 Politico “Gregory Jaczko friends, foes spar over IG report” (6/26/12)

連邦高等裁判所、EPAの地球温暖化緩和努力を支持

バージニア州やテキサス州など14州及び企業が、大気汚染防止法(Clean Air Act)に基づき、地球温暖化の緩和を目的として規制を行う環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)を提訴していた件で、コロンビア特別区連邦控訴裁判所(United States Court of Appeals for the District of Columbia)の3人の判事は6月26日、「産業や自動車から排出される温室効果ガスは公衆衛生を危険にさらしているというEPAの考えは正しい」との裁定を下した。EPAを支持する判決は、規制を阻止しようと努力する企業や州政府にとり、大きな打撃となっている。裁判所は、EPAの考えを支持した他、温室効果ガスの削減規制などを有効とし、反対派がEPAの規制施行に向けたスケジュールなどの見直しを求めた件についても、「原告側の主張には適格性がない」とした。バージニア州法務長官は上訴の意向を明らかにしている。 New York Times “Court Backs E.P.A. Over Emissions Limits Intended to Reduce Global Warming” (6/26/12)

日欧米、中国のレアアース輸出規制に関してWTOの委員会設置を要請

日本、欧州連合(European Union: EU)、米国は6月27日、中国政府がレアアース鉱物に課す輸出規制問題を巡り、世界貿易機関(World Trade Organization: WTO)による紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請した。日欧米は3月に、本件に関してWTOに共同提訴しており、4月には当事者協議が行われるなどしたが解決に至らず、今回のパネル設置要請となった。中国側は3月に、「米国など諸外国が汚染問題への懸念などから国内のレアアース精錬所を閉鎖したため、中国が世界生産の90%を占めているに過ぎない」「輸出削減は環境問題及び天然資源保護を狙いとしたものである」としてWTO提訴は不当であると主張した。 Reuters “EU, U.S., Japan seek further WTO steps over China rare earths” (6/27/12)

ユネスコが国連科学諮問委員会を設置へ

国際連合(United Nations)の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、事務総長が科学関連問題について国連加盟国に助言を提供できるようになることを目的として、事務総長に同分野でのガイダンスを提供する国際科学諮問委員会を設立することに合意した。本件は6月22日、「国連持続可能な開発会議(通称「リオ+20」)において、国連教育科学文化機関(UN Environmental, Scientific and Cultural Organization: UNESCO)のイリナ・ボコバ事務局長(Irina Bokova)によって発表された。同事務局長によれば、ユネスコが諮問委員会設置の主導役となり、その事務局もユネスコが提供する計画であるという。国際科学諮問委員会の鍵となる機能の一つは、科学関連問題について国連機関同士及び国際科学コミュニティとの協力を推進することである。一方、その費用や資金拠出方法、委員長と事務総長の連携方法などについては未定となっている。 Nature.com “UNESCO to set up UN science advisory board” (6/25/12)

「プログラミングする女子」がツィッターやグーグル、イーベイとともにイニシアチブを開始

ニューヨーク市の元副市政監督官(deputy public advocate)であるレシュマ・サウジャニ氏(Reshma Saujani)は、テクノロジー業界で働く女性の数を増やすためのイニシアチブとして、「プログラミングする女子(Girls Who Code)」を開始した。同イニシアチブには、ツィッター社(Twitter)、イーベイ社(eBay)、グーグル社(Google)、ゼネラル・エレクトリック社(General Electric)が参加しており、女子高校生に対しコンピュータ科学や工学を学ぶことを奨励することを狙いとしている。「プログラミングする女子」の最初のセッションとして、今夏からニューヨークで8週間のコースが始まる。サウジャニ氏によれば、フォーチュン500社(Fortune 500)のうち、女性が経営者となっている企業の割合はわずか3.6%で、また、ベンチャー・キャピタルが支援する企業のうち女性創業者を抱える企業は10%未満であるという。 CNET “Girls Who Code joins forces with Twitter, Google, eBay” (6/26/12)

サイエンティフィック・アメリカンが第4次「年間ワールドビュー・レポート及びスコアカード」を発表

サイエンティフィック・アメリカン(Scientific American)は6月20日、ボストンで開催されたBIO国際会議(BIO International Convention)で、第4回目となる「年間ワールドビュー・レポート及びスコアカード(Annual Worldview Report and Scorecard)」を発表した。これは、国ごとにバイオテクノロジー産業の分析を行う最も包括的な報告書で、グローバル化するバイオテクノロジー産業のハブとして成功するために重要なパラメーターが示されている。今回の報告書では対象国が50か国に拡大された他、スコアカードを構成する分類が2つ追加されて合計7分類(政策、安定性、知的財産、事業支援など)となった。リストのトップは米国であるが、2位以下との格差は大幅に縮小されている。2位以下には、デンマーク、シンガポール、フィンランド、スウェーデンなどが並んでいる。 Biotechnology Industry Organization “Scientific American releases its 4th Annual Worldview Report and Scorecard at the BIO International Convention in Boston” (6/20/12)

報告書「特許出願中:移民による米国経済の改革」

新米国経済へのパートナーシップ(Partnership for a New American Economy)は、「特許出願中:移民による米国経済の改革(Patent Pending: How Immigrants Are Reinventing The American Economy)」と題する報告書を発表した。報告書は、外国生まれの発明家が米国経済にいかに貢献しているかを分析したもので、キーファインディングとして、①特許取得件数が最多の上位10米国大学に付与された特許の76%において、少なくとも1人の外国生まれの発明家が含まれている、②全特許の半数以上(54%)が外国人発明家グループに付与されており、彼らは査証問題に直面する可能性が高い学生、ポスドク・フェロー、スタッフ研究者などである、③外国生まれの発明家は半導体機器製造や情報技術など、先端分野で大きな役割を果たしている、といった点が挙げられている。 Partnership for a New American Economy “Patent Pending: How Immigrants Are Reinventing The American Economy” (June 2012)

財務省と教育省が高等教育の経済的問題に関する報告書を発表

財務省(Department of the Treasury)と教育省(Department of Education)は、高等教育の経済的問題に関する報告書を発表した。報告書に記載されたデータや分析は、高等教育が社会経済の発展や経済的流動性にとり、重要なものであることを示している。そのハイライトとして、①教育は所得を引き上げる(学士取得者の正規社員の所得は高校卒の正規社員の所得より64%高い)、②所得格差は1980年代から1990年代を通じて拡大した、といった点が挙げられている。こうした中、オバマ大統領は議会に対して、学生向け融資の低金利を維持するよう要請している(議会が何も対応しない場合、新たな助成融資の金利は2012年7月1日に現行の2倍になる)。 Department of the Treasury ” New Report from Treasury, Education Departments: The Economic Case for Higher Education” (6/21/12)

ファースト・ソーラー社、カリフォルニア州における太陽光発電地帯の建設再開へ

カリフォルニア州ロサンゼルス西部で太陽光発電地帯の建設を進めていたものの、薄膜ソーラー・パネルの電気機器認証問題を巡り、建設を中断していたファースト・ソーラー社(First Solar Inc.)は、同認証をロサンゼルス郡から取得したことを受け、一時解雇されていた約230名の労働者を呼び戻し、建設を再開すると発表した。ファースト・ソーラー社及び、同社による本プロジェクトを買収したエクセロン社(Exelon Corp.)は、昨年6億4,600万ドルの連邦債務保証を獲得している。カリフォルニア州は再生可能エネルギー発電の拡大を積極的に行っているが、州内の再生可能発電施設建設計画は様々な問題に直面しており、今回の一件もその一つである。 Wall Street Journal “First Solar to Resume Building California Solar Farm” (6/22/12)

世界の石油生産能力は急増し、価格崩壊のリスクがあるとの報告

ハーバード・ケネディ・スクール(Harvard Kennedy School)の研究者で元石油業界幹部のレオナルド・マウゲーリ氏(Leonardo Maugeri)が」発表した研究報告によれば、米国やその他複数の国で石油生産能力が急拡大し、世界の石油生産能力は2020年までにほぼ20%増加する可能性があるという。そしてこの急増により、石油価格の急落あるいは崩壊がもたらされる可能性があると分析している。「世界の石油生産高はピークに達した、あるいはピークが近い」との見方とは異なり、マウゲーリ氏は、「石油高価格や新技術の導入を受け、石油生産高は現在の1日当たり9,300万バレルから2020年までに1億1,000万バレルに達するであろう」と予測している。 Belfer Center for Science and International Affairs “New study by Harvard Kennedy School researcher forecasts sharp increase in world oil production capacity, and risk of price collapse” (6/25/12)