コンピューティングの進展が持続可能性への取り組みにとり重要との報告

米国研究評議会(National Research Council: NRC)が発表した報告書「持続可能性のためのコンピューティング研究(Computing Research for Sustainability)」によれば、発電や送電、世界的食糧生産、気候変動といった持続可能性の問題に対処する上で、コンピューティングの進展が重要であるという。報告書を作成した委員会の委員長は、「これらの問題は重要かつ複雑であり、世界的な持続可能性問題に対処するには、広範な学問分野に深く関与する必要がある」と述べた。報告書は、こうした問題への対処について、まず急務の特定問題の解決に取り組み、その解決手法を広範に応用することを勧告している。 National Academies “Computing Advances Vital to Sustainability Efforts; New Report Recommends Problem-Focused, Iterative Approach to Research” (6/29/12)

大学による国際化への取り組みは一部の分野で減速

米国教育協議会(American Council on Education)が発表した報告書、「米国大学における国際化マッピング(Mapping Internationalization on U.S. Campuses)」によれば、米国の大学は国際教育への支持を表明しているものの、多くの事例において実際の取り組みは停滞しているという。調査した大学の半数以上が、「大学のミッション声明に国際教育が盛り込まれている」と回答し、ほぼ同数が、「戦略優先事項の上位5件以内に国際化が含まれている」と回答しているが、同協議会が2006年に同様の調査を実施した時に比べると、外国語学習や国外問題に重点を置いたコースの取得を義務付ける大学の割合は減少し、教員の海外渡航資金は減少しているという。また、国際化の取り組みは高等機関の種類によって大きな違いが見られている。さらに博士課程機関では国際化の取り組みが広く実施・認識されているものの、2年制大学では国際化の実施や認識が弱いとの結果が示されている。 The Chronicle “Colleges’ Efforts to Internationalize Slip in Some Areas” (6/27/12)

エネルギー省、22州における建造物エネルギー効率への取り組みに投資を発表

エネルギー省は6月27日、州エネルギープログラム(State Energy Program)を通じて、22の州で行われている州主導型のエネルギー効率プロジェクトに合計約1,400万ドルを提供すると発表した。これらの投資は、雇用創出、省エネ技術の国内製造促進、国民や企業の節約支援を目的とした同省の全国戦略の一部である。受益プロジェクトは大きく分けて、①公共建造物におけるエネルギー効率の進展支援(13州に790万ドルを提供)、②州によるネルギー効率活動の奨励(2州に100万ドル)、③公共施設エネルギー改善措置の資金を捻出するプログラムへの支援(8州に500万ドル)の3つに分類されている。 Department of Energy “Energy Department Announces Building Energy Efficiency Investments in Twenty-Two States” (6/27/12)

ソーラーパネルの供給過多は2015年まで続く見通し

再生可能発電分野のコンサルタント会社、GTMリサーチ社(GTM Research)が6月26日に発表した報告書によれば、ソーラーパネルの製造業者は、過剰製造能力が処理されるまであと3年間ほど厳しい状況が続く見通しであるという。同社のアナリストによれば、今年の太陽熱発電(PV)用ソーラーパネルの製造能力は59ギガワット分で、これは今年の世界的な販売予測とされる30ギガワットのほぼ2倍となっている。今後は、パネル価格の急落継続を受け、約21ギガワット分の製造能力が2015年までに削減される見通しとなっている。前出のアナリストは、「欧州における助成が削減されつつあることなどから、今後3年間は非常に厳しい期間となるであろう」と見ている。 Reuters “Solar production glut to persist to 2015: study” (6/26/12)

IBM社とローレンス・リバモア国立研究所、ビッグデータのニーズに対応する新たなパートナーシップを発表

エネルギー省(Department of Energy)のローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory: LLNL)とIBM社は6月27日、「ディープ・コンピューティング・ソリューション(Deep Computing Solutions)」と呼ばれる新たなパートナーシップを組み、第三者向けにビッグデータ・ソリューションのサービスを提供すると発表した。ディープ・コンピューティング・ソリューションは、LLNL内の高性能コンピューティング・イノベーション・センター(High Performance Computing Innovation Center)内に設置され、利用者は、LLNLがIBM社から調達する新システム「バルカン(Vulcan)」を利用することができるという。バルカンは今夏に稼働開始予定である。 Washington Post “IBM, Livermore Laboratories announce new partnership, third-party services” (6/27/12)

インテル社、新たな大学研究センター設立を発表

インテル社(Intel Corp.)は6月26日、カリフォルニア大学アーバイン校(University of California, Irvine)に新たな「インテル科学技術センター(Intel Science and Technology Center: ISTC)」を設立すると発表した。これはインテル社にとり7件目となるISTCで、ソーシャル・コンピューティングに特化した研究活動を行うという。その他のISTCと同様、インテル社では本ISTCに5年間で1,500万ドルを投資する計画である。このISTCには、カリフォルニア大学アーバイン校の他、コーネル大学(Cornell University)、ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)、インディアナ大学(Indiana University)などが参加する予定で、ユーザー体験設計(user experience design)を対象とした最初のISTCとなり、社会科学者と技術者の双方が関与するという。 EE Times “Intel announces another university research center” (6/27/12)

DARPAの次期長官選出でソリンドラ社問題がつきまとう可能性

国防高等研究計画局(Defense Advanced Projects Research Agency:DARPA)の次期長官の有力候補として、アラティ・プラベーカー博士(Arati Prabhakar)とレジナルド・ブラザース博士(Reginald Brothers)の名前が挙がっている。両者ともDARPAとの関係が深く、長官にふさわしい経歴を持っている。また、プラベーカー氏の場合はインド系米国人として、ブラザース氏の場合はアフリカ系米国人として、初のDAPRA長官となり、いずれにしても注目されるとみられる。ただし、プラベーカー氏は昨年秋までUSベンチャー・パートナーズ社(U.S. Venture Partners)に務めており、同社は破たんしたソリンドラ社(Solyndra)に大きく投資をしていたことから、同社の一連のスキャンダルが問題となる可能性がある。同氏がUSベンチャー・パートナーズ社によるソリンドラ社投資に直接関与していたかどうかは不明であるが、大統領選挙年である今年、DARPA長官指名を巡り、同問題が再び取りざたされる可能性がある。 Wired “Solyndra Scandal Could Haunt Next Darpa Chief” (6/27/12)

米国研究評議会(NRC)が米国原子物理学プログラムの長期的優先事項を提示

米国研究評議会(National Research Council: NRC)は、4回目となる原子物理学の10年調査報告を発表した。NRCは同報告書の中で過去10年間における米国原子物理学の目覚ましい成果を概説すると共に、将来のための長期的戦略を勧告した。報告書は、原子力科学諮問委員会(Nuclear Science Advisory Committee)が2007年に発表した5カ年計画を基にしたもので、エネルギー省(Department of Energy)と全米科学財団(National Science Foundation: NSF)による米国原子物理学プログラムの効果的な管理を称賛している。また、将来のための優先事項として、最近実施された原子物理学施設の改良の活用や、希少同位体ビーム施設(Facility for Rare Isotope Beams)のタイムリーな完了などを勧告している。 National Academies “National Research Council Presents Long-Term Priorities For U.S. Nuclear Physics Program” (6/26/12)

特許トロールによりイノベーションは減速し、特許訴訟コストは2011年に290億ドルに

ボストン大学(Boston University)が、「特許不実施主体(non-practicing entities: NPE)」或いは「特許トロール(patent trolls)」と呼ばれる企業を中心に特許訴訟を調査し、その結果を6月26日に発表した。それによれば、特許訴訟は増加し続けており、2011年にはこれらの訴訟の総費用が290億ドルに達したという。NPEは、自社製品を作ることなく、特許を買収・ライセンシングする会社で、多くの技術系企業大手はこうした活動を批判している。報告書は、特許トロールのその他の悪影響として、①影響を受けている企業の多くが中小企業であり、これがイノベーションの減速につながっている、②NPEがイノベーションを促進していることを示す兆候はほとんどない、といった点を挙げている。 CNET “Patent trolls curb innovation and cost the U.S. $29B in 2011” (6/26/12)

「より良い建造物チャレンジ」」に新たに36件の公的機関が参加

オバマ政権は6月26日、オバマ大統領による「より良い建造物チャレンジ(Better Buildings Challenge)」に、新たに36件の州政府・地方自治体・学校区が参加すると発表した。これにより、「より良い建造物チャレンジ」に参加するパートナー機関は、官民あわせて100件を超えた。また、財務省(Department of the Treasury)が新たな公的税制ガイダンスを発表し、これにより州・地方政府がエネルギー効率及び再生可能エネルギー・プログラムの資金源として、「適格エネルギー保全債券(Qualified Energy Conservation Bonds: QECB)」を通じて、低コスト融資にアクセスすることがより容易となった。試算によれば、利用可能なQECB権限は、20億ドル以上あるという。 Department of Energy “Obama Administration Announces Major Steps Forward to Advance Energy Efficiency Efforts, Improve Access to Low-Cost Financing for States and Local Communities” (6/26/12)