イオン・トレント社、賞金1,000万ドルのゲノム・コンテストに参加表明

Xプライズ財団(X Prize Foundation)が2006年に、「100歳以上の人物100人のゲノムの配列解析を、30日以内に一人1,000ドル未満の費用、かつ0.0001%未満の誤差率で行った企業に1,000万ドルを授与する」という「アルコン・ゲノミクスXプライズ(Archon Genomics X Prize)」コンテストを発表してから6年後の今年、初めての参加企業が登場した。これは、イオン・トレント社(Ion Torrent)で、7月23日に同コンテストへの参加を表明している。同社は1月に、同社のイオン・プロトン・シークエンサー(Ion Proton Sequencer)により、ヒトゲノムの配列解析が1日で1,000ドルの費用で行うことが可能になると発表した。同コンテストへの参加期限は2013年5月31日で、レースは同年9月5日から始まる。 Reuters “Ion Torrent vies for $10 million genome prize” (7/23/12)

残留油ゾーンに膨大なエネルギー資源がある可能性

エネルギー省(Department of Energy)化石燃料局(Office of Fossil Energy)の支援を受けてテキサス大学パーミアン・ベイシン校(University of Texas-Permian Basin: UTPB)が行った研究の初期ファインディングによれば、残留油ゾーン(residual oil zones: ROZ)から数十億バレルの石油を回収できる可能性があるという。ROZとは、貯留層の石油と水の接点の下に見られる不動の原油がある部分のことを指す。ROZから残留油を生産するには、二酸化炭素の圧入などの石油増進回収法(enhanced oil recovery: EOR)技術などが必要とされる。本研究の最終報告書は90日以内に発表される予定である。UTPBはこの他にも、化石燃料局の支援を受けて、ROZに関する理解を深め、原油の追加回収の可能性を模索する研究を2件行っている。 National Energy Technology Laboratory “Vast Energy Resource in Residual Oil Zones, FE Study Says” (7/20/12)

PCAST、無線周波数スペクトルの最大限の活用に関する報告書発表

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)は7月20日、「経済成長促進を目的とした政府所有スペクトルの可能性の最大限活用について(Realizing the Full Potential of Government-Held Spectrum to Spur Economic Growth)」と題する報告書を発表した。これは、先端無線サービスにおける米国のリーダーシップを維持かつ強化するというオバマ大統領の目標に到達するための革新的な手法について価値のある考え方を提示する内容となっている。PCASTが提示した「新しいスペクトルの共有技術の開発及び利用」という目標を政権は支持するとしており、共有技術を奨励することの重要性を認識し、現在業界と共に新技術やビジネス・モデルに取り組む可能性の検討にとりかかっている。 White House “Making the Most of the Wireless Spectrum” (7/20/12)

科学者組織、大統領候補が取り組むべき重要な科学的問題を提示

米国の15の大手科学・工学団体は7月19日、今年の大統領選挙の候補者であるバラク・オバマ大統領(Barack Obama)とミット・ロムニー氏(Mitt Romney)が選挙運動中に議論すべき重要な科学政策問題の一覧を公表した。これらの団体の取り纏め役となった非営利団体、サイエンスデベイド・オーグ(ScienceDebate.org)は、「科学は現代の生活のあらゆる側面に影響しており、大統領候補は選挙運動の早期の段階から、科学問題における立場を公表すべきである」と述べている。提示された問題は、イノベーションと経済、気候変動、エネルギー、科学教育の向上、食糧及び淡水の保護など、多岐に亘る。 Science Debate.org “Organizations List Top Science Questions Obama, Romney Should Tackle” (7/19/12)

オバマ政権、5件の大型港湾プロジェクトの迅速化を発表

オバマ政権は7月19日、「もう待てない(We Can’t Wait)」イニシアチブの一環として、米国内5件の主要港湾の最新化及び拡大を支援するため、7件の大規模インフラ・プロジェクトを迅速化すると発表した。対象となる港湾は、ジャクソンビル港(Port of Jacksonville)、マイアミ港(Port of Miami)、サバンナ港(Port of Savannah)、ニューヨーク・ニュージャージー港(Port of New York and New Jersey)、チャールストン港(Port of Charleston)の5港である。大統領が3月に発表した大統領令(Presidential Executive Order)により、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)が、インフラ・プロジェクトの許認可・審査プロセスをより効率的かつ効果的にするための政府全体の取り組みを監督しており、初期計画として43件のプロジェクトが迅速化されることになっている。今回発表されたのは、そのうちの7件で、今後数週間以内に新たな迅速化プロジェクトが発表される予定である。 White House “We Can’t Wait: Obama Administration Announces 5 Major Port Projects to Be Expedited” (7/19/12)

州政府による研究開発費、2009年度に12億ドルに

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の発表によれば、州政府による研究開発費は2009年度に12億ドルに達したという。これは2007年度の11億ドルを7%上回る。また、2009年度に州政府が研究開発施設に投じた支出は1億300万ドル(2007年度に比べ2%増)で、研究開発費及び研究開発施設費の合計は13億ドルとなった。州政府による研究開発費の報告は従来、合計金額のみ発表されていたが、今回初めて州ごとの結果が公表された。更にNSFは今回、州政府に対し、それぞれの研究開発拠出額を5つの分類(農業、環境及び天然資源、医療、輸送、その他)に分けて報告することを要請している。2009年度に研究開発支出が多かった上位5州は、カリフォルニア、ニューヨーク、オハイオ、ペンシルバニア、フロリダで、全体の47%を占める。 National Science Foundation “State Research and Development Expenditures Total $1.2 Billion in FY 2009” (July 2012)

全国知事会、州の経済成長を促進するためのガイドを発表

全国知事会(National Governors Association: NGA)は、州の経済成長促進につながる政策枠組みや勧告をまとめた報告書を2件発表した。一つは、「州経済の成長:政策枠組み(Growing State Economies: A Policy Framework)」で、州の競争力押し上げの原動力となる6つの要素(アントレプレナーシップ、教育及び技能、イノベーションと技術、民間資本、世界市場と連鎖、業界クラスター)について考察すると共に、州政府が経済成長促進のために利用している政策についてまとめている。もう一つは「州経済の成長:12の行動(Growing State Economies: Twelve Actions)」で、州経済促進のための12の行動を勧告している。勧告の内容は、①競争的な税・規制環境を作る、②アントレプレナー関連の活動を州の経済議題の最優先事項とする、など一般的であるが、各勧告に具体的な成功事例があわせて紹介されているのが特徴である。 SSTI Weekly Digest “NGA Releases Guides to Spur State Economic Growth” (7/18/12)

教育系ベンチャー企業に新たに12の大学が参加

スタンフォード大学(Stanford University)のコンピューター科学教授、ダフネ・コラー氏(Daphne Koller)とアンドリュー・ニン氏(Andrew Ng)は、未来の教育は無料かつオンラインで提供されるべきとの考えの元、2011年秋にコーセラ社(Coursera)を設立した。同社はオンライン教育を可能とするプラットフォームを大学に提供しており、これまでに複数の大学とのパートナーシップを締結しているが、今回新たに、カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)、デューク大学(Duke University)、ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)など12の大学が、無料のオンラインコースを提供する約束に合意した。更に、カリフォルニア工科大学とペンシルバニア大学(University of Pennsylvania)は、コーセラ社に370万ドルの投資を行い、同社のラウンドA資金調達額は2,200万ドルに達している。同社によれば、既に世界190カ国から68万人以上の学生が155万件のコースに登録しているという。 Inc. “Education Start-up Adds 12 New University Partners” (7/19/12)

米国の地球工学者、気球を使った地球冷却化試験を計画

ハーバード大学(Harvard University)の工学者、キース・デイビッド氏(Keith David)とジェームズ・アンダーソン氏(James Anderson)は、ニューメキシコ州で気球を飛行させ、太陽光線を反射する粒子を噴霧して地球冷却化の試験を実施することを計画している。このアイデアは、歴史的に火山が硫酸塩粒子を大気中に噴出し、地球の冷却効果をもたらしていることに起因している。ただしこの考えは科学者達の間で論争を呼んでおり、英国で同様の実験が検討されたが、数ヶ月前に中止が決定したばかりである。 Live Science “US Geoengineers Turn to Balloon for Planet-Cooling Test” (7/17/12)

オバマ大統領、STEM分野の教師を対象とした全国部隊の新設計画を発表

オバマ政権は7月17日、科学・技術・工学・数学(STEM)分野の優れた教師で構成される全国部隊「科学・技術・工学・数学の優良教師部隊(Science, Technology, Engineering and Math Master Teacher Corps)」を新設する計画を発表した。STEM優良教師部隊はまず、全国50の地域で50人の卓越的なSTEM教師を選出し、その後4年間で1万人のSTEM優良教師部隊に拡大する計画である。選出された優良教師は、複数年にわたって部隊の活動に従事し、その専門性やリーダーシップ、サービスを提供する代わりに年間最高2万ドルの給付金を得る。オバマ政権は、このSTEM優良教師部隊を、現在議会に提出している2013年度予算の中の10億ドルを使って開始する意向である。 White House “President Obama Announces Plans for a New, National Corps to Recognize and Reward Leading Educators in Science, Technology, Engineering, and Math” (7/17/12)