サイエンティフィック・アメリカン誌が世界科学スコアボードを発表

サイエンティフィック・アメリカン誌(Scientific American)は2012年10月号で、国別の科学能力(基礎研究の質や量のみならず、それらの研究を現実世界に送り出す能力なども含まれる)をランキングとして示した「世界科学スコアボード(Global Science Scorecard)」を発表した。それによれば圧倒的な1位は米国で、次いでドイツ、中国、日本、英国となっている。サイエンティフィック・アメリカン誌はまた、科学のグローバリゼーションの中で顕著なトレンドについても言及しており、たとえば米国やその他の先進国における製造業基盤が低労働コストの国々に流出しつつある一方で、ドイツが依然としてハイテクの先端を維持している理由として、政府、学術機関、業界の密接な協力関係があるとしている。 Scientific American “Best Countries in Science: SA’s Global Science Scorecard” (9/28/12)

オバマ大統領、中国企業による米国風力発電地帯買収を阻止

オバマ大統領は9月28日、国家安全保障上のリスクを理由に、中国企業がオレゴン州北部で進めていた4件の風力発電地帯買収を阻止した。大統領がこのような外国企業によるビジネス取引を阻止したのは22年ぶりのことである。中国人所有企業のラルズ社(Ralls Corp.)は今年初め、オレゴン州北部にある海軍兵器システム研修施設(Naval Weapons Systems Training Facility)近郊で4件の風力発電プロジェクトを買収し、その建設を進めていたが、対米外国投資委員会(Committee on Foreign Investments in the United States: CFIUS)が国家情報長官室(Office of the Director of National Intelligence)から潜在的脅威に関する分析を受けた後、「中国企業による買収がもたらす国家安全保障リスクに対処するには、大統領による阻止権限行使しかない」として大統領に勧告を行っていた。 Bloomberg Businessweek “Obama blocks Chinese purchase of US wind farms” (9/28/12)

NIH、コスト効果が高く大規模な臨床研究に関する能力を強化

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の発表によれば、「医療ケアシステム(Health Care Systems: HCS)共同研究(HCS Research Collaboratory)」の初年度資金として、全国で8件のプロジェクトに合計約1,130万ドルが提供されるという。資金はNIHの共通資金(Common Fund)によって管理される。HCSには、医療管理組織やその他のヘルスケアコミュニティーが含まれており、NIHは、これらの組織とパートナーを組むことにより、患者が既に医療ケアを受けている環境で、大規模かつよりコスト効果の高い臨床研究を行うことが可能になる。今回受益するのは、デューク大学(Duke University)によるHCS共同研究調整センター(HCS Research Collaboratory Coordinating Center)など8件となっている。 National Institutes of Health “NIH funds will strengthen national capacity for cost-effective, large-scale clinical studies” (9/25/12)

連邦エネルギー規制委員会(FERC)、サイバーセキュリティ担当局を新設

連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)は9月20日、電力グリッドに対するサイバー脅威の軽減を目的として、エネルギーインフラセキュリティー局(Office of Energy Infrastructure Security)を新設した。これにより、FERCは既存の法定権限の下で、同問題に関するベストプラクティスをまとめ、サイバー上の脆弱性について民間部門と通信することが可能となる。しかしFERCは、「現在の限定的な連邦権限では、サイバー攻撃や物理的脅威から電力グリッドを全面的に守ることはできないかもしれない」としている。FERCのジョン・ウェリングホフ委員長(Jon Wellinghoff)は従来より、議会に対して電力グリッドに関する取り締まり及び監視権限を拡大するよう要請し続けているが、議会ではこの権限拡大を巡り、民主、共和両党で意見の対立が続いていることから、早期に実現される可能性は低い。 The Hill “Electric grid regulator creates cybersecurity office” (9/20/12)

グーグル社のブリンCEO、「自律走行車は、一般の人々にとり5年以内に現実となる」と発言

自律走行車の開発を続けるグーグル社(Google)のサーゲイ・ブリン最高経営責任者(Sergey Brin, CEO)は9月25日、「自律走行車は一般の人にとり、5年以内に現実のものとなるだろう」と発言した。この発言は、カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事(Jerry Brown)が、自律走行車の試験や開発の加速を目的とした州法案に署名したグーグル社本社での記者会見で行われたものである。この州法(SB1298)は自律走行車の試験や運用に関する法的枠組みと安全基準を定めるもので、安全性に関する様々な承認が認められるまでは自律走行車の利用は試験目的のみに限られている。「自律走行車が一般の人にとって現実のものとなるのにどれぐらいの期間がかかるか」との問いに、ブリンCEOは「グーグル社のエンジニアは既に試験走行を行っており、より多くの従業員が1年以内に試験走行を開始できると考えている。一般の人がこの車を体験できるのは5年以内であろう」と述べた。 Computer World “Self-driving cars a reality for ‘ordinary people’ within 5 years, says Google’s Sergey Brin” (9/25/12)

バイオテクノロジー企業による研究開発費拠出が復調

会計コンサルティング・グループ、BDO USA社による年間「バイオテック短信(Biotech Briefing)」によれば、バイオテクノロジー企業による研究開発(R&D)費は、2010年の平均4,700万ドルから2011年は5,000万ドルと、5%増加したという。ナスダック・バイオテクノロジー指標(NASDAQ Biotechnology Index)に記載されている公開企業が米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission: SEC)に提出する年次報告書(10-K)を分析して行われた本調査によれば、R&D費増加の背景には、業界全体の売上が昨年24%増加したことが指摘されている。ただし、バイオ企業大手の売上が前年比33%増であったのに対し、より小規模な企業の売上は平均12%減少しているなど、より小規模な企業は苦しい状況となっている。 Pharma Times “Biotech R&D spend bounds back, US study shows” (9/25/12)

エネルギー分野での革新的ソリューションへの投資及び商業化を目的とした新グループ設立

エネルギー・環境イノベーションの戦略企業、グリーン・オーダー社(GreenOrder)の創業者で元最高経営責任者(CEO)であるアンドリュー・シャピロ氏(Andrew Shapiro)は、複数のベテラン投資家と組み、革新的ソリューションへの投資及びその商業化を目的とした「ブロードスケール・グループ(Broadscale Group)」を設立した。同グループは、デューク・エナジー社(Duke Energy)やゼネラル・エレクトリック社(General Electric)などの電力及びユーティリティ企業大手とのパートナーシップの元、成長過渡期にある企業が有する新技術やサービスへの投資や商業化支援を行うと同時に、有望な成長企業に資本や流通、需要などに関する戦略的資源へのアクセスを提供していくという。 Smart Grid News “Leading Companies Partner with Broadscale Group to Scale Up Energy Innovations” (9/24/12)

NSFとモジラ、モジラ・イグナイト・チャレンジの初期ラウンド勝者を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)とモジラ(Mozilla)は9月26日、「モジラ・イグナイト・チャレンジ(Mozilla Ignite Challenge)」の初回ラウンドであるブレインストーミング・ラウンドの勝者チームを発表した。同チャレンジは、公的部門の次世代アプリ開発促進を目的としたオバマ政権の取り組み「米国イグナイト・イニシアチブ(U.S. Ignite Initiative)」の一環として行われているものである。モジラ・イグナイト・チャレンジのブレインストーミング・ラウンドでは、未来のインターネットや米国人の生活を垣間見れるような革新的アプリのアイデアの募集が行われた。その結果、緊急自然災害に関する情報を遠隔から収集及び統合し、緊急対応に応用することを目的としたアプリ(金賞)や、製造プロセスの効率性や生産性、品質の向上を目的としたアプリ(銀賞)など、8チームが勝者として選出され、1,000~5,000ドルの賞金が授与された。今後はこのブレインストーミング・ラウンドの結果を基に、3段階にわたる開発競争ラウンドが行われる。 National Science Foundation “NSF and Mozilla Announce Winning Big Ideas for New Applications on a Faster, Smarter Internet of the Future” (9/26/12)

生命科学系スタートアップ企業への投資に復活の兆し

長い間ベンチャーキャピタル投資家から敬遠されていた生命科学及び医療関連への投資が復活の兆しを見せている。世界的に複数のベンチャー企業が今年、生命科学やバイオ技術、医療といった分野でそれぞれ2億~4億ドル規模のファンドを調達している他、大型かつ多様化したファンドを集め、その多くの部分をこれらの分野に投資している企業もある。昨年、バイオ技術系のベンチャー投資は48億2,000万ドルとなった(前年比24%増)他、医療機器系のベンチャー投資は前年比17%増、医療ケアサービス系のベンチャー投資も同41%増となった。少数の大規模買収や、鍵となる分野での医薬品承認を迅速化する可能性がある米国法成立、生命科学や医療に関する広範な定義などが、復活の一因として挙げられている。 Reuters “Venture firms see signs of rebirth in life sciences” (9/24/12)

再生可能エネルギーに投資する大学が増加

ラトガーズ大学(Rutgers University)は、同大学のリビングストン・キャンパス(Livingston Campus)内の自動車3,500台を収容可能の32エーカーの駐車場に米国内で最大規模のソーラー発電用屋根を設置した。このソーラー発電屋根は8ギガワットの発電能力(1,000世帯分)を有する。ラトガーズ大学にように、米国では多数の大学が二酸化炭素排出削減に取り組むプロジェクトを実施している。ミネソタ州にあるカールトン大学(Carleton College)は初めてユーティリティ規模の1.65メガワット風力タービンを設置し、日々のタービン・データを追跡している他、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)による再生可能エネルギー利用の格付けで1位となったウェスタン・ワシントン大学(Western Washington University)は風力発電によって消費量以上のエネルギーを生産している。 ecomagination “Renewable U: College Campuses Invest in Renewable Energy” (9/25/12)