トムソン・ロイター社が、2012年の世界の革新企業上位100社を発表

トムソン・ロイター社(Thomson Reuters)は12月4日、特許関連データを基に作成した「2012年グローバル・イノベーター・トップ100(2012 Top 100 Global Innovators)」を発表した。同社によれば、今年選出された100社・機関の時下総額加重平均売上高は15%で、S&P500の12%を3ポイント上回っており、財務分析上でも優位性が示されたという。100社・機関はアルファベット順で発表され、順位は発表されていない。今回の100社・機関の特長として、初めて学術機関や政府機関が選出された。最も多くの組織が選出されたのは米国で47社・機関となっている。2位はアジアで、日本が25社、韓国が7社・機関となっている。 Thomson Reuters “Thomson Reuters Names the World’s Top 100 Most Innovative Organizations for 2012” (12/4/12)

アレクサンダー上院議員、エネルギー省の研究資金の倍増と風力エネルギー減税の終了を提案

ラマー・アレクサンダー上院議員(Lamar Alexander、テネシー州選出共和党)は、石油依存を削減し、連邦赤字を解消する画期的技術を実現するため、エネルギー省(Department of Energy)による研究開発資金を倍増すべきであると述べた。そしてそのための資金(60億ドル)の一部は、風力エネルギーに対する生産税控除(production tax cut: PTC)の終了によって調達するとしている。PTCは今年末に失効予定となっており、アレクサンダー議員は同措置に長い間反対してきた。PTCの終了のみでエネルギー省の研究開発資金を倍増することは無理であるが、同議員はPTC終了以外にどのような形で資金調達をするのかについては述べなかった。 The Hill “Sen. Alexander: Double DOE research funding, end wind credit to grow revenues” (12/1/12)

DARPA、技術製品におけるバックドアや悪意のあるソフトウェアを特定する手法を模索

米国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency:DARPA)は11月29日、「ソフトウェアやファームウェアなどのIT製品の審査(Vetting Commodity IT Software and Firmware: VET)」プログラムの詳細を発表した。同プログラムは、国防総省(Department of Defense)が購入する商業IT機器にバックドア(秘密の裏口)や悪意のある機能が含まれていないことを確実にし、機器の安全性や機能性を検証する革新的かつ大規模な手法を見つけることを意図したものである。DARPAによるこの新規プログラムの前には、下院情報特別委員会(House of Representatives Permanent Select Committee on Intelligence)が今年10月に、「華為技術(Huawei Technologies)と中興通訊(ZTE Inc.)といった中国通信企業は、外国政府の影響を全く受けていないとは言い切れず、それゆえ米国や我々のシステムに安全保障の脅威を呈している」とする報告書を発表している。 Information Week “DARPA Looks For Backdoors, Malware In Tech Products” (12/3/12)

エネルギー安全保障リーダーシップ評議会、エネルギー国家安全保障に関する政策提言書を発表

民間の主要企業幹部から構成されるエネルギー安全保障リーダーシップ評議会(Energy Security Leadership Council: ESLC)は12月3日、米国経済を強化し、財政の安定性を推進し、国家安全保障を保護するための詳細な石油安全保障計画を発表した。その報告書「エネルギー安全保障のための国家戦略:米国の資源とイノベーションの育成(A National Strategy for Energy Security: Harnessing American Resources and Innovation)」は、国内エネルギー供給及び石油代替技術の拡大を支持した上で、いくつかの政策提言を行っている。それらには、①連邦大陸棚(Outer Continental Shelf: OCS)における責任あるエネルギー資源開発、②「石油・天然ガス規制の州による見直し(State Review of Oil and Natural Gas Regulations: STRONGER)」プロセスへの州の参加、③石油代替技術(電気自動車や天然ガストラックなど)推進の一助となる技術中立型の普及コミュニティの整備、などがある。 Securing America’s Future Energy “Leaders Offer Sweeping Oil Security Policy Essential to Strengthening Economy, Fiscal Outlook” (12/3/12)

製薬業界、研究開発の生産性は足踏み状態

デロイト社(Deloitte)とトムソン・ロイター社(Thomson Reuters)が、製薬大手12社における研究開発の評価を行った年次報告書によれば、製薬企業は新規治療薬の探求ではより効率的になっているものの、それらが投資リターンの向上にはつながっていないという。研究所における低い生産性は世界の製薬業界が抱える大きな問題となっている。報告書によれば、製薬大手12社が承認を受けた新規医薬品は41件で売上予測合計は2,110億ドルとなっている。承認された医薬品件数は前年(32件)の30%増であるが、売上予測合計は前年(3,090億ドル)より低く、製薬企業は生産性の低迷に苦しんでいる。それでも、調査対象となった12社のうち10社において後期段階の試験的医薬品が強化されるなど、有望な兆しも見られる。 Reuters “Drug industry treading water on R&D productivity” (12/3/12)

米上院、軍のバイオ燃料プログラムを復活

議会上院は11月29日、国防承認法案(National Defense Authorization Act: NDAA)の審議において、米軍によるバイオ燃料精製所の建設を禁止する文面を削除することを可決した。上院は28日にも、国防総省(Department of Defense)におけるバイオ燃料購入を制限した別の提案を阻止している。いずれの制限も、今年初めに委員会によってNDAAに付け加えられていたものであった。上院の投票結果はバイオ燃料支持派にとっては朗報であるが、大統領はNDAAにおける幾つかの条項(バイオ燃料を制限する条項など)を批判していることなどから、同法案の行方は不明となっている。 Science Insider “U.S. Senate Restores Military Biofuels Programs” (11/30/12)

内務省、史上初となる連邦大陸棚での再生可能エネルギー向けリース・セールを発表

内務省(Department of Interior)は11月30日、海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management: BOEM)が、連邦大陸棚(Outer Continental Shelf: OCS)の連邦水域における2つの風力エネルギー地帯(wind energy area: WEA)を対象に、再生可能エネルギー開発を目的とした競争的なリース・セールを来年実施すると発表した。これは、オバマ政権による包括的エネルギー戦略の一環であり、連邦大陸棚における有用なエネルギー資源の開発に取り組む。リース・セールの対象となるのは、バージニア州の海岸沖と、マサチューセッツ州及びロードアイランド集の海岸沖の2地帯で、合計約27万8,000エーカーとなる。両地帯により、4,000メガワット以上の風力発電支援が見込まれている。 Department of Interior “Interior Announces First-Ever Renewable Energy Lease Sales on the Outer Continental Shelf” (11/30/12)

アルゴンヌ国立研究所を主幹とするチームがエネルギー省の電池・エネルギー貯蔵ハブに選出される

エネルギー省(Department of Energy)は11月30日、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)を主幹とし、エネルギー省傘下の5つの国立研究所、5つの大学、4つの民間企業で構成される研究チームが、「電池・エネルギー貯蔵ハブ(Batteries and Energy Storage Hub)」として選出されたと発表した。研究チームは今後5年間にわたって最高1億2,000万ドルを受益し、「エネルギー貯蔵研究合同センター(Joint Center for Energy Storage Research: JCESR)」と呼称されるハブをアルゴンヌ国立研究所内に建設する。JCESRでは、電池性能の革新的な進展を狙いとした取り組みが行われる。エネルギー省では2010年からエネルギー・イノベーション・ハブ(Energy Innovation Hub)プログラムを実施しており、JCESRは4件目のハブとなる。 Department of Energy “Team Led by Argonne National Lab Selected as DOE’s Batteries and Energy Storage Hub” (11/30/12)

NSF、「一部の企業が研究開発費の多様化を図り、より広範な製品ラインを有する傾向にある」と報告

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が11月30日に公表した報告によれば、様々な業種で幅広く研究開発(R&D)費を投じている米国企業ほど、より重点的にR&D投資を行い、より広範な製品系列を有する傾向にあるという。2008年に2業種以上にR&D費を投じた企業は8%であったが、これらの企業は米国企業による世界的なR&D費合計(3,280億ドル)の3分の1(1,070億ドル)を占めたという。従来のR&D統計は企業単位で収集されていたが、「2008年 企業のR&Dとイノベーション調査(2008 Business R&D and Innovation Survey: BRDIS)」でアンケート内容が改良されたことにより、業種ごとの販売やR&D費データの詳細が明らかになった。 National Science Foundation “Small Percentage of U.S. Companies Diversify R&D Expenditures and Tend to Have More Expansive Product Lines” (11/30/12)

下院、大学院修了留学生に永住ビザを与える法案を可決

議会下院は11月30日、米国研究大学において科学・技術・工学・数学(STEM)分野で高度な学位を取得した外国人卒業生を対象に、最高5万5,000人分の永住ビザを配分することを規定した法案「STEM雇用法案(STEM Jobs Act)」を可決した。投票結果は245対139で、下院共和党のほぼ全議員と27名の民主党議員が支持した。STEM雇用法案は、従来の「移民多様化ビザ・プログラム」(年間5万5,000人に永住ビザを提供する)を廃止し、高度な学位を有する外国人卒業生を対象とした特別なビザ枠を設定するという内容である。下院民主党議員の多くと大統領府は、STEM向けのビザ拡大は支持するが、そのために移民多様化ビザ・プログラムを廃止することには反対している。同法案が民主党主導の上院で取り上げられる見込みはなく、今後の更なる進展はないとみられる。 The Chronicle “House Passes Visa Bill for Foreign Graduates, Over Democrats’ Objections” (11/30/12)