新たに3社がオバマ政権による「より良い建造物チャレンジ」に参加

エネルギー省(Department of Energy)は2月21日、ジョンソン・コントロールズ社(Johnson Controls)、メイシーズ社(macy’s)、スプリント社(Sprint)の3社が、新たに「より良い建造物チャレンジ(Better Buildings Challenge)」に参加すると発表した。より良い建造物チャレンジは、オバマ大統領が2011年に開始したもので、これに参加する企業や大学、自治体、その他機関は、エネルギー効率や無駄の削減、エネルギー費用の削減に関して大規模な取り組みを行う。今回新たに参加する3社は、合計で2億平方フィートのビル空間の改良を行い、エネルギー消費を2020年までに少なくとも20%削減することに取り組む。 Department of Energy “Obama Administration Announces Johnson Controls, Macy’s and Sprint Join the Better Buildings Challenge” (2/21/13)

国防総省、気候変動対策を開始

気候変動対策に最も積極的なリーダー省庁の一つである国防総省(Department of Defense: DOD)は、「気候変動適応ロードマップ(Climate Change Adaptation Roadmap: CCAR)」を発表した。本ロードマップは、気候変動の影響への対処について国家安全保障という観点からまとめたもので、それには地政学的な問題や対立の悪化、食料や水、その他の重要資源を巡る競争、人道支援を目的としたDODリソースの需要増加などが含まれる。CCARは、「気候変動で考慮すべき事柄を、既存の政策や計画、慣行、プログラムに全面的に統合することで、気候科学やその他の関連分野に取り組む」との考えを示している。そしてその第一歩として、DODとその他の関連機関・当局の間で気候関連情報が直接かつ迅速に共有されていることを確実にする諮問委員会を指名するという。 Clean Technica “Department Of Defense Launches Attack On Climate Change” (2/23/13)

NSF、連邦パートナー機関と協力して研究結果への公的アクセスに関する包括的計画を策定へ

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は2月22日、他の連邦パートナー機関と共に、連邦助成を受益した研究の結果に対する公的アクセスを拡大するというコミットメントを発表した。公的アクセスは、基礎研究結果の拡散を加速させることを意図したもので、それにより最前線の知識の発展や国家の将来の繁栄の一助となることが期待されている。今回の発表は、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)が科学研究助成を行う連邦機関に対して研究結果への公的アクセス強化計画の策定などを指示した政策メモランダムを受けて行われた。公的アクセス拡大の実施内容については、今後関係者やその他の政府機関との協議によって作成されていく計画である。 National Science Foundation “National Science Foundation Collaborates with Federal Partners to Plan for Comprehensive Public Access to Research Results” (2/22/13)

連邦助成を受けた研究結果への公的アクセスが拡大される

大統領府が2月22日に発表した政策メモランダムで、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)のジョン・ホルドレン長官(John P. Holdren)は、研究開発支出が1億ドルを超える連邦機関に対し、連邦助成を受けた研究の結果が出版されたものについて、出版から1年以内に国民が無料で入手可能とする策を策定すると共に、研究者に対しては、連邦助成を受けた科学的研究の結果のデジタルデータについてより良い説明責任と管理を求めるよう指示した。本件について取り組みを行ってきたOSTPは、国民からの意見を募集し、省庁間作業部会を招集するなどし、今回の最終政策が策定された。 White House “Expanding Public Access to the Results of Federally Funded Research” (2/22/13)

慢性核融合エネルギーの潜在的恩恵によりその研究開発の継続は正当化されるが、全国的な調整プログラムは点火が実現してからにすべきとの報告

米国研究評議会(National Research Council: NRC)が発表した報告書によれば、慢性核融合をベースとするエネルギー技術の開発は、成功した場合の恩恵が大きいこともあり、正当化されるという。核融合燃料の点火はまだ実現していないが、慢性核融合における過去10年間の科学的及び技術的進歩には目覚しいものがある。そうした上でNRCは、「慢性核融合エネルギーの開発には、国家的に調整された広範なプログラムの確立が必要であるが、それは点火が実現するまで待つべき」との見解を示している。 National Academies “Potential Benefits of Inertial Fusion Energy Justify Continued R&D; Nationally Coordinated Program Should Wait Until Ignition Is Achieved” (2/20/13)

3Dプリンタ技術を使って生体細胞から人工耳を製作

コーネル大学(Cornell University)の生体工学者とワイル・コーネル医科大学(Weill Cornell Medical College)の医師らで構成される研究チームがプロスワン誌(PLOS ONE)に発表した論文によれば、3Dプリンタ技術と生体細胞からできた注射式ジェルを使い、実質的に人間の耳と同一の人工耳を製作することに成功したという。これにより、小耳症で生まれた子供や事故などで耳を失った人の治療に活用されることが期待されている。研究チームは、実際の人の耳の3D画像を基に、3Dプリンタを使って型を作成し、そこに独自に開発したジェルとコラーゲンを注入し、型を取り除いた後は、コラーゲンがジェルが成長する土台となり、3カ月で軟骨が形成されたという。 The Engineer “3D printing techniques produce artifical ear from living cells” (2/21/13)

マーク・ザッカーバーグ氏、セルゲイ・ブリン氏らが生命科学ブレイクスルー賞を立ち上げ

フェイスブック社(Facebook)のマーク・ザッカーバーグ氏(Mark Zuckerberg)とその妻のプリシラ・チャン氏(Priscilla Chan)、グーグル社(Google)のセルゲイ・ブリン氏(Sergey Brin)とその妻で生物学者のアン・ウォジツキ氏(Ann Wojcicki)、ロシアのアントレプレナー兼投資家のユーリ・ミルナー氏(Yuri Milner)などが、生命科学分野で優れた研究を行う研究者に賞金を贈る「生命科学ブレイクスルー賞(Breakthrough Prize in life sciences)」を立ち上げた。そして、その初年度の受賞者として、11名が発表された。受賞者は研究支援として300万ドルを受益する。今回の受賞者の中には、iPS細胞の開発に取り組む京都大学の山中伸弥氏も含まれる。生命科学ブレイクスルー賞の出資者らは今後も年間5件の賞金(1件あたり300万ドル)を提供することに合意している。また、今回の受賞者は、次回の受賞者を決める選考委員会の審査員となる。 Venture Beat.com “Mark Zuckerberg, Sergey Brin, & Yuri Milner launch $33M ‘Breakthrough Prize’ in life sciences” (2/20/13)

MITテクノロジー・レビューによる「2013年ディスラプティブな企業50社」

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institutes of Technology: MIT)による「MITテクノロジー・レビュー(MIT Technology Review)」は、2013年の「ディスラプティブな企業50社(50 Disruptive Companies 2013)」を発表した。「ディスラプティブな企業50社」リストは、定量的な評価でも、研究開発費や特許件数を考慮したものでもなく、「イノベーションが商業化される様々かつ豊かな手法をとらえることを意図したもの」であるという。また、「新製品は必ずしもその会社のイノベーション力を表すものではない」とし、これらの企業間の優越を付けることを目的としていないため、50社の順位付けも行われていない。50社の中には、サーモスタット・メーカーのネスト社(Nest)や、電池ベンチャー企業のアンブリ社(Ambri)、大手企業のゼロックス社(Xerox)などがある。日本企業としては、トヨタ自動車が入っている。 MIT Technology Review “50 Disruptive Companies 2013” (2/20/13)

大統領府、知的財産を保護するための新戦略を導入へ

中国やその他の国が、サイバー攻撃を通じて米国の機密情報や技術を盗んでいることを示す証拠が増大する中、大統領府は2月20日、知的財産を保護する新たな戦略を発表した。新戦略は、サイバー攻撃のみに専念するのではなく、米国情報機関や国務省(Department of State)、司法省(Department of Justice)による既存の取り組みの調整を強化することに力を入れる。ただし新たな懲罰や制裁は盛り込まれていない。オバマ大統領は先週、米国政府がダムやエネルギー、通信施設を所有或いは運営している米国企業とサイバー脅威に関する機密情報の共有を強化するよう指示する行政命令に署名したところである。 Los Angeles Times “White House adopts new strategy to safeguard intellectual property” (2/20/13)

BRICK諸国における科学的研究への投資やイノベーションに関する報告

トムソン・ロイター社(Thomson Reuters)の「知的財産及び科学(Intellectual Property & Science)」ビジネス部門が発表した報告書「ブリックの積み重ね:ブラジル、ロシア、インド、中国、韓国が世界の研究に及ぼす影響に関する考察(Building Bricks: Exploring the Global Research Impact of Brazil, Russia, India, China and South Korea)」によれば、鍵となるイノベーション指標で中国と韓国はBRICK(ブラジル、ロシア、インド、中国、韓国)のその他の国々を大きくしのいでいるという。同報告書は、過去10年間における世界的な研究出版物や研究開発費、特許申請件数を追跡したもので、BRICK諸国の経済的イノベーション水準を計るものである。報告書のキーファインディングとして、①中国と韓国における研究開発投資が急増している、②中国と韓国の特許申請が世界的な特許申請急増の要因となっている、③韓国は材料及びコンピュータ科学、ブラジルは農業や植物、動物科学、ロシアは物理学、インドは製薬イノベーションに強いという国別の傾向も見られる、といった点を挙げている。 Thomson Reuters “Thomson Reuters Report Finds that Investment in Scientific Research, Innovation and Education Close Gap between “BRICK” and G7 Nations” (2/19/13)