Category:その他
エネルギー省傘下国立研究所、エネルギーインフラを変革するAIの可能性を調査
アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)、アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory)、国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory)は今般、「エネルギーのためのAI:2023年冬の作業部会に関する報告(AI For Energy: Report on Winter 2023 Workshops)」と題する報告書を発表した。報告書は、米国のエネルギー・インフラが直面する5つの分野(原子力発電、電力グリッド、炭素管理、エネルギー貯蔵、エネルギー・マテリアル)について大きな課題を特定している。そうした上で、共通するニーズとして、①早急かつ高度で信頼性のあるコンピュータ支援によるマテリアル及びシステムの設計と試験、②予測における不確実性とシステムのパフォーマンスを正確に特定する科学者の能力の向上、③AIによって複数のソースならびに形態のデータを統合すること、を挙げている。米国がこれらの課題を克服できれば、大きな恩恵がもたらされる可能性がある。 Argonne National Laboratory “How artificial intelligence can transform U.S. energy infrastructure” (4/29/24)
エネルギー省、「海外の懸念事業体」の定義に関する最終的な解釈ガイダンスを発表
エネルギー省(Department of Energy)は5月3日、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law: BIL)40207条における「海外の懸念事業体(foreign entity of concern: FEOC)」の法定定義の解釈ガイダンスを最終取りまとめした。FEOCの解釈ガイダンスは、FEOCが国内の電池サプライチェーンに参入することを制限し、国内及び友好地の電池マテリアル加工・製造の成長を強化することを意図している。今回発表されたエネルギー省のガイダンスに拠れば、対象国(中国、ロシア、イラン、北朝鮮)に本社がある、対象国で組織化されている、または該当する活動を行っている場合;投票権、役員会の席、もしくは株式の25%以上が対象国の政府によって占められている場合;またはFEOCとのライセンスもしくは契約を通じてFEOCに実質的に管理されている事業体の場合、その事業体はFEOCとみなされる。また、財務省(Department of Treasury)及び内国歳入庁(Internal Revenue Service: IRS)が発表した30D条クリーン自動車税クレジット(30D Clean Vehicle Tax Credit)の最終規則に基づき、FEOCによって製造もしくは組み立てられた電池部品を含むEVは、2024年から税クレジットを受益する資格がなくなる。 Department of Energy “DOE Releases Final Interpretive Guidance on the Definition of Foreign Entity of Concern” (5/3/24)
NSF、大規模言語モデルと生成AIに関する新たなグラントを発表
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、深層推論(deep inference)と呼ばれるコンピューティング・プロセスとAIの長期の社会的影響に焦点を当てながら、大規模言語モデル(large language models: LLMs)と生成AIがどのように機能するのかについて調査するノースイースタン大学(Northeastern University)の研究に900万ドルのグラントを発表した。研究を通して「国家深層推論ファブリック(National Deep Inference Fabric: NDIF)」の確立を目指す。NDIFは、協調的な研究プラットフォームで、その目標は、透明性があり、システムの内部コンピュテーションが明らかになる実験的プラットフォーム内で最先端のLLMへのアクセスを米国の研究者へ提供することである。こうした能力は現行の学術機関にはない。「チャットボットは、社会とAIの関係に変革をもたらしたが、それらがどのように機能するのかについては充分な理解が進んでいない」と、NSFのセスラマン・パンチャナサン長官(Sethuraman Panchanathan)は述べる。加えてNDIFプロジェクトは、学生に包括的な訓練を提供し、彼らが専門家ネットワークとして活動することができるよう準備することで、AIを活用した次世代の労働力を構築する一助となる。 National Science Foundation “New NSF grant targets large language models and generative AI, exploring how they work and implications for societal impacts” (5/2/24)
OSTP、気候及びクリーンエネルギー技術の商業化を促進する措置を発表
大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)、大統領府国家経済会議(National Economic Council: NEC)、大統領府気候政策局(White House Climate Policy Office)は4月25日、エネルギー省(Department of Energy)、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)、ベンチャーキャピタル、大学、法律事務所の代表を招集し、気候危機対策のイノベーションを促進し、進展を加速させることを目的とした一連の措置を発表した。具体的には次の通り。①エネルギー省の技術移転局(Office of Technology Transitions: OTT)が、「エネルギーテック大学プライズ(EnergyTech University Prize: EnergyTech UP)の教員トラック(Faculty Track)及び学生トラック(Student Track)の受賞者を発表。②エネルギー省は、新たに「導入準備レベル(Adoption Readiness Level: ARL)」枠組みを導入し、技術の商業化における主要なリスク(資本へのアクセスやコミュニティの認識など)を評価し、「米国への投資(Investing in America)」議題によって支援するクリーン・エネルギー技術のより良い管理に役立てることを発表。③NSFは、2024年夏に、「変換アクセラレータ(Translation Accelerators)」の資金提供機会を発表する(同プログラムはCHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)によって承認されたもので、ラボで生まれたプロトタイプや概念実証を、社会的または経済的影響を持つ製品やサービスへ変換する能力を大幅に拡大することを目指す)、④大手ベンチャーキャピタルや大学、法律事務所など15の組織が、新たにオープンソースの気候及びクリーンエネルギーのモデル規約シートを発表(技術移転交渉のベスト・プラクティスや合理的な手法を提示したもので、拘束力はなく、投資家と学術機関の間の協議を開始するテンプレートとして機能するもの)。 White House “White House Office of Science and Technology Policy Announces Actions to Spur the Commercialization Climate …
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NSF主導の国家AI研究資源パイロット、35件のプロジェクトにアクセスを提供
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)とエネルギー省(Department of Energy)は、国家人工知能研究資源(National Artificial Intelligence Research Resource: NAIRR)パイロットの初回ラウンドとして、35件のプロジェクトにコンピュテーショナル時間を提供すると発表した。米国内で責任ある人工知能(AI)研究を育成する上で大きなマイルストーンとなる。NAIRRパイロット・プログラムは、「安全でセキュアで信頼できるAIの開発と使用(Safe, Secure and Trustworthy Development and Use of AI)」に関するバイデン大統領の大統領令から生じたプログラムで、AIの研究者及び学生に主要なAI資源とデータへのアクセスを提供する。27件のプロジェクトは、NSFの資金を受けた先端コンピューティング・システム資源の支援を受け、8件のプロジェクトはエネルギー省が支援するシステムへのアクセスを得る。また、今回の初回ラウンドのアワード発表にあわせて、NAIRRパイロットは、研究者や教育者のAI研究を支援する資源へのアクセスへの新たな応募受付を開始した。 National Science Foundation “NSF-led National AI Research Resource Pilot awards first round access to 35 projects in partnership with DOE” (5/6/24)
エネルギー省、国内の製鉄・製鋼プロセスの脱炭素化に2,800万ドルを発表
エネルギー省(Department of Energy)は4月18日、排出ゼロの製鉄プロセスと、ライフサイクルにおける超低排出の製鋼の進展を目的として、13件のプロジェクト(9州)に2,800万ドルを提供すると発表した。本プログラムを通じて資金提供を受ける変革的な技術は、排出と費用の双方で平衡の目標に到達する最初の技術となる(変革的な概念は、既存の技術とコスト競争力のあるものでなくてはならない)。エネルギー省傘下のエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)が、「鉱石から鋼鉄への革命で排出に影響を及ぼす(Revolutionizing Ore to Steel to Impact Emissions: ROSIE)」プログラムの下で選出されたチームを管理する。選出されたプロジェクトは、製鉄もしくは製鋼のプロセスに革命をもたらすだけでなく、鉱石から最終的な鋼鉄生産までのサプライチェーン全体に革命をもたらすことを目指す。 Advanced Research Projects Agency-Energy “U.S. Department of Energy Announces $28 Million to Decarbonize Domestic Iron and Steel Production” (4/18/24)
アルゴンヌ国立研究所とイリノイ大学シカゴ校が持続可能性研究所を開設
シカゴで4月17日、科学イノベーション及び教育の新たなハブとなる「ジョージ・クラブツリー発見・持続可能性研究所(George Crabtree Institute for Discovery and Sustainability)」が開設した。イリノイ大学シカゴ校(University of Illinois Chicago: UIC)と、エネルギー省(Department of Energy)傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)の共同作業で、両大手機関の研究とキャリア開発を組み合わせた利点を活用する。先駆的な科学及び工学を通じて、世界的な福利と持続可能性の強化に取り組むことにコミットしている。研究所の名称にある「ジョージ・クラブツリー」は、アルゴンヌ国立研究所の上級科学者かつフェローで、UICの著名な教授(物理学、電気・機械工学)であったジョージ・クラブツリー氏に由来する。同氏は2012-2023年に、産官学の研究パートナーを集めたコンソーシアム大手、「エネルギー貯蔵研究合同センター(Joint Center for Energy Storage Research)」の所長であった。 Argonne National Laboratory “Argonne National Laboratory and the University of Illinois Chicago launch the George Crabtree Institute for Discovery and Sustainability” (4/17/24)
DIUと英国戦略司令部、新たな人的交換に合意
国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)と英国の戦略司令部(Strategic Command)は、既存の覚書(MOU)の付帯文書の更新版に署名し、パートナーシップが大幅に進展することを発表した。更新版には、英国のリエゾンをシリコンバレーにあるDIU本部に置き、米国のリエゾンを英国ロンドンにある英国戦略司令部のjハブ国防イノベーション本部(jHub Defense Innovation HQ)に置くことが含まれ、これによって双方の協調的取り組みを強固にする。英国は、jハブの取り組みを基盤として新たに国防イノベーション局(Defense Innovation Agency)を新設することを発表している。英国のその他のイノベーション組織や今回の合意などにより、米英間のパートナーシップは更に深まることが期待されている。 Defense Innovation Unit “DIU and UK jHub Defence Innovation Enhance Collaboration with New Personnel Exchange Agreement” (4/26/24)
ベンチャー企業2社、遠征的な水素生成器のプロトタイプ作成でアワード受益
海兵隊(Marne Corps)遠征エネルギー局(Expeditionary Energy Office: E2O)、海軍情報戦争センター・パシフィック(Naval Information Warfare Center Pacific: NIWC PAC)、国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は、遠隔の厳しい環境で、水を水素に変換できる商業ソリューションを活用することを目的として、パートナーを組んでいる。生成された水素は、無人航空システムや小型ユニット機器、気球、戦略的車両に使用される。DIUは最近、「紛争の戦略的先端での水素ロジスティック(Hydrogen at the Tactical Edge of Contested logistics: HyTEC)」プロジェクトの下、現場実験用の水素生成トレイラーのプロトタイプを作成し、将来の運用要件について情報提供することを目的として、ゼファー・フライト・ラボ社(Zepher Flight Labs)とノバスパーク・エネルギー社(NovaSpark Energy)を選出した。 HyTECプロジェクトの追加の共同作業者及び評価者には、USINDOPACOM、海兵隊E2O、NIWC PAC、海軍研究所(Naval Research Laboratory)、エネルギー省(Department of Energy)などが含まれる。ノバスパーク・エネルギー社とゼファー・フライト・ラボ社は、2024年を通じてHyTECのプロトタイプ作成に取り組み、2025年初頭に試験及び現地実験を行う予定。 Defense Innovation Unit “Zepher Flight Labs, NovaSpark Energy Receive Awards To Prototype Expeditionary Hydrogen Generators” (4/22/24)
国土安全保障省、重要インフラ及び大量破壊兵器をAI関連の脅威から保護するガイドラインと報告書を発表
国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)は4月29日、人工知能(AI)が呈する脅威に対処する上で有益となる新たな資源を発表した。それらは、①AIが重要インフラに及ぼすリスクの軽減を目的としたガイドライン、②化学/生物/放射線/原子力(CBRN)の開発と生産におけるAIの誤用に関する報告書、の2点。DHSは、サイバーセキュリティ・インフラ安全保障局(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency: CISA)との協力によって、米国の重要インフラ・システムの安全とセキュリティに影響する分野横断型のAIリスクに対処するガイドラインを作成した。ガイドラインは、①AIを使った攻撃、②AIシステムをターゲットとした攻撃、③AIの設計と実践における不具合、という3つのカテゴリーに基づいて分析している。一方、報告書は、DHSが大量破壊兵器対策局(Countering Weapons of Mass Destruction Office: CWMD)と協力して作成したもので、CBRN脅威の開発もしくは生産におけるAI誤用のリスクを分析し、米国本土への潜在的脅威を軽減するためのステップを勧告している。これらの資源は、米国の重要インフラを保護し、AIを活用する関係者を支援することを目的としたDHSによる広範な取り組みに基づくもので、そうした取り組みには、最近設立された「人工知能の安全とセキュリティ委員会(Artificial Intelligence Safety and Security Board)」も含まれる。 Department of Homeland Security “DHS Publishes Guidelines and Report to Secure Critical Infrastructure and Weapons of Mass Destruction from AI-Related Threats” (4/29/24)