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その他

2035年までに、住宅の分散型エネルギー資源がピーク需要の上昇を補う可能性

デロイト社(Deloitte)は今般、「住宅がグリッドに変革をもたらす:分散型エネルギー資源が手頃な費用のクリーン電力の鍵となる(Households transforming the grid: Distributed energy resources are key to affordable clean power)」と題する報告を行った。それによれば、電気自動車(EV)及び住宅内電池を中心とした住宅の分散型エネルギー資源は、2035年までに、予想されるエネルギーのピーク需要の伸びを補う可能性がある。更にそれは、新たなインフラを構築するよりも低費用で行なえるという。ただし、これらの資源を活用するためには、多くのユーティリティ機関がこれまで以上に顧客との関与に投資することが必要となる。ユーティリティ企業は、ソーシャル・メディアやデータ分析、その他の関連技術を駆使して、住宅顧客との対話を改善し、具体的な顧客層に適した分散型エネルギー資源(distributed energy resources: DER)プログラムを創設することが可能である。 Utility Dive “Residential DERs could compensate for rise in peak energy demand by 2035: Deloitte” (6/12/24)

IFP、次世代のAIインフラの国内構築に向けて提言

広範な能力を有するAIシステムは、経済成長と科学的進展のエンジンとなる位置付けにある。その背後には、「大量のコンピュテーション(コンピューティング)をより良く活用することで独自に学習できるAI手法は、人間の知識をコード化するという構築が難しい手法を大幅に上回る」という苦い教訓がある。プログレス研究所(Institute for Progress: IFP)は、現在のトレンドを検討した結果、米国が、コンピューティング・インフラを構築する最前線にあると結論づけている。そのうえで、数百個のパワフルなチップを結びつけ、インフラをデザインして、AIモデルを高度なサイバー攻撃から守り、AIセンターを稼働させるのに必要な大量のエネルギーを生成する必要があるとしている。IFPは、AIインフラの構築について3つのゴールを提案しており、それらは、①米国内にAIコンピューティング・インフラを構築、②それを実現するためにクリーンエネルギーを促進、③将来のAI知的財産を守るためのセキュリティ技術の開発を加速、の3点である。IFPは今後数週間にわたり、これらのゴールを達成するための計画を提案していく予定である。 Institute for Progress “Compute in America: Building the Next Generation of AI Infrastructure at Home” (6/10/24)

増大する再生可能グリッドの運用に気候が及ぼす影響について研究報告

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)はシャープリー・フォーカス社(Sharply Focused, LLC)及びエネルギー省(Department of Energy)と共に、「多様で高水準の再生可能エネルギーを有する米国電力システムに影響を及ぼす異常気象事象の役割の進化(The Evolving Role of Extreme Weather Events in the U.S. Power System with High Levels of Variable Renewable Energy)」と題する報告書を発表した。暴風雨や過去最大の寒波・熱波などの異常気象事象は、電力ユーティリティ機関やグリッド運用者、ひいては消費者にかつてないほどの影響を及ぼしている。その一方で、グリッドの電力源は進化し、再生可能資源の割合が増加している。本報告書は、①異常気象事象が発生している間、風力やソーラーの増加は、信頼性の高い電力システム運用にとって大きな負担をもたしているか?②グリッドの運用に及ぼす影響という点で、我々が考える「異常気象」の種類に変化が生じているか? という2つの疑問点について調査している。報告書によれば、我々が現在考えているような日常生活に大きな混乱をもたらす「異常気象」の場合、風力とソーラーによるグリッドへの電力供給は維持・追加されるため、異常気象が電力グリッドに及ぼす影響は悪化しないと考えられる。一方で、異常とは言えず、「中程度の深刻さ」と考えられる気象でも、風力やソーラー資源の減少が長期にわたる場合、電力システム運用への影響という意味では、「異常気象」と考えることができる。このように、「異常気象」に関する我々の認識の変化は、風力及びソーラー発電の割合が大きく、信頼できるシステムを計画する際の補助となり得る。 National Renewable Energy Laboratory “’Moderate’ Is the New ‘Extreme’: Weather’s Impact on Growing Renewable Grid Operations” (6/12/24)

NSTC、先端コンピューティング・エコシステム開拓に向けた進捗を報告

大統領府の国家科学技術会議(National Science and Technology Council: NSTC)は2020年、「将来の先端コンピューティング・エコシステム開拓:戦略的計画(Pioneering the Future Advanced Computing Ecosystem (FACE): A Strategic Plan)」と題する報告書を発表し、将来の先端コンピューティング・エコシステムに関するビジョンを概説した。NSTCは今般、「2021-2023年度 将来の先端コンピューティング・エコシステム開拓に関する進捗報告:戦略的計画(FY 2021-2023 Progress Report on Future Advanced Computing Ecosystem (FACE) Strategic Plan)」を発表し、2020年の報告で列挙したFACEの目的達成へ向けた重要な進捗を報告した。進捗報告書は主要なメッセージとして、①連邦政府は、FACEの目的を実現するために、戦略的投資を行い、業界や学術機関との主要なパートナーシップを策定し、頑強なFACE国家資産の構築へ向けて大幅な進展をしている、②米国は、科学工学や経済競争力、国家安全保障において、現行のFACE資産から大きな恩恵を得ている、などが挙げられている。 Networking and Information Technology Research and Developmen “FY 2021 – 2023 PROGRESS REPORT ON PIONEERING THE FUTURE ADVANCED COMPUTING ECOSYSTEM: A STRATEGIC PLAN” (6/14/24)

再生可能エネルギー・プロジェクトに対する地元の反対は広範かつ増大

コロンビア大学(Columbia University)の気候変動法サビン・センター(Sabin Center for Climate Change Law)は6月11日、「再生可能エネルギー施設に対する反対の展開:2023年12月まで(Developments in Opposition to Renewable Energy Facilities Through December 2023)」を発表した。本件に関する報告書は今回が第4版となる。それによれば、47州で378件の再生可能エネルギー・プロジェクトが大幅な制限に直面している。また、「地元の自治体による395件の規制(41州)と19件の州レベルの規制(7州)は極めて厳しく、再生可能プロジェクトの実質的な阻止となり得る」と報告している。報告書は、制限や論争の規模や性質を分類しており、その分類結果は、再生可能エネルギー施設に対する地元の反対は、広範かつ増大しており、気候目標の達成において大きな障害となる可能性があることを示している。報告書の執筆者は、制限(restrictions)について、①一時的モラトリアム、②完全な禁止、③極端に抑制する要件もしくは高さ制限、④厳格な規制による事実上の禁止、⑤特定の計画プロジェクトを阻止するためのゾーニング改正、と定義している。報告書によれば、厳しい規制もしくは重大な論争が特定されなかった州はアラスカ州のみで、同州とユタ、テネシーの3州は、論争的な再生可能エネルギー・プロジェクトが特定されなかった。一方、バージニア、ミシガン、ニューヨーク、オハイオの各州は、論争的な再生可能エネルギー・プロジェクトが18件以上特定された。 Utility Dive “Local opposition to renewable energy projects ‘widespread and growing’: Columbia University report” (6/12/24)

技術エコシステムにおける公的サービスへのコミットメントの育成

バイデン大統領は昨秋、人工知能(AI)を職業とする人々(以下、「AIプロフェッショナル」)をリクルートし、その経験や専門性、ビジョンを政府に取り入れることを目的とした「全国AI人材急増(National AI Talent Surge)」を開始した。この「人材急増」のゴールは、安全でセキュアで信頼できるAIの開発と使用を推進することを目的とした大統領令で概説された大胆な優先事項を実行することである。数千のミッションに触発され、AIプロフェッショナルが既に要請に応え、連邦政府での仕事に応募している。連邦当局や連邦の技術人材プログラムは、連邦機関内で重要なAI優先事項を支援するため、数百人のAIプロフェッショナルを雇っており、こうしたAI人材の流入は、バイデン=ハリス政権のAI議題を進展させる上で鍵となる。これらの新しい連邦職員は、政府内での安全で信頼できるAIの使用に関する政策の策定を手伝っており、電力グリッドの対応力向上と許認可の迅速化を目的としたAIの使用に情報を提供している。 White House “Growing the Commitment to Public Service in the Technology Ecosystem” (6/14/24)

NSF、量子ナノ製造インフラに2,000万ドルの投資を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、コロラド大学ボールダー校(University of Colorado Boulder)にナノスケールの製造施設を建設することを支援するため、約2,000万ドルのアワードを提供すると発表した。原子光子量子機器の共同設計と開発を加速させ、米国を量子科学工学の世界的リーダーと位置付けることが目的である。NSFの国家量子ナノ製造(National Quantum Nanofab: NQN)は、量子コンピュータ及びネットワークから原子時計、先端量子センターに至るまでの幅広い用途を進展させる上で重要な量子機器の製造/特徴付け/梱包能力を可能にするものである。資金は、NSFの「中規模研究インフラ1(Mid-Scale Research Infrastructure 1: Mid-scale RI-1)」の一環として拠出される。NQNは、産官学のユーザーを対象としたオープン・アクセスの国立施設となる他、多様な学生層や労働力開発イニシアチブにとって包含的な教育ハブとしての役割も担う。 National Science Foundation “NSF announces $20 million investment in quantum nanofabrication infrastructure” (6/20/24)

フェルミ国立研究所、新たな地下量子情報科学ラボ、QUIETを開設

フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)の100メートル地下に、新たに量子センサー及びコンピューティング研究センターの「量子地下器具実験的試験場(Quantum Underground Instrumentation Experimental Testbed: QUIET)」が設立された。フェルミ国立研究所は最近、この地下ラボをオープンし、科学者は、宇宙放射線から隔離された量子ビットの性能を研究することが可能になった。QUIETは、量子情報科学専用の地下施設として設立された施設の一つとして、量子情報科学の用途を目的とした研究開発を支援する。QUIET の主たる目標は、ガンマ線、エックス線、ミューオン、ベータ粒子が超伝導量子ビットにもたらす影響の違いについて理解することである。 Fermi National Accelerator Laboratory “Fermilab opens new QUIET underground quantum information science laboratory” (6/12/24)

ウィスコンシン州、1億ドルの投資ファンドを開始

ウィスコンシン州は、スタートアップ及びアントレプレナーに5,000万ドルを投資し、更に多くの企業が州内で成長することに期待している。今般、同州のトニー・エバース知事(Tony Evers)とウィスコンシン州経済開発コーポレーション(Wisconsin Economic Development Corporation: WEDC)の最高経営責任者(CEO)であるミッシー・ヒューズ氏(Missy Hughes)が、ウィスコンシン投資ファンド(Wisconsin Investment Fund)の創設を発表した。エバース知事によれば、ウィスコンシン投資ファンドは、連邦政府による「州中小企業クレジット・イニシアチブ(State Small Business Credit Initiative)」による5,000万ドルを使用すると共に、民間投資家が5,000万ドルを拠出し、合計1億ドルのファンドとなる。ファンドの主な焦点先は、バイオヘルスである。米国経済開発局(U.S. Economic Development Administration)は昨年、ウィスコンシン州を、パーソナライズト医薬とバイオヘルス技術の地域技術ハブ(Regional Technology Hub)として指名し、それによって新たに最高7,500万ドルの連邦研究開発資金への道が開かれた。同州は、州内及びイリノイ州にある5つのファンドをウィスコンシン投資ファンドの一部として選出しており、更にもう1つのファンドを近いうちに選出する予定である。 The Center Square “Wisconsin launches $100M Wisconsin Investment Fund” (5/29/24)

エネルギー省、「リサイクル前のRe-Xプライズ」のフェーズ1受賞者を発表

エネルギー省(Department of Energy)の先端マテリアル及び製造技術局(Advanced Materials and Manufacturing Technologies Office: AMMTO)は6月17日、「リサイクル前のRe-Xプライズ(Re-X Before Recycling Prize)」のフェーズ1の受賞者を発表した。同プライズは、リサイクルする前に、リユース/リペア/リファービッシュ(改修)/リマニュファクチャリング(再製造)/リパーパス(再利用)を通じて製品またはそのパーツの寿命を延長する革新的な手法を特定するコンペである。コンペは3つのフェーズを通じてイノベーションを進展させ、ライフサイクルにおけるエネルギー使用や排出を削減し、新興のクリーン・エネルギー技術の循環サプライチェーンを強化し、新規原料の需要を低下させることを目指す。フェーズ1の参加者は、新規もしくは拡大されたRe-Xサプライチェーンに導入することで、環境及びコミュニティに大幅な恩恵をもたらすと考えられるイノベーションを競った。フェーズ1の受賞者は5万ドルの賞金と、国立研究所によるコンサルティング(最高5,000ドル)を受益する。また、フェーズ2の応募が開始され、フェーズ1の受賞者及び新規の参加者が応募できる。フェーズ2では、それぞれの概念を進展させることに取り組む。 Department of Energy “DOE Announces Phase 1 Winners of Re-X Before Recycling Prize To Extend Product and Part Lifetimes and Promote Circularity” (6/17/24)