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その他

トランプ政権、NSF予算を54%削減 新たに南極研究やメタサイエンスを支援

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は4月9日、トランプ政権が2027年度の米国科学財団(National Science Foundation: NSF)予算を大幅に削減し、前年度比54%減とすると報じた。これにより2027年度の助成交付件数は2,100件となる予定で、2025年度の5,800件に比べて半分以下に減少する。工学部門(Engineering Directorate)や生物科学部門はそれぞれ75%、72%削減され、人工知能や量子情報科学といった重要分野も削減対象となる。数理・物理科学部門は67%、コンピューター・情報科学・工学部門は63%、技術・イノベーション連携部門は43%削減となり、社会・行動・経済科学局(Social, Behavioral, and Economic Sciences Directorate)については廃止される。これら各部門の活動に携わる研究者数も大幅に激減する見通しである。一方で、南極研究用砕氷船開発向けに新たに9億ドルを支援するほか、エネルギー省(Department of Energy)関連事業、研究効率を探求するメタサイエンス(metascience)専門の新規オフィス設立が予算に盛り込まれている。 AIP “Trump Proposes Deep Research Cuts, New Icebreaker for NSF” (04/09/26) https://www.aip.org/fyi/trump-proposes-deep-research-cuts-new-icebreaker-for-nsf

連邦機関のAIリスク管理期限超過、一部で対応に遅れ

フェッドスクープ(FedScoop)は4月9日、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)はハイリスク人工知能(AI)の利用事例に対して、事前試験や人による監視等の管理策を求めている一方で、一部の連邦機関ではこの期限を超過するなど実施状況が不透明であると報じた。退役軍人省(Department of Veterans Affairs)や航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)などは対策完了や計画内容公開に至ったが、国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)や司法省(Department of Justice)などの状況が確認できていないという。未対応の場合、運用が停止されるが、一部機関は対象AIをハイリスクから除外するよう再分類するなど、監視をすり抜ける対策を講じているという。1年以上の準備期間があったことから、こうした運用回避のための「免除」規定の乱用を含め、専門家は管理体制の不備が税金浪費や国民への悪影響を招くと指摘している。 FedScoop “AI risk management deadline hits federal agencies. Not all were ready.” (04/09/26) AI risk management deadline hits federal agencies. Not all were ready.

ガソリン消費量、燃費向上で減少傾向

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は4月10日、2025年の国内ガソリン消費量が、燃費向上により前年比1%減、コロナ禍前の2019年比で4%減となる日量平均890万バレルになったと発表した。連邦道路局(Federal Highway Administration: FHWA)のデータでは、経済活動復活に伴う移動ニーズ拡大を背景に2025年の走行距離が前年比1.2%増加したものの、新型車やハイブリッド車の普及によりEIA推計で車両の平均燃費が同1.9%改善しており、これがガソリン消費量の減少につながったという。4月に公表された短期エネルギー見通し(Short-Term Energy Outlook: STEO)によると、この減少傾向は2026年~2027年も続くと予測されていることに加え、雇用や生産年齢人口の伸び悩みから、今後2年間の走行距離の増加ペース自体も鈍化すると見込まれる。なお、原油高により2027年末までガソリン価格の上昇が予想されるが、短期的な消費動向への影響は限定的であると分析している。 EIA “Increasing fuel efficiency leads to decreasing gasoline consumption” (04/10/26) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=67426

世界初のマイクロ炉試験施設「DOME」が稼働開始

エネルギー省(Department of Energy)傘下の原子力エネルギー局(Office of Nuclear Energy)は4月8日、民間企業が開発する燃料装荷型の次世代型超小型原子炉(マイクロ炉)の実験・実証を行う世界初の施設(Demonstration of Microreactor Experiments: DOME)が完成したと発表した。最大20メガワット(MW)の熱エネルギー出力が可能なマイクロ炉が対象で、既存の実験用原子炉の格納容器を再利用した高さ約30メートル、直径約24メートルのドーム型施設となっている。アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory:INL)内に位置し、国立原子炉技術革新センター(National Reactor Innovation Center:NRIC)が運営を担う。第一弾としてラディアント社(Radiant)による「カレイド実証ユニット(Kaleidos Demonstration Unit)」試験を開始しているが、今後の試験は公募によって選定する。マイクロ炉は工場で製造可能な小型で可搬型の原子炉で、緊急時の電力復旧や離島・僻地への安定供給のほか、データセンターの電源としての活用も期待されている。 Department of Energy “World’s First Microreactor Test Bed Now Open for Business” (04/08/26) https://www.energy.gov/ne/articles/worlds-first-microreactor-test-bed-now-open-business

米・ハンガリー、戦略的パートナーシップを強化

大統領府は4月9日、ハンガリーとエネルギー・技術・防衛分野における2国間連携を強化すると発表した。ハンガリーのエネルギー会社、MOLグループ(MOL Group)による5億ドル相当の原油購入のほか、最大200億ドル規模となる小型モジュール炉(SMR)約10基の導入・建設に向け、GEベルノバ社(GE Vernova)などが現地の電力会社MVM社と覚書を締結した。ウェスティングハウス社(Westinghouse)は既存のパクシュ1(Paks 1)原子力発電所の寿命延長に向けた協力も進める。またGEヘルスケア社(GE Healthcare)がセンメルワイス大学(Semmelweis University)と人工知能(AI)がん治療拠点を開設するほか、マイクロソフト社(Microsoft)はAI人材育成や同国政府のクラウドインフラを整備する。さらに7億ドル規模の高機動ロケット砲システム(High Mobility Artillery Rocket Systems: HIMARS)導入に加え、L3ハリス(L3 Harris)社による通信技術の統合や、ノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman)と4iG社による衛星開発も計画されている。 The White House “Advancing the United States-Hungary Bilateral Partnership” (04/09/26) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2026/04/advancing-the-united-states-hungary-bilateral-partnership/

連邦控訴裁、アンソロピック社の「供給網リスク」指定解除申し立てを却下

ニューヨーク・タイムズ紙(The New York Times)は4月8日、コロンビア特別区巡回区控訴裁判所(Court of Appeals for the District of Columbia Circuit)が人工知能(AI)開発企業のアンソロピック社(Anthropic)による「供給網上のリスク」指定の一時停止申し立てを却下したと報じた。同裁判所は「厳格な要件を満たしていない」と判決を下し、国防総省(Department of Defense)は今後6カ月以内に同社のソフトウェアをシステムから削除する方針を示した。2億ドル規模の契約交渉において、同社は自社AIの国内監視利用や自律型兵器への使用制限を求めたが、交渉が決裂し、その後ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)が国家安全保障上の懸念がある外国企業に適用される同リストへ、同社を指定した。イデオロギー的理由による罰則で、憲法修正第1条に違反するとして、同社はコロンビア特別区とカリフォルニア北部地区連邦地裁(District Court for the Northern District of California)に提訴し、カリフォルニアの裁判所は先月、同社に有利な判決を下していた。 The New York Times “Buckley SFB, Malmstrom AFB selected for Advanced Nuclear Power for Installations program” (04/08/26) https://www.nytimes.com/2026/04/08/technology/anthropic-pentagon-risk-circuit-court.html

宇宙軍、次世代マイクロ炉の設置候補地を選定

宇宙軍(United States Space Force: USSF)は4月8日、バックレー宇宙軍基地(Buckley Space Force Base)とマルムストローム空軍基地(Malmstrom Air Force Base)を次世代超小型原子炉の設置候補地として選定したと発表した。空軍省(Department of the Air Force)と国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)が共同で進める施設向け先進原子力発電プログラム(Advanced Nuclear Power for Installations: ANPI)の一環で、同省とパシフィック・ノースウエスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)が環境、原子力安全、エネルギー統合の観点から広範なデータおよび現地分析を実施した結果、両基地がインフラ整備、用地確保、重要任務要件を満たしていると判断した。今後数カ月以内に各基地のエネルギー需要に最適な原子炉ベンダー技術と組み合わせ、企業が所有・運営する先進的なマイクロ炉を同省施設に配備する。2030年までの配備を見込み、企業は設置から認可取得、建設、運営、廃炉に至るまで一連の工程を担うという。 USSF “Buckley SFB, Malmstrom AFB selected for Advanced Nuclear Power for Installations program” (04/08/26) https://www.spaceforce.mil/News/Article-Display/Article/4454102/buckley-sfb-malmstrom-afb-selected-for-advanced-nuclear-power-for-installations/

ARPA-E、核融合技術に1億3,500万ドル 過去最大の投資額

エネルギー省(Department of Energy)傘下のエネルギー高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency–Energy: ARPA-E)は4月8日、核融合技術の開発と商用化に向けて1億3,500万ドルを投資すると発表した。今後18カ月間に亘って展開される同局史上最大規模の集中投資となる予定で、主に先進プラズマ加熱・駆動システム、次世代燃料サイクルと燃料、先進電力変換システム、革新的な核融合発電所アーキテクチャーなどの技術的課題に充てられる。同局は2014年に核融合分野への投資を開始して以来、これまで約1億3,400万ドルを投じており、こうした公的投資が15億ドルを超える民間投資を呼び込んだ。当時12社だった核融合企業は現在50社以上に増加し、これら企業の多くは同局の支援を受けた研究などからスピンオフしており、投資額も総額100億ドルに達した。同局は核融合の実現性ではなく、どれだけ早く核融合による電力を送電網に接続できるかに軸を置くとし、トランプ政権によるエネルギー政策における核融合の重要性を強調している。 ARPA-E “ARPA-E Announces $135 Million Commitment for Fusion Technology – The Largest Fusion Investment in the Agency’s History ” (04/08/26) https://arpa-e.energy.gov/news-and-events/news-and-insights/arpa-e-announces-135-million-commitment-fusion-technology-largest-fusion-investment-agencys-history

エネルギー省、医療用アイソトープ製造への融資決定

エネルギー省(Department of Energy)傘下のエネルギー優位性資金調達局(Energy Dominance Financing: EDF)は4月9日、医療用アイソトープ(放射性同位元素)製造施設「クリサリス(Chrysalis)」の建設支援に向け、シャイン・クリサリス社(SHINE Chrysalis)に対し最大2億6,300万ドルの条件付き融資を行うと発表した。現在、海外に依存している同元素の国内での生産体制確立が目的で、同施設は核融合・核分裂技術を活用し、診断画像検査に不可欠なモリブデン99(Mo-99)を安定供給する国内初の商用拠点となる。正式融資に向け、所定の技術的、法的、財務的条件を満たす必要があるが、同社は、過去16年間に亘り国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)から技術的な支援を受け、既に建設の75%を完了している。今回の融資でプロジェクトを最終段階まで進めたい考えで、EDFもこの取り組みにより、エネルギー供給網の強化と国内産業の活性化に向け、医療コスト低減に向けて支援していくと説明している。 Department of Energy “DOE’s Office of Energy Dominance Financing Announces Conditional Commitment for a Domestic Medical Isotope Manufacturing Facility” (04/09/26) https://www.energy.gov/articles/does-office-energy-dominance-financing-announces-conditional-commitment-domestic-medical

ウィスコンシン州ポート・ワシントン 全米初のデータセンター建設制限へ 

政治サイトのポリティコ(Politico)は4月8日、ウィスコンシン州ポート・ワシントンにおいて、データセンター建設を制限を問う住民投票が行われ、圧倒的多数で可決されたと報じた。オープンAI社(OpenAI)とオラクル社(Oracle)が推進する1.3ギガワット(GW)の人工知能(AI)巨大事業「スターゲイト(Stargate)」に対し、透明性や騒音、水資源、電気料金などについて住民が懸念していた。開発業者のバンテージ・データ・センターズ社(Vantage Data Centers)は雇用創出効果を訴えて反対したが、住民の意思を覆すには至らなかった。開発業者に有利な税制優遇措置を与える前に、有権者の承認を得ることを義務付けるもので、今回の措置は既存計画には影響しないものの、全米のAIインフラ反対派の青写真になる可能性があると記事は伝えている。一方、同州のミルウォーキー商工会議所が州法違反として提訴中で、住民投票は凍結される可能性があるが、今後、カリフォルニア州など全米各地でも同様の住民投票が予定されているという。 Politico “Wisconsin city passes nation’s first anti-data center referendum” (04/08/26) https://www.politico.com/news/2026/04/08/wisconsin-city-passes-nations-first-anti-data-center-referendum-00863432