Category:その他
エネルギー省の量子研究拡大に向けた新法案 25億ドル注入
HPCwireは2月14日、ディック・ダービン上院議員(Dick Durbin、イリノイ州選出、民主党)とスティーブ・デインズ上院議員(Steve Daines、モンタナ州選出、共和党)が、エネルギー省(Department of Energy)の量子研究と開発の役割を強化するための超党派の法案を発表したと報じた。この「エネルギー省量子リーダーシップ法案2025(DOE Quantum Leadership Act of 2025)」は、量子関連研究の拡大と技術の商業化、産業界との連携強化、労働力の拡大を加速させることが狙いで、2030年までの量子プログラムの拡充を目指し、25億ドル以上の資金を承認するものである。8億7,500万ドルを国内5つの量子情報科学研究センターに、2億5,000万ドルを量子機器開発やファウンドリー・プログラムなどに充てるとし、サイクオンタム社(PsiQuantum)などの量子コンピューティング企業や国立研究所からの支持も得ているとし、米国の経済競争力と国家安全保障を強化することが期待されている。 HPCwire “New Senate Quantum Bill Proposes $2.5B to Expand DOE Research” (02/14/25)
エネルギー省の新CIOにリーデル氏 スペースXのエンジニア
FEDSCOOPは2月7日、エネルギー省(Department of Energy)の最高情報責任者(Chief Information Officer: CIO)にイーロン・マスク氏(Elon Musk)が率いるスペースX社(SpaceX)のネットワークエンジニア、ライアン・リーデル氏(Ryan Riedel)が新たに就任したと報じた。今回の人事変更は、バイデン政権の退任に伴いCIO代行を務めていたダウン・ジマー氏(Dawn Zimmer)に代わるもので、マスク氏が率いる政府効率化省(Department of Government Efficiency: DOGE)がエネルギー省に介入し、ITシステムへのアクセスを試みているという報道が行われている中で行われたものである。この人事に関して、同省はコメントを控えている。リーデル氏は、過去に米陸軍サイバーコマンドや海軍でITの専門家として従事した後、2020年からスペースX社でネットワークセキュリティエンジニアとして在籍している。 FEDSCOOP “Energy CIO replaced with SpaceX engineer as DOGE probes department’s systems” (02/07/25)
国立研究所関係者、公聴会で大統領令の影響について証言
米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は2月14日、トランプ大統領の大統領令が国立研究所の運営に影響を与えているとエネルギー省付属国立研究所の所長らが12日、公聴会で証言したと発表した。証言によると、資金の凍結や多様性・公平性・包括性(Diversity, Equity, Inclusion: DEI)部門の解散により、研究活動の一部が中断されているとし、具体的には、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Lab)の3,700万ドルの研究活動の停止や、ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Lab)でのプロジェクトの資金喪失が700万ドルとなったことについて公表された。また、外国人研究者のアクセス制限やインフラの近代化の必要性についても議論が行われ、特に核兵器の信頼性について研究するロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Lab)の施設は老朽化が進んでいるといい、早急な改修が求められるという。 AIP “DOE National Labs Describe Impacts from Trump Orders” (02/14/25)
米国アカデミー、原子力エネルギーの可能性を強調
米国アカデミー(National Academies)は2月14日、原子力エネルギーがクリーン電力供給とエネルギー安全保障に寄与する可能性を議題として先日行われたワークショップの結果を発表した。近年のAIやデータセンターの需要拡大に伴い、安定供給力を持つ原子力への注目が集まっていることを背景に、政策、金融、技術、規制の各分野の専門家が集い、先進型原子炉の建設における経済性と迅速な規模拡大について議論が交わされたという。その中で、大手テック各社は長期契約を通じた電力の需要確保により、プロジェクトファイナンスの信頼性向上を試みつつ、コスト低減へ取り組む一方で、従来の大型原発はコスト超過や工期遅延の問題が根強く、革新的技術の導入が従来方式からの脱却とコスト削減の鍵であるとした。再生可能エネルギーのポートフォリオ運用の経済的メリットや、廃止予定の石炭火力発電所のインフラ活用についても触れ、規制改革や地域住民との対話強化が今後の展開の鍵としている。 National Academies “Exploring the New Nuclear Energy Landscape” (02/14/25)
AAASとアリゾナ州立大、科学の進展へパートナーシップ
1月24日、米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science: AAAS)とアリゾナ州立大学(Arizona State University: ASU)は、5カ年のパートナーシップ「AAAS + ASUAAAコラボラティブ(AAAS + ASU Collaborative)」を発表した。最初のフェーズでは、共同での若手研究者への賞の授与やワシントンDCでの科学政策に関するイベントなどが行われる。このパートナーシップは、科学に関する革新的な研究を通じて公共政策に影響を与え、社会的課題に対処することを目指している。「革新的研究のためのASU科学賞(ASU-Science Prize for Transformational Research)」は、2025年5月に応募を開始する予定。 American Association for the Advancement of Science “AAAS and ASU Launch Mission-Driven Collaborative to Strengthen Scientific Enterprise” (01/24/25)
太陽光発電が米国の容量増加の原動力に
米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration)の最新の短期エネルギー見通し(Short-Term Energy Outlook)によると、米国の再生可能エネルギー、特に太陽光発電の容量増加が、今後2年間の発電量増加の原動力になる。太陽光の発電容量は、2025年には26ギガワット、2026年には22ギガワット増加すると予想されている。風力発電の容量も若干増加する見通し。その他のエネルギー源は変化が少ないものの、石炭発電所の廃止が加速するとみられる。また、再生可能エネルギーによる発電は、2025年に12%、2026年に8%増加する一方で、天然ガス発電は減少すると予想されている。 U.S. Energy Information Administration “New solar plants expected to support most U.S. electric generation growth” (01/24/25)
政府のサイバー部門、解任で手薄に
トランプ政権は大統領の就任後最初の1週間で、政府のサイバーセキュリティと監視に関するアドバイザーのほぼ全員を解任し、大規模なサイバー事案に対応できる専門家の数はわずかとなった。国土安全保障省(Department of Homeland Security)はサイバー安全審査会(Cyber Safety Review Board: CSRB)やAI安全保安委員会(AI Safety and Security Board)などの諮問委員会のメンバー全員を解任した。トランプ政権は、サイバー専門家の採用やサイバーセキュリティに関する明確な指針を打ち出していない。トランプ大統領の忠誠心重視の姿勢は、諮問委員会の補充や重要な役割を担うことができる人材の数を限定的にしている。 Axios “Board firings, loyalty tests thin out U.S. government’s cyber bench” (01/24/25)
2024年のベンチャーキャピタル投資件数は6%減ながら、投資額は29%増
PitchBookとNVCAによる2024年第4四半期ベンチャー・モニター( Q4 2024 Venture Monitor)によると、米国における2024年のベンチャーキャピタル投資は、約4,400件、1,470億ドルで、2023年比で936件減少(6%減)したものの、投資額は470億ドル増加(29%)となった。いずれも2021年と2022年のパンデミック中の最高値を依然として下回っている。なお、ステージ別にみて投資件数が最も多いのはアーリーステージとなっている。 State Science & Technology Institute “Useful Stats: The state of US venture capital in 2024 January 23, 2025” (01/23/25)
NERSC、IBM量子コンピュータにアクセス可能
ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)の国立エネルギー研究科学計算センター(National Energy Research Scientific Computing Center: NERSC)では2025年1月より、研究目的でIBMの量子コンピュータにクラウド経由でアクセスできるようになる。IBMの量子ソフトウェアであるQiskitなどを通じて、学際的な様々な研究テーマに対応した量子回路を活用できる。このIBM量子イノベーションセンター(IBM Quantum Innovation Center)は、量子コンピューティングのトレーニングとサポートを提供する。提携により、NERSCの量子コンピューティング能力を拡大し、将来の量子需要に備える。 HPCWIRE “NERSC Launches IBM Quantum Innovation Center” (01/23/25)
トランプ大統領、AIデータセンター発電所の早期建設を確約
1月23日、トランプ大統領は世界経済フォーラム(World Economic Forum)でのリモート演説で、国家エネルギー非常事態宣言に関連して、AI企業がデータセンターに併設する発電所を建設するための「迅速な承認」を政権が提供すると発表した。AI産業の成長に伴って膨大な電力を必要とするAIデータセンターをサポートするために、化石燃料を使用する発電所の新設の条件を緩和するとみられる。トランプ大統領は、中国のAIに対抗するため、「エネルギー供給量を倍増させる必要がある」と強調した。データセンターは小さな都市と同じくらいの電力を消費し、AIブームと中国との競争が続けばさらに多くのリソースが必要になるとされている。 Axios “Trump pledges fast-track for AI data center power plants” (01/23/25)