Category:その他
フィンテックにおける米国のリーダーシップを確立するための大統領令
1月23日、トランプ大統領は、デジタル経済における世界的リーダーとしての米国の地位を確保することを目的として、デジタル金融テクノロジー(フィンテック)に関する規制を明確化するための大統領令に署名した。デジタル資産市場に関する大統領作業部会(Presidential Working Group on Digital Asset Markets)を設置するもので、作業部会はステーブルコインを含むデジタル資産の規制枠組みを策定し、デジタル資産の戦略的な備蓄を評価する。この大統領令は、デジタル金融分野におけるイノベーションを抑制した過去の政権の規制を撤回し、経済的自由を守るために規制の行き過ぎを排除することを目的としている。 The White House “Fact Sheet: Executive Order to Establish United States Leadership in Digital Financial Technology” (01/23/25)
トランプ大統領、PCAST設置
1月23日、トランプ大統領は、重要技術や新興技術における米国のイノベーションと競争力を強化するため、「科学技術に関する大統領諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology: PCAST)」の設立を発表した。PCASTは産官学の一流の科学者・技術者最大24名で構成され、科学技術躍進の世界的リーダーとしての米国を維持するため、大統領に大胆な投資を提言し、官僚主義的な障壁を撤廃する。委員の名前はまだ発表されていない。なお、PCASTは2001年に設立されたもので、過去の政権において継続して運用されてきたものである。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Launches PCAST to Restore American Leadership in Science and Technology” (01/23/25)
DARPA、マネーロンダリング撲滅技術を研究
国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)は、マネーロンダリング予測・適応・防止(Anticipatory and Adaptive Anti-Money Laundering: A3ML)プログラムを通じて、世界的なマネーロンダリングの撲滅を目指している。このプログラムは、不正な金融活動を検知・予測しながらプライバシーを保護する革新的な技術を開発することが目的で、金融取引の疑わしいパターンを特定するための迅速なグラフ検索アルゴリズムを開発し、機密データを共有することなく法執行機関や金融機関を支援できるようにする。 Defense Advanced Research Projects Agency “Technology research and development effort aims to tackle illicit finance” (01/23/25)
トランプ大統領、政府効率化省設立の大統領令に署名
1月20日、トランプ大統領は、政府の効率性と生産性の向上を目指し、連邦政府の技術とソフトウェアを近代化するために、政府効率化省(Department of Government Efficiency: DOGE)を設立する大統領令に署名した。イーロン・マスク氏がこの取り組みを主導し、オバマ元大統領が最初に設立した技術チーム「米国デジタルサービス(U.S. Digital Service: USDS)」を活用する。この法的な裏付けのないチームは新たに「米国DOGEサービス(United States DOGE Service)」と名付けられ、政府全体のソフトウェアやネットワークインフラ、ITシステムの改善に注力する。各政府機関には、この取り組みを支えるDOGEチームが設置される。さらに、政府の人員や規制を縮小する可能性も含まれている。 Nextgov/FCW “Trump signs order setting up DOGE with a focus on government tech” (01/20/25)
科学・工学・保健分野の大学院在籍者が増加、短期ビザ保有者が牽引
2023年「理工系大学院生・ポスドク調査」(Survey of Graduate Students and Postdoctorates in Science and Engineering: GSS)によると、科学・工学・保健(Science, Engineering, and Health: SEH)分野の大学院在籍者数は、2022年から2023年にかけて増加を続けた。SEHの修士課程と博士課程に在籍する学生数の合計は、2022年の79万8,534人から2023年には81万8,095人へと2.4%増加した。2023年のSHEのフルタイムの修士課程在籍者数は32万9,971人であったのに対し、フルタイムの博士号登録者数は26万8,617人であった。博士研究員(ポスドク)数は、2022年から2023年の間に4.9%増加し、6万2,750人から6万5,850人になった。特にフルタイムの修士課程と博士課程では、短期滞在ビザの保有者が在籍者数の増加に大きく寄与し、うち女性は男性をわずかに上回る伸びを示した。 National Center for Science and Engineering Statistics “Graduate Enrollment and Postdoctoral Appointments in Science, Engineering, and Health Rise, Driven Largely by Increases in the Number of Women and Temporary Visa Holders” (01/21/25)
トランプ大統領、多額のAI投資を発表
1月21日、トランプ大統領は米国のAI分野を発展させてOpenAIの新しい大型データセンターを設立するための多額の民間投資を発表した。OpenAI、ソフトバンク社、オラクル社(Oracle)、アラブ首長国連邦のMGXは、スターゲート(Stargate)と名付けられた共同ベンチャーで、当初1,000億ドル(4年間で5,000億ドルに増加する可能性)を投資し、10万人以上の雇用を創出することが期待されている。プロジェクトはテキサス州で始まり、他の州へ拡大する見込み。今回の発表は、トランプ大統領がバイデン政権時代のAIに関する規制を取り消す大統領令を発表したことを受けたもので、ホワイトハウスでのイベントにはソフトバンク社の孫正義CEO、OpenAIのサム・アルトマンCEO、オラクル創業者のラリー・エリソン氏らが出席した。 Axios “Trump announces billions in private sector AI investment” (01/21/25)
風力発電、大統領令で危機に直面
トランプ大統領は、連邦地にある風力発電についてリースと許認可を停止するとの大統領令を発令した。陸上の風力発電は99%が私有地にあって連邦政府の措置の対象外であるため、同大統領令は、陸上プロジェクトに関しては限定的な影響しかない可能性がある。しかし、洋上風力発電プロジェクトは、大統領令によって米国海域でのリースと許認可が停止されるため、大きな危機に直面している。米国最大の再生可能エネルギーである風力発電は、全米の電力の10%を供給しているが、その伸びは最近鈍化している。トランプ大統領の措置は、最近承認されたアイダホ州のラバ・リッジ(Lava Ridge)風力発電所を標的にしたものであるが、他のプロジェクトにも影響を与える可能性がある。 Axios “What Trump’s wind order can and can’t do” (01/22/25)
ARPA-H、地方医療革新プロジェクトを始動
医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health: ARPA-H)は2月12日、農村部の医療アクセス改善を目指す「パラディグム(Platform Accelerating Rural Access to Distributed & InteGrated Medical care: PARADIGM)」プログラムの12チームを選定したと発表した。このプログラムは、先進的な医療機器を搭載した電気自動車プラットフォームにより、病院レベルの医療サービスを遠隔地域に提供することを目指す。選定された研究チームは、遠隔地での臨床ワークフローの確立、医療車両の開発、医療IoTプラットフォームの構築、軽量移動型CTスキャナーの設計、医療従事者のスキル向上支援のAIシステム開発という、5つの技術領域で革新的な取り組みを進めていくとし、ホームワード・ヘルス社(Homeward Health)やマサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)など、各分野の最先端研究機関が参画し、農村部の医療格差解消を進めるという。 ARPA-H “ARPA-H selects teams to deliver advanced hospital-level care to rural areas” (02/12/25)
トランプ大統領、共和党幹部を国家サイバー担当に指名
AXIOSは2月12日、トランプ大統領が、共和党全国委員会(Republican National Committee: RNC)の幹部ショーン・ケアンクロス氏(Sean Cairncross)を国家サイバーセキュリティー担当部門の責任者(National Cyber Director)に指名したと報じた。サイバー政策の策定や大規模なサイバー攻撃への対応において重要な役割を担うポストで、トランプ政権における初のサイバーセキュリティ・ポジションの指名となる。大統領府の国家サイバー担当室は、バイデン前大統領就任前に設立され、現在80人以上の職員が在籍しているが、その具体的な役割については安全保障の観点から明らかにされていない。同氏は以前、ミレニアムチャレンジ公社(Millennium Challenge Corporation)のCEOを務め、最近はRNCの最高執行責任者として活動していたが、サイバーセキュリティ分野での経験はないという。指名は上院の承認が必要であり、今後、上院国土安全保障委員会(Senate Homeland Security Committee)での公聴会が予定されている。 AXIOS “Trump taps RNC executive as national cyber director” (02/12/25)
裁判所、NIHの間接費削減計画を一時停止 研究への影響を懸念
サイエンス誌(Science)は2月11日、マサチューセッツ連邦裁判所が、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)が発表した大学への間接費削減計画を一時的に差し止めたと報じた。この決定は、22州および主要な研究機関が提起した訴訟に基づくもので、NIHが助成における間接費を半減し、15%に固定するという内容で、原告側は研究活動に壊滅的な影響を与えると主張していた。裁判所は、この政策が行政手続法(Administrative Procedure Act: APA)や2018年の議会指示(関節費率の変更禁止)などに違反していると判断し、政策の実施阻止を決定した。NIHも法廷の命令に従う意向を示し、2月21日にさらなる審理が行われる予定である。原告側は長期に亘る仮処分を求めており、最終的な判決が下されるまでの間、研究資金の不安定化を回避する措置が取られている。 AAAS “Judges suspend NIH plan to slash payments and order health agencies to restore web pages” (02/11/25)