格付け大手フィッチ・レーティングス社(Fitch Ratings)は6月12日、北米の公益・電力セクターの2026年中期見通しを、これまでの「中立」から「悪化」へと引き下げたと報じた。データセンター急増や電化、製造業の国内回帰に伴い、電力需要自体は2030年まで年2.0~2.5%のペースで成長する見込みであるが、設備投資の増大に伴う電気料金の上昇が懸念されている。36州で予定されている11月知事選を控え、電気料金が選挙戦の主要争点として浮上しており、政治や規制当局による料金値上げへの反発という構造が顕在化しつつある。実際にインディアナ州やメリーランド州などで電気料金抑制のための法案が可決されたほか、ペンシルベニア州のエクセロン社(Exelon) 子会社のPECOエナジー社(PECO Energy)が料金値上げ申請を取り下げるなど、既にコスト回収の遅れや難航が表面化し始めた。電力各社は一般消費者への負担転嫁を防ぐためデータセンター向けの専用料金設定などを模索しているが、足元の巨額投資負担の相殺には至らないとみられている。
Fitch Ratings “Fitch Ratings Revises North American Utilities & Power Outlook to Deteriorating” (06/08/26)
https://www.fitchratings.com/research/us-public-finance/fitch-ratings-revises-north-american-utilities-power-outlook-to-deteriorating-12-06-2026
参照記事: Utility Dive “Utility sector outlook deteriorates on affordability concerns: Fitch” (06/15/26)
https://www.utilitydive.com/news/utility-sector-outlook-deteriorates-affordability-rates-fitch/822888/