情報技術イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は6月8日、中国宇宙産業が中国共産党の支援を受けて強力な商業セクターへと発展し、米国とのイノベーション格差を縮小しているとの報告書を発表した。中国は宇宙機やロケットの膨大な垂直統合型製造拠点を構築しており、測位・航法・時刻同期(Position, Navigation, and Timing: PNT)や地球観測衛星の分野で世界をリードしている。また、独自の宇宙ステーション「天宮(Tiangong)」の運用を2022年に開始したほか、対衛星兵器(Anti-satellite weapons: ASAT)などの軍事宇宙能力も高めているという。その一方で、実用的な再利用型ロケットや大規模な衛星インターネット・コンステレーションといった主要技術がいまだ不足しており、低軌道ブロードバンド分野では米国に後れを取っているという。報告書は特許や論文数での中国の台頭を指摘し、米国の宇宙領域における優位性維持には、国内での打ち上げ能力強化や国際パートナーとの緊密な連携が必要不可欠であると提言した。
ITIF “How Innovative Is China’s Space Industry?” (06/08/26)
https://itif.org/publications/2026/06/08/how-innovative-is-chinas-space-industry/