地球工学、冷却効果も不確実性 研究拡充と枠組み整備が課題

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は3月24日、地球工学が地球温暖化を緩和する可能性がある一方、環境や公衆衛生への影響が極めて不確実で、研究強化とガバナンス整備が急務と発表した。太陽光を宇宙へ反射して地表を冷やす技術で、成層圏エアロゾル注入や海洋上の雲の白色化(Marine Cloud Brightening: MCB)が有力手法とされるが、前者は二酸化硫黄などの微粒子やガスを成層圏に放出し、後者は海塩粒子を海上の低い雲に散布して反射率を高めるものでいずれも継続的な散布が必要である。現時点では計算機モデルや実験室研究にとどまり、エアロゾルの変化や雲との相互作用の理解も不十分で、屋外試験も豪州でのMCB実験の例はある一方、安全性や倫理面への懸念から中止された計画もある。ただ2022年以降には気球による二酸化硫黄の成層圏への輸送や航空機での散布技術開発に資金調達した企業も現れ、GAOは政策判断に必要な情報の収集方法や技術導入に伴う地政学的リスク抑制に向けた枠組み整備が必要と提言している。

GAO “Science & Tech Spotlight: Solar Geoengineering” (03/24/26)
https://www.gao.gov/products/gao-26-108837