DARPA、商業パートナーと組み、量子コンピューティング加速へ

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「ユーティリティ規模の量子コンピューティングの未開拓システム(Underexplored Systems for Utility-Scale Quantum Computing: US2QC)」プログラムに参加する民間企業3社を選出した。US2QCは、量子コンピューティングに関してまだ開拓されていない手法を用いることでユーティリティ規模の運用を実現できる可能性(従来の予測よりもはるかに早く、コンピュテーションの価値が費用を上回る)があるかについて、判断することを目指す。US2QCのプログラム・マネジャーは、「専門家は、従来型の設計に基づくユーティリティ規模の量子コンピュータの実現にはまだ数十年かかるのか、それともそれより遥かに早く達成できるかについて意見が割れている。本プログラムのゴールは、未開拓の量子コンピューティング・システムによる戦略的な不意打ちの危険を軽減することである」と述べる。DARPAは、US2QCプログラムの下、アトム・コンピューティング社(Atom Computing)、マイクロソフト社(Microsoft Corporation)、Psiクアンタム社(PsiQuantum Corp)の3社を選出した。これらの企業は、プログラムの第一フェーズとして、ユーティリティ規模の量子コンピュータを構築するそれぞれの計画を示した設計概念を提出する。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Collaborates with Commercial Partners to Accelerate Quantum Computing” (1/31/23)

DARPA、現場での展開が可能な全血相当品の開発に取り組むチームを選出

外傷による死亡において、「血液」は生存できた可能性がある最も一般的な要素であり、それは軍事、非軍事の双方の状況に当てはまる。全血は、蘇生のための液体となる選択肢だが、その実行可能性に限界があり、冷却保存が必要で、物流的な問題や血液ドナーへの依存により、常に利用可能とは限らない。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「出血に対し、人工の生物的蘇生品を用いた現場で展開可能な解決策(Fieldable Solutions for Hemorrhage with bio-Artificial Resuscitation Products: FSHARP)」プログラムは、現場で展開が可能で常温保存ができ、血液ドナー品が利用可能でない場合に、外傷患者の蘇生に使用できる全血相当品の開発を狙いとする。DARPAは、メリーランド大学ボルチモア校(University of Maryland, Baltimore)が主導するチームを選出した。他に、ケース・ウェスタン・リザーブ大学(Case Western Reserve University)、チャールズ・リバー・ラボラトリー社(Charles River Laboratories)など11機関が参加する。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Team Begins Work on Field Deployable Whole Blood Equivalent” (1/31/23)

米国とインド、重要新興技術に関するイニシアチブで戦略的パートナーシップを強化

バイデン大統領とインドのモディ首相は、両国間の政府/業界/学術機関の間の戦略的技術パートナーシップと防衛産業協力を強化・拡大するため、2022年5月に、「重要新興技術(Critical and Emerging Technology: iCET)」に関する米印イニシアチブを発表した。そして2023年1月31日、両国政府の代表がワシントンDCに集まり、iCETの初会合を開催した。双方は、重要新興技術におけるより広範な協力、共同開発・共同生産、イノベーション・エコシステム全般でのコネクティビティを深める方法の機会について議論した。また、両国間の技術パートナーシップを拡大、深化させるため、新たな両国間イニシアチブを開始し、複数の領域での両国の政府/業界/学術機関の新たな協力に歓迎を示した。それらの領域は、①両国のイノベーション・エコシステムの強化、②防衛イノベーション及び技術協力、③対応力のある半導体サプライチェーン、④宇宙、⑤科学・技術・工学・数学の人材、⑥次世代通信、である。 White House “FACT SHEET: United States and India Elevate Strategic Partnership with the initiative on Critical and Emerging Technology (iCET)” (1/31/23)

国防総省、将来の軍事プラットフォームの電気化を目的として商用電池のプロトタイプ化へ

先端電池部門の急成長と、エネルギー貯留への商業投資の継続的な増加は、電気自動車(EV)用電池の大幅な成熟と技術進展につながっている。国防総省(Department of Defense)は、この商業投資を活用し、商業EV電池技術を軍事使用に適用させることで国防総省の能力を加速させたいと望んでいる。このような中、今回、国防長官室(Office of the Secretary of Defense)、米陸軍(U.S. Army)の戦闘能力開発司令部(Combat Capabilities Development Command: DEVCOM)地上車両システムセンター(Ground Vehicle Systems Center: GVSC)などが、国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)とパートナーを組み、「先端電池標準化のジャンプスタート(Jumpstart for Advanced Battery Standardization: JABS)」プロジェクトに取り組むこととなった。本プロジェクトは、最先端の技術と製造能力を活用した標準化モジュールをベースとした電池システムをプロトタイプ化することで、商業的に証明されているEV電池技術の導入を加速させるものである。DIUは9月に、5つの業者の中の最初の業者としてGMディフェンス社(GM Defense)に、国防総省のプラットフォームで試験及び分析を行う電池パックのプロトタイプ開発に関する発注を行った。今年の1月には、新たな業者がプロジェクトに加えられている。 Defense Innovation Unit “Department of Defense to Prototype Commercial Batteries To Electrify Future Military Platforms” (1/31/23)

ローレンス・リバモア国立研究所とカリフォルニア大学、学術的パートナーシップを育成

ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory: LLNL)の兵器及びコンプレックス統合(Weapons and Complex Integration: WCI)総局(WCI Directorate)と、カリフォルニア大学(University of California: UC)は、国立研究所と強力かつ継続的な結びつきを持った次世代の学術リーダーシップを育成することを狙いとして、新たな合同イニシアチブを実施する。これは、「LLNL早期キャリアUC教員イニシアチブ(LLNL Early Career UC Faculty Initiative)」と呼ばれるもので、現在、UCキャンパスに所属するテニュアでない教員、及び、テニュア・トラックの教員からのプロポーザルを募集している。選出された研究は、2023年夏から、5年間で最高100万ドルを受益する見通しである。受益する教員は、大学生、大学院生、ポスドクフェローによる研究グループを編成することができる。LLNL早期キャリアUC教員イニシアチブのプロポーザルは、科学的な人工知能及び機械学習分野のトピックであることが求められている。 Lawrence Livermore National Laboratory “LLNL, University of California initiative fosters academic partnership” (1/19/23)

NIST、第一対応者による通信技術への要望リストを発表

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)が、米国内の警察官や消防署、救急医療などの第一対応者(ファースト・レスポンダー)を対象に行った包括的な調査プロジェクトの結果、第一対応者が日常的に使用する通信技術についてどのように考えているのか、彼らが開発業者に対して将来どのように改善してほしいと考えているのかが明らかになった。NISTによる「公共安全通信調査の使いやすさに関する結果のツール:第一応答者の声(Public Safety Communications Research (PSCR) Usability Results Tool: Voices of First Responders)」 は5年以上に亘って行なわれてきた調査で、7,182名の回答者の見解が反映されている。調査により、通信技術の開発業者が現場にとってより便利な機器を作る上で有益なデータが得られ、これらに関して、報告書10件以上が作成されている。全体に共通するメッセージの一つは、「公共安全のための通信技術は、信頼性があり、制御可能で、利用者の不満や苛立ちを削減するものであるべき」という点である。 National Institute of Standards and Technology “America’s First Responders Give NIST Their Communications Tech Wish Lists” (1/30/23)

NSF、米印間の資金提供プロジェクトのプロセス合理化に合意

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)とインドは、両国の科学者及びエンジニアによる研究プロジェクトの選出と資金提供プロセスを合理化する「実施の調整(implementation arrangement)」に署名した。これは、1月31日、「重要新興技術対話に関する米印イニシアチブ(U.S.-India Initiative on Critical and Emerging Technologies dialogue)」の一環としてホワイトハウスで行われた署名式におけるもので、インドのタランジ・シン・サンドゥ駐米大使(Taranjit Singh Sandhu)がNSFの高官と共に出席した。今回の調整の下、コンピュータ科学・工学、地球科学、数学・物理科学、工学、新興技術の分野における米印の共同研究の審査・助成プロセスが簡素化されることになる。なお、NSFは過去5年間、米印間での共同研究活動に1億4,600万ドル以上を投資している。 National Science Foundation “NSF signs U.S.-India implementation arrangement to streamline the process of funding projects between the two nations” (2/1/23)

国防総省、国防管理研究所を設立

国防総省(Department of Defense)のキャサリーン・ヒックス副長官(Kathleen Hicks)(Deputy Secretary of Defense)とマイケル・ドンリー行政管理局長(Michael Donley)(Director of Administration and Management)は1月31日、非営利研究所の国防分析研究所(Institute for Defense Analyses: IDA)が主催したシンポジウムで、国防管理研究所(Defense Management Institute: DMI)の設立を発表した。DMIは、非営利かつ無党派の研究組織で、国防総省の管理、編成、業績の向上と事業活動の強化にコミットする。具体的にDMIは、①連邦資金を受けた研究開発センターやシンクタンク、学術機関、民間部門の専門家や実践者を含め、専門性と実践のコミュニティで構成される国防管理ネットワークの開発、②管理問題に関する最先端の研究を実施し、国防総省及び議会による意思決定への情報提供とする、③コミュニティ全体が活用できるような主要な国防管理問題に関する研究やその他の資源のデジタル保管庫を構築する、を通じて国防総省を支援する。なお、IDAがDMIを管理する。 Department of Defense “DOD Announces the Establishment of the Defense Management Institute” (1/31/23)

CSET、米国の対中国AI企業への投資に関する分析報告を発表

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「米国の中国AI企業へのアウトバウンド投資(U.S. outbound Investment into Chinese AI Companies)」と題する報告書を発表した。本報告書は、中国の人工知能(AI)企業への米国によるアウトバウンド(対外)投資(2015-2021年)に関するクランチベース社(Crunchbase)のデータを分析し、こうした投資の規模と状況についてより良い理解を試みるものである。報告書はキーファインディングとして、①中国AI企業への投資は引き続き中国人投資家が占めている、②2015-2021年の間に、167件の米国人投資家が401件(もしくは2,999件の世界的な投資取引の17%)の対中国AI企業への投資取引に参加した、などが挙げられている。更に、「米政府は現在、中国のAI企業へのアウトバウンド投資の流れを効果的に監視、測定、規制する状況にない」といった現状を踏まえ、潜在的なアウトバウンド投資の安全保障の見直しもしくは仕組みについて、明確な政策目的を特定することや、米国による中国へのアウトバウンド投資に関するデータ収集のパイロット・プログラムを考案することなどを提案している。 Center for Security and Emerging Technology “U.S. Outbound Investment into Chinese AI Companies” (February 2023)

エネルギー省、米国内の炭素汚染の低減に1億3,000万ドル以上を投資

エネルギー省(Department of Energy)は1月30日、二酸化炭素排出の削減につながる広範な炭素管理技術の導入を進展させる33件の研究開発プロジェクトに、1億3,100万ドルを提供すると発表した。これらのプロジェクトは、発電所や産業施設から、または大気から直接、二酸化炭素を捕獲する際の技術的課題に対処し、潜在的な二酸化炭素貯留拠点の評価を行い、商業運用に向けて進展する拠点の数を増やすことに取り組む。より具体的には、二酸化炭素の捕獲技術の開発に関する「炭素管理(Carbon Management)」の資金提供公募(FOA)の下、22件のプロジェクトに3,800万ドルの投資が、また、「炭素SAFE:フェーズII-貯留の複雑性に関するフィージビリティ(CarbonSAFE: Phase II – Storage Complex Feasibility)」の下、11件のプロジェクトに9,300万ドルの投資が行われる。 Department of Energy “DOE Invests More Than $130 Million to Lower Nation’s Carbon Pollution” (1/30/23)