パシフィック・ノースウェスト国立研究所が人工知能センターを創設

エネルギー省(Department of Energy)傘下のパシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)は、科学、安全保障、エネルギー対応力に焦点を当てた幅広いプロジェクトに取り組む数百名の科学者によるパイオニア研究を調整することを目的として、「AIセンター@PNNL(Center for AI @PNNL)」を創設した。 AIセンター@PNNLの優先事項は、バイデン大統領が最近発表した「安全でセキュアで信頼できるAIの開発」に関する大統領令を支援し、セキュアで信頼できるAIを維持する方法を開発することである。AIセンター@PNNLの参加者のその他の関心分野には、AIへの準備が整った労働力の創出と育成、PNNLにおける日常業務へのAIの導入、人とAIプログラムが最善の形で協働できる方法の模索、オートノマス実験などが含まれる。 Pacific Northwest National Laboratory “PNNL Creates Center for Artificial Intelligence” (12/14/23)

GAO、NISTによる研究者セキュリティの方針について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は12月14日、「米国標準技術局:情報開示の強化と訓練の評価によって研究セキュリティを強化できる(National Institute of Standards and Technology (NIST): Strengthening Disclosure Requirements and Assessing Training Could Improve Research)」と題する報告書を発表した。NIST所属の研究者は毎年、約2,500名の米国内外の研究者と協力して研究プロジェクトに取り組む。また、外部研究者が研究を実施するためのグラントや協調的契約も提供する。こうした協力関係はNISTに貢献をもたらすことを意図しているが、同時にセキュリティ・リスクを呈する可能性もある。NISTはこうした研究者に利益相反の可能性を開示するよう義務付けているが、国内の研究者に義務付けられている情報開示の内容は、外国籍の研究者に義務付けられている内容よりも少ない。また、NISTは、研究者に訓練を提供することで研究のセキュリティを確実にする一助としているが、こうした訓練プログラムの有効性を評価していないため、改善の機会を特定する能力は限定的になっている。NISTは、国内の研究者に対する情報開示の義務付けを強化すること、訓練プログラムの評価を実施することなど3点を勧告している。 Government Accountability Office “National Institute of Standards and Technology: Strengthening Disclosure Requirements and Assessing Training Could Improve Research Security” (12/14/23)

技術系の億万長者と結び付きのあるシンクタンクがバイデン政権のAI大統領令で主要な役割

技術系の億万長者が資金拠出する影響力の高いネットワークと関係を築いている国際的シンクタンク大手のランド研究所(Rand Corporation)が、バイデン大統領が10月に発表した人工知能(AI)に関する大統領令の作成で、主要な役割を担っていたことが明らかになった。これは、ポリティコ(POLITICO)が入手したランド研究所の内部会合の記録と、大統領令の作成について情報を持つAI研究者によってわかったもの。10月に発表された大統領令の中でランド研究所によって進展した条項には、最も強力なAIシステムに課された広範な一連の報告要件が含まれ、これは、表面的には同技術の深刻なリスクを軽減することを意図したものとなっている。こうした要件は、オープン・フィランソロピー(Open Philanthropy)が追求する政策優先事項と密接に一致している。ランド研究所は今年、このオープン・フィランソロピーから1,500万ドル以上を受け取っており、オープン・フィランソロピーは、フェイスブック社(Facebookの共同創立者でアサナ社(Asana)の最高経営責任者である億万長者のダスティン・モスコヴィッツ氏(Dustin Moskovitz)とその妻から資金を得ており、「効果的利他主義(effective altruism)」のイデオロギーに関連する取り組みに主要な資金を投じている。効果的利他主義者は現在、AIに強い関心を向けており、政府に対してAI技術の黙示録的な可能性(先端AIはいつの日か生物兵器開発に利用されるかもしれないというリスクを含む)に対処するよう働きかけている。一方、効果的利他主義の批判派は、投機的な未来のリスクに焦点を当てることは、既存のAIの有害性から政策策定者の関心をそらし、技術系企業大手の利益に適う行動となっていると主張する。 POLITICO “Think tank tied to tech billionaires played key role in Biden’s AI order” (12/16/23)

バイデン政権、米国のクリーン輸送未来を加速させる措置を実施

クリーン輸送の未来を構築する取り組みの一環として、政権は12月14日、電気自動車(EV)へのアクセスを強化し、納税者のお金を節約し、気候危機に対処する官民の新たなコミットメントを発表した。連邦政府は、国内最大の雇用主で年間28億ドルの出張購買力を持つ組織として、よりクリーンな輸送オプションへの移行を通じて模範を示すことに取り組む。具体的には、①渡航の際にはEVを優先付ける、②鉄道による渡航を拡大する、③公共交通機関の利用を拡大する、などが含まれる。また、バイデン政権の発表にあわせて、様々な民間部門の組織が、米政権による「EV加速チャレンジ(EV Acceleration Challenge)」(EV車両の拡大や消費者への周知拡大、EV充電の利便性やその他のクリーン輸送インフラの拡大を目的としたイニシアチブ)への新たな追加として、渡航及び歓待部門、レンタカー及びライドシェア企業、民間部門、非営利部門の組織が、米国のクリーン輸送未来構築へ向けたコミットメントを発表した。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Takes Action to Accelerate America’s Clean Transportation Future” (12/14/23)

バイデン政権、米国気候部隊の傾聴セッションや、次世代労働者育成に向けた新措置を発表

バイデン大統領は9月に、数万人の若者をクリーン経済の良好賃金雇用に向けて育成する労働力訓練及びサービス・イニシアチブである米国気候部隊(American Climate Corps)の始動を発表した。発表以来、約5万人の米国民が参加への関心を示している。こうした中、バイデン大統領は、新たなイニシアチブを発表した。①バーチャル式傾聴セッションの開始:バイデン政権の上級高官は、1月から、米国気候部隊の候補者や実践パートナーなどから直接話を聞くバーチャル式傾聴セッション・シリーズを開始する。②環境正義を進展するキャリアの経路創出:環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は、「米国への投資(Investing in America)」議題による資金提供を受け、米国気候部隊を通じて若者が環境正義のキャリアを目指す経路を拡張する、③7省庁機関が新たな連邦パートナーシップを確立:商務省(Department of Commerce)、内務省(Department of the Interior)、EPAなど7省庁が、米国気候部隊の省庁間イニシアチブをまとめた覚書(MOU)に署名した。米国気候部隊の潜在的な応募者を対象とした勧誘ポータルは2024年春に開始予定。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces American Climate Corps Listening Sessions, New Actions to Mobilize the Next Generation of Clean Energy, Conservation, and Resilience Workers” (12/19/23)

BIRDエネルギー、米=イスラエルクリーンエネルギー・プロジェクトに975万ドルを投資へ

米エネルギー省(Department of Energy)、イスラエルのエネルギー省(Ministry of Energy: MoE)及びイスラエル・イノベーション公社(Israel Innovation Authority)は2023年11月21日に会合を行い、9件のクリーンエネルギー・プロジェクトを承認した。プロジェクトは合計2,700万ドル相当で、これには、二国間産業研究開発(Binational Industrial Research and Development: BIRD)エネルギー・プログラムの下、コスト分担資金として975万ドルの資金が含まれる。受益プロジェクトは、ソーラーシェアリング、電池技術、二酸化炭素削減、エネルギー効率など様々な分野に焦点を当てる。BIRDエネルギーは、米国=イスラエル間の協調的な研究開発プロジェクトを育成することを目的として2009年に開始された。これまでに60件以上の米=イスラエル共同作業に資金提供しており、政府の合計投資額は約5,000万ドル、民間によるマッチング資金は約6,500万ドルとなっている。 Department of Energy “BIRD Energy to Invest $9.75 Million in Cooperative U.S.-Israel Clean Energy Projects” (12/14/23)

大統領府、新規宇宙活動の承認と監督の枠組みを発表

ハリス副大統領は12月20日、米政権による第3回国家宇宙評議会(National Space Council: NSpC)の会合で、「米国新規宇宙活動の承認と監督の枠組み(United States Novel Space Activities Authorization and Supervision Framework)」を発表した。これはNSpCの立法提案「民間部門による新規宇宙活動の承認と監督法(Authorization and Supervision of Novel Private Sector Space Activities Act)」(11月に議会へ送付)を補完する新たな政策で、主要な要素には次のような点が含まれる。①連邦省庁機関による枠組み実践について原則を設定する、②(新規の宇宙活動を監督する更なる権限を付与される)商務省(Department of Commerce)と運輸省(Department of Transportation)の規則策定スケジュール及びパブコメ期間を整合させる、③これら2省庁に、枠組みの更なる実践を目的として、連邦諮問委員会の新設または既存の委員会の拡大を検討するよう要請する、④ベストプラクティス及び標準の開発と実践で国際協力を強化し、宇宙の規則設定における米国のリーダーシップを維持する。 White House “FACT SHEET: U.S. Novel Space Activities Authorization and Supervision Framework” (12/20/23)

商務省、米国半導体サプライチェーンの産業基盤に関する調査を発表

商務省(Department of Commerce)は12月21日、米国の広範な半導体サプライチェーン及び国家防衛産業基盤の能力と課題に関する継続的な分析の基礎とすることを目的として、2024年1月に新たなアンケート調査を開始すると発表した。この調査は、米国企業がどのように現世代及び成熟ノードの半導体(通称「レガシー・チップ(legacy chip)」)を調達しているのかを特定することを意図している。その分析は、半導体サプライチェーンを強化し、レガシー・チップ生産の平等な競争の場を推進し、中国が呈する国家安全保障リスクを軽減するための米国政策への情報提供となる。商務省の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security: BIS)が調査を実施する。 Department of Commerce “Commerce Department Announces Industrial Base Survey of American Semiconductor Supply Chain” (12/21/23)

大統領府、米国の安全と安全保障を目的として宇宙天気予測の向上を目指す

宇宙天気(Space weather)は、電力や通信、水の供給、医療ケア、衛星運用、輸送に混乱や不能をもたらす可能性があり、また、宇宙にいる宇宙飛行士や、地球上の生命と技術を保護するためには、宇宙天気の観測と予報が鍵となる。次の太陽極大期は今後2年に発生すると予測されており、宇宙天気の上昇は、地球や宇宙に大幅なリスクを呈する可能性がある。こうした中、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は、「国家宇宙天気戦略及び行動計画の実践計画(Implementation Plan of the National Space Weather Strategy and Action Plan)」を発表した。具体的には、3つの政策目的と宇宙天気の観測、研究、予測における支援活動を明らかにしている。それらは、①国家安全保障、国土安全保障、商業資産及び活動を宇宙天気の影響から保護することを強化する、②宇宙天気の特性と予報に関する正確かつタイムリーな情報の開発と拡散、③宇宙天気の事象への対応及び回復に関する計画と手順を確立する、の3点。 White House “Improving Space Weather Forecasting for U.S. Safety and Security” (12/20/23)

自動車の新モデルの燃費を比較する燃費ガイド発表

エネルギー省(Department of Energy)傘下のオーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)の研究者は、燃費効率に最も優れた2024年モデル車について特定した「燃費ガイド(Fuel Economy Guide)」を発表した。対象には電気自動車やハイブリッド車も含まれる。燃費ガイドは、年間で発表されるオンライン資源で、二人乗り乗用車から、大型セダン、小型・中型のステーションワゴン、小型・標準のスポーツ・ユーティリティ車、小型・標準のピックアップ・トラックなどが含まれる。更に、上位10車についてはメーカーやモデル、クラスが検索可能となっている。また、ORNLが開発したツール、「トリップ計算(Trip Calculator)」は、一部のモデル車を使って具体的なドライブ旅行をする際に節約できる金額を試算できる。 Oak Ridge National Laboratory “Tracking roadway savings from coast to coast” (12/20/23)