NRELとアマゾン社が温室効果ガス排出報告で協力

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)とアマゾン社(Amazon)は12月12日、企業が温室効果ガス(GHG)の排出について、より情報に基づいた判断を行えるよう支援することを意図したガイダンス文書と新データの作成で協力することを発表した。このパートナーシップは、より高精度なデータと長期的モデリングを使って、GHG排出の定量化を現代化することを狙いとしており、NRELの「カムビウム・データセット(Cambium data sets)」の能力を基盤としている。ガイダンス文書には、長期的かつ先見的な分析が含まれ、大手企業によるデータセンターや施設などの新プロジェクトによる潜在的な排出に関する検討も行われている。 Utility Dive “NREL, Amazon forge partnership on greenhouse gas emissions reporting” (12/18/23)

再生可能資源の収益率は縮小

アルファセンス社(AlphaSense)の報告によれば、再生可能エネルギー企業の収益率は、2023年に全体的に収縮したが、その低迷の理由は業界の部門によって様々である。屋根上ソーラー企業は、新規顧客の獲得に苦戦している一方、オフショア風力エネルギー企業は市場が過剰混雑化し、多くの企業が実質的に同一の製品を提供している。このため、開発業者は、コスト面の競争を強いられ、経済状況が変化した際には動ける予知がない状態となっている。更に水素エネルギーはコスト効果という独自の問題を抱えている。来年は、より競争的な市場に対応できない再生可能エネルギー企業は厳しい状況に直面する可能性があると、アルファセンス社の幹部は述べる。 Utility Dive “Renewables profit margins are shrinking, but not for reasons you might expect: report” (12/18/23)

チャージXコンソーシアム、EV充電スタンドの一般的なエラー・コードについて勧告

全国充電経験コンソーシアム(National Charging Experience Consortium: ChargeX)は、電気自動車(EV)の充電器に関する26の一般的なエラー・コードについて勧告し、EV充電業界内のより早い誤作動報告や診断、解決策を実現することを目的とした報告書を発表した。チャージXは、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)、アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory)の専門的な援助を受けて2023年8月に始動したコンソーシアムで、米国内の公共EV充電インフラの顧客経験を測定し、向上させることに取り組んでいる。今回発表されたのは、「最低限必要なエラー・コードに関する勧告(Recommendations for Minimum Required Error Codes)」と題する報告書で、充電器製造事業者、EV製造事業者、充電スタンド経営者の間の混乱を軽減することを狙いとしている。 Idaho National Laboratory “ChargeX Consortium recommends common EV charging station error codes” (11/28/23)

ニューヨーク州知事、次世代ナノ研究開発センターの開設に向け、100億ドルのパートナーシップを発表

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul)は12月11日、IBMやマイクロン(Micron)、アプライド・マテリアルズ(Applied Materials)、東京エレクトロンなどの半導体業界のリーダーと共に、NY CREATESのアルバニー・ナノテク複合施設(Albany NanoTech Complex)に次世代の半導体研究開発センターを設立することを目的として、100億ドルのパートナーシップの形成を発表した。NY CREATESは、ニューヨーク研究・経済的進展・技術・工学・科学センター(New York Center for Research, Economic Advancement, Technology, Engineering, and Science)の略で、非営利目的の半導体研究開発施設。パートナーシップは、世界で最も複雑かつパワフルな半導体の研究開発を支える最先端の「高NA極端紫外線リソグラフィー・センター(High NA Extreme Ultraviolet Lithography Center)」(北米で最初かつ唯一の公的な高NA EUVセンター)の建設資金を拠出する。これによって、ニューヨーク州のキャピタル・リジョンに先端半導体研究及び製造の未来がもたらされる他、直接的及び間接的な労働組合の新規建設雇用や、労働力の開発と持続可能性に対する強固なコミットメントも生まれる。 New York State “Governor Hochul Announces $10 Billion Partnership to Bring Next-Generation Research and Development Center to NY CREATES’ Albany Nanotech Complex” (12/11/23)

エネルギー省、炭素含有液体を通じた再生可能エネルギーの移送と貯留の実現に3,800万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は12月12日、「グリッド不要の再生可能エネルギーによる経済性のある液体と長期貯留の新たな方法の実現(Grid-free Renewable Energy Enabling New Ways to Economical Liquids and Long-term Storage: GREENWELLS)」プログラムを通じて、再生可能エネルギーから持続可能な炭素含有液体を開発するため、最高3,800万ドルを提供すると発表した。エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)がプログラムを管理する。GREENWELLSプログラムは、「再生可能から液体へ(renewables-to-liquids: RtL)」と呼ばれる手法を通じて、持続可能で断続的な低炭素燃料もしくは化学物質によるエネルギーを貯留できる化学反応システムの開発を目指す。グリッドを使用せずに再生可能エネルギーの移送と貯留を可能にすることで、分散型エネルギー資源の恩恵を最大限にすることを目指す。GREENWELLSは、二酸化炭素と、断続的な電力もしくは水素の原料を、炭素含有液体に効率的に転換できるRtLの化学反応システムの開発に焦点を当てたプロジェクトを支援する。 Advanced Research Projects Agency-Energy “U.S. Department of Energy Announces $38 Million to Enable Transportation and Storage of Renewable Energy through Carbon-Containing Liquids” (12/12/23)

NSF、メリット・レビュー・プロセスにおける生成AI技術の使用について通知

生成AI(Generative AI: GAI)は、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)のミッションを支える上で大きな可能性を秘めている。NSFはこの新技術の進展を支援し続けると同時に、それによって呈される潜在的なリスクにも対処する必要がある。NSFは、第三機関のGAIへ開示された非公的な情報が、記録、共有されることを防止することはできない。このため、メリット・レビュー・プロセスにおけるプロポーザルの発展と評価の完全性を保護するため、NSFは、レビュー担当者とプロポーザル提出者のためのガイドラインとして次の2点を発表した。①NSFのレビュー担当者は、プロポーザルのいかなるコンテンツ、レビュー情報、及び関連の記録も、承認されていない生成AIツールへアップロードしてはならない、②プロポーザル提出は、プロポーザルの作成で生成AI技術が使用されている場合は、どの程度使用されているのか、どのように使用されたのかについて、プロジェクト概要で示すことを奨励される。レビュー担当者に関する重要な点は、プロポーザルの情報を、オープンなインターネットを介して生成AI技術と共有することは、NSFのメリット・レビュー・プロセスにおける秘匿性と完全性の原則に違反するという見解である。また、プロポーザル提出者は、メリット・レビューの対象となるプロポーザルの提出において、その正確性と真正性に責任を持つ。これには、生成AIツールの支援によって開発された内容も含まれる。 National Science Foundation “Notice to research community: Use of generative artificial intelligence technology in the NSF merit review process” (12/14/23)

ITIFの新たな産業研究報告で、中国による先端産業の支配が明かに

情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は12月13日、「2023年ハミルトン指標:戦略的産業で中国が抜け出す(The Hamilton Index, 2023: China Is Running Away With Strategic Industries)」と題する報告書を発表した。それによれば、中国は、世界経済の中心にある先端技術及び戦略的に重要な産業で圧倒的なリードを取り、米国や先進7カ国(G7)、経済協力開発機構(Organisation for Economic Cooperation and Development: OECD)の国々から市場シェアを奪取している。報告書の主要なファインディングとして、①2020年時点で、中国は、報告書の対象となっている10の業界のうち、7業界(コンピュータ及びエレクトロニクス、化学、機械及び設備、自動車、基礎金属など)で、世界の生産者のリーダーとなっている、②中国は2020年に、10業界全体で世界生産の4分の1以上を生産しており、その割合は2008年の12.9%から増加した、などが挙げられている。 Information Technology & Innovation Foundation “China Is Dominating Advanced Industries as US, G7, and OECD Economies Founder, ITIF Finds in New Industrial Study” (12/13/23)

AIサイバー・チャレンジ、登録受付を開始

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)による「AIサイバー・チャレンジ(AY Cyber Challenge: AIxCC)」は参加者からの申し込み受付を行っている。中小企業トラック(Small Business Track)(以前の「資金拠出トラック(Funded Track)」から変更)への申し込み期限は2024年1月15日、オープン・トラック(Open Track)への同期限は4月30日となっている。より広範な参加と、チームが最善のシステムを開発する時間を得られるよう、DARPAはコンペの構造を見直し、予選(Qualification Competition)と準決勝(Semifinal Competition)を一つのイベントに統合した。同イベントは2024年8月のDEF CONで実施される。参加チームは、3月から7月にかけて、ソフトウェアの脆弱性を発見、修正するための可能な限り最善のサイバー推論システム(cyber reasoning system: CRS)の開発に取り組む。DARPAはまた、参加者のシステムを公平に評価するため、4つの主要基準に基づく採点システムを作成した。更に、2024年に行われるAIxCCの準決勝で最高7チーム(従来の5チームから増加)が各200万ドルの賞金を獲得し、決勝へ進むことを発表した。また、アンソロピック(Anthropic)、グーグル(Google)、マイクロソフト(Microsoft)、オープンAI(OpenAI)の協力会社は、AIxCCの適格性と応募要件に合致したチームに対して、大規模言語モデルと演算資源のためのクレジットを提供する。クレジットやその他の詳細は、2024年3月に発表される予定である。 Defense Advanced Research Project Agency “AI Cyber Challenge Opens Registration, Adds $4 Million in Prizes, Shows Scoring Algorithm and Challenge Exemplar” (12/14/23)

DARPA、ユーティリティ規模の量子コンピューティング開発に向けて進展

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「ユーティリティ規模の量子コンピューティングの未開発システム(Underexplored Systems for Utility-Scale Quantum Computing: US2QC)」プログラムは、量子コンピューティングに未開発手法によって、従来の予測よりも早く、ユーティリティ規模(実用規模)の運用を実現できるか否かを判断することを模索する。初期段階では、各社は設計概念を発表し、ユーティリティ規模の量子コンピュータを製作するための計画を説明した。次の段階では、選出されたチームは、その概念を次のレベルへと引き上げることを目指す。US2QCプログラムの主要な目標は現在、フォールト・トレラント(誤り耐性のある)なプロトタイプ(小規模な量子コンピュータ)のシステム設計を開発及び擁護し、「ユーティリティ規模の量子コンピュータは意図した設計及び運用どおりに構築することが可能である」と実証することに置かれている。US2QCプログラムのマネジャーは、「複数のチームが、真にユーティリティ規模のシステムへ向けて可能性の高い経路を示した設計を見せたことに興奮している」と述べる。こうした中、DARPAは、2025年3月まで続くUS2QCプログラムの次の段階へ進むチームとして、マイクロソフト社(Microsoft Corporation)とPsiクワンタム社(PsiQuantum)を選出した。 Defense Advanced Research Project Agency “Utility-Scale Quantum Program Advances Toward Prototyping” (12/14/23)

米国アカデミー、潜在的に変革的なデジタル・ツイン研究を支える多機関行動を要請

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は今般、「デジタル・ツインに関する基礎研究の溝と将来の方向性(Foundational Research Gaps and Future Directions for Digital Twins)」と題する報告書を発表した。報告書は、「国防総省(Department of Defense)、エネルギー省(Department of Energy)、国立衛生研究所(National Institutes of Health)、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)を含む連邦機関は、デジタル・ツイン技術の根底を成す数学/統計/コンピュテーショナルな基礎を進展させるため、新たな横断型プログラムを策定する必要がある」と述べる。デジタル・ツインには、科学的発見を加速させ、気候科学の向上を促進し、医療ケアや製造、その他の部門に革命をもたらす可能性があるが、部門間の研究を調整し、現実的な用途の取り組みに焦点をあわせるには、統合的な議題が必要とされている。デジタル・ツインは、モデリングとシミュレーションを使って、物理的な構造やコンテクスト、言動を真似したものを(ツイン(双子)のように)仮想上に構築すること。 National Academies “New Report Urges Multiagency Action to Support Potentially Transformative Digital Twins Research” (12/15/23)