国土安全保障省の科学技術総局、合成データ生成ソリューションに関する新たな公募

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)の科学技術総局(Science and Technology Directorate: S&T)は、現実世界における実際のデータの形状やパターンをモデル化及び複製しながら、個人のプライバシーを守り、セキュリティ上の有害性を軽減できる「合成データ」を生成するソリューションについて、新たな公募を発表した。合成データは、実際のデータが利用できない場合や、実際のデータを使うことはプライバシー及びセキュリティ上のリスクを呈することがある場合に、合成データを使って機械学習モデルを訓練できることから、こうした合成データはDHSにとって重要である。DHSは、次のような能力を提供できるソリューションを模索している。①構造化及び非構造化されたデータ・タイプの支援、②実際のデータの形状及びパターンを理解するための技法を用いて人工的に合成データを生成する、③理想的な統計的属性を持つデータ・セットの複製、④合成データにおけるバイアスの排除及び(または)軽減。 Department of Homeland Security “News Release: DHS S&T Announces New Solicitation for Synthetic Data Generator Solutions” (1/5/24)

国土安全保障省、北極における国土安全保障COE立ち上げに4,600万ドルを提供へ

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)の科学技術総局(Science and Technology Directorate: S&T)は、北極における国土安全保障を目的としたADAC-ARCTICセンター・オブ・エクセレンス(ADAC-ARCTIC Center of Excellence: COE)を始動させるため、米国の学術機関及びその他のパートナーで構成されるコンソーシアムを主導する機関として、アラスカ大学(University of Alaska)を選出したと発表した。S&Tは、ADAC-ARCTICに、10年間の共同契約期間を通じて4,600万ドルを提供する。DHSの高官は、「ADAC-ARCTICは、北極圏が直面する課題に対して準備し、効果的な応答策を実践するために必要な重要な研究に焦点を当てることで、DHSのミッションにおける主要な優先事項に影響をもたらすだろう」と述べる。ADAC-ARCTICは、DHSの事業部門と密接に協力し、自然及び人的災害や、解氷、通信インフラに焦点を当てた研究及び学際的ソリューションの開発に取り組む。 Department of Homeland Security “News Release: DHS S&T to Award $46M Funding to The University of Alaska Anchorage to Launch the ADAC-ARCTIC Center of Excellence for Homeland Security in the Arctic” (1/11/24)

ジョン・ケリー氏、気候変動担当米国大統領特使を退任へ

バイデン大統領の気候変動担当特使を務めるジョン・ケリー氏(John Kerry)は今春に同職を退任する計画であるという。気候変動担当米国大統領特使は、バイデン大統領がケリー氏のために創設した主要な外交ポジションで、同氏は3年間務めたことになる。ケリー氏退任後の後任は決まっておらず、この職務の将来は不透明である。ケリー氏は1月10日にホワイトハウスでバイデン大統領と会い、辞任の意向を伝えたという。同氏は今後、バイデン大統領の2024年の再選運動に関わると広く予想されており、同大統領による気候変動政策への理解促進を手伝うと見られる。ケリー氏は、気候行動への熱心な推進者として知られ、米国の気候変動対策への信頼回復を目的として31カ国を訪れるなどしているが、世界最大の気候汚染国である中国を動かすという点においては、複雑な評価となっている。 New York Times “John Kerry Bows Out as U.S. Climate Envoy” (1/13/24)

PNNL、マイクロソフト社とエネルギー貯蔵等で協力

エネルギー省(Department of Energy)傘下のパシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)は、マイクロソフト社(Microsoft)とチームを組み、高性能のクラウド・コンピューティングと先端人工知能(AI)を用いて、これまでにない規模で科学的発見を加速させる。両組織はまず、化学とマテリアル科学に当面の焦点を当てる。PNNLは、「AI、クラウド、高性能コンユ―ティングと、人間の科学者を交差させることは、有意義な科学的結果をもたらす経路を加速させる鍵であると考える」としている。両組織はまた、数十億の情報ビットを合成し、その分析に基づいた結論を迅速に提供するという、AIが最も得意とする分野を活用することにも大きな焦点を当てている。マイクロソフト社のアジュール・クワンタム・エレメント(Azure Quantum Elements)プラットフォームは、科学的発見を支援する事を目的として構築された先端AIモデルを使用する。 Pacific Northwest National Laboratory “PNNL Kicks Off Multi-Year Energy Storage, Scientific Discovery Collaboration with Microsoft” (1/9/24)

エネルギー省、脱炭素化と温室効果ガスの正味ゼロ排出に1,700万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon management: FECM)は1月10日、17の米国大学で行われる新規の初期ステージ研究を支援するため、19件のプロジェクトに1,740万ドルを提供すると発表した。資金は、客員学者プログラムの確立(5件)、地球科学関連の新たな学術カリキュラムの創出(1件)、人文科学主導型の科学/技術/工学/数学分野を支援し、学際的な訓練と技術開発の促進(3件)、炭素をベースとする資源からの重要鉱物及びマテリアルの抽出の改善(5件)、既存のエネルギー資産をクリーン・エネルギー及び大幅な脱炭素化のための製造向けに転換することの技術的フィージビリティとコミュニティにもたらされる恩恵に関する調査(5件)を支援する。これらのプロジェクトは、FECMによる「大学訓練及び研究プログラム(University Training and Research program)」の下で選出された。国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)が選出されたプロジェクトを管理する。 National Energy Technology Laboratory “U.S. Department of Energy Invests $17 Million for University-Led Projects to Advance Decarbonization and Net-Zero Greenhouse Gas Emissions” (1/10/24)

エネルギー省、輸送部門の電力化進展に3,250万ドルの資金を発表

エネルギー省(Department of Energy)は1月8日、輸送部門の正味ゼロ排出を達成する上で重要な分野の技術統合を進展させることを目的として、16件のプロジェクトに合計3,250万ドルを提供すると発表した。受益プロジェクト(9州及びワシントンDCに所在)は、電気自動車(EV)普及の拡大と、EV充電インフラの支援に焦点を当て、導入費用の軽減や消費者への周知、地域的な導入の実践に取り組む。これらの資金は、「輸送部門の脱炭素化に関する国家計画(U.S. National Blueprint for Transportation Decarbonization)」に詳述されている戦略と、脱炭素化によって全ての米国民に恩恵をもたらす「クリーン輸送の未来」の達成に政府全体で取り組むバイデン政権を支援するものである。        Department of Energy “DOE Announces $32.5 Million in Funding to Advance Transportation Electrification” (1/8/24)

バージニア港、100%クリーン電力へ移行

バージニア港(Port of Virginia)は1月1日、米国東海岸で初めて(そして世界でも数少ない港湾の一つとして)、100%クリーン電力で事業活動を行う港となった。バージニア港は、2032年の達成を目標にクリーン電力の導入を進めていたが、予定より早い実現となった。この移行により、1件のコンテナ移動に伴う炭素排出はほぼ半減される。この節約は、スコープ1(Scope 1)(設備からの現場での直接的な排出)と、スコープ2(Scope 2)(サプライチェーンによる発電からの排出)の双方で実現する。バージニア港は、既に様々な設備で電気化への投資を行っていた。同港は、ドミニオン・エナジー社(Dominion Energy)との間で電力購入契約を通じて、環境に優しい電力供給を確保した。 The Maritime Executive “Port of Virginia Switches to 100% Clean Power” (1/4/24)

エネルギー省、物理的及びサイバー上の危険に対するエネルギー部門の強化に最大7,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は1月4日、サイバー及び物理的な脅威、自然災害、気候変動によって悪化した異常気象など、様々な危険に対する送配電インフラの対応力を強化し、リスクを軽減することを意図した技術の研究を支援するため、最大7,000万ドルを提供すると発表した。これは、エネルギー省のサイバーセキュリティ/エネルギーセキュリティ/緊急応答局(Office of Cybersecurity, Energy Security, and Emergency Response: CESER)が管理する「全ての危険に対するエネルギー対応力(All-Hazards Energy Resilience)」プログラムによる資金提供公募(FOA)で、将来の課題に対処し、エネルギーが安全かつ信頼できる形で米国内のコミュニティに届けられるようにすることを目指す。提案されているトピック分野には、①サイバーの研究開発、②気候軽減の研究開発、③山火事軽減の研究開発、④物理的セキュリティの研究開発、⑤大学ベースの研究開発、がある。CESERは、最大で25件の研究開発実証プロジェクトに各50万~500万ドルを提供する見込みである。 Department of Energy “DOE Announces Up to $70 Million to Strengthen Energy Sector Against Physical and Cyber Hazards” (1/4/24)

NSF、IT機能を再編

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は1月3日、NSF内の情報技術(IT)機能の包括的な再編を発表した。その中核は、新たに統合された「最高情報担当官室(Office of the Chief Information Officer: OCIO)」の発足である。これは、効率的な運営を最適化し、イノベーションを育成し、NSFが科学的発見と技術的進歩の第一線にい続けることを確実にすることを意図した戦略的イニシアチブである。本件は、2022年CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act of 2022)が後押しとなっているイニシアチブで、進化する業界のベストプラクティスと最先端技術に適応するという継続的な取り組みと円滑な整合を図る。今回の組織再編を下支えするのはリーダーシップの重要な変更で、テリー・カーペンター氏(Terry L. Carpenter)が最高情報担当官(chief information officer: CIO)及び再興技術担当官(chief technology officer: CTO)に即時就任し、OCIOの活動を先導する。その他にも重要なリーダーシップの変更が行われる。 National Science Foundation “NSF announces IT revitalization through consolidation in support of the ‘CHIPS and Science Act of 2022′” (1/3/24)

ガイドハウス・インサイト社、電池エネルギー貯留市場における金融戦略について分析

ガイドハウス・インサイト社(Guidehouse Insights)は今般、世界的な電池エネルギー貯留市場における建設及び収益化契約の種類について分析した新しい報告書「安定した金融政策は電池貯留プロジェクトの成功を構築する鍵である(Stable Financing Strategies Are Key to Building Successful Battery Storage Projects)」を発表した。化石燃料から再生可能資源エネルギーへの移行は急速に進んでいるが、ソーラーや風力発電は断続的であることから、この移行においてはエネルギー貯留システムが重要な要素となっている。同社によれば、電池貯留システムにおいては、ユーティリティ規模のエネルギー貯留(utility-scale energy storage: UES)と商業及び産業(commercial and industrial: C&I)という2つが主流となっており、ユーティリティ機関やアグリゲーター(特定卸供給事業者)、卸売市場に能力と補助的サービスを提供している。そして多くの貯留システムの所有者は第三機関の融資を使って、UESとC&Iのプロジェクトの資金調達(20万~2億5,000万ドル)を行っている。ガイドハウス・インサイト社の研究アナリストは、「開発事業者及び所有者は、それぞれの電池プロジェクトについて適切なプロジェクト開発及び収益化契約を選択する上で、異なる取引構造と、それに伴うリスクを理解する必要がある」と述べる。報告書は、こうした取引構造及び収益化契約について分析を提示している他、電池プロジェクトの構築に伴う様々な技術、運用、建設、そして収益リスクとそれを支援する政府インセンティブについて説明している。 PR Newswire “Guidehouse Insights Explores Financing Strategies in the Battery Energy Storage Market” (12/19/23)