国防総省、初となる国防産業戦略を発表

国防総省(Department of Defense)は1月12日、米国の国防産業基盤が将来にわたって国防安全保障分野の厳しい課題の需要に応答できるよう確実にすることを目的として、初となる戦略を発表した。59ページに及ぶ「国防産業戦略(National Defense Industrial Strategy)」は、米国の敵対者を抑止し、新興する脅威が呈する生産需要に応答できるよう、現代的で対応力のある国防産業エコシステムを創出することを狙いとし、国防総省の行動や資源のガイドとなる長期的な優先事項を概説している。国防総省は、米国の敵対者が軍事力を強固にし、第二次世界大戦以来見られたことない水準となっている今、米国の国防産業基盤を強化することは急務であると、強調する。戦略は、今後3~5年以内に現代的な国防産業エコシステムを構築する上で重要な4つの分野(対応力のあるサプライチェーン、労働力の育成、柔軟な調達、経済的抑止)に焦点を当てている。 Department of Defense “DOD Releases First Defense Industrial Strategy” (1/12/24)

連邦サイバーセキュリティ研究開発戦略計画発表

国家科学技術会議(National Science and Technology Council: NSTC)は2023年12月、「2023年連邦サイバーセキュリティ研究開発戦略計画(Federal Cybersecurity Research and Development Strategic Plan (2023))」を発表した。先に発表されていた2019年版に取って代わるものである。本戦略計画は、連邦資金によるサイバーセキュリティの研究開発(R&D)を調整し、ガイドとなることを狙いとしており、これには総意に基づく標準とベストプラクティスの策定も含まれる。計画は、米国に恩恵をもたらす連邦サイバーセキュリティR&D活動及び投資のフォーカス構造として、5つの優先分野(人間を中心とするサイバーセキュリティ、信頼性、サイバー対応力、サイバーセキュリティ指標、サイバーセキュリティ研究インフラ)と、3つの連邦優先事項の応用シナリオ(セキュアなソフトウェアとハードウェアのサプライチェーン、信頼できる人工知能、セキュアなクリーン・エネルギー未来)を特定している。 Networking and Information Technology Research and Development “FEDERAL CYBERSECURITY RESEARCH AND DEVELOPMENT STRATEGIC PLAN (2023)” (1/11/24)

エネルギー省、先端原子炉用のウラン国内供給構築に向けた次のステップを発表

バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の支援として、エネルギー省(Department of Energy)は1月9日、高純度低濃縮ウラン(high-assay low-enriched uranium: HALEU)を用いた燃料の確実な国内供給を確立する一助として、ウラン濃縮サービスに関するプロポーザルの要請(request for proposals: RFP)を発表した。HALEUは、先端原子炉の導入に必要な重要なテリアルであるが、現在、米国を拠点とする供給事業者から商業的に入手することはできない。その国内供給を構築、強化することで米国内における先端原子炉の開発と導入を促進する可能性がある。インフレ低減法(Inflation Reduction Act)は、今回のRFP及び11月に発表された別件の公募(今回のRFPを通じて濃縮されるウランを金属や酸化物などに逆転換して先端原子炉の燃料として使用するサービス)で選出されるプロジェクトに、最高5億ドルを提供する計画である。 Department of Energy “DOE Announces Next Steps to Build Domestic Uranium Supply for Advanced Nuclear Reactors As Part of President Biden’s Investing in America Agenda” (1/9/24)

NIST、標準に関する教育の進展を目的として8大学に資金を提供

商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、大学及び大学院の教育課程における標準教育への支援を目的として、8大学に合計115万6,973ドルを提供する。2012年のプログラム発足以来、NISTの標準調整局教育課程開発協調契約(Standards Coordination Office Curricula Development Cooperative Agreement Program)は54件のアワード(430万ドル以上)を提供している。これらの資金は、文書標準及び標準化プロセスを、コースやモジュール、セミナー、学習資源に組み込むためのカリキュラム開発を支援する。 National Institute of Standards and Technology “NIST Awards Funding to 8 Universities to Advance Standards Education” (1/2/24)

NIST、AIシステムを操作するサイバー攻撃の種類を特定

敵対者は、人工知能(AI)システムに意図的に混乱をもたらし、故障を生じさせることができる。そして、これに対して開発事業者が導入できる絶対確実な防衛策はない-これは、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)のコンピュータ科学者と共同作業者がまとめた報告書「敵対的な機械学習:攻撃と軽減の分類と用語(Adversarial Machine Learning: A Taxonomy and Terminology of Attacks and Mitigations)」に記載されている見解である。この報告書は、信頼できるAIの開発を支援するNISTの広範な取り組みの一部であり、NISTの「AIリスク管理枠組み(AI Risk Management Framework)」を実践する一助となるものである。報告書は、攻撃の主要な4種類(回避(evasion)、中毒化(Poisoning)、プライバシー(Privacy)、悪用(Abuse))についてまとめ、攻撃者の目標及び目的、能力、知識といった複数の基準に基づいて分類分けしている。 National Institute of Standards and Technology “NIST Identifies Types of Cyberattacks That Manipulate Behavior of AI Systems” (1/4/24)

商務省、マイクロチップ・テクノロジー社とのCHIPS予備的規約を発表

1月4日、商務省(Department of Commerce: DOC)とマイクロチップ・テクノロジー社(Microchip Technology Inc.)が、CHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act)の下、同社の半導体サプライチェーンの国内回帰を支援する事を目的として約1億6,200万ドルを提供する件について、拘束力のない予備的規約覚書(preliminary memorandum of term: PMT)を交わしたことが発表された。本件の投資により、マイクロチップ社は、マイクロコントローラー・ユニット(MCU)や、成熟ノードで構築されるその他の特殊半導体の米国生産を大幅に強化できる。これらの半導体は、米国の自動車/商取引/産業/国防/航空宇宙産業にとって重要な要素である。また、この投資を通じて、700名以上の直接的な建設雇用と製造雇用を創出することが期待されている。 Department of Commerce “Biden-Harris Administration Announces CHIPS Preliminary Terms with Microchip Technology to Strengthen Supply Chain Resilience for America’s Automotive, Defense, and Aerospace Industries” (1/4/24)

エネルギー省、7,000万ドルのグリッド安全保障及び対応力資金を発表

エネルギー省(Department of Energy)は1月4日、米国の電力部門の新たな安全保障及び対応力技術の研究に取り組む官民の関係機関、大学、国立研究所に、最高7,000万ドルを提供すると発表した。本件は、エネルギー省の「サイバーセキュリティ/エネルギー安全保障/緊急応答局(Office of Cybersecurity, Energy Security, and Emergency Response office: CESER)による「あらゆる危険のエネルギー対応力(All-Hazards Energy Resilience)」プログラムの下で実施される。CESERは最大25件の研究開発実証プロジェクトへの資金提供(50万~500万ドル)を予定している。提案されているトピック分野には、サイバーセキュリティ、山火事の軽減、物理的安全保障、気候研究が含まれる。 Utility Dive “DOE $70M grid security and resilience funding targets cybersecurity, wildfires, other risks” (1/5/24)

エネルギー省、ゼロ排出建造物の定義草案に関するフィードバックを要請

エネルギー省(Department of Energy)の建造物技術局(Building Technologies Office: BTO)は、「ゼロ排出建造物に関する全国定義(National Definition for a Zero Emissions Building)」(草案)のパート1(Part 1)に関して、業界や学術機関、研究所、政府機関、その他の関係機関からのフィードバックを募集する「情報の要請(Request for Information: RFI)」を発表した。このRFIへの返答は、測定可能なデータに裏打ちされ、明確な市場サイン及び一貫したターゲットとして機能する「ゼロ排出建造物に関する全国定義」の策定を助けるものとなる。ゼロ排出建造物に関して、広く容認された共通の定義と、検証のための経路を策定することは、建造物部門がゼロ排出へ移行する基盤となると同時に、エネルギー費用を削減し、住宅や企業の気候災害に対する対応力を強化する。パート1は、運用ゼロ排出(zero operating emissions)に焦点を当てている。運用ゼロ排出の定義は、①エネルギー効率が高い、②現地でのエネルギー使用による排出がない、③クリーンエネルギーのみが動力源である、である。        Department of Energy “DOE Requests Feedback on Draft Zero Emission Buildings Definition” (1/3/24)

HelioCon、年次報告を発表

エネルギー省(Department of Energy: DOE)傘下のヘリオスタット・コンソーシアム(Heliostat Consortium: HelioCon)が、「2023年HelioCon年次報告(HelioCon Annual Report: 2023)」を発表した。HeloCon発足(20212年)以来の進展を詳述した報告書で、影響力の高い技術プロジェクトの開発や、業界/研究機関/教育機関/その他の機関とのパートナーシップの拡大、人員の増加、オンライン上の存在感拡大に関する情報提供などについて報告している。HeloConは、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)が、サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)とオーストラリア太陽熱研究所(Australian Solar Thermal Research Institute: ASTRI)のパートナーと共に、共同主導している。HelioConはまた、ヘリオスタット技術の費用低減、性能の強化、ヘリオスタット業界の新たな機会創出に焦点を当てたプロポーザルの要請(request for proposals: RFP)を発表した。 National Renewable Energy Laboratory “News Release: Heliostat Consortium Publishes Annual Report Highlighting Impactful Technical Projects, Partnerships With Industry” (1/2/24)

国立再生可能エネルギー研究所、2023年標準シナリオを発表

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は、「2023年標準シナリオ(2023 Standard Scenarios)」を発表した。2050年までの米国電力部門における潜在的な変化を示したもので、電力システム計画のガイドとなり、共通の前提を基に対話を行うことができるようになる。標準シナリオは、米国電力部門の意思決定を支援する事を目的として、NRELが毎年作成している。標準シナリオアには、変化の可能性を反映するベースラインとなる「中間事例(Mid-case)」と呼ばれるシナリオが含まれる。今年の中間事例は、2050年までに風力及びソーラー電力が大きく成長する可能性があることを示しており、風力の発電能力は750ギガワット(GW)、ソーラーは1,100GWに増加する可能性がある。これは現行の5倍(風力)と10倍(ソーラー)である。また、全てのシナリオにおいて、米国電力部門の排出は2030年代半ばを通じて大幅に減少する可能性が示されている。 National Renewable Energy Laboratory “NREL Releases the 2023 Standard Scenarios” (1/9/24)