ジャンプスタート、2023年におけるオハイオ州への経済効果は16億ドル

オハイオ州北東部に拠点を置くベンチャー開発組織のジャンプスタート(JumpStart)が発表した「2023年経済効果報告(2023 Economic Impact Report)」は、イノベーション主導型のアントレプレナー支援を目的として設計された非営利で官民による「技術ベースの経済開発(Technology-Based Economic Development)」イニシアチブへの持続的な投資によって、州や地域が得た大規模な経済的及び社会的恩恵の事例が示されている。報告書は、ジャンプスタートや、13のアントレプレナー支援プロバイダ・ネットワークの支援を受けた技術系スタートアップが、オハイオ州で、2023年だけで6億8,200万ドルの経済活動をオハイオ州で直接生み出したことを示している。この数値は前年の報告より35%多い。報告書はまた、それらの技術系スタートアップにより、2023年に4,698件の直接雇用を創出・維持し、3,175世帯を支えていることを報告している。 SSTi “JumpStart reports $1.6 billion in economic impact on Ohio in 2023” (6/27/24)

CHIPS研究開発局、教育及び労働力開発計画作成のためのガイドブックを発表

商務省(Department of Commerce)傘下のCHIPS研究開発局(CHIPS Research & Development Office: CHIPS R&D)は、CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)の下、米国が頑強な半導体労働力を開発、維持することを確実にするため、110億ドルを投資するよう課されている。これに伴い、CHIPS R&Dの資金提供通知(Notice of Funding Opportunities: NOFOs)は、申請者に「教育及び労働力計画(Education and Workforce Plan: EWD)」を提出するよう義務付けることが予想されている。こうした中、CHIPS R&Dは、EWDを策定するためのガイドブックを発表した。ガイドブックは、①現行の労働力や、利用可能な人材プール、予想される労働力ニーズなどを考慮した労働力ニーズ評価、②プログラムの影響を測定するための指標及びマイルストーン目標、など5つの要素を勧告している。 SSTi “CHIPS R&D issues guidebook for creating education and workforce development plans” (6/27/24)

新たな関税が米国のソーラーの進展を削減する可能性

米国再生可能エネルギー評議会(American Council on Renewable Energy: ACORE)の委託を受けて、クリーン・エネルギー・アソシエイツ社(Clean Energy Associates)が作成した分析報告「2024年のアンチダンピング及び相殺関税が米国のソーラー業界に及ぼす潜在的影響(Potential Impacts of 2024 Antidumping and Countervailing Duties on the U.S. Solar Industry)」によれば、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナムから輸入されるソーラー電池及びモジュールに関するアンチダンピング及び相殺関税(antidumping and countervailing duty: AD/CVD)捜査の結果として生じる潜在的な新関税により、費用は上昇し、ソーラーの供給と設置は大幅に制限される上、雇用を創出し、クリーンで手頃な費用のエネルギーを提供し、気候目標を達成するという米国の能力が阻害される可能性がある。報告書は、米国のソーラー部門が現在、急速に台頭しつつある国内ソーラー製造サプライチェーンと共にどれほど健全な状況であるかを概説している。しかし、東南アジア発のソーラー電池及びパネルに関する新規で予測不可能なAD/CVD関税が実施された場合、米国製モジュールの費用は1ワット当たり10セント引き上げられ、輸入モジュールの費用は同15セント引き上げられる可能性がある。これらの費用上昇は、国内要素や、業界の成長に影響を及ぼしつつある現行の貿易制限と共に、ソーラーの導入における米国の進展の深刻な妨げになる可能性があると、報告書は指摘する。 American Council on Renewable Energy “New Analysis: How New Tariffs Could Undermine America’s Solar Progress” (7/9/24)

ニューヨーク州、2030年までに6GWのエネルギー貯蔵を配備

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul)は6月20日、州の公共サービス局(Public Service Commission: PSC)が承認した枠組み「貯蔵目標の更新と配備政策を確立する指示書(Order Establishing Updated Storage Goal and Deployment Policy)」の下、ニューヨーク州は2030年までに6ギガワット(GW)のエネルギー貯蔵を配備することを目指すと声明した。同声明によれば、6GWの貯蔵目標は、同州のピーク電力負荷の少なくとも20%に相当し、同州が2030年までに電力の70%を再生可能資源から生産することを目指す中、予想される将来の州全体の電力システムの費用を約20億ドル削減できる可能性があることを示す。ホークル知事は、2022年1月に、従来の州のエネルギー貯蔵目標を2倍にし、2030年までに3GWとする目標を発表し、同年12月にロードマップ草案が発表されていた。ニューヨーク州のPSCは、6月20日の指示書で、州が2030年までに6GWを達成するための経路にコミットを表明した。 Utility Dive “New York PSC adopts energy storage road map detailing path to 6 GW by 2030” (6/25/24)

NYSERDA、陸上ベースの大型再生可能エネルギーを募集

ニューヨーク州エネルギー研究開発オーソリティ(New York State Energy Research and Development Authority: NYSERDA)は6月20日、陸上ベースの大型クリーン・エネルギー・プロジェクトの新たな募集を発表した。同州は、2030年までに再生可能エネルギーの割合が70%に到達することを目指す。NYSERDAは、ソーラー、陸上ベースの風力、水力発電プロジェクトの入札を受け付ける他、地熱プロジェクトや一部の水素燃料電池も検討する。最終的な選出数やプロジェクトの規模は、入札とこれまでの州の公募の下で受益したプロジェクトの状況によって最終的に決定されるという。 Utility Dive “NYSERDA opens latest solicitation for large-scale, land-based renewable energy” (6/24/24)

NSF、多様かつ包含的なAI研究コミュニティの創出を支援

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、人工知能(AI)研究コミュニティ内に多様性と包含性を育成することを目的とした「拡大AI(ExpandAI)」の新たなアワード受益機関を発表した。NSFは、国土安全保障省(Department of Homeland Security)や農務省(Department of Agriculture)、国防総省(Department of Defense)、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)と協力し、少数派向け学術機関や歴史的に黒人の多い大学でAIの研究及び強化の強化を狙いとした7件の革新的プロジェクトにグラントを提供し、社会的に少数派の層に力添えし、包含性を推進し、AI分野の進展につなげる。受益プロジェクトには、テキサスA&M国際大学(Texas A&M International University: TAMIU)の「物理学ベースの工学AI研究所(Physics-Based AI Institute for Engineering)」、ボウイ州立大学(Bowie State University)の「大学構内での利用に基づくAI研究と学習指導の拡大(Expanding Use-Inspired AI Research and Instruction Across Campus)」などがある。 National Science Foundation “Creating a diverse and inclusive AI research community is the goal of new NSF awards” (6/25/24)

NSF、研究能力と競争力の変革を目的としたネットワークに3,500万ドルを提供

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、「競争的研究を促進するための確立されたプログラム STEMエクセレンス研究インフラ改良のための研究インキュベータ(Established Program to Stimulate Competitive Research (EPSCoR) Research Incubators for STEM Excellence Research Infrastructure Improvement: E-RISE RII)」を通じて、研究競争力を押し上げ、学術機関と非学術機関の間のパートナーシップを構築し、労働力開発機会を創出するため、3,500万ドルを提供する。E-RISE RIIは、EPSCoRのプログラム目標を進展させることを狙いとした新たなプログラムで、管轄内の重要な研究優先事項で協力する多様で持続可能な研究チームのネットワークを開発及び実践することに取り組む。メイン大学(University of Maine)が主導する「メイン州の森林経済と持続可能性と技術のエコシステムを強化するイノベーションの加速(Enhancing Maine Forest Economy, Sustainability, and Technology (Maine-FOREST) Ecosystem To Accelerate Innovation)」プロジェクトなど、5件のプロジェクトが受益する。 National Science Foundation “NSF awards $35M for networks to transform research capacity and competitiveness” (6/27/24)

エネルギー省、スマートグリッドのセキュリティと対応力強化に240万ドル

エネルギー省(Department of Energy)の電力局(Office of Electricity: OE)は6月27日、先端の送配電の通信及び制御技術の研究開発実証に焦点を当てたプロジェクト(240万ドル)をサザン・カンパニー・サービス社(Southern Company Services)が先導すると発表した。プロジェクトは、送配電システムのセキュリティを強化し、特に重要な情報のフローにおける混乱の予防、検知、対応に力を入れる。グリッド通信の需要と情報セキュリティのリスクが高まる中、グリッドの通信システム及び統合セキュリティを高度化することは重要となっている。こうした高度化においては、デジタル・ツインが主要な役割を担い、ユーティリティ機関は弱点を理解し、問題を早急に検知し、それらに効果的に対処できるようになる。プロジェクトの名称は、「セキュアで対応力のあるスマート・グリッド・サイバー・フィジカル・システム開発のための認知デジタル・ツイン(Cognitive Digital Twin for the Development of Secure and Resilient Smart Grid Cyber-Physical Systems)」で、同プロジェクトには、バージニア工科大学(Virginia Polytechnic Institute and State University)のパワー・アンド・エネルギー・センター(Virginia Tech Power and Energy Center)、GEリサーチ社(GE Research)などが参加する。 Department of Energy “Smart Grid Security and Resilience Project to Receive $2.4M from DOE” (6/27/24)

商務省、インテグリス社との予備的規約覚書を発表

6月26日、商務省(Department of Commerce: DOC)は、先端チップメーカー向けに先端マテリアル及びプロセス・ソリューションを提供する主要サプライヤーのインテグリス社(Entegris)との間で、拘束力のない予備的規約覚書(preliminary memorandum of terms: PMT)を交わしたと発表した。CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)の下、最高7,500万ドルの連邦インセンティブを提供することが提案されている。提案されている投資により、重要な半導体サプライチェーン及び先端チップ生産のための製造マテリアルが国内回帰し、数年間で約600名の直接製造雇用と、2030年までに約500名の建設雇用が創出される見通しである。インテグリス社は、半導体及びその他のハイテク産業向けに先端マテリアル及びプロセス・ソリューションを提供する大手サプライヤーで、特に同社が発明した「フロント・オープニング・ユニファイド・ポッド(Front Opening Unified Pods)」(半導体ウェハーの保管や輸送を確実に保護する特殊容器)で知られる。同社はコロラド州コロラド・スプリングスに最先端の製造センターを建設する予定。 Department of Commerce “Biden-Harris Administration Announces Preliminary Terms with Entegris to Onshore Supply Chain Materials for Leading-Edge Chip Production” (6/26/24)

電池利用の一般的な目的は、アービトラージとグリッド安定化

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)が最近発表した情報によれば、「電池を使って、電力価格が低い時間帯に貯めた電力を同価格が高い時間帯へ移動させている」と報告する電力ユーティリティ機関が増加している。これは、「アービトラージ(arbitrage)(裁定取引)」と呼ばれる戦略である。2023年末時点で、米国内のユーティリティ機関は、「575の電池(集合的に1万5,184メガワット(MW))を運用した」と報告している。EIAは、ユーティリティ機関からの報告を基に、米国の電池能力は3倍以上に増加し、2028年末までに3万5,953MWが追加されると予測している。ユーティリティ機関は、アービトラージの他、「アンシラリー・サービス(ancillary service)(副次的サービス)」と呼ばれるサービスを用いてグリッドの安定性を向上させるためにも電池を利用している。 Energy Information Administration “Utilities report batteries are most commonly used for arbitrage and grid stability” (6/25/24)