コンピュータ施設が急増する州で商用電力需要増

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)の発表によれば、米国の商業部門の電力消費は、新型コロナのパンデミックから回復し、2023年の商業顧客への年間電力売上は合計140億キロワット時(14kWh)に達し、2019年に比べて1%増加した。ただし、商業部門の電力需要増は、データセンターなどの大型コンピューティング施設の開発が急速に進んでいる一部の州に集中している。2019-2023年に電力需要が最も増加した10州における商業電力需要は合計で420億kWh増加し、それらの州における同期間の電力需要は10%増加した。一方、その他の40州での電力需要は同期間に280億kWh減少し、3%減を記録した。電力需要が最も増大したバージニア州(140億kWh増)は、データセンターの主要ハブとなっており、2019年以来、94の新規施設が州内の主要電力企業であるドミニオン・エネルギー・バージニア(Dominion Energy Virginia)と接続している。テキサス州でも電力需要は大幅に増加している。同州は電力と土地が比較的低費用であり、データセンターや暗号通貨のマイニング事業が集中する魅力となっている。地域の電力需要は増加するとの見通しから、EIAは、2025年を通じての商業電力需要の見通しを上方修正した。 Energy Information Administration “Commercial electricity demand grew fastest in states with rapid computing facility growth” (6/28/24)

エネルギー省、24の州・地方自治体でのクリーンエネルギー・プロジェクト支援に1,800万ドル以上

エネルギー省(Department of Energy)は6月28日、「エネルギー効率及び節約ブロック・グラント(Energy Efficiency and Conservation Block Grant: EECBG)」プログラムを通じた公式グラントの新たなラウンドとして、4州及び20の地方自治体に1,850万ドルを提供すると発表した。バイデン大統領の超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)からの資金拠出を受け、これらのプロジェクトは、エネルギー効率の向上や気候汚染の低減、全体的なエネルギー消費の低減などに取り組む州・地方自治体の進展を支援する。今回は、EECBGプログラムの適格事業体へ提供される公式アワードとして7回目となる。2023年に最初のアワードが発表されて以来、これまでに175のコミュニティに約1億5,000万ドルが提供されている。今回受益するのは、カリフォルニア州、ニューハンプシャー州、ジョージア州コブ郡、ウィスコンシン州デーン郡など。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces More than $18 Million to Support Clean Energy Projects in 24 States and Local Governments” (6/28/24)

NIST、ゲイツ財団と提携し、マラリアと結核の呼気検査器を開発

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)と共同研究開発契約(cooperative research and development agreement: CRADA)を交わし、マラリアと結核を診断できる次世代の呼気検査器の標準及び試験プロトコルの策定を開始する。CRADAの下、NISTの研究者は、呼気検査器が正確かつ信頼できるものであることを確実にするためのツールと技法の開発に取り組むことになる。呼気検査器が発展途上国で市場化、利用される場合、それが正確かつ信頼できるものであることは重要である。ゲイツ財団とのCRADA(2年間で200万ドル)の下、NISTの液体特性化グループと気体検出計測学グループが、①呼気検査器の精度をベンチマーク化し、測定の正確性を確実にするために設計された試験装置、②呼気検査器の正確性を試験するための混合気体、という2つの目標に焦点を当てて取り組む。 National Institute of Standards and Technology “NIST Partners With the Gates Foundation to Develop Breathalyzers for Malaria and Tuberculosis ” (6/26/24)

国土安全保障省、「AI部隊」リクルート運動で最初の10名の専門家を雇用

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)のアレハンドロ・マヨルカス長官(Alejandro Mayorkas)と最高人工知能責任官(Chief Artificial Intelligence Officer: CAIO)のエリック・ハイセン氏(Eric Hysen)は6月25日、50名の人工知能(AI)技術専門家をリクルートすることを目的としてDHSが行っている「AI部隊」活動で、最初の10名のAI専門家を雇用したと発表した。新たに雇用された人材は、戦略的ミッション分野でAIを責任ある形で活用するという重要な役割を担う。こうしたミッションには、フェンタニル密売対策、オンラインでの子供の性的搾取及び虐待対策、移民サービスの提供、重要インフラの強化、サイバーセキュリティの強化が含まれる。AI部隊の人材は、様々な専門職分野を持つ民間部門や学術部門の出身者が含まれる。DHSはまた、DHSのAI部隊の初代部長として、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)の元高官であるマイケル・ボイス氏(Michael Boyce)を任命したと発表した。 Department of Homeland Security “DHS Hires First 10 Experts in “AI Corps” Recruiting Sprint” (6/25/24)

手頃な価格のEV不足、米国での広範な普及の壁に

バンク・オブ・アメリカ(Bank of America: BofA)が6月24日に発表したグローバル・リサーチ報告(Global Research report)によれば、電気自動車(EV)の価格高が米国消費者の間の普及を鈍化させており、予想される導入曲線は1年以上遅れる見通しである。BofAの分析は、「米国の消費者の大半は、EVの価格が内燃エンジン自動車と競争的になった場合にEVを購入する」という仮定に基づいている。しかし、製造事業者が、EVを価格の面で内燃エンジン自動車と競争的にするのは2028年以降となると考えている。BofAの研究メモによれば、EVの普及率は、今年これまでのところ、平均6.8%となっており、2023年の7.5%から下落している。BofAのアナリストは現在、EVが自動車販売に占める割合は、2024年は約8%、2027年は14%、2030年は29%と予測している。ブルムバーグ社(Bloomberg)のアナリストも同様の見通しを示した「2024年電気自動車概況(Electric Vehicle Outlook 2024)」を6月12日に報告している。 Utility Dive “Lack of affordable electric vehicles will limit widespread US adoption until at least 2028: BofA” (6/26/24)

国防総省、商業AIソリューションを導入し、演算能力向上に成功

国防総省(Department of Defense)は現在、深層ニューラル・ネットワークや物理学モデルなどの演算集約型業務を実施するために様々なオンプレミス(各施設内)のコンピュータに依存している。この手法は、効果的であるものの、物理的なコンピュータへの依存は、ハードウェアなどへの大幅な投資を必要とする。国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は2022年初頭、国防総省のスパコン資産を管理するスパコン現代化プログラム(High Performance Computing Modernization Program: HPCMP)と提携し、ニーズの変化に伴って資源を拡張する潜在的なソリューションを積極的に探すこと、最新のコンピューティングの進展へのアクセスを提供することの双方に取り組んだ。そして、HPCMPのオンプレミスのコンピュータをクラウドベースのスパコン資源とリンクさせることができるベンダーを特定した。そして同年、HPCMPの下、リスケール社(Rescale)とパラレル・ワークス社(Parallel Works)に、2つのプロトタイプ契約を発注した。両社は、クラウド上でスパコンを導入することに成功し、クラウドベースのスパコン資産をHPCMPの既存のスパコン資源センター(Supercomputing Resource Centers)と統合することで、国防総省内で利用可能なスパコン資源の規模と範囲を拡大させることを目指した。18か月のプロトタイプ期間を経て、両社は、それぞれのソリューションがHPCMPのスパコン資源センターの演算パワーを高めたことを実証した。両社は今年後半に、HPCMPとの生産契約へと進む計画である。 Defense Innovation Unit “Department of Defense Successfully Deploys Commercial AI Solutions To Improve Computing Power” (6/27/24)

NREL、ソーラーエネルギー導入政策の利用を支援

住宅用太陽光発電(PV)システムの導入は全国的に進んでいるものの、低所得世帯においてはその進みは遅い。国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は、州政府や地方自治体がPVへのアクセスにおけるこうした溝に対処することを支援するため、新たな技術報告を発表した。具体的に、州や準州、部族政府を通じて低所得世帯にエネルギー効率サービスを提供する、エネルギー省(Department of Energy)の「耐候化援助プログラム(Weatherization Assistance Program: WAP)」と厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)の「低所得世帯エネルギー援助プログラム(Low Income Home Energy Assistance Program: LIHEAP)」の活用を高めることを目的としている。NRELは今般、「連邦エネルギー援助プログラムにおけるソーラーの経路:LIHEAPとWAPの拡大(Solar Pathways in Federal Energy Assistance Programs: Expanding the Low Income Home Energy Assistance Program (LIHEAP) and the Weatherization Assistance Program (WAP))」と題する技術報告書を発表し、州政府及び地方自治体の実践者にこれらのプログラム活用における選択肢を概説した。 National Renewable Energy Laboratory “Bridging the Solar Energy Gap Through Federal Assistance …
Read more

エネルギー省、炭素排出を価値ある製品へ変革する技術の進展に1,600万ドル

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は6月27日、排出された二酸化炭素を、環境的に責任があり、かつ経済的な形で、価値のある製品へ大規模に転換する技術に最高1,600万ドルの連邦資金を提供する資金提供公募(FOA)を発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金拠出される。受益プロジェクトは、重要な燃料やマテリアル、その他の炭素ベースの製品を生産する上で必要な持続可能な原料及び転換技術の開発に取り組む。この取り組みは、バイデン政権の気候目標及びエネルギー省の「クリーン燃料及び製品エネルギー地球ショット(Clean Fuels and Products Energy Earthshot)」の目標を支援する。FOAは、①二酸化炭素排出を付加価値製品に転換するための電気化学システムの工学規模の試験、②炭素転換を目的とした製油所や石油施設の改良を調査するフィージビリティ研究、という2つの焦点分野を提示している。 Department of Energy “DOE Announces $16 Million to Advance Technologies that Transform Carbon Emissions into Valuable Products” (6/27/24)

エネルギー省、クリーンな国内製造の強化に700万ドル

エネルギー省(Department of Energy)は6月27日、「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、「産業評価センター実践グラント・プログラム(Industrial Assessment Centers (IAC) Implementation Grants program)」の下、37の中小製造事業者(small- and medium-sized manufacturers: SMMs)に合計730万ドルを提供した。それぞれの施設でエネルギーを節約し、気候汚染を削減し、国内製造部門を強化するための改良を実施する。エネルギー省はまた、IACプログラムは更なる応募受付を行っていると発表し、SMMsが来年を通じて引き続きグラントに応募できることを明確にした。今回の37件の実施グラントは、730万ドルのグラント資金と、約2,000万ドルの業界によるマッチング投資を受け、現場でのソーラー発電や電池貯蔵技術、排熱回収システムの導入、産業設備や車両の電化など様々なプロジェクトを支援する。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces More Than $7 Million to Bolster Clean Domestic Manufacturing and Support Small-and Medium-Sized Businesses” (6/27/24)

ARPA-H、中小企業向け資金提供機会を発表

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は6月27日、中小企業技術革新制度(SBIR)及び中小企業技術移転制度(STTR)を通じた資金提供機会(FOA)を発表した。ARPA-HのSBIR/STTRは、様々な患者層、コミュニティ、疾病、健康状況において、より良い健康の増進を迅速に達成することを目指す中小企業からのプロポーザルを模索している。具体的なトピックとして、①外来患者の浮腫モニター、②先端かつ継続的なウェアラブル血圧モニター技術など、8件が提示されている。 Advanced Research Projects Agency for Health “ARPA-H announces small business funding opportunity” (6/27/24)