米国クリーン電力協会、エネルギー貯蔵技術システム安全措置を推進

米国クリーン電力協会(American Clean Power Association: ACP)は6月27日、エネルギー貯蔵技術システムに関する現行の安全措置を推進する重要な政策取り組みを発表した。ACPが発表した「モデル条例:ユーティリティ規模の電池エネルギー貯蔵システム(Model Ordinance: Utility-Scale Battery Energy Storage Systems)」は、ユーティリティ規模の電池エネルギー貯蔵システムの開発及び運用に関連した拠点開発及び許認可規則に取り組む州及び地方自治体にとり、包括的なガイダンスとなるものである。このモデル条例は、最新の安全基準採用に対するACPの支持を基盤とし、米国防火協会(National Fire Protection Association)が開発したエネルギー貯蔵のための安全基準の要件ならびにガイダンスを取り入れている。 American Clean Power Association “Energy Storage Industry Takes Significant Steps to Lead on Safety and Support Communities” (6/27/24)

中西部のグリッド運用事業者が風力発電を削減

中西部で風力発電能力が増大する中、電力グリッドの運用事業者は増大的に風力発電を制限している。その理由は、過剰供給とグリッドの混雑である。同地域でサウスウェスト・パワー・プール(Southwest Power Pool: SPP)と大陸中部独立系統運用機関(Midcontinent Independent System Operator: MISO)の監督下にあるグリッド事業者は昨年、中西部における風力発電の容量を1時間平均800メガワット(MW)削減した(2019年の削減量は200MW以下)。削減は、グリッド運用事業者が需給バランスを図る上で必要な場合があり、過剰供給もしくはグリッドの混雑(需要に対応するための優先的経路での送電能力が不十分)が生じた際に実施される。中西部で風力発電の削減が他の発電源よりも先に行われる理由として、①風力(及びソーラー)発電所の閉鎖と再開は他の発電所に比べて安価かつ迅速に行える、②特定の場所において、強風の際に、風力発電で生産された大規模な電力を受ける送配電能力がしばしば不十分である、の2点が挙げられる。 Energy Information Administration “Why are Midwest grid operators turning away wind power?” (6/26/24)

エネルギー省、変革的なエネルギー技術の商業化支援に6,300万ドル以上

エネルギー省(Department of Energy)は6月25日、「未開拓の可能性を持つ主要エネルギー技術の重要な進歩へのシード資金(Seeding Critical Advances for Leading Energy technologies with Untapped Potential:SCALEUP)」プログラムを通じて、4件の変革的技術に6,350万ドルを提供すると発表した。4件の受益プロジェクトは、①エアロシールド・マテリアルズ社(AeroShield Materials)(エネルギー効率の高い断熱ガラス・ユニット向けのエアロゲルに焦点を当てた技術)(1,450万ドル)、②アントラ・エネルギー社(Antora Energy)(再生可能資源による電力から熱電併給する熱電池システム技術)(1,450万ドル)など4件。SCALEUPプログラムは、過去にエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)の資金を受益し、自社技術のリスク削減に成功し、商業化へ向けた実行可能な経路を確立した企業に新たな資金を提供するプログラムで、今回のアワードはSCALEUPの下、3回目のコホートとなる。 Department of Energy “’U.S. Department of Energy Announces Over $63 Million to Support Commercialization of Transformative Energy Technologies” (6/25/24)

バイデン政権、米国のバイオテクノロジー・バイオ製造を進展

バイデン大統領は、脱炭素化の課題に対応するため、石油ベースの化学・医薬・燃料・マテリアルの代替を提供する国内のバイオ製造及びバイオテクノロジーの進展に注力している。今般、大統領府と国家バイオ経済委員会(National Bioeconomy Board)、エネルギー省(Department of Energy)、国防総省(Department of Defense)、農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)は6月25日、バイオテクノロジー及びバイオ製造の大手企業や非営利組織、その他の関係機関を招集し、現在までの取り組みの進展を発表した上で、米国のバイオ経済の長期的な成功を支援するための今後の重要な節目について協議した。バイデン政権が米国内のバイオ製造の能力を加速させることを目的として6月に発表した一連の行動やこれまでの進展には次のようなものがある。①エネルギー省の融資プログラム局(Loan Programs Office)が、ミネソタ州マーシャルにあるソルゲン社(Solugen Inc)のバイオフォージ・マーシャル(Bioforge Marshall)施設(化学プラント)に2億1,360万ドルの条件付き融資保証を発表、②USDAが、バイオ経済向けに、北米産業分類システム(North American Industry Classification System: NAICS)と北米生産物分類システム(North American Product Classification System: NAPCS)のコードの改正を提案(現在、両システムにはバイオ経済のための分類が欠落)、③USDAが、改変された微生物に関する規制的負担の軽減について一般からの情報の提供を要請、④国家安全保障会議(National Security Council)が、米・欧州連合(EU)・インド・日本・韓国の間で設立された「バイオ医薬同盟(Biopharma Coalition (Bio-5))」を発表。 White House “Fact Sheet: Biden-⁠Harris Administration’s Actions to Advance American Biotechnology and Biomanufacturing” (6/25/24)

連邦上院、ADVANCE法案を可決、米国の核融合規制を成文化する法案も含む

連邦上院は6月18日、88対2の超党派で、「消防グラント及び安全法案(Fire Grants and Safety Act)」(S.870)を可決した。同法案には、核融合エネルギー規制を核分裂から恒久的に分離することを成文化した「核融合エネルギー法案(Fusion Energy Act)」が含まれる。核融合エネルギー法案は、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)が、核融合エネルギー・システムの規制は、副産物マテリアル・プロセスの下で、超党派の全員一致の判断によって行うことを規定し、商業核融合の実践の合理化を図る。下院では、同様法案の「2023年核融合エネルギー法案(Fusion Energy Act of 2023)」が、原子力エネルギー進展法案(Atomic Energy Advancement Act)の一部として、今年初めに可決されている。下院の法案では、1954年原子力エネルギー法の改正案として、「核融合機(fusion machines)」という新たな定義が、粒子加速器として追加された。こうした措置により、合理化された核融合エネルギーの導入の更なる進展が可能になる。これは、商用核融合の開発における米国の世界的リーダーとしての位置付けを確実にする上で重要である。核融合エネルギー協会(Fusion Industry Association: FIA)は、核融合エネルギー規制を核分裂から恒久的かつ完全に分離することを目的とした世界的な立法努力を強く支持している。 Fusion Industry Association “US Senate Passes ADVANCE Act, Including Legislation to Codify US Fusion Regulations” (6/18/24)

エネルギー省、核融合エネルギー官民コンソーシアムの枠組みに関する情報の要請

エネルギー省(Department of Energy)の科学技術局(Office of Science)は6月7日、提案されている核融合エネルギーの官民コンソーシアム枠組み(public-private consortium framework: PPCF)について、関係者からの情報の提供を求める「情報の要請(request for information: RFI)」を通達した。提案されているPPCFは、州/地方自治体、民間、慈善的資金、パートナーシップを活用することで連邦資金を拡張し、核融合エネルギーの研究開発実証導入を加速させることを狙いとしている。PPCFは、段階的な手法を通じて、小規模から中規模の試験スタンドを提供・運用し、これらのツールを用いて研究開発を実施し、科学技術の大きな溝を解決する一助とする。科学局は、提案されている核融合エネルギーのPPCFのビジョンやミッション、短期中期的フィージビリティ(資金や構造も含め)について意見を募集しており。RFIには、「PPCFはどのようにして、共通の核融合マテリアル及び技術のリスク排除能力に対する官民双方の投資を促すインセンティブを提供できるか?」などの質問が提示されている。  Federal Register “Fusion Energy Public-Private Consortium Framework” (6/7/24)

世界の半導体製造能力、2024年に6%、2025年に7%拡大の予測

国際半導体業界団体のSEMIが、最新の四半期報告「世界の製造予測レポート(World Fab Forecast report)」を発表した。それによれば、半導体需要の絶え間ない増加に対応するため、世界の半導体製造業界の製造能力は、2024年に6%、2025年に7%増加する見込みで、月間のウェハー生産能力(wpm)は過去最高の3,370万枚(8インチウェハーで換算)に到達すると予測される。最先端の5nm以下のプロセス・ノードの生産能力は、生成AIの需要増が中心となって、2024年に13%増加すると予測されている。中国の半導体製造事業者は2桁成長を維持する見込みで、wpmは、2024年に15%増の885万枚、2025年は14%増の1億100万枚に達するだろう。これは業界全体のほぼ3分の1に相当する。 HPC Wire “SEMI Report: Global Semiconductor Fab Capacity Projected to Expand 6% in 2024 and 7% in 2025” (6/19/24)

カリフォルニア州、電気化でガス管置換に関する数十億ドルを節約できる可能性

天然資源防衛協議会(Natural Resources Defense Council: NRDC)から委託を受けたコンサルタント会社のエネルギー・環境エコノミクス社(Energy and Environmental Economics)が作成した分析報告書によれば、ユーティリティ機関は、カリフォルニア州内で技術的に可能なビル群を電気化することで、それらのビル向けの老朽化したガス管の置換にかかる向こう20年間で約200億ドルの費用を節約できる。そしてその節約は、現行のガス利用者のわずか約3%に影響するだけで実現できるという。規制当局は、ユーティリティ機関が、全ての利用者の賛同を得ることを義務付けないことで、こうした節約を実現する一助とすることができる。多くの場合において、電気化はガス管の置換よりもコスト効果が高いが、技術的な実現可能性が多くのプロジェクトにとって依然として主要な制約となっていると、NRDCで公平なガスの移行を推進する提唱者は指摘する。 Utility Dive “Electrifying neighborhoods could save California billions on gas line replacements” (6/20/24)

データセンターやAIによる電力負荷の増大がグリッド信頼性を脅かす可能性

コンフェレンス・ボード(Conference Board)が5月30日に発表した報告書によれば、データセンターによる電力需要は、今後10年間で2倍以上増加する可能性があり、米国のグリッドの信頼性を脅かし、その他の事業活動のリスクを増大させる可能性がある。グリッドや変圧器の能力が限定的であること、そして新規の発電・送電プロジェクトの許認可や相互接続には時間がかかることから、予想されるデータセンターによる負荷増大は、正味ゼロの電力システムへの移行ペースを遅くさせる可能性があると、報告書は指摘している。その一方で、「より前向きに考えると、AIツールの広範な導入により、電力の使用/生産/貯蔵/移送方法で効率性の大幅な改善が実現する可能性はある」と、報告書の執筆者の一人は述べている。 Utility Dive “Data center, AI load growth could threaten grid reliability: Conference Board” (6/20/24)

カリフォルニア州エネルギー委員会、長期エネルギー貯蔵プロジェクトに2,670万ドル拠出

カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission: CEC)は先週、社会的に不利な立場にあるコミュニティや低所得コミュニティ、部族コミュニティ向けに、レッドフロー社(Redflow)、レドックスブロックス社(RedoxBlox)、ヌーン・エネルギー社(Noon Energy)が構築する長期エネルギー貯蔵プロジェクトの資金として2,670万ドルを提供することを承認した。今回の資金提供は、長期エネルギー貯蔵技術の商業化を迅速化しつつ、社会的に不利なコミュニティ、低所得コミュニティ、カリフォルニア州部族向けのグリッドの信頼性と対応力の強化につながる可能性がある実証・導入プロジェクトの募集から発生した。募集では、電気化学または熱電池貯蔵を使用し、最低限の能力として100キロワット/24時間という要件が規定された。 Utility Dive “California agency awards $26.7M for long-duration energy storage projects” (6/18/24)