カリフォルニア州の住宅では太陽光発電と電池貯蔵の組み合わせが増加

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)の「月間電力業界レポート(Monthly Electric Power Industry Report)」の予備的データによれば、カリフォルニア州では、太陽光発電システムと電池を組み合わせて設置する住宅が増えている。こうした組み合わせの住宅用太陽光発電システムの割合は、統計を取り始めた2023年10月から増加しており、2024年4月には50%を超えた。2023年10月は20%強であった。カリフォルニア州のネット・メータリングの対象となる太陽光発電設備導入で電池貯蔵導入が進んだのは、同州の報酬構造が変更された後である。ネット・メータリングは、グリッドに返還された電力について顧客に電力代のクレジットという形で報酬を提供する。カリフォルニア州は2023年4月に、ネット・メータリングを介した報酬制度の仕組みを改正し、新たな報酬構造(「正味請求税(net billing tariff: NBT)」として知られる)は、変動的な利率による報酬となった。変動的な報酬利率は、太陽光発電設備と電池貯蔵を組み合わせるインセンティブとなった。なぜなら、電池貯蔵によって電力需要が高い時間帯(一般的に夕方)に余剰電力をグリッドへ送電することが可能になるからである。 Energy Information Administration “California residents are increasingly pairing battery storage with solar installations” (7/18/24)

エネルギー省、長期エネルギー貯蔵向けのバウチャーへの応募受付を開始

エネルギー省(Department of Energy)の電力局(Office of Electricity: OE)は7月16日、OEの技術援助として2件のバウチャー機会(合計100万ドル)への応募受付を開始したと発表した。1つは、バウチャー機会7(Voucher Opportunity 7: VO-7)で、長期エネルギー貯蔵(Long-Duration Energy Storage: LDES)の技術開発者を対象とした援助の提供。もう一つはバウチャー機会8(VO-8)で、初めてエネルギー貯蔵を導入することに関心があるコミュニティもしくはその他の事業体を援助する。いずれのバウチャー機会も、50万ドル相当で、3~7件のバウチャー(各5万~15万ドル)で構成されている。今回のバウチャー応募受付は、4月25日から6月6日まで行われた募集に続くもの。 Department of Energy “Energy Department Opens Applications for $1M in Long-Duration Energy Storage Vouchers” (7/16/24)

大統領府、クリーン製造の強化を目的として会合を開催

大統領府は先般、米国の製造業を世界で最もクリーンで競争的な製造業とするというバイデン大統領の目標を進展させることを目的として、国内のセメントや鉄鋼、アルミニウム業界を含む産業部門や労働組合の代表、気候問題専門家を招集した。そして7月19日には、米セメント及びコンクリート製造事業者最大手のリーダー、連邦、地方自治体、スタートアップ企業、開発事業者、エンジニア、デザイナー、契約事業者、その他の業界関係者と会合し、この種としては初となる「コンクリート・イノベーション・サミット(Concrete Innovation Summit)」を開催、排出の削減や新たなクリーン技術の商業化へ向けた進展を強調し、高性能で低排出の製品を求める顧客からの需要増加の勢い付けに取り組んだ。また、バイデン政権は、米国のコンクリート製造向けのイノベーションを加速させ、同部門の排出を削減する新たな措置を発表した。これには、革新的マテリアルの市場化に要する時間を大幅に短縮させることに取り組む省庁間作業部会の設立も含まれる。更には、民間部門が産業イノベーションの加速に取り組む新たなイニシアチブも発表した。 White House “Readout of White House Convenings to Boost Clean Manufacturing” (7/19/24)

国防イノベーション委員会、調達技術・兵站(AT&L)局の復活を要請

国防総省(Department of Defense)の国防イノベーション委員会(Defense Innovation Board: DIB)は7月17日の報道発表で、国防総省の調達部門を大幅に再編することを提案、旧「調達技術・兵站担当次官(Undersecretary for Acquisition Technology and Logistics (AT&L))」オフィスを再創設する時期であると述べた。DIBは、調達及び維持(Acquisition & Sustainment: A&S)担当次官オフィスと、研究及び工学(Research and Engineering: R&E)担当次官オフィスが再び統合されることを望んでいる。ただしそのオフィスの名称はAT&Lではなく、「国際統合及び協力担当国防次官オフィス(Office of the Under Secretary of Defense for International Integration and Cooperation)」という名称を提案している。議会は2017年国防承認法(National Defense Authorization Act of 2017)で、AT&Lオフィスを、A&SとR&Eの2つのオフィスに分割した。その背景には、幹部レベルにおける「広範な合同オフィスは現代の技術ニーズを満たす上で理に適うか」という長年の疑問があった。しかしDIBは現在、オフィスの分割は技術開発の障害になっていると主張している。 Breaking Defense “Defense Innovation Board calls to resurrect AT&L office, but with new name” (7/18/24)

デブ・パーマー博士が米国CHIPS研究開発局に参画

商務省(Department of Energy)は先般、デブ・パーマー氏(Dev Palmer)が米国CHIPS(CHIPS for America)の研究開発局(R&D Office)に参画し、国家先端梱包製造プログラム(National Advanced Packaging Manufacturing Program: NAPMP)のディレクターに就任すると発表した。NAPMPディレクターとして、先端ノードの半導体が米国内で製造及び梱包され、活気と自立性と収益性のある米国梱包業界を確立するというプログラムのミッションの推進を支援する。パーマー氏は米国CHIPSに参加する前は、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)のマイクロシステム技術局(Microsystems Technology Office)で部長(次世代マイクロエレクトロニクス製造)(Managing Director, Next-Generation Microelectronics Manufacturing)を務めていた。先端梱包能力及びR&Dは、半導体技術の進展において、これまでにないほど需要と重要性が高まっている。 National Institute of Standards and Technology “Dr. Dev Palmer Joins the CHIPS for America Research and Development Office” (7/19/24)

技術業界、AIのセキュリティ標準設定へ向けて連携

技術企業大手のグループは7月18日、企業が開発している人工知能(AI)ツールのサイバーセキュリティ及び安全性の標準開発で協力することを目的とした新たな同盟の形成を発表した。グループに参加する企業は、各プロジェクトにおいて同一の厳重なセキュリティ標準を順守することで、悪質なハッカーを寄せ付けないようにすることを約束している。従来、企業の製品開発におけるサイバーセキュリティ手法は企業によって異なっており、一部の企業は他社に比べて脆弱なセキュリティ慣行を実践していた。今回、コロラド州で開催されていたアスペン・セキュリティ・フォーラム(Aspen Security Forum)で、グーグル社(Google)が新たな「セキュアなAI同盟(Coalition For Secure AI)」の形成を発表した。創立企業には、アマゾン(Amazon)、アンソロピック(Anthropic)、シスコ(Cisco)、IBM、インテル(Intel)などが含まれる。 Axios “Tech industry teams up to set AI security standards” (7/18/24)

量子コンピューティング市場は最大8,500億ドルの経済価値を創出

ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group: BCG)は3年前、量子コンピューティング市場に関する予測を発表したが、今般、その更新版として、「量子コンピューティングの長期的予測は依然として明るい(The Long-Term Forecast for Quantum Computing Still Looks Bright)」と題する論説を発表した。この中で、2040年までに量子コンピューティングは世界で4,500億~8,500億ドルの経済価値を創出し、ハードウェアとソフトウェアのプロバイダーにとって、900億~1,700億ドルの市場を維持するとの予測を再確認した。BCGは2021年に発表した報告で、市場は3段階で成熟すると予測していた。予測される量子コンピューティングの経済価値に対するBCGの自信に変わりないが、2030年までの短期的な価値の創出は過度に楽観的であったことが証明され、改訂された。 HPC Wire “BCG Forecasts Quantum Computing Market to Create Up to $850B in Economic Value” (7/18/24)

NSF、主要技術における体験型学習を実現するため、3,000万ドル以上を投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、「新興及び新規技術の体験型学習(Experiential Learning for Emerging and Novel Technologies: ExLENT)」プログラムへの新たな投資を発表した。これには、今回初めて設定されたトラックでのアワードも含まれ、合計で約40の受益機関(高等教育機関及び非営利組織)に3,000万ドル以上を提供する。各受益機関は最長3年間に最大100万ドルを受益する。NSFのExLENTプログラムは、STEM分野で様々に異なる経験を持つ人々に経路を提供するもの。今回、新たに設定された「探索トラック(Explorations track)」(STEM経験のない労働者に主要技術分野での知識を構築する体験型学習機会を提供し、STEMキャリアの可能性へ向けて異なる経路を更に模索するよう意欲付ける取り組み)の下、15機関が受益し、従来の「ピボット・トラック(Pivots track)」の下で7機関が、「ビギニング・トラック(Beginnings track)」の下で17機関が受益した。 National Science Foundation “NSF invests more than $30M to enable experiential learning in key technologies” (7/16/24)

商務省、グローバルウェハース社との予備的規約を発表、シリコンウェハー国内生産を大幅に拡大へ

商務省(Department of Commerce)は7月17日、グローバルウェハース・アメリカ社(GlobalWafers America, LLC)及びMEMC社(MEMC LLC)(いずれもグローバルウェハース社(GlobalWafers Co., Ltd.)の子会社)との間で、CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)の下、提案されている最高4億ドルの直接資金を提供することを目的として、拘束力のない予備的規約覚書(preliminary memorandum of terms: PMT)に署名したと発表した。重要な半導体ウェハーの国内生産と米国の技術リーダーシップの進展の助けとする。提案されているCHIPS投資は、新たなウェハー生産施設の建設と、1700名の建設雇用並びに880名の製造雇用創出を支える。現在、グローバルウェハース社を含むウェハー製造企業大手5社が世界の300mmシリコンウェハー製造市場の80%以上を占めており、シリコンウェハーの約90%は東アジアで調達されている。CHIPS投資(提案)の結果、グローバルウェハース社は、テキサス州シャーマンとミズーリ州セイント・ピータースにあるシリコンウェハー生産施設を建設及び拡大する計画である。 Department of Commerce “Biden-Harris Administration Announces Preliminary Terms with GlobalWafers to Significantly Increase Production of Silicon Wafers in U.S.” (7/17/24)

エネルギー省、電力グリッドを変革するプライズを実施

エネルギー省(Department of Energy)の電力局(Office of Electricity: OE)とサイバーセキュリティ/エネルギーセキュリティ/緊急応答局(Office of Cybersecurity, Energy Security, and Emergency Response: CESER)は7月17日、「米国製 ユーティリティのデジタル化プライズ(American-Made Digitizing Utilities Prize)」(215万ドル)のラウンド2フェーズ1の新たな受賞者として11チームを発表した。電力部門は、グリッド上で生成される膨大な量のデータや、電力化と再生可能資源の統合による新たなシステムの需要に対応するため、新規のツールとデータ分析を必要としている。本プライズは2つのフェーズで構成され、ユーティリティ機関を、ソフトウェア・デベロッパーとデータ専門家の学際的チームと結びつけ、エネルギー部門のデジタルシステムの変革に取り組む。今回のラウンド2フェーズ1の受賞者として、「ユーティリティのデジタル化/データ・チャレンジ・トラック(Utility Digitization/Data Challenge track)」(トラック1)で9チームが各7万5,000ドルの賞金を受益し、「ユーティリティ・サイバーセキュリティ・チャレンジ・トラック(Utility Cybersecurity Challenge track)」(トラック2)で2チームが選出され、各17万5,000ドルを受益した。 Department of Energy “Energy Department Awards Prizes to Transform the Electric Grid, Give U.S. Utilities New Analytic Tools” (7/17/24)