エネルギー省、2021-2025年度の技術移転実行計画を発表

エネルギー省(Department of Energy)の技術移転局(Office of Technology Transitions: OTT)は7月23日、「2021-2025年度 技術移転実行計画(Technology Transfer Execution Plan (TTEP) for fiscal years 2021 to 2025)」を発表した。革新的な技術をラボから商業市場へ進めるというエネルギー省のコミットメントを支援するための戦略的枠組みを概説したもので、優先的目標や主要な活動、パフォーマンス指標が含まれている。優先的目標は、①ラボでの発見を市場へ届ける商業化を加速させる、②民間部門の思考を市場分析及びツールへ注入し、意思決定の形成に役立てる、③エネルギー省のラボ及びその他の商業化における障害に対処する政策を進展させ、パートナーシップ・メカニズムを活性化する、④エコシステムとの効果的な関与やパートナーシップを策定、拡張する、の4点。報告書には、エネルギー省のプログラム局や研究所における大幅な進展及び実践が強調されている。 Department of Energy “Driving Commercialization: DOE Releases Technology Transfer Execution Plan for Fiscal Years 2021-2025” (7/23/24)

少数派対象の高等教育機関向けの連邦科学工学支援最新データ発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)は、連邦当局による高等教育機関の科学工学(S&E)支援を5種類の活動で分類している(①研究及び実験的開発(R&D)、②R&Dプラント、③S&Eの学習指導のための施設及び設備、④フェローシップと訓練生と訓練グラント(FTTGs)、⑤その他の一般的なS&E支援)。全ての種類の高等教育機関において、R&D向け予算(obligations)がS&E支援の最大部分(93%)を占める。連邦によるS&E支援の割合は、高等教育機関の種別によって様々で、一部の教育機関は、R&Dという形態での支援の割合が高く、その他の機関ではFTTGsやその他の一般的なS&E支援の割合が高い場合もある。本データは、2022年度のものであるが、バイデン大統領による2025年度予算要請は、少数派を対象とした高等教育機関におけるR&D支援を構築する取り組みが示されている。本記事は、「ヒスパニック系の学生数の割合が高い高等教育機関」「先住民学生数の割合が高い高等教育機関」「部族向け大学」「歴史的に黒人が多い大学」「女子大学」に分類して、連邦によるS&E支援の内訳について記述している。 National Center for Science and Engineering Statistics “FY 2022 Federal Science and Engineering Support to Selected Types of Minority-Serving Institutions” (7/22/24)

バイデン政権、気候の超汚染物質を検出・削減

現在の気候変動の原因の半分は、超汚染物質(super pollutant)と呼ばれる温室効果ガスによるもので、これにはメタンガスやハイドロフルオロカーボン、亜酸化窒素が含まれ、二酸化炭素よりもはるかに強力である。バイデン大統領は就任初日から米国内外の超汚染物質による排出を劇的に削減することに取り組んでいる。バイデン政権は7月23日、「ホワイトハウス超汚染物質サミット(White House Super Pollutants Summit)」を開催し、米高官や企業、環境組織、労働組合、慈善団体、国際パートナーと共に、国内外の新たな措置を発表すると共にこれまでの成功を祝した。一例として、①米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)の世界監視ラボ(Global Monitoring Lab)とユナイテッド航空(United Airlines)が商業航空機を使って気候汚染物質の監視を大幅に強化するパイオニア的共同作業を発表、②国務省(Department of the State)と米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)が米大使館・領事館に10件の最新監視システムを導入し、オゾンとその前駆物質を測定することにコミット、などが発表された。この他にも、亜酸化窒素排出を削減する新たな業界の取り組み、国内メタンガス排出削減のための新たなイニシアチブ、世界メタンガス排出削減のための新たなイニシアチブが発表された。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces New Actions to Detect and Reduce Climate Super Pollutants” (7/23/24)

NSF、画期的な工学アイデアに初となるトレイルブレイザー・グラントを提供

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、「トレイルブレイザー工学インパクト・アワード(Trailblazer Engineering Impact Award: TRAILBLAZER)」プログラムの最初のグラントを発表した。1,800万ドルの新たなプログラムで、創造性及びパラダイム・シフトとなるアウトカムの実績を持つ研究者が未開拓の領域で新規の工学研究プロジェクトを追求できるよう支援する。NSFトレイルブレイザーは、工学のあらゆる分野、トピック、方法論を対象に、一人の研究者が先導するプロジェクトに、3年間にわたって1件につき最高300万ドルを提供する。今回、6件のアワードが発表された。その一例には、「生分解性生体マテリアル(Biodegradable living materials)」プロジェクト(ハーバード大学(Harvard University))がある。 National Science Foundation “NSF awards inaugural TRAILBLAZER grants for groundbreaking engineering ideas” (7/23/24)

イリノイ州、量子研究における連邦パートナーシップを発表

イリノイ州のJB・プリツカー知事(JB Pritzker)は7月16日、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の代表や議会のリーダー、イリノイ州議員派遣団の代表らと共に、「量子実証実験(Quantum Proving Ground)」と呼ばれるパートナーシップを通じて、州内における量子コンピューティングの可能性を模索することを発表した。具体的に、イリノイ州とDARPAが署名した合意書(Memorandum of Agreement)により、イリノイ州の量子キャンパスは、量子実証実験プログラムの拠点として確立され、DARPAの新たな「量子ベンチマーキング・イニシアチブ(Quantum Benchmarking Initiative)」の一環として、量子コンピューティングのプロトタイプが試験及び評価される(量子ベンチマーキング・イニシアチブも同日に発表された)。プリツカー知事は2025年度予算として、量子研究の資金拠出とキャンパスの構築の一助に、5億ドルの州投資を配分している。 State of Illinois “Gov. Pritzker Announces Major Federal Partnership in Quantum Research” (7/16/24)

世界的な年間軍事宇宙支出は2023年に18%急増して570億ドルに

宇宙財団(Space Foundation)が7月19日に発表した年間調査結果によれば、世界の宇宙経済規模は2023年に5,700億ドルに達した。これは前年の5,310億ドルから7.4%の増加である。また、軍事宇宙支出は2023年に18%も急増して570億ドルとなった。宇宙財団は、「この規模は、10年前の宇宙経済のほぼ2倍である。その大きな要因は、商業市場のブームだが、政府も国家安全保障上の宇宙領域の重要性に認識を高めつつある」とする。財団によれば、各国政府による宇宙支出は2023年に11%増加して1,250億ドルとなった。宇宙支出が最も多い上位10カ国のうち9カ国(米、中、日、露、欧州連合、仏、独、伊、韓)で予算の伸びが2桁となっている。また、1,250億ドルのうち軍事支出が46%を占め、その大半(80%)は米国によるものだが、日本とポートランドを含む他国も宇宙防衛支出を2023年に急増させたと、宇宙財団は報告している。 Breaking Defense “Annual global military space spending jumps 18% to $57B in 2023: Space Foundation” (7/19/24)

エネルギー省と国防総省が量子研究の進展で覚書を交わす

エネルギー省(Department of Energy)と国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は7月16日、量子コンピューティングの進展で調整的な取り組みを行うことを目的とした覚書(Memorandum of Understanding: MOU)を交わしたと発表した。MOUは、量子コンピューティングに関する将来の研究・開発・工学及び試験・評価活動の計画と調整に関する枠組みを確立する。そうした活動の一部には、量子コンピューティングの現状と今後の方向性に関する深い分析が含まれる。エネルギー省は長きにわたって量子コンピューティングと高性能コンピューティング研究の国家リーダーであり、今回のMOUはチームワークと共同作業の更なる機会をもたらすことになる。 Department of Energy “Advancing Quantum Research – DOE Inks MOU with Department of Defense” (7/16/24)

EPA、コミュニティ主導の気候汚染削減ソリューションに43億ドルのグラントを発表

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は7月22日、合計で43億ドル以上の気候汚染削減グラント(Climate Pollution Reduction Grants)の受益者となる25の申請機関を発表した。気候危機に対応し、大気汚染を軽減し、環境正義を進展し、米国のクリーン・エネルギー移行を加速させる。選出された25件の申請者は、州政府や部族、地方自治体、及びこれらの事業体の同盟で構成され、地元や地域で行われるソリューションを実践するための資金を得る。本グラントを通じて、30州(1つの部族を含む)で6つの部門(輸送、電力、商業・住宅建造物、業界、農業/自然及び用地、廃棄物及びマテリアル管理)を対象に温室効果ガス汚染の軽減を目的としてプロジェクトが実施される。選出された申請者から提供された全ての試算を合算すると、提案されているプロジェクトにより、2050年までに最大で9億7,100万メトリック・トンの二酸化炭素(に相当)の温室効果ガスが削減される見込みである。 Environmental Protection Agency “Biden-Harris Administration Announces $4.3 Billion in Grants for Community-Driven Solutions to Cut Climate Pollution Across America” (7/22/24)

NSF、投資の視覚化と検索機能を開始

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の技術・イノベーション・パートナーシップ総局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships: TIP)は7月18日、「TIP投資(TIP Investments)」パイロットを発表した。マップとアワードのデータを使い、CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act of 2022)で概説されている10件の主要技術分野についてTIPの投資が米国内にもたらしている影響と規模を示す取り組みである。NSFのTIP担当高官は、「このパイロットを開始することで、米国の一般市民が、主要技術分野におけるTIP投資の広範さや深遠さ、そしてそれが国や社会、戦略地政学的課題にもたらす影響を新たな形で見ることができるようになる」と述べる。「TIP投資」パイロットは、エルセビア社(Elsevier)のピュア・プラットフォーム(Pure platform)を使用している。 National Science Foundation “TIP launches investment visualization and search capability” (7/18/24)

国防イノベーション・ユニット、軍事目的のドローンを更に承認

ウクライナ戦争はドローン戦争となっており、それゆえ国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は、軍事目的で使用する商業ドローン及びアクセサリーを精査する取り組みを再調整及び拡大している。DIUのブルーUAS(Blue UAS)プログラム・マネジャーであるトレント・エメネカー氏(Trent Emeneker)は、「承認済みドローンのブルーUASリスト(Blue UAS List)と、承認済みアクセサリー及びサブコンポーネントのブルーUAS枠組み(Blue UAS Framework)の改訂は、軍員との会話から生まれた」と説明する。同氏によれば、軍員は、モジュール性を求めており、飛行プラットフォームがある場合でも、カメラや異なるレーダーなどを取り付けたい場合は、それが可能になることを望んでいるという。DIUは最近の記者発表で、今春に検証済みの枠組みコンポーネント数を5から36へと増やし、ブルー・リストのドローンを追加したと発表した。ただし、リストに記載されたからといっていつまでも記載されているわけでなく、今年後半に競争的な見直しが行われる計画であると、エメネカー氏は述べた。 National Defense “DIU Clearing More Drones for Military Use” (7/17/24)