エネルギー省、科学的研究のためのAI資金として6,800万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)にとり、科学的研究における人工知能(AI)の使用は、優先事項の一つである。エネルギー省は9月5日、11件の複数機関によるプロジェクトに、43件のアワードとして合計6,800万ドルを提供すると発表した。資金提供を受けるプロジェクトは、基礎モデルを構築する新たな方法の開発に取り組む。これらの基礎モデルは、機械学習または深層学習によるモデルで、広範なデータを基に訓練されていることから、様々な応用に利用することができる。プロジェクトは、様々な活動と多様な科学的用途をカバーしており、これには「科学向けの大規模モデルは、モデルの規模と複雑性が増す中、どのように向上できるか」といった点に関する研究や、プライバシーを保護し、複数の機関に広がっているデータを活用するための基礎モデルの訓練、次世代マイクロ技術を使ってエネルギー効率に優れたアルゴリズムの開発などが含まれる。 Department of Energy “Department of Energy Announces $68 Million in Funding for Artificial Intelligence for Scientific Research” (9/5/24)

中性子科学、米業界に経済的価値をもたらす

非営利研究所のRTIインターナショナル(RTI International)が作成した報告書「1960年から2030年における米国中性子研究資源及び施設への投資の遡及的及び将来的経済効果に関する評価(Assessment of the retrospective and prospective economic impacts of investments in U.S. neutron research sources and facilities from 1960 to 2030)」によれば、中性子線を使った研究は、中性子施設を建設・運用する費用を大きく上回る経済的リターンをもたらす。本報告書は、米政府が運用する3件の中性子散乱施設(NIST中性子研究センター(米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)のCenter for Neutron Source)など)への投資から得られる経済効果の定量化を試みたもので、報告書で実施された4件のケーススタディの科学的研究の総合的効果は、中性子散乱施設の建設及び運用費用を十分にカバーする。しかし様々な効果があるにもかかわらず、RTIが聞き取りした施設のユーザーの多くが、中性子測定科学の国内能力が不足しているため、自分の研究を推進することに困難を抱えている。RTIは、米国の中性子散乱システムを強化するための措置を複数勧告している。 National Institute of Standards and Technology “New Report Highlights Economic Value of Neutron Science to U.S. Industry” (9/5/24)

電池、グリッドの二次的電力源として急成長

米国内で近年、ユーティリティ規模の電池エネルギー貯蔵システムは、電力提供源として急成長している。エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)の「2024年7月 電力発電機インベントリ(July 2024 electric generator inventory)によれば、2024年1~7月に、運用者は5ギガワット(GW)の電池能力を電力グリッドに追加した。2024年7月には、米国内で20.7GWの電池エネルギー貯蔵能力が利用可能であった。電池エネルギー貯蔵システムは、電力グリッドに電力を提供し、需給調整やアービトラージ戦略(電力価格が低い時間帯に貯めた電力を同価格が高い時間帯へ移動させる)など、電力グリッドを支えるための様々なサービスを提供し、再生可能資源の電力をそれが必要とされるまで貯蔵しておくことが可能になっている。米国のユーティリティ規模の電池エネルギー貯蔵システムの多くはリチウムイオン電池を使用している。 Energy Information Administration “Batteries are a fast-growing secondary electricity source for the grid” (9/5/24)

米クリーンエネルギー、2024年第2四半期に過去最高を記録

米国クリーン電力協会(American Clean Power Association: ACP)が9月5日に発表した「2024年第2四半期:クリーン電力四半期市場報告(Clean Power Quarterly Market Report Q2 2024)」は、米国のクリーン電力における卓越した成長とマイルストーンを示している。第2四半期として過去最高を記録した2024年第2四半期に、米国の開発事業者は、ユーティリティ規模のクリーン電力能力を新たに11ギガワット(GW)追加し、前年同期から91%増加した。第2四半期の力強い成長で、今年初めからの設置は19GWとなり、過去5年間の上半期の設置の平均の2倍以上となっている。通常、下半期は上半期よりもクリーン電力の新規追加が多いことから、2024年は2年連続で過去最高を記録する見通しである。その他の主要な動きとして、①ユーティリティ規模のソーラー能力で、初めてテキサス州がカリフォルニア州を抜き、1位となった(テキサス州は第2四半期に1,656メガワット(MW)を追加し、現在、21.9GWのソーラー電力が稼働している)、②エネルギー貯蔵部門は、第2四半期に2.9GWを追加し、稼働能力合計が20GWを上回った(21.6GW)、などがある。 American Clean Power “NEW REPORT: Record-Breaking Second Quarter for US Clean Energy in Q2 2024″ (9/5/24)

エネルギー省、クリーンエネルギー市場と技術概況のデータ収集分析に1,270万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)の先端マテリアル及び製造技術局(Advanced Materials and Manufacturing Technologies Office: AMMTO)は9月5日、気候保護に重要なクリーンエネルギー技術のイノベーションと導入を目的として、6つの国立研究所内で20件のプロジェクトを選出したと発表した。これらのプロジェクトの集合的な目的は、クリーンエネルギー製造のサプライチェーンにおける商業化の加速、循環性の向上、対応力の強化を目的とした措置に情報を提供するツール・システムを最終的に開発することである。20件のプロジェクトは、①データ収集、②これらのデータの分析、③これらのデータを使ったツールの開発、を通じて、AMMTOの研究開発実証の優先付けに情報提供する。受益プロジェクトは、①次世代電池の製造ツール分析(受益プロジェクト3件)、②電池製造試験施設の枠組み(3件)、③製造向けスパコンのコード(6件)など、合計8つのトピック分野に分かれている。 Department of Energy “AMMTO Announces $12.7 Million to Support Data Collection and Analyses of Current Clean Energy Market and Technology Landscapes” (9/5/24)

エネルギー省、水力発電インフラ改良に4億3,000万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は9月5日、33州における293件の水力発電の改良プロジェクトを選出し、水力発電施設をアップグレードするインセンティブとして最大4億3,000万ドルを提供すると発表した。これらの水力発電施設の運用期間は平均79年である。「水力発電の維持と強化のインセンティブ(Maintaining and Enhancing Hydroelectricity Incentives)」プログラムの下、受益プロジェクトは超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金拠出され、グリッド配備局(Grid Deployment Office)が運営管理する。293件のプロジェクトは次のような点に取り組む。①水力発電ダムのグリッド対応力の強化(タービンと発電機の交換または改良、制御システムの改良など)、②ダムの安全性向上(老朽化したダム・インフラの改良や異常気象に備えた既存のインフラの強化など)、③水力発電インフラに関する環境及びレクレーショナルの改善を促進し、水質状況の改善や、周辺の生息地や魚及びその他の種の通路を拡大する。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Invests $430 Million to Upgrade America’s Hydropower Infrastructure” (9/5/24)

バイデン大統領、農村電力化に73億ドルを投資

バイデン大統領は9月5日、ウィスコンシン州ウェストバイを訪れ、米国の農村地域にクリーンで手頃な費用で信頼性の高い電力を提供するため、73億ドルを投じると発表した。インフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)から資金拠出される。今回発表された投資は、ニュー・ディール(New Deal)以来、最大規模の農村の電気化に対する投資で、大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の一部である。大統領が発表したのは、農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)による「農村アメリカをエンパワー(Empowering Rural America: New ERA)」プログラムの最初のアワードの受益機関として選出された農村電力共同組合。16の農村電力共同組合が選出され、クリーン・エネルギー資金として最大73億ドルを受益し、約500万件の共同組合メンバー(農村の世帯/農場/企業/学校の20%に相当)にクリーンで手頃な費用で対応力のある電力を提供する。 White House “FACT SHEET: President Biden Visits Westby, Wisconsin, Announces $7.3 Billion for Clean, Affordable, Reliable Electricity for Rural America; The Largest Investment in Rural Electrification Since the New Deal” (9/5/24)

バイデン政権、10件目となるオフショア風力プロジェクトを承認

バイデン政権は9月5日、10件目となる商業規模のオフショア風力プロジェクトの承認を発表した(前政権が承認したプロジェクトはゼロであった)。これにより、現政権は米国は15ギガワット(GW)以上のオフショア風力プロジェクトを承認したことになる。これは525万世帯への電力供給に相当し、「2030年までに30GWを導入する」というバイデン大統領の目標到達に必要な能力の半分となる。今回、内務省(Department of the Interior)の海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management: BOEM)が承認したのは、メリーランド州のオフショア風力プロジェクトで、最大2,200メガワット(MW)のクリーンで信頼性の高い再生可能エネルギーを提供する(最大77万世帯分)。プロジェクトの開発建設フェーズにより、年間最大2,679件の雇用を7年間にわたって支援すると試算されている。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Hits Offshore Wind Milestone, Continues to Advance Clean Energy Opportunities” (9/5/24)

商務省、国家AI諮問委員会に新たに4名の委員を任命

商務省(Department of Commerce)のジーナ・レモンド長官(Gina Raimondo)は先般、国家人工知能諮問委員会(National Artificial Intelligence Advisory Committee: NAIAC)に新たに4名の専門家を任命した。NAIACは、大統領及び大統領府に、人工知能(AI)に関連する様々な問題について助言をする。NAIACは2022年に設立され、米国のAIの競争力の現状、AIを取り巻く科学の状況、AI労働力問題などのトピックについて勧告を提示する他、イニシアチブ自体の管理と調整に関する助言も行う。2022年に設立された際に27名の委員が発表されており、今回はそれに続く。委員の任期は3年間で、商務長官の裁量により、2期連続で務めることができる。 Department of Commerce “U.S. Department of Commerce Appoints 4 New Members to National AI Advisory Committee” (9/5/24)

商務省、国際パートナーと共に、量子コンピューティング等の先端技術に規制措置を実施

商務省(Department of Commerce)の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security: BIS)は9月5日、暫定最終規則(interim final rule: IFR)を発表し、国際パートナーと共に広範な技術合意に達した重要及び新興技術に対する輸出管理規制を実施する。IFRには、量子コンピューティング、半導体製造、その他の先端技術に関連する規制が含まれる。今回の措置は、同じような志を持つ国々との国際関係を強化すると共に、急速に進展する技術が誤った手に渡り、米国の国家安全保障に深刻な脅威を呈する可能性がある中、米国の輸出管理が、こうした技術進展と同じペースで進んでいることを確実にする。同様の志を持ついくつかの国々は既に量子コンピューティングや先端半導体製造に関連する新たな国家輸出規制をそれぞれ発表もしくは実践しており、米政府は更なる国が同様の規制を早期に実施することを期待している。 Bureau of Industry and Security “Department of Commerce Implements Controls on Quantum Computing and Other Advanced Technologies Alongside International Partners” (9/5/24)