大統領府、プロジェクト許認可を加速

バイデン政権は8月29日、より多くのプロジェクトをより早急に構築する助けとなる新たな措置を2件発表した。一つは、土地管理局(Bureau of Land Management: BLM)が発表した、ソーラー・エネルギー生産拡大を支援するロードマップで、米国の公有地における再生可能エネルギーの拠点選定と許認可をより効率的に実施する。もう一つは、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)による発表で、EPAは、マリコパ郡(アリゾナ州)でクリーンエアのクレジットを創出するための新たなルールを条件付きで承認した。これにより、車両フリートを持つ企業は、ディーゼル車や電気自動車に置き換えたり、改良したりすることでクレジットを生成できるようになる。製造事業者やその他の新たな排出事業者は、これらのクレジットを購入して将来の排出とバランスを図ることが可能になる。これらの発表により、米国内で半導体製造の中心地となっているマリコパ郡は、工場の構築を継続できる。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Takes Action to Deliver More Projects More Quickly, Accelerates Federal Permitting” (8/29/24)

国防総省、Open DAGIRチャレンジを開始

国防総省(Department of Defense)の最高デジタル及び人工知能局(Chief Digital and Artificial Intelligence Office: CDAO)は8月29日、研究工学担当次官室(Office of the Under Secretary of Defense for Research and Engineering: OUSD(R&E))、ジョイント・ファイアーズ・ネットワーク(Joint Fires Network: JFN)、国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)と共に、「政府所有のオープン・データとアプリケーションの相互運用可能なレポジトリ(Open Data and Applications Government-owned Interoperable Repositories: Open DAGIR)」チャレンジを開始した。Open DAGIRチャレンジは、紛争地の物流及び維持管理空間で、国防総省の連合統合全領域指揮統制(Combined Joint All-Domain Command & Control: CJADC2)の取り組みを支援するソリューションの提出に関心があるベンダーへの呼びかけである。このチャレンジは、産業基盤全体を活用して、業界のソリューションを兵士のニーズに早急に適用させるもの。Open DAGIRチャレンジは、トレードウィンド・ソリューション・マーケットプレイス(Tradewinds Solutions Marketplace: TSM)(競争直後にアワードの授与が可能な技術ソリューションの売り込みビデオを受け付ける国防総省のデジタル環境)で開催され、CJADC2と共に極めて革新的な調達プロセスを支援、統合することを目指す。選出されたベンダーは、国防総省の「政府所有のオープン・データとアプリケーションの相互運用可能なレポジトリ(Open DAGIR)」プログラムに仲間入りする。Open DAGIRは、複数のベンダーで構成されるエコシステムで、業界と政府が、データプラットフォームや開発ツール、サービス、アプリケーションを統合しつつ、政府のデータ所有権と業界の知的財産は維持される。 Department of Defense “DOD Chief Digital, AI Office …
Read more

国家地理空間情報局(NGA)、AIデータ・ラベリングに7億ドルを計画

国家地理空間情報局(National Geospatial Intelligence Agency: NGA)は9月、関心のあるターゲットを識別することを目的として、AIによるコンピュータ・ビジョン・システムの訓練支援を業界へ要請する計画である。金額にして7億ドル以上となる見込み。フランク・ウィットワース副提督(Vice Adm. Frank Whitworth)は8月30日の記者会見で、「本件は、米政府内で最大規模のデータ・ラベリングのプロポーザル要請となり、コンピュータ・ビジョンや機械学習、AIへの大幅な投資となるだろう」と述べた。NGAは、衛星や航空機から画像を収集し、それらを分析し、結果としての地理空間諜報(geospatial intelligence: GEOINT)製品(3Dマップなど)を政府内のユーザーへ拡散する。新たな衛星やその他のセンサー・プラットフォームから入手されるGEOINTデータの量が膨大化しており、諜報コミュニティに課題を呈しつつある。AIシステムは迅速な分析の助けとなるが、AIのビジュアル・モデルはまず、軍事ターゲットを正確に認識し、異常な活動を見つけ出すことを習得する必要があると、ウィットワース副提督は説明する。AIシステムが確実に、敵と味方、敵の兵士と民間人を確実に区別できることを確実にすることが重要な点であり、データ・ラベリングはその鍵となる。 Breaking Defense “NGA slates $700M for AI data labeling; launches standard model push” (9/3/24)

エネルギー省、次世代電池及びエネルギー貯蔵の実現に1億2,500万ドル

エネルギー省(Department of Energy)は9月3日、現行世代のリチウムイオン電池を超える次世代技術の誕生と加速に必要とされる科学的基盤を提供するため、2件のエネルギー・イノベーション・ハブ(Energy Innovation Hub)に、最大5年間に1億2,500万ドルの資金を提供すると発表した。受益するのは、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)が主導するエネルギー貯蔵研究同盟(Energy Storage Research Alliance: ESRA)と、スタンフォード大学(Stanford University)が主導するアクエス電池コンソーシアム(Aqueous Battery Consortium: ABC)で、前者は大型輸送とグリッド向けのエネルギー貯蔵ソリューション向けの新しいコンパクト電池開発の科学的根拠を提供することに取り組み、後者は、グリッドの長期貯蔵技術のための水性電池の大規模開発及び導入に関する科学的土台を確立することに焦点を当てる。 Department of Energy “Department of Energy Awards $125 Million for Research to Enable Next-Generation Batteries and Energy Storage” (9/3/24)

NSF、地球科学のための人工知能技術進展に2,000万ドルを投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、「人工知能と地球科学における共同作業(Collaborations in Artificial intelligence and Geosciences: CAIG)」プログラムを通じて、25件のプロジェクトに合計2,000万ドルを提供すると発表した。これは、地球科学における革新的な人工知能(AI)技法の開発と実践を進展させつつ、技術的能力を高め、地球科学研究におけるAI手法の利用のための教育と訓練機会へのアクセスを拡大することを狙いとしている。CAIGプログラムは、地球科学者、コンピューター科学者、数学者、その他の専門家による学際的な共同作業を推進し、変革的な発見、イノベーション、ソリューションを推進する。研究チームは、生成AIや代理モデル、カジュアルAI(因果AI)など様々なAI技法を採用し、複雑な地球システムの理解を進展させる。 National Science Foundation “NSF invests $20M to advance artificial intelligence technologies for the geosciences  ” (8/30/24)

SCSP、オーストラリアの戦略的政策研究所との合同報告書を発表

特別競争力研究プロジェクト(Special Competitive Studies Project: SCSP)は9月3日、オーストラリアの戦略的政策研究所(Strategic Policy Institute)との合同作業による報告「知的分析の未来:AIと人間=機械のチーム(The Future of Intelligence Analysis: AI and Human-Machine Teaming)」と題する報告書を発表した。報告書は、「過去数年間における大規模言語モデル(LLM)を中心とした人工知能(AI)の技術開発の急速な進展は、諜報コミュニティがあらゆる情報を基にして行う分析方法にAIが革命をもたらす可能性を実証している」しており、米国とオーストラリアの諜報コミュニティは、高性能な「人と機械のチーム(Human-Machine Teams: HMTs)」の構築を目指すべきであると提言している。これにより、一部のタスクで生成AIを活用した諜報分析を実現しつつ、分析評価に関する全体的な人による監視を維持できることが期待されている。報告書は、HMTを諜報分析に統合するための3つの主要な側面に焦点を当てている。 Special Competitive Studies Project “SCSP’s Intelligence Panel Releases Joint Report with Australian Strategic Policy Institute” (9/3/24)

米国初の全国的なグリーン銀行、インフレ低減法の資金と共に始動

米国で初の全国的グリーン銀行(クリーンエネルギーに投資をする銀行)が事業を開始した。これは、非営利組織のグリーン資本同盟(Coalition for Green Capital: CGC)で、インフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)からの50億ドル以上の資金を基に銀行を運営する。CGCは、グリーン銀行やコミュニティ融資機関、資本提供者、開発事業者、その他のクリーンエネルギー支援機関で構成される会員組織の米国グリーン銀行コンソーシアム(American Green Bank Consortium)も運営している。CGCは、IRAの資金を用いて、州及び地方のグリーン銀行ネットワークを活用し、クリーンエネルギーへの直接的及び間接的投資を行う計画である。環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は4月に、全国的なグリーン銀行を創設するため支援として、CGCを選出し、国家クリーン投資基金(National Clean Investment Fund)から50億ドルを提供した。国家クリーン投資基金は、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)の一部である温室効果ガス削減基金(Greenhouse Gas Reduction fund)(200億ドル)の一部。 Utility Dive “First national US green bank launches with IRA funding” (8/29/24)

米風力エネルギー投資が急増する一方、ソーラーは停滞

ブルームバーグNEF(BloombergNEF)の「再生可能エネルギー投資トラッカー(Renewable Energy Investment Tracker)」によれば、2023年末~2024年上半期の間に、米国におけるソーラー投資は、12%減少して265億ドルであった。一方、米風力エネルギー・プロジェクトは、今年上半期に120億ドルを確保し、国内における再生可能エネルギー投資合計はインフレ低減法(Inflation Reduction Act)前の水準を63%上回った。過去1年半でソーラー投資が停滞している一方、再生可能エネルギーへの投資合計が引き続き強固であるということは、再生可能エネルギー業界の別のサブセクターへ移行しているということである。ブルームバーグNEFのクリーン・パワー研究のトップであるメレディス・アネックス氏(Meredith Annex)は、「両業界の動向の違いは、恐らく、1ギガワット(GW)以上の大型プロジェクトを中心に、プロジェクトのタイミングによるかもしれない」と説明する(風力発電の複数の大型プロジェクトは2023年終盤に許認可を得ている)。 Utility Dive “US wind energy investment soars while solar stagnates: BloombergNEF” (8/29/24)

ソーラー産業における雇用動向

労働統計局(Bureau of Labor Statistics)によれば、風力タービンのサービス技術者は米国内で今最も伸びが高い職種で、2023-2033年に60%の増加が予測されている。また、2023年時点で、住民1万人あたりの風力エネルギー関連の雇用数が最も多いのは、ノースダコタ州(22.3)、サウスダコタ州(20.4)、コロラド州(13.4)となっている。ただし、全体的な風力エネルギー雇用が最も多いのはテキサス州で、約2万7,400件となっており、次に多いイリノイ州の2倍以上である。テキサス州は人口が多いこともその理由の一つになっている。いずれにしても、風力、そしてもう一つの急成長分野であるソーラーは、連邦政府が強く推進していることもあり、安全なキャリアとして捉えられている。 Axios “America’s fastest-growing job, mapped” (8/30/24)

内務省、初となるオレゴン州オフショアでの風力リース・セールを発表

クリーンエネルギー未来へ向けた勢いを支援するバイデン政権の新たなステップとして、内務省(Department of the Interior)は8月29日、オレゴン州南部沖でのオフショア風力エネルギー・リース・セールを実施する計画を発表した。2024年10月15日に海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management: BOEM)によって2つのエリアの競売が行われる。両エリアの全面的な開発が実施されれば、3.1ギガワット以上のクリーンな再生可能エネルギーを生産できる可能性があり、これは約100万世帯へ電力供給できる可能性がある。セールの前の最後のステップとなる「最終セール通知(Final Sale Notice: FSN)」は9月3日付けの連邦広報(Federal Register)に掲載され、オレゴン州海岸から約32マイル沖の6万1,203エーカー(P-OCS 0566)と、同約18マイル沖の13万3,792エーカー(P-OCS 0567)の2つのオフショア・エリアが含まれている。 Department of the Interior “Biden-Harris Administration Announces First-Ever Wind Lease Sale Offshore Oregon” (8/29/24)