ニューイングランドのオフショア風力調達、2.9GWと当初計画の半分以下

マサチューセッツ州とロードアイランド州が9月6日に発表したところによれば、初となる協調的調達の取り組みを通じて、両州は3件のオフショア風力プロジェクトから2,878メガワット(MW)を調達することを決定した。「この歴史的なオフショア風力の選出は、我々の地域的なオフショア風力業界にとり重要な基盤となる」と、マサチューセッツ州のキム・ドリスコル副知事(Kim Driscoll)(民主党)は述べた。同州は、1,287MWのサウスコースト風力プロジェクト(SouthCoast Wind project)から1,087MWを選出し、ロードアイランド州は、同プロジェクトから200MWを選出した。マサチューセッツ州は、791MWのニューイングランド風力1プロジェクト(New England Wind 1 project)、1,260MWのビンヤード風力2(Vineyard Wind 2)プロジェクトから最大800MWも選出した。コネチカット州も募集機関の一つであったが、プロジェクトの選出は行わなかった。公募は当初、6.8ギガワット(GW)を調達することを狙いとしていた。 Utility Dive “New England offshore wind procurement taps 2.9 GW, less than half the total initially sought” (9/9/24)

規制対象市場における電気料金引き上げ傾向は継続

米国内の電力ユーティリティ機関がシステムの維持と拡大に必要な投資を工面しようとする中、ユーティリティ規制当局は、今年も電気料金の引き上げを検討している。ユーティリティ機関は近年、電気料金の引き上げを要請している。S&Pグローバル・マーケット(S&P Global Market)によれば、その理由は、①深刻な気象及び火災に耐えられるよう送電及び配電網を改良するため、②州及び連邦のクリーン・エネルギー法の施行で増大する電気化への準備をするため、③エネルギーの信頼性を更に高めるため、である。州のユーティリティ規制当局は、2023年に正味97億ドルの料金引き上げを承認した。これは、2022年に承認した44億ドルの2倍以上である。正味料金引き上げの3分の1以上は、カリフォルニア州の2つのユーティリティ機関によるものである。2023年初めから2024年8月12日までに、全国の規制当局は、電力ユーティリティ機関が要請した正味料金引き上げの58%を承認している。 Energy Information Administration “Trend toward electric utility rate increases in regulated markets continues in 2024” (9/9/24)

工学研究教育へのNSF資金の社会的影響を報告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)が発表した報告書「米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の工学研究支援が社会にもたらした影響(Impacts of National Science Foundation Engineering Research Support on Society)」によれば、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)による工学研究及び教育への数十年に及ぶ支援は、社会に大幅な影響をもたらし、重要な新技術や主要な経済進展、十分な教育を受けた労働力の開発につながっている。米国内の研究開発(R&D)の大半は民間部門が資金拠出し、実施するが、技術の初期開発からそれが商業的に実行可能になる間を中心にNSFは重要な役割を担っている。報告書を作成した委員会は、NSFの基準を拡大し、NSFの投資によって社会にもたらされた10件の代表的な工学的影響を挙げている(付加製造、人工知能、バイオメディカル工学、サイバーセキュリティなど)。 National Academies “Societal Impacts of NSF’s Funding for Engineering Research and Education — New Report and Upcoming Webinar” (9/9/24)

ITIF、「中国は量子技術で米国に挑戦」との報告

情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は今般、「量子で中国はどれほど革新的か?(How Innovative Is China in Quantum?)」と題する報告書を発表した。それによれば、中国は、量子通信分野では支配的存在で、量子検知では米国にほぼ匹敵しているが、量子コンピューティングでは後れを取っている。本件は、主要な先端産業及び技術における中国の革新的なパフォーマンスに関してITIFが20カ月間にわたって行なっている調査の最新報告となる。キーファインディングには次のようなものがある。①中国は、量子通信では、研究アウトプットの量、質ともに米国を上回り、量子コンピューティングでは、研究アウトプットの合計ではリードしているが、研究の質では米国が中国を大幅に上回っている。量子検知では、研究の数では中国の方が多いが、研究の質では米中は拮抗している。②中国は、国内の量子通信特許では圧倒的にリードしており、量子検知の特許でも大幅なリードをしている。米国は量子コンピューティングの特許でリードしている。③中国は、量子の研究開発(R&D)への公的資金として150億ドル以上を発表しており、米国における民間資金の優位性に対抗している。 Information Technology & Innovation Foundation “China Is Challenging U.S. Leadership in Quantum Technologies; New Report Finds China Leads in Quantum Communication, Tied in Sensing, Behind in Computing” (9/9/24)

ジョージア工科大学、天津大学ジョージア理工深圳学院から撤退へ

ジョージア工科大学(Georgia Tech)は、中国の天津大学との間の長年のパートナーシップを終結する。同大学が商務省(Department of Commerce)によるエンティティ・リスト(Entity List)に含まれたことが理由である。エンティティ・リストに記載された人物や組織は、厳しい輸出管理の対象となる。商務省は2020年に天津大学をエンティティ・リストに追加しており、「そのことが、パートナーシップの縮小につながった」と、ジョージア工科大学は発表している。連邦議会の3つの委員会のトップ共和党議員は5月に、「慎重を要する研究が中国軍へ漏れるのではないか」との懸念から、両大学のパートナーシップの調査を開始した。今回の決定を発表したジョージア工科大学は、「1980年代に始まった中国の大学との関与は、当時の米政府の優先事項を支持したものである」と強調した。商務省は近年、中国の大学をエンティティ・リストに追加し続けている。リストへの記載は、基礎研究のパートナーシップを禁止するものではないが、連邦研究当局は、資金への応募を審査する際、リストにあるエンティティとのパートナーシップをリスク要因とみなし始めている。 Georgia Tech “Georgia Tech to Exit Georgia Tech Shenzhen Institute” (9/6/24)

GAO、医療ケアにおける生成AIについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月9日、「科学技術スポット:医療ケアにおける生成AI(Science & Tech Spotlight: Generative AI in Health Care)」と題する報告書を発表した。医療ケア部門は、高費用や医薬開発時間の長期化、提供者の疲弊など、様々な課題に直面している。生成AIは、これらを含む様々な課題への対処の一助となる可能性がある。報告書は、考察点として、①複数の企業が、医薬品開発と臨床試験のスピードアップ、医療画像の改良などを目的とした生成AIの開発に取り組んでいる、②しかし、多くのツールは実際の場面では広く試験されておらず、生成AIが誤ったアウトプットをもたらす可能性はある、③生成AI技術は、その潜在的な恩恵と患者やデータの保護の間でどのようにバランスを取るかという疑問を政策策定者にもたらしている、を挙げた上で、技術の概要、機会、課題、政策的意味合いと疑問、について記述している。 Government Accountability Office “Science & Tech Spotlight: Generative AI in Health Care” (9/9/24)

GAO、人工知能について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAOは9月9日、「人工知能:連邦機関は管理及び人事面の要件を実践している(Artificial Intelligence: Agencies Are Implementing Management and Personnel Requirements)」と題する報告書を発表した。2023年10月に発表された大統領令(Executive Order)は、連邦政府内で人工知能(AI)を安全に開発及び使用するための協調的手法のガイドとなるもので、8つの原則と100件以上の要件が含まれている。GAOは、連邦機関が2024年3月までに実践すべき点として大統領令が示した13の要件について調査した。その結果、「13件の要件は全て実行されており、政府全体のAIの取り組みの基盤となっている」と報告している。 Government Accountability Office “Artificial Intelligence: Agencies Are Implementing Management and Personnel Requirements” (9/9/24)

エネルギー省、量子コンピューティング研究に6,500万ドル

エネルギー省(Department of Energy)は9月9日、10件の量子コンピューティング・プロジェクトに合計6,500万ドルを提供すると発表した。これらは38のアワードで構成される。今回の投資は、ソフトウェア、制御システム、アルゴリズムの進展をターゲットとしており、ソフトウェアのスタック(一連の層)のあらゆるレベルで改良することで、エネルギー省のミッション内の科学的研究問題に関する量子コンピューティングの実用性を実証する。エネルギー省科学局(Office of Science: SC)は、国家量子イニシアチブ(National Quantum Initiative)の重要なパートナーで、量子情報科学に関する様々な研究プログラムを開始している。 Department of Energy “Department of Energy Announces $65 Million for Quantum Computing Research” (9/9/24)

既存原子力発電所に60GW以上の発電能力構築可能

エネルギー省(Department of Energy)が9月9日に発表した報告書「新たな原子力能力のための原子力発電所と石炭発電所の拠点に関する評価(Evaluation of Nuclear Power Plant and Coal Power Plant Sites for New Nuclear Capacity)」によれば、米国内で運用中、もしくは最近閉鎖された原子力発電所の拠点に、60ギガワット(GW)以上の新たな原子力発電能力を建設することは潜在的に可能である。この新たな原子力発電能力により、クリーンで確実で信頼性と対応力のあるエネルギーへのアクセスが高まり、米国は、「2050年までに正味ゼロ経済を目指す」というバイデン=ハリス政権の目標達成へ向けた軌道を進むことができる。報告書は、運用中の54件の原子力発電所と、最近閉鎖された11件の原子力発電所(合計31州)について評価した。各発電所は、適切な冷却水の有用性、大規模な人口密集地や危険な施設への距離、容認できない地震または洪水の可能性といった要素に基づいてレビューされた。初期の研究結果は、41件の発電所(運用中または閉鎖中)で、新たな原子炉を受け入れる余地があるという。そしてこれらの拠点で、大型軽水炉技術を利用して、60GW以上の新たな電力を提供できる可能性があると試算している。今回発表された報告書は、あくまでも予備的分析である。 Department of Energy “DOE Report Finds More Than 60 Gigawatts of New Nuclear Capacity Could Be Built at Existing Nuclear Power Plants” (9/9/24)

新たな連邦インセンティブの下、ソーラー・パネルの製造能力は約4倍増加

現在、ソーラー・モジュールによる製造能力は33ギガワット(GW)を超え、2022年にインフレ低減法(Inflation Reduction Act: IRA)が制定されて以来、ほぼ4倍となった。ソーラー・エネルギー業界協会(Solar Energy Industries Association: SEIA)とウッド・マッキンゼー社(Wood Mackenzie)が9月9日に発表した報告書「2024年第3四半期米国ソーラー市場洞察(U.S. Solar Market Insight Q3 2024)」によれば、連邦政府によるクリーンエネルギー政策は引き続き製造と導入の増加を促進しており、ソーラー業界は2024年第2四半期に9.4GWの新規発電能力を設置した。IRA制定から2年の間に、ソーラー業界は75GWの新たな能力をグリッドに追加し、米国内で約150万世帯がソーラー発電を設置している。ソーラー市場の支配的存在は引き続きテキサス州で、2024年上半期に5.5GWのソーラー能力を設置し、米国を先導した。同州やフロリダ、ネバダ、オハイオ、アリゾナなど、今年11月の選挙で注目されている州はいずれも、2024年のソーラー発電能力で上位10州に入っている。 Solar Energy Industries Association “REPORT: U.S. Solar Panel Manufacturing Capacity Grows Nearly 4x Under New Federal Incentives” (9/9/24)