米国は電力変圧器仮想備蓄を創設すべきとの提言

全国インフラ諮問評議会(National Infrastructure Advisory Council)は、最近発表した報告書の中で、「グリッドの重要なコンポーネントの製造能力を取り巻く試練が電気化の取り組みや必要な交換を遅らせないようにするため、連邦政府は電力変圧器の『戦略的仮想備蓄(strategic virtual reserve)』を確立すべきである」と提案した。仮想備蓄は、国内の製造事業者が注文の鈍化に直面した際に、最後の手段として連邦政府を購入者として確立するもの。近年、ユーティリティ機関が新たな変圧器を発注してから受領するまでの時間(リードタイム)は、設備の規模や複雑さによっては、倍増している。NIACはまた、業界と教育機関の間の労働力パートナーシップや、変圧器の供給者と購入者の間の長期契約の活用、連邦税クレジットなどを通じて生産を強化することを要請している。 Utility Dive “US should create ‘virtual’ electric transformer reserve amid shortage concerns: NIAC” (9/13/24)

電力価格の上昇、ユーティリティ機関の信用リスクを押し上げ

ムーディーズ・インベスターズ・サービス社(Moody’s Investors Service)が9月11日に発表した報告によれば、電力価格の上昇は、規制対象となっているユーティリティ機関に対する「不利な規制もしくは政治的介入」のリスクを高め、ひいてはクレジットの質に悪影響を及ぼす可能性がある。ムーディーズ社は、「手頃な費用」は、規制対象のユーティリティ機関にとって主要なクレジット指標及び社会的リスクであるとする。その理由は、ユーティリティ機関の料金引き上げを審査する規制プロセスにおいて、規制担当官が「顧客への経済的負担が過度になる」と感じた場合に、ユーティリティ機関に不利なアウトカムにつながる可能性があるためである。「ユーティリティ機関が、能力強化の支払いや新たな投資費用を顧客に転嫁しようとする中、規制担当官は、自分達が承認する料金引き上げの規模に慎重になり続け、時として否定的なクレジットの結果につながる」と、ムーディーズ社は分析している。 Utility Dive “Rising power prices increase credit risk for utilities: Moody’s” (9/13/24)

米国宇宙軍、先端宇宙パワー及び推進研究を支援

米国宇宙軍(United States Space Force: USSF)は、空軍研究所(Air Force Research laboratory)とのパートナーシップにより、先端宇宙電力及び推進(Advanced Space Power and Propulsion: ASPP)技術に関するUSSF大学コンソーシアム/宇宙戦略技術研究所3(USSF University Consortium/Space Strategic Technology Institute 3)を主導する組織として、ロチェスター工科大学(Rochester Institute of Technology)及びミシガン大学(University of Michigan)を選出した。この研究により、国防総省(Department of Defense)への画期的な宇宙電力及び推進技術移行を目指す。ロチェスター工科大学が990万ドルを、ミシガン大学が3,490万ドルを受益し、学術機関と業界パートナーで構成されるチームを先導し、ASPPのサブトピックに関する開発及び実証で協力する。USSFは2023年度に宇宙戦略技術研究所1の下、静止軌道外や宇宙領域の認識に関する課題への対処として640万ドルを、2024年度には宇宙戦略技術研究所2の下、宇宙アクセスやモビリティ、ロジスティック分野の研究を目的として4,910万ドルを提供している。 United States Space Force “USSF announces selections for advanced space power, propulsion research ” (9/13/24)

国防総省、分散型バイオ産業製造プログラムで新たに12件のアワードを発表

国防総省(Department of Defense)は9月13日、分散型バイオ産業製造プログラム(Distributed Bioindustrial Manufacturing Program: DBIMP)を通じて新たに12件のアワードを発表した。これにより、DBIMPのアワード件数はこれまでに25件、アワード金額は4,200万ドルとなる。今回発表された受益機関は、エア・プロテイン社(Air Protein)(カリフォルニア州)、ブルーステム・バイオサイエンス社(Bluestem Biosciences)(ネブラスカ州)、C16バイオサイエンス社(C16 Biosciences)(ニューヨーク州)など12社。これらのアワードは、大統領令14081号(Executive Order 14081)「持続可能で安全でセキュアな米国バイオ経済のためのバイオテクノロジー及びバイオ製造イノベーションの進展(Advancing Biotechnology and Biomanufacturing Innovation for a Sustainable, Safe and Secure American Bioeconomy)」の一環として、予定されている30件以上のアワードの一部。残りの受益機関は今後発表される予定。 Department of Defense “DoD Releases 12 Awards for Distributed Bioindustrial Manufacturing Program” (9/13/24)

エネルギー省、石油・天然ガス部門からのメタンガス排出削減に1,500万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は9月13日、文書化されていない孤立した石油及び天然ガスの坑井からのメタンガス排出やその他の環境への有害な影響を軽減する一助となる研究開発(R&D)プロジェクトを支援するため、最大で1,500万ドルを提供する資金提供公募(FOA)を発表した。「文書化されていない孤立した坑井」とは、運用者が不明または破産者で使用されていない坑井と定義され、管轄の規制当局のインベントリに登録されていない、または文書化が不十分な坑井である。現在、文書化されていない孤立した数十万件の坑井からメタンガスが漏出していると試算されている。エネルギー省は、「文書化されていない孤立した坑井の特性評価と修復(Undocumented Orphaned Well Characterization and Remediation)」と題するFOAの下、文書化されていない孤立した坑井に関する、①掘削孔のための先端修復技法、②坑井の特性評価、③坑井の長期モニタリング、の分野に焦点を当ててプロジェクトを募集する。 Department of Energy “DOE Announces $15 Million to Reduce Methane Emissions From the Oil and Gas Sector ” (9/13/24)

エネルギー省、ソーラー発電と貯蔵のマイクログリッド建設に7,280万ドルの融資保証

エネルギー省(Department of Energy)の融資プログラム局(Loan Programs Office: LPO)は9月13日、ソーラー発電と長期エネルギー貯蔵によるマイクログリッドの開発資金に対して7,280万ドルの融資保証を締結したと発表した。マイクログリッドは、カリフォルニア州のアルパイン近くのビエジャス居留地のキャピタン・グランデ・バンドのビエジャス(バロン・ロング)グループの部族の土地に設置される。このプロジェクトは、カリフォルニア州エネルギー委員会(California Energy Commission)のグラントや、米バンコープ・インパクト・ファイナンス社(U.S. Bancorp Impact Finance)などによる投資を受けて行われ、15メガワットの太陽光発電システムと、70メガワット時の電池長期エネルギー貯蔵システムを設置し、ビエジャス・バンド(先住民)に信頼性の高いユーティリティ規模の再生可能エネルギーの生産及び貯蔵インフラを提供する。本プロジェクトを通じて、250名の建設雇用と、8名の恒久的運用雇用が創出される見込みで、その際には部族や少数派民族、退役軍人が経営する事業者が優先される。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $72.8 Million Loan Guarantee to Build Solar-Plus-Storage Microgrid on Tribal Lands” (9/13/24)

NIH、パンデミック準備対策研究ネットワークを確立

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、人間を脅かす可能性が最も高く、優先度が高い病原体に関する研究を実施することを目的として、パンデミック準備対策研究ネットワークを確立した。効果的なワクチンとモノクローナル抗体の開発をゴールとする。現在、こうした病原体を原因とする疾病の多くは、有効なワクチンや治療方法がない。国立アレルギー・感染症研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases: NIAID)がこのプログラムへの資金として年間約1億ドルをコミットする見通しである(資金の有用性次第)。今回発表された「ワクチンとモノクローナル抗体の研究開発によるパンデミック準備対策ネットワーク(Research and Development of Vaccines and Monoclonal Antibodies for Pandemic Preparedness network: ReVAMPP)」は、人間に感染することで知られているウィルス・ファミリーの代表的な病原体である「プロトタイプ病原体」と、致死的な疾患を引き起こす可能性がある優先度の高い病原体に焦点を当てて研究を行う。アルバート・アインシュタイン医薬カレッジ(Albert Einstein College of Medicine)(ニューヨーク・シティ)、リサーチ・トライアングル研究所(Resaerch Triangle Institute)(ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク)、カリフォルニア大学アーバイン校(University of California, Irvine)など8機関が受益する。 National Institutes of Health “NIH awards establish pandemic preparedness research network” (9/13/24)

バイデン政権、貿易製品のデミニミス出荷に対処

中国で創設されたEコマース・プラットフォームを中心に、デミニミス(輸入貨物の申告額が800ドル以下の場合、関税などの措置が免除される)の悪用が急増している。こうした輸入貨物は、10年前の年間約1億4,000万個から、同10億個に急増しており、こうしたデミニミス出荷の増加は、米国の貿易法や健康と安全性に関する要件、知的財産権などを施行する上で更なる課題を呈している。こうした中、バイデン=ハリス政権は9月13日、米国の法律を執行し、米国の消費者/労働者/企業を守ることを目的とした新たな措置を複数発表した。一例として、1974年の貿易法(Trade Act of 1974)第201条もしくは第301条、もしくは1962年貿易拡大法(Trade Expansion Act of 1962)第232条の下で関税の対象となる製品を含む全ての出荷物をデミニミス例外措置から除外する規則策定案通知(Notice of Proposed Rulemaking)を発表する意向である。政権はまた、議会がデミニミス例外措置を包括的に改革する法案を可決するよう要請した。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces New Actions to Protect American Consumers, Workers, and Businesses by Cracking Down on De Minimis Shipments with Unsafe, Unfairly Traded Products” (9/13/24)

米国の電力需要は2028年までに9%上昇と予測

グローバル・コンサルティング及び技術サービス・プロバイダのICF社は9月12日、「急速な需要増の影響(The impact of rapid demand growth)」と題する報告書を発表した。今後4年間の米国内の電力需要増と潜在的なユーティリティの費用を測定及びマップ化したもので、過去数十年にわたり、比較的横ばいであった電力需要は、2028年までに平均9%増加する可能性があり、同期間における電力のピーク需要は平均5%上昇する可能性がある。頑強な米経済、建造物や輸送の電気化、電池及び燃料電池の製造、データ・センター、人工知能(AI)、暗号通貨マイニングは全て、新たな電力需要に寄与し、電力グリッドにストレスをもたらす。電力需要は全ての地域で予想されているが、成長のペースは地域によって異なる。また、ユーティリティ規模のソーラーや風力発電などの新たな電力供給資源は、理論的には予想される電力需要に対応すると考えられるが、これらの新しい資源を建設する上で大幅な課題に直面している。ICF社は、ユーティリティ企業がこうした課題に対処し、需要増の先を進めるようにするため、6件の主要な勧告を提示している。 ICF “ICF Report Projects 9% Surge in US Electricity Demand by 2028” (9/12/24)

大統領府、米国のAIインフラリーダーシップに関する円卓会議を開催

大統領府は9月12日、ハイパースケーラー、人工知能(AI)企業、データ・センター運用者、ユーティリティ企業のリーダーを招集し、米国がAIで世界をリードし続けることを確実にするためのステップについて議論した。参加者は、米国内で先端のAI運用に必要な大規模AIデータセンターと電力インフラを開発するため、クリーンエネルギーや許認可、労働力の要件に合致する戦略について検討した。また、AIにおける米国のリーダーシップを進展させる官民共同作業を加速させるため、政権はこの会合の後、次のような新たな複数の措置を発表した(一例)。①ホワイトハウスはAIデータセンター・インフラに関する新たな作業部会を立ち上げ、政府内の政策調整に取り組む、②政権は、連邦/州/地方自治体によるデータセンター許認可への技術試験を拡張する、③エネルギー省(Department of Energy)はAIデータセンター関与チームを創設し、AIデータセンター開発を支援するプログラムを活用する。 White House “Readout of White House Roundtable on U.S. Leadership in AI Infrastructure” (9/12/24)