米港湾で中国製の貨物設備がサイバーやスパイのリスクに

2つの下院委員会に所属する共和党議員が主導して1年にわたって行なわれた調査の結果、米国内の数多くの港湾で、中国の製造事業者由来の技術が含まれており、それらはスパイや妨害工作を実現する可能性があるという。調査報告書「我々の貨物の取り扱い:中国はどのようにして米国海事産業に戦略的投資を行っているか(Handling Our Cargo: How the People’s Republic of China Invests Strategically in the U.S. Maritime Industry)」によれば、中国のクレーン・メーカー、上海振華重工業有限公司(Shanghai Zhenhua Heavy Industries Company Limited: ZPMC)が、設備の監視と診断の一助になるとの理由から、港湾の運用事業者にシステムへの遠隔アクセスを提供するよう圧力をかけていることは「公然の秘密」となっている。また、スイスの多国籍エンジニアリング企業で米国防及び諜報機関と複数の契約を有するABB社がZPMCと提携していることは、こうしたリスクを悪化させる一因となっている。在米中国大使館の広報官は、報告書のこうしたファインディングを否定し、「米国は、サプライチェーンの安全保障リスクを悪化させている」と非難している。 Nextgov “Chinese-made cargo equipment enables cyber, espionage risks in US ports, congressional probe finds” (9/12/24)

フォード社、サザン・カリフォルニア・エジソン社の緊急DRプログラムに参加

フォード自動車(Ford)の一部の電気自動車(EV)の所有者は、サザン・カリフォルニア・エジソン社(Southern California Edison: SCE)による緊急負荷軽減プログラム(Emergency Load Reduction Program: ELRP)に参加し、グリッドのピーク需要時の充電を削減することが可能となる。両社が9月10日に発表した。フォード社は、SCEによるELRPへの消費者参加を促す米主要自動車メーカーとしては初の参加となる。SCEの社長兼CEOのスティーブ・パウエル氏(Steve Powell)は、「電力業界は、自動車からグリッドへの統合の利点を活用するインフラ及びシステムの準備を進めており、あらゆる関係機関による多くの取り組みがそれを現実のものにしつつある。フォード社によるELRPへの支援は、EVがグリッドの対応力をどのように高めることができるかを示すであろう」と述べる。カリフォルニア州の規制当局は2021年に、輪番停電を回避する一助として新たな需要応答手法のパイロット・プログラムを開始した。州内の大手ユーティリティ機関3社がこれを管理し、エネルギー消費の削減に取り組む消費者にお金を支払う仕組みになっている。 Utility Dive “Ford is first US automaker to participate in Southern California Edison’s emergency DR program” (9/12/24)

アイデアラボ・プロジェクト、歴史的に黒人向けの大学における研究能力を進展

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、米国内で歴史的に黒人向けの大学(historically Black colleges and universities: HBCU)における研究能力のニーズを評価し、これに対処し、研究施設へのアクセスを高め、人的資本を構築することに取り組む10件のアイデア・ラボ(Ideas Lab)プロジェクトに1,050万ドルを提供する。受益プロジェクトは、NSFの「アイデア・ラボ:探究とイノベーションを通じたHBCUにおける研究能力の進展(Advancing Research Capacity at HBCUs through Exploration and Innovation: ARC-HBCU)」プログラムの下で資金を受け、HBCUにおけるSTEMの学際的研究を促進する持続可能なネットワークの協調的な構築に取り組む。「初となるNSF ARC-HBCUアイデア・ラボは、HBCUにおける人材を結びつけ、研究ネットワークを構築することで、HBCUにおける最も重要な研究ニーズに関する統合的かつ協調的なビジョンを更に進展させる」と、NSFのセスラマン・パンチャナサン長官(Sethuraman Panchanathan)は語った。 National Science Foundation “Ideas Labs to advance research capacity at the nation’s historically Black colleges and universities” (9/12/24)

GAO、国際インフラ・プロジェクトについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月12日、「国際インフラ・プロジェクト:中国の投資は米国のそれを大幅に上回る。専門家は米国の手法に潜在的な改善策を提案(International Infrastructure Projects: China’s Investments Significantly Outpace the U.S., and Experts Suggest Potential Improvements to the U.S. Approach)」と題する報告書を発表した。中国による「ベルト及びロード・イニシアチブ(Belt and Road Initiative:BRI)」は、世界最大のインフラ資金拠出プログラムで、世界中の道路、港湾、その他のプロジェクトに資金を提供し、中国の影響力を拡大している。GAOによれば、①2013-2021年に中国は輸送/エネルギー/その他3部門のインフラ・プロジェクトに6,790億ドルを提供し、米国は同部門に760億ドルを提供している、②中国のインフラ・プロジェクトは受入国に一定の恩恵をもたらすが、持続不可能な債務やその他の問題をもたらしている。こうした中、専門家は、米国の国際インフラ努力における課題に対処するいくつかの選択肢を提案している(一例として、戦略的調整の向上など)。 Government Accountability Office “International Infrastructure Projects: China’s Investments Significantly Outpace the U.S., and Experts Suggest Potential Improvements to the U.S. Approach” (9/12/24)

米国発電部門、天然ガス火力発電所での水素との混焼を模索

温室効果ガス排出の削減を狙いとした政策が進められる中、少数の天然ガス火力発電所の運用者は、燃料に水素を統合する初期のステップを取り始めている。水素は、燃焼による二酸化炭素の排出が発生しない。一部の天然ガス発電所は、①既存の施設での水素との混焼、②既存のタービンを改良して天然ガスと水素の混合を使用できるようにする、③新たな天然ガス発電所を建設する際に、天然ガスと水素の混合を使用できる能力を含める、のいずれかのステップを取り入れた計画を実施または発表している。水素と天然ガスの混合を燃焼して発電するプロセスは「混焼(cofiring)」として知られる。混合される水素の量の割合が増えると、二酸化炭素の排出は減少するが、水素のエネルギー密度は天然ガスよりも低いため、二酸化炭素の減少率の伸びは遅くなる。 Energy Information Administration “U.S. electric power sector explores hydrogen cofiring at natural gas-fired plants” (9/12/24)

NREL、水力発電所のサイバーセキュリティに関するリスク枠組み2.0版を発表

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は、「サイバーセキュリティ・リスク価値の枠組み(Cybersecurity Value-at-Risk Framework: CVF)」の2.0版を発表した。CVFは、水力発電所の所有者及び運用者が施設のサイバーセキュリティ・リスクを評価し、健全なサイバーセキュリティ投資判断を行うことを支援する、無料で利用できる公共のツールである。業界関係者からのフィードバック情報を基に作成された2.0版は、複数の施設におけるサイバーセキュリティを評価及び改良し、資産のより良い視覚化を可能にする先端ツールを提供している。NRELのCVFチームは現在、今後の改良に取り組んでおり、それにはツールのリスク価値スコア(施設のリスク・レベルを測定し、サイバーセキュリティ改善に必要な資源の数と種類を提示する)を経済的価値に転換することが含まれる。 National Renewable Energy Laboratory “Advanced Hydropower Cybersecurity: Introducing the Cybersecurity Value-at-Risk Framework 2.0” (9/12/24)

運輸省、中・大型のEV充電技術とインフラのニーズについて情報要請

運輸省(Department of Transportation)の連邦高速道路局(Federal Highway Administration: FHWA)とエネルギー/輸送合同局(Joint Office of Energy and Transportation: Joint Office(合同局))は9月12日、中型・大型の電気自動車(EV)充電技術とインフラのニーズについて関係機関からの情報を求める「情報の要請(Request for Information: RFI)」を発表した。RFIは、中型・大型のEVを支援する4つの分野で情報を要請している。具体的には、①独自のEV充電器とスタンドのニーズ、②自動車の充電パターン、③充電技術及び標準、④運輸省の特定車両クラスにおける中型・大型車(配達用版、スクールバス、消防車など)のEV充電に関する労働力とサプライチェーンと製造、の4点。 Joint Office of Energy and Transportation “Biden-Harris Administration Announces Request for Information about EV Charging Technologies and Infrastructure Needs of Medium- and Heavy-Duty Vehicles” (9/12/24)

国土安全保障省、米英豪サプライチェーン対応力協力グループを立ち上げ

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)、英国のビジネス及び貿易省(Department for Business and Trade)、オーストラリアの産業科学資源省(Department of Industry, Science, and Resources)は先般、重要サプライチェーンに対する脅威への対策努力を強化することを目的として、米英豪によるサプライチェーン対応力協力グループ(Supply Chain Resilience Cooperation Group: SCRCG)を創設した。SCRCGは、通信部門に焦点を当てた早期警告パイロット・プログラムを開発する他、同部門の脆弱性に関する世界的な理解を強化すること、この情報を共有し、混乱への協調的な応答を促進することを目的とした通信チャンネルの開発に取り組む。英国とオーストラリアは、DHSのサプライチェーン対応力センター(Supply Chain Resilience Center)との協力を、覚書を通じて正式化した最初の国である。同センターは2023年に設立され、連邦のパートナーや民間の関係機関と共にサプライチェーンの脆弱性を分析し、潜在的な混乱を軽減し、重要物資を米国民へ確実に届けることに取り組んでいる。 Department of Homeland Security “DHS Establishes United States-United Kingdom-Australia Supply Chain Resilience Cooperation Group (SCRCG) to Tackle Supply Chain Threats” (9/12/24)

国防総省、インディアナ州でマイクロエレクトロニクス教育と労働力訓練を向上

国防総省(Department of Defense)は先般、非営利組織の地域機会イニシアチブ社(Regional Opportunity Initiatives, Inc.: ROI)との間で、インディアア州におけるマイクロエレクトロニクスに焦点を当てた教育訓練センターの創設及び向上を目的として3年間で950万ドルを提供するアワードを発表した。この官民努力を通じて、マイクロエレクトロニクス生産強化のニーズに対処し、技能を有するマイクロエレクトロニクス労働力の重大な不足問題に対応する。本アワードは、国防総省の産業基盤分析・維持(Industrial Base Analysis and Sustainment: IBAS)プログラムのコーナーストーン代替契約権限(Cornerstone Other Transaction Agreement: COTA)を通じて実施される。ROIは、小中高校、高等教育、雇用主、その他の機関と密接に協力して、地域における先端マイクロエレクトロニクスの専門性とエコシステムの開発及び強化に取り組む。 Department of Defense “DOD Improves Microelectronics Education and Workforce Training in Indiana” (9/12/24)

エネルギー省、国内ソーラーサプライチェーン支援に4,000万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月12日、ソーラーエネルギーのサプライチェーン全般への投資として4,000万ドルを発表した。以下で構成される。①「太陽光発電のマテリアルと運用とリサイクリング(Materials, Operation, and Recycling of Photovoltaics: MORE PV)」資金提供プログラムの下、4件のプロジェクトを選出。太陽光発電(PV)システムの寿命を延ばし、システム解体後のマテリアル回収を促進することで持続可能性の向上に取り組むプログラム。1,600万ドルが提供される。②「米国製 インバーター及びモジュールのエコラベル登録推進プライズ(American Made Promoting Registration of Inverters and Modules with Ecolabel (PRIME) Prize)」の開始(300万ドル)を発表。グローバル・エレクトロニクス・カウンシル(Global Electronics Council)のエレクトロニクス製品環境評価ツール(Electronic Product Environmental Assessment Tool: EPEAT)のエコラベル標準を通じたモジュール及びインバーター製品の登録を意欲付けるプライズ。③「ソーラー・モジュール及びソーラー・ハードウェア・インキュベーター(Solar Module and Solar Hardware Incubator)」の新たな資金提供に関する意向通知を発表。革新的なソーラー・モジュール技術の進展と、ソーラー・ハードウェアのリスク軽減の研究開発実証プロジェクトに最大2,000万ドルを提供予定。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $40 Million to Support a Domestic Solar Supply Chain” (9/12/24)